「ハローワークの求人はブラック企業しかないって聞いたけど、本当かな?」
「ハローワークでホワイト企業を見つける方法を知りたい」
このようなお悩みはありませんか?
ハローワークの求人情報にブラック企業が紛れていることは事実ですが、ホワイト企業の求人がまったくないわけではありません。
そこで、この記事ではハローワークの求人がブラックばかりといわれる理由と、ホワイト企業の見極め方を紹介します。
記事の最後にはハローワークを利用した方がいいのかどうかも解説するので、これから転職を考えている人はぜひご一読ください。
1.「ハローワークの求人はブラックしかない」といわれる6つの理由
「ハローワークの求人はブラック企業だらけ」といわれている理由を以下6つ紹介します。
- 求人数が多くブラック企業の求人はずっと掲載されているから
- 無料で求人掲載ができるから
- 求人掲載の審査が厳しくないから
- 原則求人掲載を断れないから
- 求人票だけではブラックかどうかわからないから
- ハローワークを利用しない大企業も存在するから
順に説明します。
(1)求人数が多くブラック企業の求人はずっと掲載されているから
令和2年転職者実態調査の概況では、転職者の募集方法として「ハローワーク等の公的機関を利用する」と答えた事業所が 57.3%と最も多いことがわかりました。
実際に一般職業紹介状況によると、ハローワークの令和2年有効求人数の平均は140万件以上です。
この求人数は、大手転職サイト「リクナビ」の保有求人数が約8万件であることからも、圧倒的に多いことがわかります。
ブラック企業は一定数存在しているため、保有する求人数が多ければ多いほどブラック企業が紛れる可能性は高まります。
また、公共職業安定所の主な取組と実績によると、ハローワークの利用者数は年間約32万人以上です。
そのため、ホワイト企業の求人には多くの応募者が出てすぐに採用が決まるケースが多く、求人情報も短期間で取り下げられます。
一方で労働条件が悪くてなかなか人が集まらないブラック企業の求人は残りがちです。
このことから常にブラック企業の求人が表示されており、ハローワークで求人検索した際に「ブラック企業ばかり」と感じるユーザーが多いと考えられます。
(2)無料で求人掲載ができるから
ハローワークは求人掲載料がかからないことも、ブラック企業が集まりやすい理由です。
転職サイトや転職エージェントなど民間企業では、求人を出す際や採用が決まった際に手数料が発生します。
つまり、採用コストをかけられない企業や退職者が多く常に求人を出さなければならない企業は、ハローワークを利用しやすいのです。
(3)求人掲載の審査が厳しくないから
ブラック企業がハローワークを利用しやすい理由として、求人掲載の審査がそれほど厳しくないこともあげられます。
ハローワークでは、事業所情報登録と求人申込み手続きを行い、法令に違反していない内容で必要な条件が明示されている求人であれば、基本的に掲載が可能です。
転職エージェントの多くは求人掲載前に会社訪問をしたり、社員に聞き取りを行ったりして、企業の実情を把握したうえで求人掲載を行っています。
ハローワークは企業側が申請した内容のみで求人が出せるため、転職エージェントなどには求人を出せない企業が集まりやすく、求人票の内容と採用後の労働条件が違っていたケースもあります。
実際に厚生労働省の発表によると、平成30年度のハローワークの求人情報と実際の労働条件の相違の申出は6,811件でした。
そのうち事実確認ができたのは2,967件ですが、入社後に労働条件や仕事内容にギャップを感じている人が多く存在することから「ハローワークで就職したらブラックだった」という声につながっていると考えられます。
厚生労働省の是正指導などによって改善は進んでいますが、まだ求人票と異なる労働条件で働かせる会社はゼロになっていないのです。
(4)原則求人掲載を断れないから
ハローワークは公的な機関なので、評判の悪い企業であっても求人掲載の申し出があれば原則として掲載しなければなりません。
ハローワークが求人を不受理とするケースは、年に2回以上最低賃金法や労働基準法などに違反した場合や通常の労働条件よりも著しく不適当な求⼈などがあげられます。
しかし、違反があった会社でも労働基準監督署に改善が認められれば、半年後に求人の掲載ができるようになります。
労働基準法などに違反したことがある企業や、改善されたとはいえブラック気質が抜けない企業でも求人が出せてしまう現状から「ハローワークはブラックしかない」といわれる理由につながっているのでしょう。
(5)求人票だけではブラックかどうかわからないから
転職サイトや転職エージェントの求人情報は、労働条件だけでなく仕事内容の詳細や会社の雰囲気、1日の仕事例などを詳しく載せており、多くのWebサイトでは写真も掲載されています。
また、企業側が求めている人材も必要な資格や経験だけでなく、人柄やタイプなどを提示していることがあり、企業と転職者のミスマッチが起こらないよう工夫をしています。
しかし、ハローワークの求人票は具体的な仕事内容や雰囲気がわかりにくく、会社のイメージをつかめないまま労働条件だけで応募先を判断する可能性があるため、入社後のギャップを感じる人が多いのです。
また、ハローワークは求人票以上の情報を知らない相談員が多く、ブラック企業と知らないまま求職者に紹介するケースもあります。
(6)ハローワークを利用しない大企業も存在するから
大企業はあえてハローワークを利用しないことがあるため、「ハローワークは大企業が少ない…労働条件がよくない企業が多い」といった印象をもつケースが考えられます。
厚生労働省の令和2年転職者実態調査の概況では、ハローワークを利用する企業の総数は57.3%ですが、事業規模1,000人以上の企業のハローワーク利用割合は49.9%でした。
また、民間の職業紹介機関の利用は総数が24.8%であるのに対して、事業規模1,000人以上の企業は52.6%です。
このことから、大企業はハローワークではなく民間の職業紹介事業者で採用活動を行っていることがわかります。
その理由としては、ハローワークに求人を出すと応募が殺到してしまい、対応が大変であることがあげられます。
ハローワークでは不採用者に必ず通知を出さなければならないことや、希望者が出る度に紹介状を出してよいか連絡が来ることから、何百人もの応募者が出る大企業では対応しきれないのです。
また、求めている人材を最初の段階で絞り込みたいという考えから、非公開で求人を出せる・企業とマッチした人材を紹介してもらえる・書類で足切りできる民間企業を利用する大企業が多くなっているといえます。
2.ブラック企業だらけのハローワークでホワイト企業を見極めるコツ5選
ハローワークで求人を検索する時は基本の検索条件だけでなく詳細検索条件まで細かく設定することと、新着の求人を狙うことがポイントです。
ここではハローワークで求人検索した結果、興味のある求人を見つけた時にホワイト企業かどうかを見極めるコツを以下5つ紹介します。
順に説明します。
(1)求人履歴をチェックする
企業の求人履歴から頻繁に求人を出しているかどうかをチェックしましょう。
ハローワークに掲載されている求人は、ハロワ検索で求人履歴を確認することができます。
短期間で頻繁に求人を出している場合は、常に人手不足の企業や採用された人がすぐに離職してしまうブラック企業の可能性が考えられます。
(2)賃金をチェックする
求人票の賃金欄は必ず確認しましょう。
給与額が20万~50万など幅が広すぎる場合は、高い賃金を期待させて入社後はそれほど高くない給与を設定している場合があるため注意が必要です。
また、通勤手当など各種手当や賞与はチェックしておきましょう。
賞与は一般的に月給の2か月分を出す企業が多く、4か月分であれば経営状態が良好であるといえます。
(3)労働時間を確認する
拘束時間が長すぎないか、休憩時間を設けているかなど就業時間も細かくチェックしたい項目です。
年間休日日数は一般的な会社であれば120日以上とすることが多く、年間休日が105日以下の企業はブラックの可能性があります。
また、法律情報誌のリーガレットでは、月45時間以上の残業が恒常化している企業はブラック企業としています。
そのため、月平均時間外労働時間が月45時間を超える企業はブラックの可能性があることを頭に入れておきましょう。
(4)ハローワークの職員に質問する
離職率や労働条件など求人票でわからない部分は必ず職員に聞き、納得してから応募するようにしましょう。
また、地元の企業の求人の場合は、職員に会社の評判を聞いてみるのも一つの方法です。
長くハローワークに勤めている職員であれば、離職者や転職者から会社の評判を聞いていることがあります。
(5)求人票以外の情報を収集する
求人票の情報だけでなく企業のWebサイトや企業の口コミサイトなどを活用して、多くの情報を収集した上で応募先を決めましょう。
Webサイトでは企業理念や商品情報のみでなく社員インタビューを掲載している場合があり、会社の雰囲気がわかることもあります。
また、企業の口コミサイトでは実際にその会社で働いたことのある人の口コミが書かれているため、より実情に近い情報を得ることができるでしょう。
3.ブラック企業ばかりのハローワークで転職活動してもいいの?
ハローワークにはブラック企業が求人を出していることもありますが、利用した方が良い人がいることも事実です。
(1)ハローワークを利用するメリットもある
ハローワークには多くの求人が集まっており、都市部だけでなく地方の求人もカバーしています。
全体的に中小企業の求人が多いものの中には地元の優良企業の求人や大企業、全国的に知られていなくても業界ではトップクラスの企業が求人を出していることもあります。
そのため、「ハローワークはブラックしかない」と決め付けずに、ハローワークインターネットサービスで実際にどのような求人があるか見てみましょう。
そのほか、一定の要件を満たせば職業訓練を受けられることや雇用保険を受給できるといったメリットもあります。
このことから、地元で就職したい人や中小企業で働きたい人、雇用保険の受給対象者や職業訓練を受けたい人はハローワークの利用が向いているでしょう。
職業訓練については以下の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
(2)転職エージェントの活用がおすすめ
ハローワークを利用するか否かに関わらず、20代の転職は転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントとは人材を求める企業と求職者の橋渡しをするサービスで、求職者には以下のようなメリットがあります。
- 紹介される企業は一定の質が担保されている
- 自分に合った仕事を紹介してもらえる
- 非公開求人を保有している
- 中小企業だけでなく大企業の求人も保有している
- 求人票以上の情報を提供してもらえる
- 労働条件の交渉を代行してもらえる
- 徹底した選考対策を受けられるなど
転職エージェントは、ハローワークほど求人を保有していませんが、企業の内情まで把握しているので、ブラック企業の求人はほとんどありません。
また、転職や企業情報に精通した相談員が求職者に合わせたサポートを行うので、内定後のミスマッチングが少ない点も特長。
20代におすすめの転職エージェントは、若手の転職支援に特化したキャリアスタートです。
キャリアスタートでは、内定獲得するための徹底した面接対策や、会社と転職者のマッチング分析に注力しており、求職者に寄り添った支援をしています。
ベストな転職したい人は、今すぐキャリアスタートに相談しましょう!
以下の記事では、ハローワークだけで転職活動をするリスクについて解説していますので、参考にしてください。
まとめ
ハローワークの求人にブラック企業が紛れていることは事実です。
しかし、ホワイト企業の求人が一切ないわけではなく、優良企業が求人を出していることもあります。
大切なのはネットの評判だけでハローワークを利用しないと判断することではなく、実際に求人情報を見てどのような企業があるのか・興味のある求人がブラック企業かどうか見極めることです。
さらに選択肢を広げて最適な転職をするためには、ハローワークだけではなく転職エージェントを活用しましょう!