「高専は留年しやすいって本当?」
「留年が確定しそうだが、今後の就職に悪影響があるのだろうか…」
高専は普通高校より進級基準が厳しく、留年に不安を感じている人も多いでしょう。
しかし実際には、留年したからといって将来の選択肢がすべて閉ざされるわけではなく、重要なのはその後の行動と進路の選び方です。
この記事では、高専の留年率や留年する主な原因、就職や大学編入への影響、留年後の選択肢までわかりやすく解説します。
面接で留年理由を聞かれた場合の答え方も紹介しているので、今後の進路に不安がある方はぜひ参考にしてください。
高専の留年率は3.7%

高専と普通高校(専門含む)、大学の留年率を比較してみましょう。
| 高専 | 3.7% |
| 普通高校 | 0.3% |
| 大学 | 4.8% |
少し古いデータになりますが、平成26年の文部科学省の調査では、高専の留年率は3.7%でした。
一方で、普通高校の留年率は0.3%と、数値だけ見ると高専は普通高校の約10倍留年者が多いことがわかります。
また、大学の留年者数は2020年統計だと4.8%と、高専に近い数値になっています。
高専の留年理由の多くは単位不足ですが、普通高校と比べてここまで高い数値になるのは、高専の進級基準の高さからです。
基本的に高専は「専門教育機関」であり、普通高校と比べて単位の取得が難しくなっており、単位を落とせば進級が難しいという点では大学に仕組みが似ています。
これにより、3つの教育機関を比べると高専の留年率は高校と比べると高く、大学と比べるとやや低い割合となっています。
高専で留年してしまう原因

高専の留年率が高校に比べて高いのは、単位取得基準が高いためです。
具体的に高専で留年が多い理由を解説します。
- 赤点の基準が普通高校よりも高い
- 必修科目を1つでも落とすと留年になる可能性がある
- 授業時間の2/3以上出席しなければいけない
赤点の基準が普通高校よりも高い
高専の赤点の基準は60点未満に設定されています。
一方で普通高校は平均点の半分程度が赤点になることが多く、一般的に30〜40点が赤点とされています。
これは高専が5年間で専門的な教育を施し、専門技術者を育成することを目的とした学校であり、生徒に対して十分な理解を促すために設けられている基準です。
普通高校と比べると赤点の基準がかなり高く、これも多くの学生が赤点をとり、最終的に留年してしまう原因のひとつです。
必修科目を1つでも落とすと留年になる可能性がある
必修科目とはその1年間で必ず履修しなければならない授業のことで、その単位を1つでも落とすと進級できません。
仮に他の科目の単位をすべて取得できていたとしても、1つ必修科目を落とせば留年が確定します。
もちろんレポートや補習などの救済措置は用意されていますが、赤点の基準が高いため、間に合わずに留年する人も出やすいです。
授業時間の2/3以上出席しなければいけない
高専の進級試験を受けるためには、原則として各科目の授業時間の3分の2以上に出席していなければなりません。
この出席基準を満たしていない場合、たとえ試験の成績が良くても単位認定の対象外となることがあります。
つまり、試験で高得点を取れば挽回できるというわけではなく、日頃の出席状況が進級の前提条件になっているということです。
病気ややむを得ない事情を除き、欠席が多いと定期試験の受験資格を失う可能性もあるため注意が必要でしょう。
高専で留年したらどうなる?就職や編入への影響

高専は普通高校と比べて進級基準が厳しく設けられており、およそ30人に1人は留年する計算です。
仮に留年してしまったら、卒業後の就職にどのような影響があるかを説明します。
- 赤点の基準が普通高校よりも高い
- 必修科目を1つでも落とすと留年になる可能性がある
- 授業時間の2/3以上出席しなければいけない
1回の留年であれば就職への影響は少ない
高専で1回留年した程度であれば、就職への影響は比較的少ないでしょう。
特に技術職採用では、以下のようなスキルが重視される傾向にあります。
- 専門知識
- 実験・実習経験
- 研究内容
そのため、留年の事実よりも、最終的にどのような技術や知識を身につけたかが評価対象になります。
ただし、留年理由を面接で聞かれる可能性はあるため、前向きな説明ができるよう整理しておくと安心です。
大学編入を目指す場合は学習計画を早めに立てる
高専から大学への編入を目指す場合、留年は一定の影響を与える可能性があります。
多くの大学では成績(GPA)や順位が重視されるため、留年によって評価が下がると、志望校の選択肢が狭まることがあるためです。
そのため、編入を考えている場合は、専門科目の成績向上や英語(TOEICなど)の対策、志望理由書や面接準備などを早めに進めることが重要です。
留年後でも成績を立て直し、明確な志望動機を示せれば、編入自体が不可能になるわけではないので安心してください。
5年生での留年の場合は内定延期の依頼が必要
5年生で留年した場合は、就職活動への影響が大きくなります。
高専では5年生で内定を得るケースが多いため、留年すると卒業時期が1年延び、入社予定日に間に合わなくなるためです。
その場合は、内定先企業へ事情を説明し、内定の延期(入社時期の変更)や再度就職活動のいずれかを選択することになります。
企業によっては内定を維持したまま翌年入社を認めてくれる場合もありますが、必ずしも保証されているわけではありません。
5年生は卒業研究や単位管理が重要となるため、留年の可能性がある場合は早めに学校や企業へ相談しましょう。
高専で留年してしまった場合の選択肢

進級基準が厳しい高専では、留年が他人事とは言い切れないのが事実です。
仮に高専で留年が確定した場合に取れる選択肢は以下の3つです。
- 赤点の基準が普通高校よりも高い
- 必修科目を1つでも落とすと留年になる可能性がある
- 授業時間の2/3以上出席しなければいけない
単位を取り直して卒業を目指す
高専で留年してしまった場合は、単位を取り直して卒業を目指しましょう。
高専は専門教育機関であるため、卒業資格そのものが大きな強みになります。
1回の留年であればその事実が大きく就職に影響を与える可能性は少ないため、その後順当に単位を取得して卒業できれば、将来への影響は最小限に抑えられるはずです。
授業への出席日数をして試験勉強をコツコツ続けて、卒業を目指しましょう。
退学して就職を目指す
高専の留年をきっかけに退学し、就職を目指す選択肢もあります。
ただし、高専を中退した場合は最終学歴が「中学卒業」扱いになるため、高校卒業資格を別途取っておいた方が、就職時の選択肢は広がるでしょう。
一方で、すでにプログラミングや機械・電気などの実務スキルを身につけている場合は、実力を評価して採用する企業もあります。
自分のスキルや働き方の希望を整理したうえで判断することが大切です。
退学して別の進路を選ぶ
退学後、別の学校へ進学するという選択もあります。
代表的なのは以下のような進路です。
- 通信制高校や定時制高校への編入
- 専門学校へ進学する
- 大学受験を目指す
高専を中退したままでは進学や就職の選択肢が狭まるため、まずは高卒資格の取得を目指すケースが多いです。
そのうえで、改めて専門分野を学び直すか、別の分野へ進むかを検討するとよいでしょう。
高専の留年理由を就職面接で聞かれた場合の答え方

高専で留年した場合、就職面接で理由を聞かれる可能性はあります。
ただし、留年そのものよりも「どう受け止め、どう行動したか」が重要です。
ここでは、面接での伝え方のポイントを整理します。
- 赤点の基準が普通高校よりも高い
- 必修科目を1つでも落とすと留年になる可能性がある
- 授業時間の2/3以上出席しなければいけない
嘘をつかずに正直に留年した理由を伝える
まず前提として、高専を留年した理由は嘘なく正直に伝えましょう。
成績証明書や在籍年数は提出書類で確認可能なので、留年について嘘をついても、信頼を損なうだけになりかねません。
大切なのは単位を落とした理由、当時の状況を説明し、もしも自分に非があるなら反省と行動の改善点を伝えることです。
例えば、「専門科目の不理解が理由で単位を落としましたが、その後1年間でもう一度学び直し、最終試験では満点を獲得し、十分にその強化についての理解を深めることができました」など、事実に加えて改善のポイントを伝えましょう。
ネガティブな理由もポジティブに伝える工夫をする
留年理由が以下のようなネガティブなものの場合、反省をしっかり伝えましょう。
- 学習不足
- 生活リズムの乱れ
- 部活動やアルバイトとの両立失敗
面接で採用官が知りたいのは、留年の理由だけでなく改善の姿勢と、今現在の本人の姿勢です。
例えば改善の姿勢を見せるには「学習時間の計画を立てられず単位を落としてしまいました。時間管理の甘さを痛感し、以降は毎週学習計画を時間割形式にして作成し、その通りに学習することで履修を完了させました」のように、改善行動をセットで伝えましょう。
留年後に取り組んだことを伝える
最も重要なのは、留年後の行動です。
企業側が知りたいのは「失敗後の対応力」であり、それが身についている人材は、仕事においても失敗を挽回する精神力やスキルがあるとして好印象になります。
具体的には以下のようなことを伝えましょう。
- 成績をどの程度回復させたか
- 資格取得に挑戦したか
- 研究や実習で成果を出したか
- TOEICなどで点数を伸ばしたか
単に留年しただけでなく、それを反省してスキル習得に取り組んだことを具体的に伝えましょう。
高専の留年についてよくある質問

高専の留年制度は普通高校とは大きく異なります。
詳細は教員へ確認するのが一番ですが、まずは一般的な内容について回答します。
高専の留年はいつわかりますか?
高専の留年は一般的に学年末の成績判定後に確定することになります。
多くの学校では後期試験、再試験が終了した後に学年末の成績会議が行われて、進級可否が判断される仕組みです。
タイミングとしては後期試験の結果発表時、再試験の結果発表時、成績通知表の配布時に進級が確定することが多いです。
なお、進級が難しくなった時点で教員から声をかけられることもあるので、不安がある場合は教員に進級について確認して取れる救済措置がないか確認しておきましょう。
高専では何回留年したら退学になりますか?
高専によって留年できる回数は違いますが、学校ごとに最大6〜8年などの上限が定められています。
また上限在籍期間については、学校によって1〜3年生は6年、4〜5年生は4年間などのルールがあり、これを超えて留年することができないケースが多いです。
同一学年で2回以上留年すると退学勧告される学校もあるなど、学校によってルールが異なるため、必ず通っている学校の教員へ確認をとりましょう。
高専の留年や退学後の進路はキャリアスタートへご相談ください
高専は専門教育機関として厳しい進級基準を設けており、普通高校と比べると留年率は高いです。
しかし、留年したからといって直ちに就職ができないわけではありません。
留年した結果をしっかり受け止め、その後の進路を考えて行動することが重要です。
高専の留年が確定しそうで就職に不安がある方、留年をきっかけに就職を考えている方はキャリアスタートへご相談ください。
キャリアスタートは高専で培ったあなたの知識やスキルをしっかり把握したうえで、適性の合う求人をご紹介、内定獲得まで包括的なサポートが可能です。























