働いていない期間が続くと、「何か資格を取らないと就職できないのでは」「資格を取っても意味がないのでは」と迷っていませんか。資格は取り方しだいで就職活動の助けにも遠回りにもなります。この記事では、ニートにおすすめの資格10選を合格率・受験料・試験の形式とあわせて紹介し、資格の選び方、勉強の進め方、資格がなくても就職するコツまで順に解説します。

資格は「取れば安心」ではなく、就きたい仕事への近道として選ぶのがコツですよ。一緒に整理していきましょう。
ニートに資格は意味ない?採用で見られているもの
- 若手の中途採用で重視される上位は意欲・コミュニケーション能力・マナー(令和5年若年者雇用実態調査)
- 資格は、意欲や学ぶ姿勢を形にして示す材料として役立つ
- 資格選びの前に、どんな仕事に就きたいかを先に考える
「ニートが資格を取っても意味がない」と言われることがありますが、意味があるかどうかは、企業が採用で何を見ているかと照らし合わせると判断しやすくなります。まずは採用で重視される点を確認し、そのうえで資格がどんな場面で役立つのかを見ていきましょう。
企業が若手の中途採用で重視している点
厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」によると、若年正社員の採用選考をした事業所が中途採用者の選考で重視した点は、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」が72.7%、「コミュニケーション能力」が66.9%、「マナー・社会常識」が58.1%でした。「業務に役立つ職業経験・訓練経験」は42.3%で、上の3つより低い割合です。
同じ「令和5年若年者雇用実態調査」はニートに限った結果ではありませんが、若手の中途採用では、資格や経験そのものより、働く意欲や人との関わり方、社会人としての基本が見られていることがうかがえます。資格さえあれば採用が決まるわけではないため、資格の勉強だけに時間を使い切らないことが大切です。
それでも資格が役立つ場面
一方で、資格は採用で重視される点を形にして示す材料になります。働いていない期間に目標を決めて勉強し、合格までやり遂げた経験は、働く意欲や学ぶ姿勢を伝える具体的なエピソードになります。ビジネスマナー系の資格であれば、社会人としての基本を学んだことの裏付けにもなるでしょう。
面接では、働いていなかった期間をどう過ごしていたかを聞かれることを想定しておきたいところです。「この仕事に就きたいと考え、必要な資格の勉強をしていました」と答えられれば、空白期間を前向きな行動として説明できます。資格は合否だけでなく、取り組んだ過程も含めて伝え方しだいで生きてきます。
資格を選ぶ前に就きたい仕事を考える
資格を役立てるには、先に「どんな仕事に就きたいか」をおおまかに決めておくことが欠かせません。事務職を目指すならパソコンや会計の資格、介護職を目指すなら介護の研修というように、仕事が決まれば選ぶべき資格も自然に絞られます。仕事とつながらない資格を取っても、面接で取得した理由を説明しにくくなります。
まだ就きたい仕事が決まっていない場合は、資格の勉強を始める前に仕事を調べる時間をとりましょう。難関資格で人生を大きく変えたいと考えている人は、ニートが人生逆転する方法をまとめた記事で、資格に頼りすぎない現実的な道筋も確認しておくと判断しやすくなります。

資格は採用の決め手そのものより、意欲を見せる材料なんですね。次は、取り組みやすい資格を具体的に見ていきましょう。
ニートにおすすめの資格10選
- 受験資格の制限がない・試験の回数が多い資格から順に紹介
- 合格率や受験料は実施団体などの公表値(2026年11月時点)
- 介護・IT・不動産などの資格は、専門の仕事の入り口として検討する
ニートにおすすめの資格として、次の10個を紹介します。受験資格の制限がなく試験の回数が多いものから、専門の仕事の入り口になるもの、スコアで力を示す試験の順に並べました。
- ビジネス実務マナー検定
- 秘書検定
- マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
- 日商簿記検定3級
- FP技能検定3級(ファイナンシャル・プランナー)
- 登録販売者
- 介護職員初任者研修
- 基本情報技術者試験
- 宅地建物取引士
- TOEIC Listening & Reading Test
表の合格率・受験料・試験の形式は、実施団体などの公式サイトに掲載された内容です(2026年11月時点)。試験の日程や制度は変わることがあるため、申し込む前に必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。将来就きたい仕事に生かせそうな資格を選ぶ参考にしてください。
ビジネス実務マナー検定
ビジネス実務マナー検定は、公益財団法人 実務技能検定協会が実施する検定で、敬語の使い方や電話応対、職場での人との関わり方など、社会人として求められる基本的な振る舞いを学べます。受験資格に制限はなく、どなたでも受験できます。
働いた経験がないと、ビジネスマナーに自信が持てない人もいるでしょう。この検定の勉強を通して基本を学んでおけば、面接での言葉づかいや振る舞いにも生かせます。初めて受けるなら、まずは3級から挑戦してみましょう。
| 試験の形式・時期 | 年2回の筆記試験(2026年度は6月・11月)のほか、CBT試験もあり(実務技能検定協会「試験日程」) |
| 合格率 | 3級:66.6%・2級:58.9%(第71回・2026年6月)(受験者状況) |
| 受験料 | 3級:3,800円・2級:5,200円(受験要項) |
| 資格を活かせる仕事の例 | 受付・営業事務・接客 |
秘書検定
秘書検定は、ビジネス実務マナー検定と同じ実務技能検定協会が実施する検定です。来客対応や電話応対、上司への報告の仕方など、仕事の場で求められる常識やマナーが問われます。受験資格に制限はなく、秘書を目指す人に限らず受験できます。
名前に「秘書」とありますが、学ぶ内容は事務や受付、接客など幅広い仕事に通じる基本です。社会人経験がないことに不安がある人にとって、学んだことをそのまま面接や入社後の振る舞いに生かせる点が魅力です。受験者状況を見ると3級と2級で合格率に差があるので、まずは3級から挑戦すると取り組みやすいでしょう。
| 試験の形式・時期 | 年に複数回の筆記試験のほか、CBT試験もあり(実務技能検定協会) |
| 合格率 | 3級:74.8%・2級:56.3%(第139回・2026年6月)(受験者状況) |
| 受験料 | 3級:3,800円・2級:5,200円(受験要項) |
| 資格を活かせる仕事の例 | 秘書・受付・一般事務 |
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、WordやExcel、PowerPointなどのオフィスソフトを使うスキルを証明する資格です(MOS公式サイト「試験概要」)。科目ごとに試験が分かれているため、まずは使う機会の多いWordやExcelから1科目ずつ取得を目指せます。
事務職など、パソコンで書類やデータを扱う仕事を目指す人に向いています。試験は日程が決まっている全国一斉試験のほか、試験会場ごとに行われる随時試験もあり(MOS公式サイト)、自分の勉強の進み具合に合わせて受験日を選びやすい資格です。勉強で身につけた操作は、そのまま入社後の仕事にも生かせます。
| 試験の形式・時期 | 全国一斉試験と随時試験(MOS公式サイト) |
| 受験料 | 一般レベル1科目:12,980円(税込・一般価格)(受験料・価格) |
| 資格を活かせる仕事の例 | 一般事務・営業事務・データ入力 |
日商簿記検定3級
日商簿記検定は、日本商工会議所などが実施する検定で、会社のお金の流れを記録・整理する簿記の知識を学べます。3級は簿記の入門にあたるレベルで、経理や会計の仕事の基礎になる内容です。
3級には、日程が決まっている統一試験のほか、パソコンで受けるネット試験があり(商工会議所の検定試験)、自分の都合に合わせて受験しやすくなっています。合格すれば経理事務を目指す人のアピールになるほか、売上や費用の考え方は営業や販売の仕事でも役に立ちます。経理を本格的に目指すなら、3級で基礎を固めてから2級に進むとよいでしょう。
| 試験の形式・時期 | 統一試験(年に複数回)とネット試験(商工会議所の検定試験) |
| 合格率 | 統一試験:33.8%(第173回・2026年6月)・ネット試験:44.5%(2026年4〜6月)(受験者データ) |
| 受験料 | 3,300円(統一試験・税込)(大阪商工会議所) |
| 資格を活かせる仕事の例 | 経理事務・一般事務 |
FP技能検定3級(ファイナンシャル・プランナー)
FP技能検定は、家計の管理や保険、税金、資産運用、相続など、暮らしに関わるお金の知識を問う国家検定です。3級は学科試験と実技試験に分かれており、日本FP協会が実施する3級は原則としてパソコンで受けるCBT方式で行われています(日本FP協会)。
日本FP協会の試験結果データでは、2026年4〜8月の3級の合格率は学科試験が86.23%、実技試験が83.29%でした。金融や保険、不動産などの仕事を目指す人に向いているほか、勉強した内容は自分の生活のお金の管理にも役立ちます。
| 試験の形式・時期 | 原則CBT方式(学科試験・実技試験)(日本FP協会) |
| 合格率 | 学科:86.23%・実技:83.29%(日本FP協会実施分・2026年4〜8月)(試験結果データ) |
| 受験料 | 学科4,000円+実技4,000円(試験要綱) |
| 資格を活かせる仕事の例 | 金融・保険の営業、不動産営業 |
登録販売者
登録販売者は、ドラッグストアなどで一般用医薬品の販売に携わるための資格です。厚生労働省の解説によると、第2類・第3類医薬品は薬剤師だけでなく登録販売者からも購入できます。試験は都道府県ごとに行われ、平成27年度以降の試験では学歴や実務経験の受験要件がなくなりました(東京都の案内)。
厚生労働省の「令和7年度登録販売者試験実施状況」によると、全国の合格率は40.7%でした。半数以上が不合格になる試験なので計画的な勉強が必要ですが、働いた経験がなくても挑戦できる点は、ニートにとって取り組みやすいポイントです。ドラッグストアなどの販売の仕事を目指す人は検討してみましょう。
| 試験の形式・時期 | 都道府県ごとの筆記試験(東京都の案内) |
| 合格率 | 40.7%(令和7年度・全国)(厚生労働省) |
| 受験資格 | 学歴・実務経験の要件なし(平成27年度以降)(東京都の案内) |
| 資格を活かせる仕事の例 | ドラッグストアの販売スタッフ |
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の仕事の基本を学ぶ研修です。山梨県の案内によると、カリキュラムは合計130時間で、全科目を受けたあとに筆記試験による修了評価があります。試験に合格する資格とは違い、決められた時間の研修を受けて修了を目指す形です。
同じ山梨県の案内では、訪問介護の業務に従事するには、介護福祉士であるか、指定を受けた研修を修了して証明書の交付を受ける必要があるとされています。介護の仕事に興味がある人にとっては、働き始めるための入り口になる研修です。研修の受講料や日程は実施する事業者によって違うので、申し込む前に比べてみましょう。
| 研修の形式 | 合計130時間のカリキュラム(山梨県) |
| 修了の条件 | 全科目履修後の筆記試験(1時間)による修了評価(山梨県) |
| 資格を活かせる仕事の例 | 訪問介護員・介護施設の介護職 |
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、プログラミングやネットワーク、セキュリティなど、ITの仕事に必要な基礎知識が幅広く問われます。IPAの統計資料によると、令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の合格率は38.3%でした。
試験はパソコンで受けるCBT方式で行われていますが、IPAはシステムの入れ替えに伴い、現行の試験を2026年12月28日以降一時休止する(試験会場によってはそれより前に休止する)と案内しています。再開時期は決まり次第知らせるとしています(IPAのお知らせ・2026年8月3日更新)。2027年度からは新しい試験制度へ移行する予定です。ITエンジニアを目指して受験を考えている人は、勉強を始める前に公式サイトで最新の日程と出題範囲を確認しておきましょう。
| 試験の形式・時期 | CBT方式。2026年12月28日以降は一時休止の予定で、再開時期は未定(IPA) |
| 合格率 | 38.3%(令和7年度)(IPA統計資料) |
| 受験料 | 7,500円(税込)(IPA) |
| 資格を活かせる仕事の例 | プログラマー・システムエンジニア |
宅地建物取引士
宅地建物取引士(宅建)は、不動産の売買や賃貸の取引で重要事項の説明などを行うための国家資格です(宅地建物取引業法)。不動産会社の営業や事務を目指す人にとって、仕事に直結する資格といえます。試験は年1回で、試験実施概況や令和8年度の日程を見ると10月に行われています。
不動産適正取引推進機構の試験実施概況によると、令和7年度の合格率は18.7%でした。合格率は10選の表の中で最も低く、難しい部類に入ります。年1回の試験なので、試験日から逆算して勉強の計画を立てる必要があります。不動産業界で働きながら合格を目指す方法もあるため、取得を待たずに就職活動を進める選択肢も考えておきましょう。
| 試験の形式・時期 | 年1回の筆記試験(令和8年度は10月18日)(不動産適正取引推進機構) |
| 合格率 | 18.7%(令和7年度)(試験実施概況) |
| 受験料 | 8,200円(不動産適正取引推進機構) |
| 資格を活かせる仕事の例 | 不動産の売買・賃貸の営業 |
TOEIC Listening & Reading Test
TOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&R)は、英語の力をスコアで測る試験です。IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)によると、リスニング約45分・100問とリーディング75分・100問で構成されています。合格・不合格ではなく、スコアで結果が出るのが特徴です。
公開テストは年間を通じて複数回行われるため(IIBC:年間テスト日程)、スコアを少しずつ伸ばしながら受け直すこともできます。英語を使う仕事や外資系企業を目指す人に向いており、求人によっては応募条件や歓迎条件にスコアの目安が書かれていることもあります。どのくらいのスコアを目指すかは、志望する求人の条件を見てから決めましょう。
| 試験の形式・時期 | 公開テストを年間を通じて複数回実施(IIBC) |
| 結果 | 合否ではなくスコアで出る(リスニング約45分・100問、リーディング75分・100問)(IIBC) |
| 受験料 | 7,810円(税込・紙の公式認定証を発行する場合。発行しない場合は7,700円)(IIBC) |
| 資格を活かせる仕事の例 | 貿易事務・外資系企業の事務 |

気になる資格は見つかりましたか?どれにするか迷ったら、次のポイントで絞り込んでみてくださいね。
ニートが資格を選ぶときの3つのポイント
- 合格率や出題範囲を見て、自分でも合格できそうかを確かめる
- CBT方式や随時試験など、受験のチャンスが多い資格は計画を立てやすい
- 就きたい仕事から逆算して、仕事に直結する資格を選ぶ
これから勉強する資格を選ぶときは、次の3つのポイントを意識しましょう。
- 自分でも合格できそうな難易度か
- 受験のチャンスが多いか
- 就きたい仕事に直結するか
自分でも合格できそうな難易度か
最初に確かめたいのは、今の自分でも合格を目指せる難易度かどうかです。いきなり難しい資格に挑戦すると、合格までに時間がかかり、就職活動を始める時期がどんどん遅れてしまうおそれがあります。勉強が続かずに途中であきらめると、自信をなくすことにもつながりかねません。
書店で参考書を開いてみたり、公式サイトのサンプル問題を解いてみたりして、独学で進められそうかを確かめてから選ぶのがおすすめです。資格の勉強が初めてなら、ビジネス実務マナー検定や秘書検定の3級、日商簿記検定3級のように入門レベルの級がある資格から始めると、小さな成功体験を積み重ねやすくなります。
受験のチャンスが多いか
試験の回数も大切なポイントです。宅地建物取引士のように年1回しか試験がない資格は、不合格になると次の挑戦まで1年待つことになります。そのぶん就職活動の予定も立てにくくなるため、受験する時期から逆算した計画が欠かせません。
一方で、MOSの随時試験(MOS公式サイト)や日商簿記検定のネット試験(商工会議所の検定試験)のように、自分の都合に合わせて受験日を選べる資格もあります。受験のチャンスが多い資格は、勉強の進み具合に合わせて受験日を決めやすく、就職活動とも両立しやすいのが利点です。
就きたい仕事に直結するか
就きたい仕事とのつながりを説明できる資格なら、取得した理由を面接で伝えやすくなります。面接では「なぜこの資格を取ったのか」を聞かれることも想定しておきましょう。志望する仕事とつながっていれば、資格を取った理由がそのまま志望動機の説得力にもなります。
就きたい仕事がまだはっきりしない場合は、事務、販売、介護、ITなど、ある程度の方向を決めてから資格を選びましょう。複数の仕事で使える資格を選ぶなら、パソコン操作のMOSや、社会人の基本を学べるビジネス実務マナー検定のように、職種を問わず学んだことを生かしやすいものが候補になります。

資格の選び方が分かったところで、資格を取るとどんないいことがあるのかも確認しておきましょう。
ニートが資格を取る3つのメリット
- 働いていなかった期間の過ごし方を具体的に説明できる
- 勉強をやり遂げた経験が自己PRのエピソードになる
- 資格保有者を条件や歓迎条件にしている求人にも応募しやすくなる
ニートが資格を取ることには、次のようなメリットがあります。
- 空白期間の過ごし方を説明できる
- 自己PRのエピソードになる
- 応募できる求人が増える
空白期間の過ごし方を説明できる
面接では、働いていなかった期間に何をしていたかを聞かれることを想定しておきましょう。答えに困って黙ってしまうと、働く意欲が伝わりにくくなります。資格の勉強をしていたのであれば、その期間を就職に向けた準備の時間として説明できます。
たとえば「事務職に就きたいと考え、日商簿記検定3級の勉強をして合格しました」と話せば、目標を決めて行動できる人だと伝わります。合格前であっても、どんな計画で勉強を進めているかを具体的に話せれば、働く準備をしていることの説明になるでしょう。
自己PRのエピソードになる
職歴がないと、自己PRで何を話せばいいか悩む人もいるでしょう。資格の勉強は、目標を立て、計画どおりに続け、結果を出すまでの経験そのものが自己PRの材料になります。毎日決まった時間に勉強した、苦手な分野を問題集で何度も解き直したなど、具体的な行動を添えると説得力が増します。
「令和5年若年者雇用実態調査」では、若年正社員の中途採用で「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」を重視した事業所が72.7%でした。資格の勉強に取り組んだ経験を伝えることは、こうした意欲を示す方法の一つです。資格名を並べるだけでなく、取り組んだ過程を自分の言葉で話せるように準備しておきましょう。
応募できる求人が増える
資格を取ると、資格を持っていることを応募条件や歓迎条件にしている求人にも応募しやすくなります。不動産会社を目指すなら宅地建物取引士のように、志望する業界の求人票に資格名が書かれていないかを確認してみましょう。条件に合う資格を持っていれば、未経験でも選考で関心を持ってもらえる材料が一つ増えます。
制度の面では、第2類・第3類医薬品は薬剤師だけでなく登録販売者からも購入でき(厚生労働省)、訪問介護の業務には介護福祉士であるか研修の修了などが必要とされています(山梨県)。ドラッグストアや介護の仕事を目指すなら、求人票の応募条件に資格が入っているかを確かめておきましょう。就きたい仕事の求人票を何件か見て、どんな資格が求められているかを確かめてから資格を選ぶと、取った資格を就職に生かしやすくなります。

メリットがある一方で、取り方を間違えると遠回りになることもあります。気をつけたい点を見ておきましょう。
ニートが資格取得を目指すときの注意点
- 資格の勉強に時間をかけすぎて、就職活動を後回しにしない
- 資格があるだけで採用が決まるわけではない
- 試験制度の変更(基本情報技術者試験の一時休止など)を公式サイトで確かめる(IPA)
資格の勉強を始める前に、次の注意点も確認しておきましょう。
- 資格の勉強に時間をかけすぎない
- 資格があれば就職できるわけではない
- 試験の制度変更を確かめる
資格の勉強に時間をかけすぎない
資格を取ることは大切な一歩ですが、勉強に長い時間をかけすぎると、就職活動を始める時期がそのぶん遅れてしまいます。空白期間が長くなると、面接でその期間を説明する負担も大きくなります。資格を取ることが目的になってしまわないよう注意しましょう。
社会復帰を目指して資格を取るのであれば、まずは入門の級がある資格や受験の機会が多い資格を選び、早めに働き始めることを意識しましょう。合格までに長い時間がかかる資格は、就職してから働きながら目指す方法もあります。勉強と並行して求人を探したり、応募書類を準備したりしておくと、合格後すぐに動き出せます。
資格があれば就職できるわけではない
「令和5年若年者雇用実態調査」では、若年正社員の中途採用で重視された点の上位は、職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神、コミュニケーション能力、マナー・社会常識でした。資格はあくまで採用の判断材料の一つで、資格だけで採用が決まるわけではありません。
資格を取ったあとも、資格を持っていることより、資格を取るためにどう取り組んだか、その経験を仕事でどう生かしたいかを伝えることが大切です。志望動機や面接での受け答えの準備も、資格の勉強と同じくらい時間をかけて進めましょう。
試験の制度変更を確かめる
資格試験は、日程や出題範囲、試験の方式が変わることがあります。たとえば基本情報技術者試験は、IPAが現行の試験を2026年12月28日以降一時休止し(再開時期は未定)、2027年度から新しい試験制度へ移行する予定と案内しています(IPAのお知らせ)。勉強を始めたあとで受けたい時期に試験がないと分かると、計画を立て直すことになります。
日商簿記検定でも、2027年度に適用する出題区分表や3級の配点についての案内が出ています(商工会議所の検定試験)。参考書や問題集を買う前に、公式サイトで最新の日程と出題範囲を確認し、受験する時期に合った教材を選びましょう。

注意点を押さえたら、次は勉強の進め方です。お金をかけずに学べる公的な方法もあるので、ぜひ知っておいてくださいね。
ニートが資格の勉強を進める3つの方法
- CBT方式や随時試験の資格は、独学でも自分のペースで受験しやすい
- 通信講座やスクールは、受験料とあわせて予算を決めてから選ぶ
- 雇用保険を受けられない人も、求職者支援制度で無料の職業訓練を受けられる(厚生労働省)
資格の勉強の進め方には、主に次の3つがあります。費用や自分に合った進め方を考えて選びましょう。
- 独学で進める
- 通信講座やスクールを使う
- 公的な職業訓練を受ける
独学で進める
市販の参考書や問題集を使って独学で進める方法は、費用を抑えやすく、自分のペースで勉強できるのが利点です。ビジネス実務マナー検定や秘書検定、日商簿記検定3級のように入門レベルの級がある資格は、独学用の教材も選びやすく、最初の挑戦に向いています。
独学では、勉強を続ける仕組みを自分で作ることが大切です。毎日の勉強時間や、週ごとに進める範囲を決めておきましょう。CBT方式や随時試験で受験できる資格なら、勉強の進み具合を見ながら受験日を決められるので、目標を立てやすいでしょう。
通信講座やスクールを使う
一人では勉強が続くか不安な人や、出題範囲が広い資格に挑戦する人は、通信講座やスクールを使う方法もあります。教材の順番どおりに進めれば勉強の計画を立てやすく、分からないところを質問できる講座もあります。
ただし、通信講座やスクールは受講料がかかります。受験料とあわせて、資格を取るまでにいくらかかるかを先に計算し、無理のない予算で選びましょう。いきなり高額な講座を申し込むのではなく、無料の説明会や体験講座で教材の内容や進め方を確かめてから決めると安心です。
公的な職業訓練を受ける
ハローワークでは、仕事に役立つ知識や技能を学べる職業訓練(ハロートレーニング)を案内しています。厚生労働省の求職者支援制度では、雇用保険を受けられない人も無料の職業訓練を受講できます。本人収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下などの要件を満たし、原則として訓練実施日すべてに出席すれば、月10万円の職業訓練受講給付金を受け取れます。
親と同居していて世帯に一定の収入がある場合などは、給付金を受けずに訓練だけを受講する形になります(求職者支援制度)。訓練の分野や開講時期は地域によって違うので、まずは近くのハローワークで相談してみましょう。ハローワークの使い方は、ニートのハローワーク活用ガイドで詳しく解説しています。

勉強の進め方が見えてきましたね。ここからは、資格がなくても就職を目指すときのコツを紹介します。
資格がないニートが就職するコツ
- 資格の勉強と並行して、できるだけ早く就職活動を始める
- 応募する求人の数を確保し、アルバイトから経験を積む道も考える
- コミュニケーションやマナーは採用で重視される(令和5年若年者雇用実態調査)
資格がないニートでも、次のコツを意識すれば就職を目指せます。資格を取るか迷っている人も、あわせて確認しておきましょう。
- できるだけ早く就職活動を始める
- 応募する求人の数を確保する
- コミュニケーションと身だしなみに気をつける
できるだけ早く就職活動を始める
資格を持っているかどうかにかかわらず、就職したいと思ったら早めに動き出すことが大切です。働いていない期間が長くなるほど、面接でその期間を説明する負担も増えていきます。まずは求人サイトを見たり、相談窓口に行ったりして、情報を集めるところから始めましょう。
資格の勉強を先に終わらせてから就職活動を始めるのではなく、自己分析や企業研究など、選考に直結する準備も並行して進めると時間を無駄にしにくくなります。ニートから正社員になるまでの流れは、ニートから正社員になるまでのステップをまとめた記事で詳しく紹介しています。
応募する求人の数を確保する
職歴がない状態で就職活動をすると、書類選考や面接で思うように結果が出ないこともあります。気になる求人を1つだけに絞らず、ある程度の数に応募してチャンスを広げておきましょう。選考を重ねるうちに、自分に合う仕事や面接での伝え方も見えてきます。
いきなり正社員の選考を受けるのが不安な場合は、アルバイトから働くことに慣れていく方法もあります。働いた経験は、その後の正社員の選考でも話せる材料になります。アルバイトの始め方は、ニートがバイトを始めるときのポイントをまとめた記事を参考にしてください。
コミュニケーションと身だしなみに気をつける
「令和5年若年者雇用実態調査」では、若年正社員の中途採用で「コミュニケーション能力」を重視した事業所が66.9%、「マナー・社会常識」を重視した事業所が58.1%でした。面接では、話の中身と同じくらい、受け答えの姿勢や第一印象が見られていると考えておきましょう。
質問をよく聞いて結論から答える、清潔感のある服装や髪型で面接に臨むといった基本を押さえるだけでも、印象は変わります。自分の話し方や身だしなみに自信がない人は、家族に面接官役を頼んだり、公的な窓口や就職エージェントの模擬面接を利用したりして、事前に練習しておくと安心です。

一人で資格選びや就職活動を進めるのが不安なら、相談できる場所を使うのも手ですよ。主な相談先を紹介しますね。
資格選びや就職に迷ったときの相談先
どの資格を取ればいいか、そもそも資格が必要か迷ったときは、一人で抱え込まずに相談先を使いましょう。主な相談先は次の3つです。
- ハローワーク・わかものハローワーク
- 地域若者サポートステーション(サポステ)
- 就職エージェント
ハローワーク・わかものハローワーク
ハローワークでは、求人の紹介や職業相談に加えて、先ほど紹介した職業訓練の相談もできます。正社員を目指す若い人向けには、わかものハローワークもあり、厚生労働省の案内では、おおむね35歳未満で正社員を目指す人を対象に、さまざまな就職支援を無料で行っています。
資格の勉強と就職活動のどちらを優先すべきかも含めて、担当者に相談しながら進められるのが利点です。訓練の分野と求人をあわせて見られるので、どの資格が地元の求人で求められているかを知る手がかりにもなります。ニートがハローワークでできることは、ニートのハローワーク活用ガイドで詳しく紹介しています。
地域若者サポートステーション(サポステ)
地域若者サポートステーション(サポステ)は、働くことに悩みを抱えている15歳から49歳までを対象に、就労に向けた支援を行う機関です。厚生労働省が委託した民間団体などが運営しており、全ての都道府県に設置されています。
いきなり資格の勉強や求人への応募を始めるのが難しいと感じる人は、サポステで働くことへの不安を相談しながら、段階を踏んで準備を進める方法もあります。厚生労働省の案内では、「自信が持てず一歩を踏み出せない」「コミュニケーションが苦手で不安」といった悩みを持つ人も支援の対象として挙げられています。
就職エージェント
一般に就職エージェントは、民間の職業紹介事業者が担当者との面談をもとに求人を紹介するサービスです。費用については、職業安定法第32条の3第2項で、有料の職業紹介事業者は求職者から手数料を受け取ってはならないと定められています(厚生労働省令で定める場合を除く)。
キャリアスタートは、第二新卒・既卒・フリーターなど20代を中心とした若手の就職を、性格やスキル・特性を見極めた求人の紹介や、応募先に合わせた面接トレーニングを通して支援しています。事前のヒアリングとキャリアアドバイザーへの相談を経て、求人の紹介や面接対策を受ける流れです。サービスの内容は第二新卒・既卒向けサービスのページで確認できます。

最後に、ニートの資格についてよくある質問にお答えしますね。気になるものから読んでみてください。
ニートの資格に関するよくある質問
ニートが資格を取るのは意味がないですか?
意味がないとは言い切れません。「令和5年若年者雇用実態調査」では、若年正社員の中途採用で重視された点の上位は意欲・コミュニケーション能力・マナーでしたが、資格の勉強をやり遂げた経験は、意欲や学ぶ姿勢を示す材料になります。就きたい仕事に合った資格を選び、取り組んだ過程まで話せるようにしておくことが大切です。
職歴や学歴がなくても受けられる資格はありますか?
あります。秘書検定やビジネス実務マナー検定は受験資格に制限がなく、どなたでも受験できます(秘書検定 受験要項・ビジネス実務マナー検定 受験要項)。登録販売者も、平成27年度以降の試験では学歴や実務経験の受験要件がなくなりました(東京都の案内)。
お金をかけずに資格の勉強をする方法はありますか?
雇用保険を受けられない人は、厚生労働省の求職者支援制度で無料の職業訓練を受講できます。本人や世帯の収入、世帯の金融資産などの要件を満たし、原則として訓練実施日すべてに出席すれば、月10万円の職業訓練受講給付金も受け取れます。まずは近くのハローワークで、地域で受けられる訓練を相談してみましょう。
資格の勉強と就職活動はどちらを先に始めるべきですか?
どちらかを先に終わらせるより、並行して進めるのがおすすめです。就きたい仕事をおおまかに決め、入門の級がある資格などの勉強をしながら、求人探しや応募書類の準備も進めましょう。難関資格の勉強に長い時間をかけるべきか迷う人は、ニートが人生逆転する方法をまとめた記事も判断の参考になります。
基本情報技術者試験は2026年12月以降も受けられますか?
IPAは、CBT方式で行っている現行の試験を2026年12月28日以降一時休止し、試験会場によってはそれより前に休止する場合もあると案内しています。再開時期は決まり次第知らせるとしています(IPAのお知らせ・2026年8月3日更新)。2027年度からは新しい試験制度へ移行する予定です。受験を考えている人は、公式サイトで最新の日程を確認してから勉強の計画を立てましょう。
資格がなくても応募できる仕事はありますか?
資格が必要かどうかは仕事や求人によって違います。気になる仕事の求人票で必要な資格や経験を確かめましょう。ニートに向いている仕事はニートに向いてる仕事19選、働くことに前向きになれないときの仕事選びは働きたくない人に向いてる仕事をまとめた記事で紹介しています。
まとめ
ニートの就職では、資格がなくても応募できる求人がありますが、就きたい仕事に合う資格を取れば、働く意欲や学ぶ姿勢を伝える材料になります。資格の勉強をしていた経験は、空白期間の説明や自己PRにも生かせます。
資格を選ぶときは、合格を目指せる難易度か、受験のチャンスが多いか、就きたい仕事に直結するかの3つを確かめましょう。勉強は独学のほか、求職者支援制度による無料の職業訓練を使う方法もあります。資格の勉強に時間をかけすぎず、就職活動も並行して進めることが大切です。
ニートからの就職の進め方を広く知りたい人は、ニートの就職についてまとめたページもあわせて参考にしてください。

資格は就職への道を広げる手段の一つです。焦らず、自分に合ったペースで一歩ずつ進めていきましょうね。























ニートの就職では資格がなくても応募できる求人がありますが、就きたい仕事に合う資格を短い期間で取れば、意欲や学ぶ姿勢を伝える材料になります。まずは受験資格に制限のないビジネス実務マナー検定・秘書検定や、ネット試験で受験日を選べる日商簿記検定3級など、入門の級があって受験の機会が多い資格から選び、勉強と並行して就職活動も始めておくのがおすすめです。