「職歴がないのに、職務経歴書に何を書けばいいのだろう」「アルバイトしかしていない自分でも出してよいのかな」と手が止まっていませんか。職務経歴書は様式が自由な書類なので、正社員の経験がなくても、自分の経験を応募先の仕事に結びつけて書くことができます。提出が必要な場面の見分け方から、項目別の書き方、状況別の例文までを順に解説します。

職歴欄が埋まらないと不安になりますよね。でも職務経歴書は経験の長さを競う書類ではないので、今ある材料を整理するところから一緒に始めましょう。
既卒に職務経歴書は必要?応募の種類ごとの判断基準
- 提出の指定があれば職歴なしでも用意する
- 新卒枠は募集要項で指定された書類に合わせる
- 履歴書より詳しく仕事の中身を伝える書類と考える
既卒の職務経歴書が必要かどうかは、経歴ではなく応募先の指定で決まります。ここでは応募の種類ごとの判断基準と、履歴書との役割の違いを確認していきましょう。
募集要項に「職務経歴書」とあれば職歴なしでも提出する
求人の応募書類に職務経歴書が含まれているなら、職歴がなくても作成して提出するのが基本です。ハローワークインターネットサービスでも、履歴書に加えて職務経歴書を求められることが多くなっていると案内されています。
「職歴がないから出さなくていいだろう」と自己判断すると、書類がそろっていない応募として扱われるおそれがあります。正社員の経験がなければその事実を前提に、アルバイトや勉強の内容を中心にした1枚を用意すると考えれば、作る内容が見えてきます。
新卒枠の応募は募集要項で指定された書類に合わせる
既卒でも新卒枠に応募できる場合は、提出書類もその募集の指定に合わせます。厚生労働省は卒業後3年以内の既卒者を新卒枠で受け付けるよう事業主に呼びかけるリーフレットを出していますが、これは努力を求めるものなので、応募できるかどうかは企業ごとに確認が必要です。
新卒枠では履歴書やエントリーシートを指定する企業もあれば、別の書類を求める企業もあります。指定にない書類を無理に足すよりも、募集要項に書かれた書類を丁寧に仕上げることを優先し、判断に迷う場合は採用担当者に確認しましょう。
既卒者が新卒枠でどこまで応募できるのかは、以下の記事で条件を詳しく解説しています。
既卒可の中途求人は職務経歴書を準備しておくと動きやすい
既卒の就職活動では、新卒枠だけでなく、未経験歓迎や既卒可の中途求人に応募することも多いはずです。中途採用の書類では職務経歴書が指定されることがあるため、応募を始める前に土台を1つ作っておくと、気になる求人が出たときにすぐ動けます。
指定がない求人でも、経験や意欲を履歴書の欄だけでは伝えきれないと感じるなら、提出してよいか企業に確認したうえで添える方法もあります。一方で「履歴書のみ」と明記されている場合は、指定どおりに応募するのが無難です。土台を作っておけば、面接の準備にも流用できます。
履歴書は経歴の一覧、職務経歴書は仕事の中身を伝える書類
履歴書は学歴や職歴、資格といった経歴を決まった欄で示す書類で、職務経歴書はその中身を詳しく説明する書類です。厚生労働省の職務経歴書の作り方でも、履歴書の内容をそのまま写すのではなく、書ききれなかった内容を補って詳しく書くことが求められています。
たとえば履歴書に「飲食店でアルバイト」と書いたなら、職務経歴書では担当した業務や任された役割、工夫したことまで掘り下げます。同じ経歴でも、一歩深い情報を書くことを意識すると、2つの書類の役割がはっきり分かれます。
履歴書側の学歴欄や職歴欄の書き方については、以下の記事を参考にしてください。

提出するかどうかで迷ったら、まず募集要項を見るのが一番早いですよ。次は書類の基本ルールを押さえていきましょう。
既卒の職務経歴書の基本ルール|形式と必須項目
- A4縦1〜2枚をパソコンで作るのが一般的
- 標題・氏名・日付・職務経歴は外さない
- 迷ったら古い経歴から順に並べる編年体式を選ぶ
既卒の職務経歴書は様式が自由ですが、自由だからこそ見やすさがそのまま評価につながります。ここでは形式と項目、書き方のルールを整理して紹介します。
A4縦1〜2枚をパソコンで横書きにするのが一般的
職務経歴書は、A4縦サイズ1〜2枚程度をパソコンで横書きにして作るのが一般的で、手書きの場合は黒のボールペンなどを使います。厚生労働省の職務経歴書の作り方では、本文の文字の大きさは10.5〜12ポイント程度が目安とされています。
職歴が少ない既卒の場合、無理に2枚へ伸ばす必要はありません。内容の濃い1枚にまとめて余白を十分にとるほうが、読みやすさが伝わります。見出しを太字にしたり番号を振ったりしてメリハリをつけると、採用担当者が要点を拾いやすい書類になります。
標題・氏名・日付・職務経歴の4つは外さない
記載する項目は基本的に自由ですが、厚生労働省の職務経歴書の作り方では、冒頭の標題、氏名、日付、そして職務経歴の4つは必須とされています。これに活かせる能力、資格、パソコンスキル、自己PR、志望動機などを、自分の強みが伝わる順番で組み合わせていきます。
職歴がない人が迷いやすいのは職務経歴の欄ですが、空欄にするのではなく、「卒業後は就職活動に取り組み、現在に至る」のように今の状況を事実で書くことで埋められます。そのうえで自己PRや活かせる能力に紙面を多めに割くと、全体のバランスが整います。
職務経歴は古い順に並べる編年体式から選ぶ
職務経歴の並べ方には、古いものから書く編年体式、新しいものから書く逆編年体式、職務の種類ごとにまとめるキャリア式などがあります。どれを選ぶか分からないときは編年体式にするとよいとされているので、アルバイト経験が少ない既卒の人も、まずはこの形で問題ありません。
アルバイトをいくつも経験していて内容が似ている場合は、職種ごとにまとめる形にすると読みやすくなります。その場合は時系列が分かりにくくならないよう、勤務先と期間の一覧を別に添えると親切です。どの形式でも、経歴の順序に矛盾が出ないよう確認しておきましょう。
文末は体言止め、年号と名称は統一する
職務経歴の文は「〜を担当」「〜に従事」のように名詞で終える書き方が基本で、自己PRや志望動機のように思いを伝える欄は「です・ます」で書くと自然です。年号は和暦か西暦のどちらかにそろえ、会社名や資格名は略さず正式名称で書きましょう。
細かな点に見えますが、書類の丁寧さは仕事の丁寧さとして受け取られやすい部分です。職歴が少ない既卒にとっては、誤字がなく表記がそろっていること自体がアピールになります。書き終えたら声に出して読み返し、パソコン作成なら印刷して見え方も確かめておくと安心です。

形式が整うだけで書類の印象はかなり変わります。次は、職歴がなくても書ける材料を探していきましょう。
職歴なしの既卒が職務経歴書に書ける5つの材料
- 職歴以外にもアピールの材料はある
- アルバイト・学び・勉強中の分野は事実として書ける
- 性格や意欲は具体的な行動とセットで書く
職務経歴書に書くことがないと感じる既卒の人でも、振り返ると書ける材料は見つかります。厚生労働省の資料でも職歴以外の材料が示されているので、ここでは5つに整理して紹介します。

図の5つは、厚生労働省「職務経歴書の作り方」で示されている、職歴や資格に自信がない場合のアピール材料をもとに整理したものです。
アルバイト経験|応募職種に近い業務を選ぶ
最も書きやすい材料は、在学中も含めたアルバイト経験です。正社員の経験ではなくても、実際に働いて任された業務は事実として書けますし、応募職種と関連があれば仕事への理解を示す材料になります。短期のものでも、応募先と結びつくなら候補に入れましょう。
すべてを同じ分量で書くより、応募先に近い経験を厚く書くのがコツです。営業職なら接客や提案の経験、事務職ならデータ入力や電話対応のように、応募先の仕事内容と重なる部分を探して選びます。アルバイト経験の掘り下げ方については、以下の記事で詳しく解説しています。
訓練・研修や学校での学び|仕事に近い内容を書く
職業訓練や研修を受けた経験、大学や専門学校で学んだ内容も、職務経歴書に書ける材料です。卒業論文やゼミの研究、授業で使ったソフトなどは、何を学び、どのように進めたのかを書くと、学ぶ姿勢や課題への取り組み方を伝えられます。
ただし、専門用語を並べただけでは採用担当者に内容が伝わりません。調べる、まとめる、人に説明するといった仕事にも通じる行動に言い換えると、応募先との接点が見えてきます。学業とは別に続けたサークル活動やボランティアなども、役割があれば材料として使えます。
いま勉強している分野|進み具合まで書く
卒業後に資格の勉強やパソコンの練習に取り組んでいるなら、現在進行形の努力として書けます。取得前の資格でも「〇〇の取得に向けて勉強中」と書けば、応募先に関心を持って動いていることが伝わるため、職歴がない人には特に有効な材料です。
説得力を持たせるには、学習の量や進み具合を具体的に添えることが大切です。「毎日1時間、問題集を解いている」「来月の試験を受験予定」のように書けば、意欲を言葉だけでなく行動で示せます。一方で、実際には取り組んでいない勉強を書くと面接で答えに詰まるので、事実の範囲に絞りましょう。
性格や行動の特徴|エピソードとセットで書く
積極性や粘り強さ、協調性、責任感といった特徴も、自分の強みとして書くことができます。職歴がない既卒にとっては、経験そのものより「どのように行動する人か」を伝えることが、採用担当者の判断材料になりやすいからです。
ただ「責任感があります」と書くだけでは、誰にでも当てはまる言葉になってしまいます。部活動やアルバイト、日常の習慣の中で実際にとった行動を1つ添えると、その人らしさが伝わる文章に変わります。強みがすぐに思いつかない場合は、周囲の人に自分の長所を聞いてみるのも1つの方法です。
仕事への姿勢と将来の目標|応募先での貢献につなげる
どのように頑張りたいのか、入社後にどう成長したいのかといった姿勢や目標も、職務経歴書に書ける材料です。未経験の応募では今できることに限りがあるぶん、これから伸びていく見込みを感じてもらえるかどうかが重要になります。
目標は「成長したいです」で終わらせず、応募先の仕事に引き寄せて書きましょう。「まずは基礎業務を確実に覚え、数年後には後輩に教えられる立場を目指す」のように、入社後の姿を段階で示すと現実味が増します。求人票や企業サイトを読み、仕事内容に合わせて書き分けることが欠かせません。

「何もない」と思っていた人ほど、書き出すと材料が出てくるものです。集めた材料を書類にまとめる手順を見ていきましょう。
既卒の職務経歴書を作る4ステップ
- 最初に経験を時系列で書き出す
- 応募先が求める人物像を先に調べる
- 面接で聞かれる前提で読み返す
既卒の職務経歴書は、いきなり書き始めるよりも、材料を整理してから形にするほうが早く仕上がります。ここでは書き出しから見直しまでの流れを、4つのステップで解説します。

ステップ1|卒業後から今までの経験を時系列で書き出す
最初に、在学中のアルバイトから卒業後の過ごし方までを、時系列で紙やメモに書き出します。この段階では応募先のことは考えず、勤務先、期間、担当した業務、学んだこと、取り組んだ勉強や活動を、小さなことも含めて並べていきましょう。
書き出してみると、自分では当たり前だと思っていた業務の中に、人に任されていたことや工夫していたことが見つかります。経験が少ないと感じる人ほど、この工程に時間をかけると後が楽になります。書き出したメモは他の企業に応募するときにも使えるので、捨てずに残しておきましょう。
ステップ2|経験から自分の強みを言葉にする
次に、書き出した経験を見ながら、どのような場面で自分の力が発揮されたのかを考えます。褒められたこと、続けられたこと、苦にならなかったことに注目すると、「丁寧に確認できる」「初対面の人とも話せる」といった強みを言葉にしやすくなります。
強みは1つか2つに絞り、それぞれに裏づけとなる出来事を結びつけておきましょう。厚生労働省の職務経歴書の作り方でも、経験を振り返ることで自分の長所に気づき、自己PRの材料が整理できる効果が挙げられています。この整理が済んでいると、面接での受け答えにも活かせます。
ステップ3|応募先が求めることを求人票から読み取る
強みが整理できたら、求人票や企業サイトから、応募先がどのような人を求めているのかを読み取ります。応募条件を確認し、仕事内容の中で自分の経験や強みが活きそうな部分に印をつけていくと、書類で重点を置く内容が絞られていきます。
職務経歴書は応募先の知りたいことに応じて書く書類で、厚生労働省の職務経歴書の作り方でも、同じ内容を複数の企業に使い回すのは適当ではないとされています。土台は共通でも、自己PRと志望動機は応募先ごとに書き換えるようにしましょう。応募先への理解が伝わるかどうかで、書類の説得力は大きく変わります。
ステップ4|項目を選んで書き、面接を想定して読み返す
最後に、これまでの整理をもとに項目を選んで書き上げます。職歴が少ないなら、職務経歴をコンパクトにして活かせる能力や自己PRを手厚くするなど、自分が一番伝えたい内容が目立つ構成にするとよいでしょう。書き終えたら誤字脱字がないかも点検します。
面接では提出した書類の内容をもとに質問されることが多いため、書いた内容すべてについて、理由やエピソードを話せるかを確かめてください。提出した書類はコピーを保管し、面接の前に読み返しておくと、書類と話の内容が食い違う心配を減らせます。

ここまでできれば書類の骨組みは完成です。次は項目ごとの書き方を例文つきで見ていきますね。
既卒の職務経歴書の書き方|項目別のポイント
- 職務要約は3行ほどで今の状況まで伝える
- 職務経歴は業務・役割・工夫の順に書く
- 自己PRと志望動機は応募先に結びつける
既卒の職務経歴書で主に書くことになる項目は、職務要約、職務経歴、活かせる能力、自己PR、志望動機の5つです。ここでは、それぞれに何を書けばよいのかを順に解説します。
職務要約|経歴の全体像を3行ほどで伝える
職務要約は書類の冒頭に置き、卒業から現在までの流れを3行ほどでまとめる欄です。採用担当者が最初に読む部分なので、卒業年、アルバイトなどの経験、現在の活動、これからの希望を短くつなげ、全体像がひと目で分かるようにしましょう。
職歴がない場合も、学校を卒業したあとに何をしてきたのかを事実で書けば十分です。「職歴なし」とだけ書くよりも、卒業後に取り組んできたことと正社員を目指す理由を添えたほうが、前向きな印象につながります。長く書きすぎず、詳しい内容は後の項目に回しましょう。
職務経歴|業務・役割・工夫の順で書く
アルバイト経験がある場合は、勤務先名、期間、雇用形態を書いたうえで、担当業務、任された役割、工夫したことの順に書くと整理しやすくなります。アルバイトであることを隠す必要はなく、雇用形態をはっきり示したほうが採用担当者にも誤解を与えません。
「接客を担当」の一言で終わらせず、1日の来店数や担当人数など、規模が分かる数字を入れると仕事の様子が具体的に伝わります。ただし数字は覚えている範囲の事実に限り、確かでない場合は「約」をつけるなどしましょう。アルバイト経験がない人は、職務経歴の欄に卒業後の状況を簡潔に書きます。
活かせる能力|使えるものを具体名で書く
活かせる能力の欄には、資格、パソコンスキル、語学力など、応募先で使えるものを具体的に書きます。パソコンであれば「Excelで関数を使った集計ができる」「Wordで文書を作成できる」のように、ソフト名とできる作業を組み合わせると実力が伝わりやすくなります。
資格は応募先に関係のあるものを中心に、取得年月と正式名称で記載します。普通自動車免許のように業務で使う可能性があるものも、営業職などでは役立つ情報です。資格がなくても、日常的に行ってきた作業を書けば、この欄は十分に埋められます。
自己PR|強み・根拠・活かし方の順に書く
自己PRは、職歴が少ない既卒にとって最も力を入れたい欄です。はじめに強みを一言で示し、次にその強みが表れた出来事を説明して、最後に応募先でどう活かすのかを書く順番にすると、読み手が流れを追いやすい文章になります。
履歴書と同じ文章を貼りつけるのではなく、同じ強みでも、職務経歴書では出来事をより詳しく書くと役割を分けられます。長くなりすぎない分量で、応募先の仕事内容を意識した言葉を選びましょう。内容に迷うときは、次の例文の形を自分の経験に置き換えると書き進めやすくなります。
志望動機|未経験でも応募する理由を説明する
志望動機を職務経歴書に入れる場合は、履歴書より具体的に、応募先を選んだ理由を書きます。厚生労働省の職務経歴書の作り方でも示されているとおり、異なる職種への応募は一般的に未経験者として扱われるため、なぜその仕事を選ぶのか、仕事内容を理解しているか、こなせる適性があるのかの3点を説明しましょう。
この3点がそろうと、職歴がなくても「仕事を理解して応募している人」と受け取ってもらいやすくなります。応募先ならではの事業や取り組みに触れることも忘れないようにしましょう。既卒の志望動機の組み立て方は、以下の記事で例文とともに紹介しています。

項目が多く見えますが、核になるのは自己PRです。ここからは状況別の例文を見ながら、自分の言葉に置き換えてみてください。
既卒の職務経歴書の例文|職歴なし・アルバイトのみの状況別
- 卒業後にアルバイトを続けた人は業務と工夫を書く
- 在学中のアルバイトだけでも職務経歴の材料になる
- 働いた経験がない人は学びと適性を中心に書く
既卒の職務経歴書は、卒業後の過ごし方によって力を入れる項目が変わります。ここでは状況別に4つの例文を紹介するので、会社名や期間、数字を自分の事実に置き換えて使ってください。
例文1|卒業後にアルバイトを続けてきた場合
卒業後もアルバイトを続けてきた人は、その経験が職務経歴の中心になります。雇用形態を明記したうえで、担当業務に加えて、新人への指導や発注など、経験を重ねて任された役割を書くと、責任を持って働いてきたことが伝わります。
以下は、カフェのアルバイトから営業職に応募する場合の例です。業務を並べるだけでなく、工夫した内容と周囲の変化をセットで書くと、応募先でも同じように動ける人だと想像してもらいやすくなります。
【職務要約】20XX年3月に〇〇大学を卒業後、カフェのアルバイトスタッフとして接客と新人指導を担当してまいりました。お客様と直接話す仕事を通じて提案の面白さを感じ、営業職として正社員で働くことを志望しております。
【職務経歴】
20XX年4月〜現在 株式会社〇〇 〇〇店(アルバイト)
・接客、レジ、ドリンク提供を担当
・新人スタッフ3名の指導を担当
・季節商品のおすすめの声かけを店舗内で提案
例文2|在学中のアルバイト経験しかない場合
卒業後は働いていなくても、在学中のアルバイトは経験として書けます。「学生時代から通算〇年」のように期間を示したうえで、継続して働いたことや任された仕事を書けば、職歴がなくても働く姿勢を伝えられます。
この場合は、卒業後の過ごし方も短く添えて流れをつなげることが大切です。以下は学習塾の受付アルバイトの経験を持つ人が、事務職に応募する場合の例です。卒業後に取り組んでいることを現在形で書くと、活動が止まっていない印象を与えられます。
【職務経歴】
20XX年4月〜20XX年3月 〇〇学習塾(アルバイト・在学中)
・受付、電話対応、生徒の出欠管理を担当
・保護者向けお知らせ文書の作成補助
20XX年4月〜現在 就職活動のかたわら、事務職に向けてExcelの学習に取り組む
例文3|アルバイトも含めて働いた経験がない場合
働いた経験がない場合は、職務経歴の欄を短くまとめ、学校での取り組みと自己PRを中心に構成します。正直に事実を書いたうえで、学校で力を入れたことや卒業後に続けていることから、仕事に活かせる行動や適性を示していきましょう。
以下はゼミの活動を材料にして、事務職に応募する場合の例です。経験がないことを謝る文章にはせず、これまでの取り組みから応募先で活かせることを書く形にしています。働き始めたい理由も、自分の言葉で添えておくと説得力が高まります。
【職務経歴】
20XX年3月に〇〇大学〇〇学部を卒業後、就職活動に取り組み現在に至る。
【自己PR】私の強みは、地道に確認を重ねて物事を進められることです。ゼミでは班の調査データの集計を担当し、入力ミスを防ぐために2人で読み合わせる方法を提案して、発表まで作業を続けました。貴社の事務職でも、正確さが求められる業務で丁寧に確認を重ね、一日も早く戦力になりたいと考えております。
例文4|資格の勉強を続けてきた場合
公務員試験や資格の勉強に時間を使ってきた人は、その期間に取り組んだことをそのまま書けます。結果が出ていない場合でも、学習の継続を書いたうえで、なぜ民間企業の正社員に方向を変えたのかを説明できるようにしておくと、話の筋が通ります。
以下は簿記の勉強を続けてきた人が経理職に応募する場合の例です。学んだ知識が応募職種とつながっていることを明確に示すのがポイントです。合格していない資格は取得済みと誤解されないよう、勉強中と分かる書き方にしてください。
【職務要約】20XX年3月に〇〇大学を卒業後、経理の仕事に就くことを目標に簿記の勉強を続けてまいりました。現在は日商簿記2級の取得に向けて学習しながら、経理職での就職を目指しております。
【活かせる能力】
・日商簿記3級(20XX年X月取得)
・日商簿記2級の取得に向けて学習中
・Excel(表の作成、基本的な関数を用いた集計)

例文はあくまで型なので、そのまま使わず自分の経験に置き換えてくださいね。次は卒業後の空白期間の書き方を確認しましょう。
卒業後の空白期間は既卒の職務経歴書にどう書く?
- 空白期間は事実を短く書いて隠さない
- 就職活動や勉強は取り組みとして書ける
- 働かなかった時期は今の行動で補う
既卒の職務経歴書で気になりやすいのが、卒業後に何もしていないように見える期間です。ここでは過ごし方別に、書類で空白期間をどう扱えばよいのかを解説します。
就職活動を続けていた期間は取り組みとして書く
卒業後も就職活動を続けていた期間は、空白ではなく活動していた時期として書けます。「卒業後は〇〇業界を中心に就職活動に取り組む」のように一文を入れておけば、経歴の流れがつながり、採用担当者が期間の意味を判断しやすくなります。
面接では、なぜ在学中に決まらなかったのかを聞かれることも考えられます。そのときに他責の説明にならないよう、活動を振り返って変えたことを話せるように準備しておきましょう。業界の絞り方や応募の進め方を見直した経験は、考えて動ける人であることの証明になります。
療養や家庭の事情がある場合は働ける状況を伝える
療養や家族の介護などで働けない期間があった場合、詳しい事情まで書類に書く必要はありません。事情を簡潔に示したうえで、現在は働ける状態にあることを添えれば、採用担当者が気にする「入社後に問題なく働けるか」という点に答えられます。
健康面や家庭のことは個人的な内容なので、書きたくない部分まで説明しようとしなくても大丈夫です。一方で、業務に影響する配慮が必要な場合は、入社後に困らないよう、伝える内容とタイミングを考えておくことが大切です。迷う場合は、就職支援の相談窓口で確認してみましょう。
特に何もしていなかった期間は今の行動で補う
特に理由なく過ごしてしまった期間があると、書類に書きづらいと感じるものです。ただ、架空の活動を書くと面接で話のつじつまが合わなくなるおそれがあるので、取り繕うより、そこから何を考えて就職を決めたのかを整理しましょう。
過去の期間は変えられませんが、今日からの行動は書類に書くことができます。資格の勉強やパソコンの練習など、応募先につながる行動を始めて現在形で書くことで、空白期間の印象を補えます。空白期間の長さ別の伝え方については、以下の記事で詳しく解説しています。

空白があること自体より、どう向き合っているかが見られていますよ。最後に、やりがちな失敗を確認しておきましょう。
既卒の職務経歴書で避けたい書き方
- 経歴を盛ると面接で矛盾が出やすい
- 「職歴なし」の一言で終わらせない
- 履歴書の丸写しや使い回しは避ける
既卒の職務経歴書は、内容の少なさより、書き方の失敗で評価を落としてしまうことがあります。ここでは特に避けたい3つの書き方と、その直し方を紹介します。
経歴を盛る・アルバイトを正社員のように書く
職歴が少ないと、期間を長く書いたり、アルバイトを正社員のように見せたりしたくなるかもしれません。しかし事実と異なる内容を書くと、面接の質問で矛盾が出やすいうえ、発覚すれば信頼を失い、内定や入社後の立場に影響するおそれもあります。
経験は小さくても、事実を具体的に書くほうが評価につながります。立場は「アルバイト」と明記したうえで、どんな業務を任され、どう工夫したのかで勝負するのが基本です。書類に書いた内容は面接で深く聞かれることを前提に、説明できることだけを書きましょう。
「職歴なし」の一言で終わらせてしまう
職歴がないからといって「職歴なし」と書いただけで書類を終えると、書く気がないように見えてしまいます。職務経歴書は自分を売り込むための書類なので、事実を書いたあとに、これまでの取り組みや強みを続けて書くことが欠かせません。
また、経験のなさを「何も経験がなく申し訳ありません」と謝る文章にする必要もありません。職歴がない事実は変えられないので、これから何ができるのかに紙面を使うほうが、読む側にとっても判断材料になります。書き終えたら、前向きな内容が中心になっているか見直しましょう。
履歴書の丸写しや同じ内容の使い回し
履歴書と同じ内容を書き写しただけの職務経歴書では、もう1枚提出する意味が薄れてしまいます。また、どの企業にも同じ文面を送ると、応募先の仕事に合わない内容が混ざり、「自社のことを調べていないのではないか」と受け取られるかもしれません。
直し方はシンプルで、履歴書に書いた経験を1つ選んで掘り下げ、応募先に合わせて書き換えることです。自己PRの最後の一文だけでも、応募先の仕事内容に合わせて変えると、印象は変わります。応募先ごとにファイル名を分けて管理すると、提出先を間違える心配も減らせます。

一人で書くと、自分の強みに気づきにくいこともあります。次は、書類に迷ったときの相談先を紹介しますね。
既卒の職務経歴書を一人で仕上げられないときの相談先
- ハローワークでは書類の添削アドバイスも行っている
- 若手向けの転職エージェントに就職全体を相談できる
- 完成度にこだわりすぎず応募しながら直していく
既卒の職務経歴書は、一人で考えていると手が止まりやすい書類です。ここでは、書類づくりや就職活動について相談できる先と、活用するときの考え方を紹介します。
ハローワークの窓口とセミナーを利用する
公的な窓口を使いたい人は、ハローワークに相談してみましょう。ハローワークインターネットサービスによると、ハローワークでは履歴書や職務経歴書の書き方、面接の受け方などのセミナーを開催しており、職業相談窓口では書類の添削アドバイスも行っています。
同じページでは、職務経歴書の作成に使えるパンフレットやワークブックも公開されています。自分の経験を書き込みながら整理できるので、何から手をつければよいか分からない人の最初の一歩として役立ちます。窓口に行く前に書き出しておくと、相談もスムーズに進みます。
若手向けの転職エージェントに相談する
書類だけでなく、どの仕事を目指すかから相談したい人は、若手向けの転職エージェントを利用する方法もあります。キャリアアドバイザーに経歴や希望を話すことで、自分では思いつかなかった職種や、未経験から応募できる求人を知るきっかけになります。
キャリアスタートは、第二新卒・既卒の方の転職を相談できる若手向けの転職エージェントで、キャリアアドバイザーへの相談から仕事の紹介、面接対策まで進められます。職歴がなくてどこから始めればよいか迷っている人は、一度話を聞いてみてください。
完璧を待たずに応募しながら書類を直す
職務経歴書は、最初から完璧に仕上げなくても構いません。書類を整えることに時間をかけすぎると、応募の機会を逃してしまうこともあるので、ある程度形になった段階で応募を始め、選考の結果や面接で聞かれた内容をもとに直していくほうが現実的です。
面接で話が広がった部分は採用担当者が関心を持った内容なので、書類でももう少し詳しく書くとよいでしょう。応募と見直しを繰り返すことで、書類の精度は上がっていきます。面接で職務経歴書の内容を聞かれたときの答え方は、以下の記事を参考に準備しておくと安心です。

書類は応募しながら育てていけば大丈夫です。最後に、よくある質問をまとめて確認しましょう。
既卒の職務経歴書によくある質問
既卒の職務経歴書について、迷いやすい点をQ&A形式でまとめました。
既卒でアルバイト経験がなくても職務経歴書は書けますか?
はい、書けます。職務経歴の欄には卒業後の状況を事実で書き、学校で取り組んだことや勉強中の内容、自分の強みを中心に構成しましょう。
厚生労働省の職務経歴書の作り方でも、職歴に自信がない場合は訓練や勉強中の分野、性格、仕事への意欲からアピールできるとされています。1枚にまとめ、応募先の仕事との接点を示すことを意識してください。
既卒の職務経歴書に在学中のアルバイトは書いてもいいですか?
書いて問題ありません。特に卒業後に働いていない場合は、在学中のアルバイトが仕事に近い経験を伝える貴重な材料になります。
書くときは「在学中」と分かるように期間を示し、担当業務や任された役割を具体的に書きましょう。短期間のものをすべて並べる必要はなく、応募先に関係するものを選ぶと読みやすくなります。職務経歴との区別もつきやすくなります。
職務経歴書は手書きとパソコンのどちらがいいですか?
厚生労働省の職務経歴書の作り方では、パソコンで作成するのが一般的で、手書きでも差し支えないとされています。応募先から指定がある場合は、その指定に従いましょう。
パソコンで作ると、応募先ごとの書き換えや修正がしやすいのも利点です。自宅にパソコンがない場合は、スマートフォンの文書作成アプリを使う方法もありますが、PDFにしたときの見た目は確認しておきましょう。
既卒の職務経歴書は何枚くらいが適切ですか?
厚生労働省の職務経歴書の作り方では、A4で1〜2枚程度とされています。職歴が少ない既卒の場合は、無理に枚数を増やさず1枚にまとめても問題ありません。
枚数を増やそうとして同じ内容を繰り返すと、かえって読みにくくなります。余白を十分にとり、自己PRと活かせる能力に紙面を割いて、採用担当者が短い時間でも要点をつかめる分量に整えましょう。
既卒3年以内かどうかで職務経歴書の内容は変わりますか?
卒業からの年数で書く項目が変わるわけではありませんが、応募する枠によって必要な書類が変わることはあります。まず募集要項を確認しましょう。
卒業から時間がたっている場合は、その間に何をしてきたかを採用担当者が知りたくなるため、卒業後の活動を具体的に書くことが大切です。アルバイトや勉強など、事実を整理しておきましょう。
提出が任意の場合も職務経歴書を出したほうがいいですか?
任意とされているなら、提出すれば経験や意欲を伝える機会が増えます。内容を整えられるのであれば、出すことを検討してよいでしょう。
ただし、中身が薄いまま急いで作った書類は逆効果になりかねません。履歴書では伝えきれない内容があるかどうかを基準に判断し、提出するなら応募先に合わせて仕上げてください。誤字の確認も忘れないようにしましょう。
まとめ|既卒の職務経歴書は職歴なしでも今ある材料で書ける
既卒の職務経歴書は、応募先が提出を求めているなら、職歴がなくても用意するのが基本です。A4で1〜2枚程度に標題、氏名、日付、職務経歴をそろえ、アルバイト経験、学びや研修、勉強中の分野、性格や行動の特徴、仕事への姿勢と目標の5つから材料を選びましょう。
大切なのは経歴の長さより、自分の事実を応募先の仕事に結びつけて説明できることです。空白期間は隠さず短く書き、経歴を盛らず、自己PRは応募先ごとに書き換えます。ある程度形になったら応募を始め、面接の反応を見ながら直していくと、書類は少しずつ整っていきます。
職務経歴書の前に、どの仕事を目指せばよいか整理したい人は、第二新卒・既卒の方の転職を相談できるキャリアスタートにご相談ください。

職歴がなくても、書ける材料はきっと見つかります。一人で抱え込まず、まずは経験を書き出すところから始めてみてくださいね。


















既卒でも、応募先が提出を求めているなら職務経歴書は用意します。職歴がなくても、アルバイト経験や勉強していること、仕事への意欲を材料にすれば書類は作れます。アルバイト経験がある人は任された業務と工夫を具体的に書き、経験がない人は応募職種に向いている理由と入社後の目標に紙面を使うことで、採用担当者が知りたい内容を伝えられます。