大学を辞めて就職はあり?後悔しない判断基準と進め方を解説

結論

大学を辞めても正社員就職は十分に可能です。大学中退者の正社員就職率は約33.9%で、学歴不問の求人や中退者向けの就職エージェントを活用すれば、20代なら着実にキャリアを築けます。

大学を辞めるかどうかの判断は、辞めた後の動き方だけでなく在学中にどれだけ準備できるかで結果が大きく変わります。準備不足のまま中退すると、経済面や進路変更への対応で慌ただしくなりがちです。この記事では、大学を辞めて就職するメリット・デメリット、辞める前に在学中にやっておくべきこと、辞めた場合の進路の選び方までを詳しく解説します。

牛田

「辞めるべきか迷っている」というご相談、本当に多いんです。焦って結論を出さず、まずは判断材料を一緒に整理していきましょう。

大学を辞めて就職はできる?【データで見る現状】

この章のポイント
  • 大学中退者の正社員就職率は約33.9%(大卒は69.1%)
  • 令和6年度の大学中退者数は50,516人(全学生の2.00%)
  • 人手不足を背景に学歴不問求人は年々増加している

大学を辞めて就職することは十分に可能です。労働政策研究・研修機構(JILPT)「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によると、大学中退者(離学時)の正社員就職率は33.9%でした。大卒者の69.1%と比べると数字は低いものの、3人に1人以上が正社員として就職しているという事実は、「中退=就職できない」というイメージとは違う現実を示しています。

ただし、最終学歴は「高卒」として扱われるため、大卒資格を応募条件にする求人には申し込めません。それでも、営業職やIT業界など学歴より意欲や実力が重視される職種・業界は多数存在しており、自分の適性に合った道を選べば十分にキャリアを築けます。文部科学省「令和6年度 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査結果」によると、令和6年度の大学中退者数は50,516人(全学生の2.00%)にのぼり、企業側も中退者の採用に一定程度慣れているのが実情です。

加えて、少子高齢化による労働力不足を背景に、IT・介護・建設・営業などの業界では学歴不問・未経験歓迎の求人が年々増えています。中退理由を前向きに伝えることや、就職までにスキルを積み重ねる努力を重ねることで、就職活動の成功率をさらに高めることができます。

大学を辞めて就職するメリットとデメリット

この章のポイント
  • メリットは「早く社会に出られる」「適性に合った道を選べる」こと
  • デメリットは「学歴が高卒扱い」「中退理由を問われる」こと
  • 両方を理解したうえで判断することが後悔を減らす近道

大学を辞めて就職することにはメリットもデメリットも存在し、それぞれを理解した上で判断を下すことが重要です。ここでは、大学を辞めて就職することによる利点と欠点を整理します。

大学を辞めて就職するメリット

まず挙げられるのが「早く社会に出られる」点です。大学在学中に感じやすい経済的な負担を軽減し、早期に安定した収入を得ることで家計を助けることも可能になります。社会経験を若いうちから積むことで、職場での実践スキルや仕事の進め方を早く習得できる点もメリットです。成長が著しい分野であれば、実務経験の長さが評価される場面も多く、有利に働く可能性があります。

さらに、大学のカリキュラムに縛られることなく、自分が興味を持つ職業や適性に合った道を選択できる点もメリットです。大学生活が自分に合わないと感じている場合、早めに新しい道に進むことで精神的な負担を軽減できることもあります。

大学を辞めて就職するデメリット

一方で、大学を辞めて就職することにはリスクもあります。最終学歴が高卒となるため、大卒以上を要件とする企業や職種への応募ができなくなり、選べる職業や求人の幅が狭まるというマイナス面が出てきます。

また、履歴書や面接時に中退理由を問われる場面が多く、中退がネガティブな印象を与える場合もあり得ます。そのため、理由を前向きに説明し、意欲や努力をアピールする必要があります。同世代の大卒者よりも給与水準が低くなりやすい点も、経済面での不利として意識しておきたいところです。

加えて、大学中退には精神的なプレッシャーも伴いやすく、「途中で投げ出した」という感覚から自己肯定感が下がり、就職活動へのモチベーションに影響することもあります。辞める際にはこれらの点を事前に想定し、しっかり対策を練ることが重要です。

大学を辞める前に考えるべきこと【在学中にやるべき5つのこと】

この章のポイント
  • 辞めたい理由を自己分析で言語化しておく
  • 休学など「辞めない選択肢」も比較検討する
  • 在学中から情報収集・就活を始めると空白期間を防げる

大学を辞めて就職することを決断する前に、在学中だからこそできる準備があります。ここでは、自己分析から代替案の検討、在学中の就活の進め方まで、辞める前に考えておきたい5つのポイントを解説します。

1.辞めたい理由を自己分析で整理する

大学を辞めて就職を検討する際には、まず徹底した自己分析が必要です。大学中退後の進路には正社員就職やアルバイトといった選択肢がありますが、どの道を選ぶにしても、現在の自分の状況や強み・弱みを明確にすることが重要です。どのような職業が自分に向いているのか、自分が本当に何をしたいのかを考えることで、辞めた後の方向性を見つけやすくなります。

ここで大切なのは、「大学が合わない」原因を突き止めることです。学業内容が合わないのか、人間関係なのか、経済的な事情なのかによって、取るべき選択肢は変わります。原因が曖昧なまま中退すると、就職後に同じ悩みを繰り返しかねません。大学生活のどこに違和感があるのかを整理する視点は、以下の記事でも詳しく解説しています。

大学を中退したい時に考えるべきことは?メリット・デメリットも解説

2.休学など「辞めない選択肢」も検討する

中退を決める前に、休学という「辞めない選択肢」も比較しておきましょう。休学は学籍を残したまま一定期間大学を離れられる制度で、多くの大学では2年程度まで在籍のまま休むことができます。学費の負担が軽くなる大学もあり、気持ちや状況が変わって復学する余地を残せる点が中退との大きな違いです。

ただし、休学中も在籍料が発生する大学が多く、「休学すれば必ず解決する」わけではない点には注意が必要です。目的を決めずに休学すると、結局復学しないまま中退時期が延びるだけになるケースもあります。休学を選んで後悔した人の実例は以下でも紹介しているので、判断材料として参考にしてみてください。

休学しなければよかったと感じる理由と対処法を解説!後悔しないためのポイントも紹介

3.在学中から情報収集・就職活動を始める

中退してから動き出すのではなく、在学中のうちから情報収集や就職活動の準備を始めることで、退学後の空白期間を大きく短縮できます。中退者・既卒者向けの就職エージェントの多くは在学中の相談にも対応しており、正式な退学前でも求人情報の収集やキャリア相談が可能です。

あわせて確認しておきたいのが、単位の取得状況や卒業要件です。あと少しの単位で卒業できる場合は、中退より卒業を優先したほうがトータルで有利になることもあります。学業とアルバイト・就活準備を並行するのは負担が大きいため、まず1社でも就職エージェントに相談し、優先順位を一緒に整理してもらうのがおすすめです。

4.中長期的なキャリアプランを描く

大学を辞める前に、数年後、さらにその先のキャリアプランを描いておくことも重要です。ただ短期的に仕事を見つけるだけでなく、辞めて就職した後にどのような方向へ進みたいのかを考えましょう。例えば、営業職やIT業界など具体的な職種を目標に設定するのも有効です。

キャリアアップに必要となるスキルや資格をあわせて検討しておくと、辞めた後の就活を有利に進められます。長期的な視点を持つことで、大学中退による後悔や不安を軽減し、より確実な道を歩みやすくなります。

5.家族や周囲に十分相談する

大学を辞めるという決断は、自分だけでなく家族など周囲の人々にも影響を与える可能性があります。経済的な側面や社会的なイメージの変化も伴うため、家族や信頼できる人との相談は欠かさないようにしましょう。両親や友人に自分の思いをしっかり伝えたうえで意見を聞くことで、新たな視点を得られたり、周囲の理解を得て心強さを感じられたりすることもあります。

牛田

1人で結論を出そうとしなくて大丈夫です。就職エージェントは在学中の相談も無料で受け付けているので、辞める前にこそ気軽に頼ってみてください。

大学を辞めた場合の進路・ルート

この章のポイント
  • 基本ルートは学歴不問求人への正社員就職
  • 就職エージェント経由なら未公開求人にもアクセスできる
  • 再進学や公務員試験など就職以外の道も残されている

正社員就職を目指す

大学を辞めて就職を目指す場合、就職エージェントや専門の支援サービスを活用することがおすすめです。効果的な履歴書の書き方や面接対策が求められるため、専門サービスから具体的なアドバイスや就職先の紹介を受けることで、空白期間をできる限り短くしたスピーディーな就職活動が可能になります。

特に面接では、中退理由を前向きに伝えられるかどうかが結果を左右します。中退理由の伝え方や例文は以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認しておきましょう。

大学中退理由を面接で効果的に伝える方法!例文や伝え方のコツも解説

別の進路も検討する(再進学・公務員試験など)

正社員就職だけが「辞めた後」の答えではありません。学歴不問で受験できる公務員試験を目指す道や、別の大学・専門学校へ再進学する道など、就職以外の選択肢も存在します。どの進路が合っているかは、前章で整理した自己分析やキャリアプラン次第です。

大学中退後の進路は、正社員就職・アルバイト・再進学・公務員試験など複数のパターンに分かれます。それぞれのメリット・デメリットを比較したい方は、以下の記事も参考にしてください。

大学中退したその後の進路は7パターン!就活する時のコツも解説

大学中退後におすすめの職業は?

中退という経歴があっても活躍しやすい職業は数多くあります。特におすすめなのは、学歴よりも意欲や実力が重視される営業職・施工管理・ITエンジニア・Webデザイナー・公務員の5職種です。いずれも未経験者を積極採用している企業が多く、資格取得支援や実務を通じてスキルを高められる点が共通しています。

職種ごとの仕事内容・向いている人・平均年収の目安まで詳しく知りたい方は、以下の記事でおすすめ業界・職種15選をまとめて紹介しています。

大学中退者は資格なしでも就職できる!おすすめの資格11選

就職活動を成功させるためのポイントは?

就職活動を成功させるうえで押さえておきたいのは、①中退理由を前向きに伝える②面接で意欲や熱意を具体的に語る③資格取得やスキル習得で経歴を補う④就職エージェントなどのネットワークを活用するの4点です。中退理由は「退学しました」で終わらせず、その後どう行動しているかまでセットで伝えることが、採用担当者に好印象を与える鍵になります。

履歴書・面接・スキルアップ・エージェント活用まで含めた就職活動全体の進め方は、以下の総合ガイドの「6つのステップ」で詳しく解説しています。大学中退から就職を成功させるガイドもあわせてご覧ください。

大学を辞めて就職に関するよくある質問

Q1:大学を辞めて実際に就職できますか?

できます。大学中退者の正社員就職率は約33.9%(JILPT調査)で、3人に1人以上が正社員として就職しています。学歴不問の求人を選び、中退理由を前向きに伝えられれば、20代であれば十分に正社員就職を狙えます。

Q2:大学を辞めるべきか、休学して様子を見るべきか迷っています。

結論を急がず、まず休学という選択肢を比較検討することをおすすめします。休学は学籍を残したまま距離を置ける制度で、気持ちが変われば復学もできます。ただし在籍料がかかる大学もあり、目的なく休学すると先延ばしになるだけの場合もあるため、「何のために休むのか」を明確にしてから判断しましょう。

Q3:在学中から就職活動を始めることはできますか?

できます。中退者・既卒者向けの就職エージェントの多くは在学中の相談に対応しており、退学前から求人情報の収集やキャリア相談が可能です。在学中に動き出すことで、退学から就職までの空白期間を大きく短縮できます。

Q4:大学中退の理由は履歴書にどう書けばよいですか?

履歴書の学歴欄には「〇〇大学〇〇学部〇〇学科 中途退学」と正確に記載します。「中退」と略さず「中途退学」が正式な表記です。理由欄がある場合は、簡潔かつ前向きな理由を添えると採用担当者に伝わりやすくなります。詳しい書き方は以下の記事で解説しています。

履歴書に中退を書かないのはNG?書き方例文や中退者の就活のコツも解説

Q5:大学を中退するのは何年生が多いですか?

文部科学省の調査によると、大学の場合は「2年生」と「4年生以上」での中退が各3割前後と多くなっています。学業内容への迷いが生じる2年生と、卒業間際で進路を見直す4年生以上に、中退のタイミングが集中する傾向があります。

Q6:大学中退後の就職活動で相談できる窓口はありますか?

ハローワーク(無料・全国)、わかものハローワーク(35歳未満特化)、地域若者サポートステーションのほか、中退者・既卒者に特化した民間の就職エージェントがあります。民間エージェントは非公開求人を扱っていることが多く、書類添削や面接対策も無料で受けられるため、初めての就活で不安な方にもおすすめです。

まとめ

大学を辞めて就職することは、多くの人にとって重要な人生の決断です。大学中退による影響やデメリットも確かに存在しますが、在学中にしっかり準備しておけば、辞めた後の選択肢は大きく広がります。

辞めたい理由の自己分析、休学など代替案との比較、在学中からの情報収集という3つのステップを踏んだうえで判断すれば、後悔の少ない決断につながります。辞めると決めた後は、中退理由を前向きに捉え、自分の強みを活かしたキャリアプランを描くことが重要です。

牛田

辞めるかどうかで悩んでいる段階でも、キャリアスタートはご相談を受け付けています。在学中のうちに一度、今後の選択肢を一緒に整理してみませんか。

ABOUT US
牛田 晴宣キャリアスタート株式会社 執行役員
東洋大学卒業後、携帯販売職や起業経験を経て、キャリアスタート株式会社に入社。キャリアカウンセラーとして若年層の就職・転職支援に従事し、2021年7月より大阪支店長を務める。「若者の輝く社会を作る」をビジョンに掲げ、関西エリアで求職者のキャリア相談に対応。自身の独立・再就職の経験を活かし、実践的なキャリアアドバイスを提供している。
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