
「高卒でも消防士になれるのかな…」と不安に感じていませんか?大丈夫、高卒者向けの採用枠がちゃんと用意されていますよ。
この記事では、高卒から消防士になるための試験区分・試験内容・給料・なるまでの流れを順を追って解説していきます。
高卒から消防士になるには|3ステップで解説
- 志望する消防本部を決めることが最初のステップ
- 消防官採用試験(高卒程度・Ⅲ類)に合格する必要がある
- 合格後は消防学校で研修を受けてから正式配属される
ここでは、高卒者が消防士になるまでの大まかな流れを3つのステップで解説します。全体像をつかんでおくと、この先の対策も立てやすくなります。
ステップ1.志望する消防本部を決める
消防士は国家公務員ではなく、市区町村や消防組合が運営する地方公務員です。採用試験は消防本部(自治体)ごとに実施されます。
採用人数・試験日程・区分名称は消防本部によって異なるため、まずは実家や進学先の近くなど、働きたいエリアの消防本部を1つに絞り込みましょう。
ステップ2.消防官採用試験(Ⅲ類)に合格する
高卒者は多くの消防本部で「Ⅲ類(高校卒業程度)」という区分で受験します。教養試験・作文試験・体力検査・面接など複数の試験を突破する必要があります。
区分の名称や試験内容の詳細は次章以降で解説しますが、倍率が高めの人気公務員試験であることは押さえておきましょう。
ステップ3.消防学校で研修を受ける
採用試験に合格すると、すぐに現場配属とはならず、まずは総務省消防庁が定める基準に基づく「消防学校」で初任教育を受けます。
寮生活をしながら約6か月間、座学と実技訓練を行い、消防士としての基礎知識・体力・技術を身につけたうえで、各消防署へ正式に配属されます。

高卒者向け消防官採用試験の区分|Ⅲ類とは
- 多くの消防本部でⅠ類(大卒程度)・Ⅱ類(短大卒程度)・Ⅲ類(高卒程度)に区分される
- 高卒者は原則Ⅲ類で受験する
- 年齢制限は自治体ごとに異なるため要項での確認が必須
ここでは、高卒者が対象となる採用試験の区分と、受験資格・年齢制限について解説します。
採用試験の区分(Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類の違い)
多くの消防本部では、学歴を目安にした3つの区分で採用試験を実施しています。Ⅰ類は大学卒業程度、Ⅱ類は短大・専門学校卒業程度、Ⅲ類は高校卒業程度が目安です。
高卒者は基本的にⅢ類で受験しますが、Ⅲ類の区分がなく統一試験を行う消防本部もあるため、志望先の要項を必ず確認しましょう。
| 区分 | 学歴の目安 | 試験内容の違い |
|---|---|---|
| Ⅰ類 | 大学卒業程度 | 教養・論文試験の難易度が高め |
| Ⅱ類 | 短大・専門学校卒業程度 | Ⅰ類とⅢ類の中間程度 |
| Ⅲ類 | 高校卒業程度 | 高校で学ぶ範囲が中心 |
試験区分が違っても、二次試験の体力検査・面接の内容自体は大きく変わらないケースが一般的です。
受験資格・年齢制限
受験資格は消防本部ごとに定められており、年齢の上限を「21歳未満」「25歳未満」など幅広く設定している自治体が多くあります。
身長・体重・視力などの身体基準を設けている消防本部もありますが、近年は基準を緩和する自治体も増えています。自治体により異なるため、必ず最新の採用試験要項で確認してください。
高卒者が受ける採用試験の内容
- 第一次試験は教養試験・作文試験・適性検査で構成される
- 第二次試験は身体・体力検査と面接が中心
- 作文試験は800〜1200字程度で出題されることが多い
ここでは、高卒者(Ⅲ類)が実際に受ける試験内容を、第一次試験・第二次試験に分けて解説します。
第一次試験|教養試験
教養試験は「知能分野」と「知識分野」に分かれます。知能分野は文章理解・判断推理・数的処理など、知識分野は国語・歴史・地理・数学・理科などの高校卒業程度の学力が問われます。
出題範囲が広いため、過去問を使って頻出分野から優先的に学習を進めるのが効率的です。
第一次試験|作文試験・適性検査
作文試験は800〜1200字程度で出題されることが多く、「消防士を志望した理由」「困難を乗り越えた経験」などのテーマが定番です。制限時間内に論理的な文章を書く練習をしておきましょう。
適性検査は性格傾向やストレス耐性を確認するもので、正直に回答すれば問題ありません。
第二次試験|体力検査・面接
体力検査では、腕立て伏せ・上体起こし・反復横跳び・持久走など消防士に求められる基礎体力が測定されます。日頃からの運動習慣が結果に直結します。
面接(口述試験)では、志望動機や体力面での自信に加え、チームで行動する仕事への適性が重視される傾向にあります。

高卒消防士の給料・年収
- 消防官の平均年収は約335.3万円(全年齢平均・参考値)
- 初任給は大卒(Ⅰ類)より低めに設定されるのが一般的
- 勤続年数に応じて着実に昇給する地方公務員の給与体系
ここでは、高卒消防士の給料・年収について、公的データをもとに解説します。
約335.3万円(jobtag:消防官)
この数値は消防吏員全体の平均年齢(56.6歳)を含む全国・全年齢平均のため、若手・新人の年収はこれより低い水準になります。あくまで参考値として捉えてください。
初任給の目安
消防士は地方公務員のため、初任給は総務省「地方公務員給与実態調査」で毎年公表される消防職の給料表がベースになります。
金額は自治体・年度によって差があるため、正確な初任給は志望する消防本部の採用案内で確認するのが確実です(本記事の年収は編集部調べの参考値を含みます)。
大卒消防士との給与差
一般的に、初任給はⅠ類(大卒程度)の方がⅢ類(高卒程度)より高く設定される消防本部が多く見られます。
ただし高卒者は大卒者より4年ほど早く働き始め、その分先に昇給を重ねられるため、生涯で見た差は初任給ほど大きくならないケースもあります。
高卒と大卒の生涯年収の差について詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
高卒公務員全体の給料水準を詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
高卒で消防士を目指す3つのメリット
- 進学費用をかけずに安定した公務員の職に就ける
- 大卒より早く現場経験を積み始められる
- 地域の安全に直接貢献できるやりがいがある
ここでは、高卒から消防士を目指すメリットを3つに整理して解説します。
メリット1.進学費用をかけずに安定した職に就ける
消防士は地方公務員であり、大学進学のための学費や生活費をかけずに、18歳から安定した収入と身分保障を得られる点が大きな魅力です。
メリット2.大卒より早く現場経験を積める
高卒で採用されれば、大卒者より約4年早く現場での実務経験を積み始められます。救助・救急・消火といった専門技術は経験年数がものを言うため、早期スタートは大きな強みになります。
メリット3.地域に貢献する実感を得られる
火災対応や救急搬送を通じて地域住民の命と暮らしを直接支える仕事のため、「誰かの役に立っている」という実感を得やすいのも特徴です。
「地域の役に立つ仕事」に関心がある人は、消防士以外にも選択肢が広がっています。仕事の適性や選択肢を一緒に整理したい人は、若手就職支援に強いキャリアスタートまでご相談ください。
消防・警備・介護など「人を守る仕事」を幅広く比較したい人は、以下の記事も参考になります。
高卒で消防士を目指す際の注意点
- 採用試験は倍率が高く、対策なしでの合格は難しい
- 体力面の負荷が大きく、危険を伴う場面もある
- 初任給は大卒より低めになりやすい
メリットだけでなく、事前に知っておきたい注意点も確認しておきましょう。
採用試験の倍率が高い
消防士は人気の高い公務員職種のひとつで、高卒程度(Ⅲ類)の採用試験も自治体によっては数倍〜10倍前後の倍率になることがあります。
倍率は年度・自治体によって変動するため、独学だけに頼らず早めに対策を始めることが重要です。
体力面の負荷が大きい
火災現場や救助活動では体力・精神力の両面で負荷がかかる場面があります。夜勤を含む交代制勤務が基本となる点も、事前に理解しておきましょう。
初任給は大卒より低めになりやすい
前章で解説した通り、高卒(Ⅲ類)の初任給は大卒(Ⅰ類)より低めに設定されるのが一般的です。将来設計を考える際は、昇給モデルもあわせて確認しておくと安心です。
消防士に向いている高卒者の特徴
- 正義感が強く、人のために動ける人
- 集団行動やチームプレーが得意な人
- 体力づくりに前向きに取り組める人
消防士という仕事の特性上、次のような特徴を持つ人に向いていると言われています。
- 正義感が強く、困っている人を放っておけない
- とっさの状況でも冷静に判断できる
- 組織のルールや上下関係に抵抗が少ない
- 体を動かすこと・体力づくりが苦にならない
- 地元や地域社会への愛着がある
反対に、危険な状況を避けたい気持ちが強い人や、単独での作業を好む人にとっては、負担に感じる場面もあるかもしれません。
高卒から消防士試験に合格するための対策法
- 教養試験は頻出分野から優先して過去問演習を重ねる
- 体力試験は種目ごとに早めからトレーニングを始める
- 面接では志望動機を自分の言葉で語れるようにしておく
ここでは、試験区分ごとの具体的な対策方法を解説します。
教養試験・作文試験の対策
教養試験は出題範囲が広いため、市販の過去問題集を繰り返し解いて頻出分野を把握するのが王道です。判断推理・数的処理は得点源にしやすい分野なので優先的に対策しましょう。
作文試験は「消防士を志望した理由」「困難を乗り越えた経験」などの定番テーマで、実際に時間を計って書く練習を重ねておくと安心です。
体力試験の対策
体力試験は腕立て伏せ・上体起こし・反復横跳び・持久走など種目が決まっていることが多いため、志望先の要項を確認し、種目ごとに早めからトレーニングを始めましょう。
高校の部活動などで運動経験がある人は、その経験を継続するだけでも十分な対策になります。
面接対策
面接では、「なぜこの消防本部か」「なぜ消防士か」を自分の経験と結びつけて語れるかが重視されます。丸暗記ではなく、自分の言葉で話せるよう準備しましょう。
学校の進路指導室やハローワークの相談窓口を活用するのも有効です。高校生の就職活動における相談先についても、以下の記事があわせて参考になります。
高校生の就職活動全体のスケジュールを確認したい人は、以下の記事も役立ちます。応募先選びで迷ったら、若手就職支援に強いキャリアスタートまでご相談ください。
消防士 なるには 高卒に関するよくある質問
最後に、高卒から消防士を目指す人からよく寄せられる質問にお答えします。
高卒でも消防士になれますか?
はい、なれます。多くの消防本部で高卒者向けの「Ⅲ類」区分が用意されており、学歴による受験の制限は基本的にありません。年齢制限や身体基準は自治体ごとに異なるため要項で確認しましょう。
消防士になるのに必要な資格はありますか?
採用試験を受ける時点で必須の資格は基本的にありません。普通自動車運転免許を採用条件・配属条件にしている消防本部はありますが、詳細は要項で確認が必要です。
女性でも高卒から消防士になれますか?
なれます。近年は女性消防吏員の採用・活躍を推進する取り組みが全国で進められており、女性専用の仮眠室・設備を整備する消防本部も増えています。
高卒消防士と大卒消防士で仕事内容に違いはありますか?
配属直後の現場業務そのものに大きな違いはありません。ただし昇任試験の受験可能時期や幹部候補としてのキャリアパスには差が出る場合があります。
消防士の採用試験に落ちたらどうすればいいですか?
多くの自治体では年1回程度、複数回の受験機会があり、年齢制限内であれば再チャレンジが可能です。学科・体力・面接のどこで弱かったかを振り返り、次回に向けて対策を練り直しましょう。
まとめ
高卒から消防士になるには、消防本部を決めたうえで「Ⅲ類」の採用試験に合格し、消防学校での研修を経る必要があります。試験は教養・作文・体力・面接と幅広く、倍率も低くないため、早めの情報収集と対策が合格への近道です。
消防士以外の選択肢も含めて進路を検討したい人は、20代・若手の就職支援に強いキャリアスタートに相談してみるのもおすすめです。高卒者の就職について幅広く知りたい人は、高卒就職に関する情報をまとめた記事も参考にしてください。

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高卒者は消防官採用試験の「Ⅲ類」区分で受験でき、合格後は半年程度の消防学校研修を経て消防士になれます。学歴による受験制限は基本的にありません。