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大学中退しても公務員になれる!向き不向きや注意点も解説

結論

大学中退でも公務員試験は受験でき、高卒程度・大卒程度のどちらの区分も挑戦できます。ただし年齢制限・試験難易度・公務員ならではの働き方の特性を理解したうえで、民間企業との比較も含めて慎重に進路を決めることが大切です。

牛田

「中退したから公務員は無理かも…」と思い込んでいませんか?大丈夫ですよ、公務員試験は学歴ではなく年齢と試験の点数で決まるので、しっかり対策すれば中退者でも十分に合格を狙えます!

この記事では、大学中退から公務員を目指す方法・年齢制限・目指せる職種・メリットとデメリット・試験対策のポイントまで網羅的に解説します。公務員に向いている人/向いていない人の特徴や、民間企業との比較もお伝えしますので、進路選びの参考にしてください。

大学中退後の就職活動全般について知りたい方は、大学中退者向け就職ガイドもあわせてご覧ください。

牛田

まずは『中退でも公務員になれる』という根拠から整理していきましょう。意外と知られていない試験制度のポイントをお伝えしますね。

大学中退しても公務員を目指せる理由

この章のポイント
  • 公務員試験の受験資格に学歴制限はなく、年齢と試験区分で受験可否が決まる
  • 高卒の公務員は国家公務員の約3割・地方公務員の約2割を占めている
  • 大学中退者も大卒程度の試験を受験できるため進路の選択肢が広い
大学中退しても公務員になれる!

大学を中退していても公務員になることは可能です。公務員試験は学歴ではなく年齢と試験の成績で合否が決まる仕組みになっており、大学を中退して最終学歴が高卒になっていても、不利になることはありません

ここでは、大学中退者が公務員を目指せる3つの根拠について解説します。

公務員試験の受験資格に学歴は関係ない

一部の総合職などを除き、公務員試験は「高卒程度」「短大・専門卒程度」「大卒程度」の3つの試験区分で実施されます。これは学歴の条件ではなく、試験問題のレベルや受験者に求められる能力の目安を示すものです。

そのため、大学を中退して学歴上は高卒となっていても、高卒程度・大卒程度のどちらの試験区分でも受験することができます。学歴フィルターも基本的に存在しないため、中退者であることが選考で不利に働くこともほとんどありません。

ただし、公務員試験には年齢制限が設けられており、試験区分や自治体ごとに上限年齢が異なります。一般的に高卒程度の試験は20〜21歳まで、大卒程度の試験は28〜30歳までと定められていることが多いため、20代前半のうちに受験することが現実的な選択肢になります。年齢制限の詳細は次のH2で詳しく解説します。

また、公務員試験では「欠格条項」というルールがあり、犯罪歴がある人や懲戒免職処分を受けた経歴がある人などは受験できません。多くの人は当てはまらない条項ですが、念のため事前に確認しておくと安心です。

高卒の公務員は国家3割・地方2割を占める

「中退者で本当に公務員になれるの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、実際に高卒の公務員はかなりの数が存在します。

総務省の「令和5年地方公務員給与の実態」および人事院の「令和5年国家公務員給与等実態調査」によれば、国家公務員の約3割、地方公務員の約2割が高卒者となっています。高卒者には大学中退者も含まれており、決して特殊な存在ではないことが分かります。

出典:総務省「地方公務員給与の実態」、人事院「国家公務員給与等実態調査

とくに国家公務員のほうが高卒比率が高い傾向にあるため、学歴を気にする方は地方公務員より国家公務員の高卒者試験を検討するのもひとつの戦略です。

大学中退者でも大卒程度の試験を受験できる

公務員試験の受験資格でお伝えした通り、大学を中退して学歴上は高卒になっていたとしても、大卒程度の試験を受験することも可能です。

大卒程度試験は高卒程度試験よりも問題難易度が高く範囲も広いですが、大学に入学できた学習力を活かせれば、中退者でも合格を狙うことは十分にできます。試験区分の選択次第で、大卒の同期と同じスタートラインに立てるのも公務員試験の大きな魅力です。

なお、高卒程度試験で公務員になった場合は窓口対応や事務作業などの一般職に配属されるケースが多くなります。一方、大卒程度試験で採用されれば、企画立案や政策運営などのスケールの大きな仕事に挑戦できる可能性が高まります。公務員試験の対策を進めながら民間企業への就職も視野に入れたい人は、若手就職支援に強いキャリアスタートまでご相談ください。

大学中退者が就職を成功させるコツについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になります。

大学中退すると就職は厳しい?就職を成功させるコツを徹底解説
牛田

公務員試験には年齢制限があります。中退者がいちばん注意すべきポイントなので、ここで具体的な数字を押さえておきましょう。

大学中退から公務員を目指すときの年齢制限

この章のポイント
  • 高卒程度試験は20〜21歳まで(高校卒業から2年以内)が多い
  • 大卒程度試験は28〜30歳までと幅広く設定されている
  • 社会人試験(係員級)なら40歳未満まで受験できる場合がある

公務員試験は学歴の制限はないものの、年齢制限が試験区分ごとに細かく設定されています。大学を中退して公務員を目指すなら、自分の年齢でどの試験区分を狙えるかをまず把握しておくことが大切です。

なお、年齢の判断基準は「受験時の年齢」ではなく「採用される年の4月1日時点の年齢」となります。受験申込時には問題なくても、採用年の4月1日時点で上限を超える場合は受験できないため、注意してください。

高卒程度試験は20〜21歳まで

高卒程度の試験は、おおむね受験できる年齢の上限が20〜21歳までに設定されているケースが多くあります。試験案内には「高等学校または中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して2年を経過していない者」といった形で記載されることが一般的です。

出典:人事院「国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)

このため、大学1〜2年で中退した方であれば高卒程度試験を視野に入れやすいですが、大学3年以降に中退している方は年齢的に高卒程度試験の受験ができないケースが多くなります。その場合は次に解説する大卒程度試験を狙うことになります。

大卒程度試験は28〜30歳まで

大卒程度試験は高卒程度試験より年齢制限が緩やかで、28〜30歳まで受験可能なケースが多いです。国家公務員採用一般職試験(大卒程度)の場合、おおむね「30歳未満」が受験資格の上限に設定されています。

試験難易度は高卒程度より高くなりますが、受験できる年齢の幅が広く、大学を中退してからしばらく経った人でも挑戦しやすいのが大卒程度試験の魅力です。20代後半まで挑戦できるため、中退後にフリーターやアルバイトを経験している方も諦める必要はありません。

ただし大卒程度試験の倍率は高卒程度より高い傾向があるため、合格には1年以上の入念な対策が必要になります。試験勉強と並行して民間企業の就職活動も視野に入れたい方は、20代未経験の就職支援に特化したキャリアスタートまでご相談ください。

社会人試験(係員級)なら40歳未満まで受験できる

高卒程度・大卒程度のいずれの年齢制限も超えてしまった場合でも、社会人試験(係員級)であれば40歳未満まで受験できる可能性があります。国家公務員採用一般職試験には毎年、社会人試験(係員級)の枠が設けられています。

出典:人事院「国家公務員採用一般職試験(社会人試験・係員級)

ただし社会人試験は採用人数が少なく、毎年若干名のみとなることも多いため、倍率は非常に高い傾向にあります。高卒程度・大卒程度試験よりもさらに難易度が高いという認識で臨む必要があります。

なお、地方公務員試験は自治体ごとに年齢制限が異なります。社会人経験者採用枠で40代まで受験可能な自治体もあるため、志望する自治体の試験案内を必ず最新版で確認するようにしてください。

牛田

『公務員』と一言で言ってもいろんな仕事があるんですよ。中退者が現実的に目指せる主な職種をまとめてみました。

大学中退者が目指せる公務員の主な職種

この章のポイント
  • 国家公務員(一般職)は中央省庁や出先機関で事務作業を担当する
  • 地方公務員は都道府県庁・市区町村役場の窓口・行政サービスを担う
  • 警察官・消防官・税務職員・刑務官など現場系の職種も大学中退で目指せる

大学中退者が目指せる公務員には多様な職種があります。デスクワーク中心の事務職から、現場対応が中心の警察官・消防官まで、自分の適性や興味に合わせて選択肢を持つことができます。

ここでは、大学中退者が現実的に目指しやすい代表的な5つの公務員職種を紹介します。

国家公務員(一般職)

国家公務員(一般職)は、中央省庁や国の出先機関で働く公務員です。総合職のサポート業務や、各省庁の事務作業を担当します。

具体的には法務、外交、税務、政策運営に関わる事務処理や、データ管理、書類作成、来客対応など、組織を支える幅広い業務に携わります。海外勤務の機会がある省庁もあり、スケールの大きな仕事ができる点が魅力です。

大学中退者は、高卒者試験または大卒程度試験のどちらかを受験して採用を目指します。配属先は採用試験の区分や成績、希望に応じて決定される仕組みになっています。

地方公務員(都道府県庁・市区町村役場の職員)

地方公務員は、都道府県庁や市区町村の役場で働く公務員です。住民票・戸籍・福祉サービス・ゴミ処理・地域振興など、生活に密着した行政サービスを担当します。

窓口で訪れた住民への対応や、各種申請書類の処理が日常業務の中心です。「地元に貢献したい」「自分の生まれ育った地域で長く働きたい」という人にとっては、やりがいを感じやすい職種といえます。

自治体ごとに採用試験が独自に行われるため、受験資格・試験内容・年齢制限は自治体ごとに異なります。志望する自治体の最新の試験案内を必ず確認してください。

警察官・消防官

警察官・消防官は、地域の警察署・交番・消防署に勤務する地方公務員です。警察官は治安維持・犯罪捜査・交通取締り、消防官は火災対応・救急救助・防災活動などを担います。

体力試験が課されるため、デスクワーク中心の事務職とは性質が大きく異なりますが、学歴より体力と意欲が重視される傾向があるため、大学中退者でも採用されるチャンスは十分にあります。

「人の役に立っている実感がほしい」「身体を動かして働きたい」という人に向いている職種です。なお、ハードな勤務形態や危険を伴う業務もあるため、自分の適性を慎重に見極めることが大切です。

税務職員(税務署・国税局)

税務職員は、地域の税務署や国税局で働く国家公務員です。税金の申告内容の調査、未納税の督促・徴収、税務相談への対応などが主な業務になります。

採用後は税務大学校で1年間の研修を受け、税務の専門知識を身につけたうえで税務署に配属されるのが一般的です。専門性が身につくため、公務員のなかでもキャリアアップしやすい職種として知られています。

国税専門官は大卒程度試験が中心ですが、税務職員(高卒程度)の採用枠もあるため、大学中退者でも受験は可能です。

刑務官・入国審査官などの専門職

刑務官は、刑務所や少年院、留置場で被収容者の日常生活指導や施設管理を担う国家公務員です。入国審査官は、空港や出入国在留管理庁で外国人のパスポート・ビザ確認や入国可否の判断を行います。

どちらも高卒程度試験から目指せる専門職で、専門知識を持つ公務員として独自のキャリアを築けるのが魅力です。なお、刑務官は体力試験、入国審査官は語学力が重視される傾向があります。

そのほか、衆議院事務局職員・参議院事務局職員・裁判所職員などの専門職も、大学中退から目指せる公務員です。自分の興味や強みに合った職種を見つけたい方は、若手就職支援に強いキャリアスタートにご相談ください。

大学中退者におすすめの就職先について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になります。

大学中退者は資格なしでも就職できる!おすすめの資格11選
牛田

公務員のメリットって、なんとなく『安定』ってイメージはあるけど、具体的にどんな良さがあるのか整理してみますね。

大学中退者が公務員になる3つのメリット

この章のポイント
  • 公務員は雇用が安定しており、倒産・リストラのリスクが極めて低い
  • 住宅手当・育児休業など福利厚生が民間より手厚い傾向にある
  • 社会的信用が高く、住宅ローンや車のローン審査が通りやすい

大学中退者にとって、公務員になる最大のメリットは学歴ハンデを気にせず安定したキャリアを築ける点にあります。学歴フィルターのない採用制度で公平に評価されるため、中退者でも対等にスタートを切ることができます。

ここでは、大学中退者が公務員を目指す代表的なメリットを3つ紹介します。

雇用が安定しており倒産・リストラのリスクが低い

公務員最大のメリットは、雇用の安定性です。公務員は国家公務員法・地方公務員法によって身分が保障されており、業績悪化を理由とした減給やリストラがありません。

民間企業の場合は、業績悪化による倒産・リストラのリスクが常にあります。とくに大学中退者の場合、再就職の難易度が大卒者より高くなることが多いため、一度就職した職場で長く働きたいと考えるのなら公務員は非常に魅力的な選択肢です。

懲戒処分にあたる重大な問題を起こさない限り定年まで働き続けられるため、ライフプランも立てやすくなります。

住宅手当・育児休業など福利厚生が手厚い

公務員は民間企業と比較しても福利厚生が充実している傾向にあります。住宅手当・扶養手当・通勤手当などの各種手当が支給され、有給休暇の取得率も民間平均より高い水準にあります。

とくに育児休業・介護休暇・病気休暇などの取得しやすさは公務員ならではの強みです。ライフイベントに合わせて働き方を調整しやすく、長期的に働き続けられる環境が整っています。

また、共済組合の貸付制度・積立制度も整備されているため、将来の資産形成にも取り組みやすい仕組みになっています。

社会的信用が高くローン審査が通りやすい

公務員は社会的信用が高い職業として知られています。安定した収入が見込める仕事のため、住宅ローン・自動車ローン・クレジットカードの審査で有利になりやすいのが特徴です。

民間企業に勤める会社員と比較しても、公務員のローン審査通過率は高い傾向があります。とくに大学中退で学歴に不安を感じている人にとって、公務員の肩書きは強力な武器になります。

「学歴が原因で社会的にマイナス評価を受けたくない」「将来住宅を購入したい」と考えている人にとって、公務員という選択は安心感のある進路といえるでしょう。

牛田

メリットだけで判断すると後悔しがちです。デメリットも正直にお伝えするので、両方を踏まえて検討してみてくださいね。

大学中退者が知っておくべき公務員のデメリット

この章のポイント
  • 20代のうちは民間企業より給料が低くなりがちで副業も原則禁止
  • 年功序列で実績が給与に反映されにくく実力主義の人には合わない
  • 2〜3年ごとの異動が多く専門スキルが身につきにくい

公務員には多くのメリットがある一方で、「思っていた働き方と違った」と感じやすいデメリットも存在します。仕事満足度の調査では公務員はワースト圏に入ることもあるため、安易なイメージで進路を決めるのは危険です。

ここでは、大学中退者が公務員になる前に必ず知っておきたい代表的なデメリットを4つ紹介します。

20代のうちは民間企業より給料が低いことがある

公務員の給与は安定している一方で、民間企業より給料が低い時期があるのは事実です。とくに20代の若手のうちは、民間企業のほうが高給を得られるケースも珍しくありません。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によれば、高卒者の平均月給は20〜24歳で約21万円、25〜29歳で約24万円となっています。一方、総務省の調査によれば地方公務員(一般行政職)の高卒者は経験5年未満で約16万円、5〜10年で約20万円が平均です。

公務員は年功序列で給与が上がる仕組みのため、勤続年数が短い若手のうちは民間企業より低い給与水準になりやすい点を理解しておく必要があります。また、公務員は副業が原則禁止されているため、本業以外で収入を増やすことが難しい点もデメリットです。

年功序列で実績が給与に反映されにくい

公務員の昇給・昇格は基本的に年功序列制です。仕事で大きな成果を残したとしても、年齢が若ければ昇給や昇格のスピードは同期と同じになります。

「実績を出した分だけ評価されたい」「若いうちから役職に就きたい」と考えている人にとっては、公務員の年功序列文化は大きなストレスになり得ます。民間企業のように20代でマネージャー職に抜擢されるようなキャリアパスは、公務員ではほぼ起こりません。

実力主義の働き方や、自分のスキル次第で年収を大きく伸ばす働き方を希望している方は、若手就職支援に強いキャリアスタートにご相談ください。中退者でも挑戦できる成長企業を紹介できます。

2〜3年ごとの異動が多く専門スキルが身につきにくい

公務員は一般的に2〜3年ごとに部署異動があります。組織の風通しをよくしたり、特定の業者・団体との癒着を防ぐ目的で、定期的に配属先が変わる仕組みになっているためです。

そのため、ひとつの専門分野を極めるスペシャリストよりも、幅広い業務に対応できるゼネラリストが求められる傾向があります。これは見方を変えると、公務員として働いても専門スキルが身につきにくいことを意味します。

将来的に転職や独立を考えている人にとって、専門スキルが身につきにくい点はキャリアにとって大きなマイナス材料となる可能性があります。また、異動先の部署によって繁忙度や仕事のきつさが大きく変わるため、配属ガチャによってストレスを感じることもあります。

副業が原則禁止されている

公務員は法律で副業が原則禁止されています。国家公務員法第103条・地方公務員法第38条で「営利企業からの兼業」が制限されており、本業以外の収入を得ることが難しい仕組みになっています。

近年は民間企業で副業を解禁する流れが広がっていますが、公務員はこの恩恵を受けにくいのが現状です。「将来的に副業で収入の柱を増やしたい」「自分のスキルで独立を視野に入れたい」と考える人は、公務員の働き方が窮屈に感じられる可能性があります。

ただし、不動産投資・株式投資・小規模農業など一部の例外的な副収入は認められています。詳細は所属する自治体・省庁のルールを確認する必要があります。

大学中退者の就職についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になります。

大学中退でも正社員に!最適な職場を見つける方法と成功のコツ
牛田

ここから具体的な試験対策に入ります。公務員試験は範囲が広いので、ポイントを押さえた対策が合格の近道ですよ。

大学中退者が公務員試験に合格するためのポイント

この章のポイント
  • 公務員試験の必要勉強時間は1,000〜1,500時間が目安で計画的な学習が必須
  • 教養試験・専門試験・論文試験・面接の4つを並行して対策する必要がある
  • 独学が不安なら公務員専門スクール・予備校の活用も視野に入れる

公務員試験の倍率は試験区分にもよりますが、3〜8倍程度と言われています。学歴フィルターがないからこそ多くの受験者が集まり、入念な試験対策をしなければ合格は難しいのが実態です。

ここでは、大学中退者が公務員試験に合格するために押さえておくべき3つの対策ポイントを解説します。

筆記試験対策に1,000時間以上を確保する

公務員試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に1,000〜1,500時間と言われています。1日8時間勉強しても125〜200日かかる計算ですので、本気で公務員を目指すなら半年〜1年程度の集中した学習期間を見込んでおく必要があります。

出典:ユーキャン「公務員試験の難易度・必要な勉強時間」

公務員試験は基本的に1次試験で「教養試験」「専門試験」「論文試験」の3つの筆記試験に合格する必要があります。それぞれの試験範囲は以下の通りです。

【教養試験】

数的処理高校の数学レベルの試験
文章理解現代文と英文読解
人文科学高校の地理、歴史レベルの試験
自然科学高校の理科と数学レベルの試験
社会科学高校の政治・経済や現代社会レベルの試験

【専門試験】

行政系政治学
行政学
国際関係
社会政策
経済系経済原論
財政学
法律系憲法
行政法
民法
刑法
労働法

【論文試験】は、800〜1,200文字程度の小論文を作成する形式です。出題テーマは社会課題・自治体との関わり方・公務員としての働き方など多岐にわたり、文章構成力と論理的思考力が問われます。

とくに教養試験と専門試験は高校3年生レベルの全範囲を網羅した広範な内容になっており、効率の悪い学習では時間ばかりかかって成果につながりません。過去問演習を中心に、出題頻度の高い分野から優先的に固めていくことが重要です。

論文・面接対策にも力を入れる

公務員試験では2次試験として面接が実施されるのが一般的です。面接では民間企業と似た以下のような質問がされます。

  • なぜ公務員になりたいと考えているのか
  • (地方公務員の場合)なぜこの地域で働きたいのか
  • 学生時代に頑張ってきたことは何か
  • 公務員としてどんな仕事に取り組みたいか
  • 大学を中退した理由は何か

筆記試験のような突飛な質問はされませんが、論理的に・誠実に・前向きに答えることができないと不合格になります。とくに大学中退者は中退理由を必ず聞かれるため、中退理由をポジティブに伝える準備を入念にしておきましょう。

面接対策では模擬面接を繰り返し行い、口頭で論理的に答える練習を積むことが重要です。志望動機・自己PR・中退理由・地域への貢献意欲などを、自分の言葉で言語化しておく必要があります。

独学が不安なら公務員専門スクールを活用する

公務員試験は出題範囲が非常に広く、独学だけで合格を目指すのは難易度が高いのが実情です。確実に合格を目指したいのであれば、公務員専門のスクールや予備校に通うのもひとつの選択肢になります。

公務員専門スクールに通うメリットは以下の通りです。

  • 出題傾向を分析した効率的な学習プランを提示してくれる
  • 毎年の試験動向に合わせた最新の対策ができる
  • 論文添削・模擬面接などの2次試験対策まで一貫サポート
  • 同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できるためモチベーションが維持しやすい

費用はかかりますが、独学で何年も挑戦して合格できないケースを考えると、結果的にコストパフォーマンスが高い選択肢ともいえます。大学を中退している方は時間を自由に使いやすいため、スクールに通って集中的に取り組むのもおすすめです。

牛田

公務員には『向き・不向き』がはっきりあるんですよ。仕事の特性を考えると、こんなタイプの人にとくにおすすめです。

大学中退から公務員に向いている人の特徴

この章のポイント
  • 安定して同じ職場で長く働きたい人は公務員に向いている
  • 聞く力と伝える力に自信があるコミュニケーション能力の高い人
  • 地元や地域社会に貢献したい想いを持っている人

公務員はその仕事の特殊性から、向き不向きがはっきり分かれます。公務員ならではの働き方にフィットするタイプを理解しておくと、入職後のミスマッチを防げます。

ここでは、大学中退から公務員になることが向いている人の3つの特徴を解説します。

安定して同じ職場で長く働きたい人

公務員として働く最大のメリットは雇用の安定性です。懲戒処分にあたる重大な問題を起こさない限り、定年まで職を失うことはほぼありません

民間企業のように倒産や業績悪化によるリストラもないため、定年まで同じ職場で長く働きたいと考えている人には公務員が非常に向いています。

業務内容も社会基盤を維持するルーティン業務が中心となるため、業務内容が大きく変化することが少ない点も、安定志向の人にはありがたいポイントです。長期的に安定したキャリアを築きたい中退者にとって、公務員は強力な選択肢といえます。

コミュニケーション能力が高い人

公務員は様々な部署に配属されますが、多くの部署で地域住民や来庁者と直接やりとりする業務が発生します。窓口対応・電話応対・住民説明会など、人と関わる仕事が想像以上に多いのが公務員の特徴です。

公務員に求められるコミュニケーション能力は、主に「聞く力」と「分かりやすく伝える力」の2つです。住民が抱えている悩みや困りごとを正確に把握し、複雑な制度をわかりやすく説明するスキルが求められます。

民間営業のように場を盛り上げるプレゼン能力よりも、誠実な対応と的確な情報伝達ができる能力が評価される傾向があります。コミュニケーション能力に自信のある中退者は、公務員として活躍しやすいでしょう。

地域や社会に貢献したい想いを持っている人

地方公務員の業務は、地域に住む住民の生活を支える仕事がほとんどです。生まれ育った地元や思い入れのある地域に貢献したい人は、公務員の仕事に強いやりがいを感じられます。

民間企業でも地域貢献は可能ですが、どうしても自社の事業範囲に限定された関わり方になります。一方で公務員であれば、行政の立場から地域全体に影響を与える施策に携わることができ、スケールの大きな貢献を実感できます。

とくに災害対応・福祉・教育・地域振興といった分野では、公務員の役割が非常に大きくなります。「人や地域の役に立つ仕事をしたい」という想いを持った中退者にとって、公務員は天職になり得る選択肢です。

牛田

逆に、こんなタイプの人は公務員になっても後悔しやすいです。事前に自分のタイプを見極めることがすごく大事ですよ。

大学中退から公務員に向いていない人の特徴

この章のポイント
  • 実力主義の職場でやりたい仕事に挑戦したい人には向かない
  • 公務員試験への勉強モチベーションが続かない人は合格自体が難しい
  • 仕事に大きなやりがいや成果を求めたい人は満足度が低くなりがち

公務員には向いていないタイプも明確に存在します。以下の特徴に1つでも当てはまる場合、苦労して公務員になっても仕事で大きなストレスを感じる可能性があるため、注意が必要です。

ここでは、大学中退から公務員に向いていない人の3つの特徴を解説します。

実力主義の職場で働きたい人

公務員は基本的に年功序列で働く文化が根強い職場です。仕事で実績を残しても、年齢が若ければ昇給や昇格の機会は限定的にしか得られません。

また、仕事の多くがトップダウンで降りてくる形式となっており、自分がやりたい仕事に自由に挑戦することが難しいのも公務員の特徴です。

実力主義の職場でどんどんチャレンジしたい人や、自分の創造性を活かして新しいことを生み出したいクリエイティブな人にとって、公務員の働き方は窮屈に感じられるでしょう。実力次第で年収を大きく伸ばしたい中退者は、若手就職支援に強いキャリアスタートにご相談ください。

公務員試験への勉強モチベーションが続かない人

公務員試験の合格には1,000〜1,500時間の継続的な学習が必要です。1日8時間勉強しても4〜6ヶ月かかる計算ですので、勉強が苦手な人や継続的な努力が続かない人にとっては高いハードルになります。

公務員になりたい強い意欲がないまま試験勉強に取り組むと、なかなか学習が進まず時間ばかり浪費してしまうケースも珍しくありません。とくに大学中退してから受験勉強を始める場合、空白期間ができるリスクも考慮する必要があります。

「なぜ公務員になりたいのか」を自分の言葉で説明できないようなら、公務員試験よりも民間企業への就職を選んだほうが、結果的に幸せなキャリアを築ける可能性が高くなります。

仕事に大きなやりがいや成果を求めたい人

公務員の仕事はスケールが大きい一方で、「自分の成果がはっきり数字で見える」働き方ではありません。民間企業のように売上やKPIで成果が可視化される文化はなく、業務改善や成果が給与に反映されることも限定的です。

実際、ある調査では公務員の仕事満足度が全業種のなかでワースト圏に入っている結果もあります。仕事のスケールの大きさと、個人としてのやりがいは必ずしも一致しないのが公務員の難しさです。

「数字で評価される働き方がしたい」「自分の頑張りで会社の業績に貢献したい」と感じる中退者にとっては、民間企業のほうが満足度の高いキャリアになりやすいでしょう。

公務員以外で大学中退者が目指せる進路について知りたい方は、以下の記事も参考になります。

大学中退したその後の進路は7パターン!就活する時のコツも解説
牛田

『やっぱり公務員より民間かも』と思った人向けに、就活のコツもまとめておきますね。意外と進路選びの選択肢は広いんですよ。

公務員ではなく民間企業を目指すときのポイント

この章のポイント
  • 中退理由はネガティブに語らずポジティブな決断として伝える
  • 就職先に求める条件を言語化してから求人を比較検討する
  • 大学中退者の支援実績が豊富な就職エージェントを活用する

公務員試験の難易度や働き方を踏まえて、民間企業への就職を選ぶ大学中退者も少なくありません。公務員試験と民間企業の就活は並行することもできるため、視野を広く持って進路を検討することが大切です。

ここでは、大学中退者が民間企業への就職を成功させる3つのポイントを解説します。

大学中退理由をポジティブに伝える

民間企業の面接でも、「なぜ大学を中退したのか」という質問は必ずされます。面接官は中退理由から「採用後に長く働く意識があるか」を判断しようとしているため、伝え方ひとつで合否が大きく変わります。

中退理由をネガティブに伝えてしまうと、「またすぐ辞めてしまう人かもしれない」という不安を持たれてしまい、面接で落ちる原因になります。過去の事実は変えられなくても、伝え方は工夫できることを意識してください。

公務員を目指していたものの方向転換した場合は「公務員より民間企業で経験を積んで視野を広げたいと考えたから」など、前向きで建設的な理由として伝えるのがおすすめです。中退理由の整理に困っている人は、若手就職支援に強いキャリアスタートにご相談ください。

大学中退理由の面接での伝え方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になります。

大学中退理由を面接で効果的に伝える方法!例文や伝え方のコツも解説

就職先に求める条件を言語化する

公務員を目指していた人は、「安定」「福利厚生」「ワークライフバランス」といった働き方の価値観を大切にしてきたはずです。民間企業を選ぶ際も、公務員に求めていた要素を整理してから求人を探すと、ミスマッチを防げます。

就職先に求める条件を以下のように言語化しておくと、求人選びの効率が大きく上がります。

  • 年間休日や残業時間の希望条件
  • 給与・賞与・退職金などの待遇面の希望
  • 業界・職種への興味の強さ
  • 勤務地・転勤の有無
  • 将来的に身につけたいスキル

条件を整理することで、応募すべき企業の優先順位がはっきりします。結果として、内定までのスピードも早くなり、自分にとって満足度の高い就職を実現しやすくなります。

大学中退者の支援実績が豊富な就職エージェントを活用する

民間企業への就職を効率よく進めるためには、就職エージェントの活用がもっとも近道です。担当アドバイザーが付き、中退理由の整理から求人紹介・面接対策まで一貫してサポートしてくれます。

ただし就職エージェントは様々なサービスがあり、サービスごとに得意分野が異なります。大学中退者の場合は中退者の就職支援実績が豊富なエージェントを選ぶことが成功の鍵になります。

若手就職支援に特化したキャリアスタートでは、大学を中退している方への支援実績が豊富で、中退者ならではの悩みに寄り添ったキャリアアドバイスができます。登録から内定獲得まですべて完全無料ですので、民間企業への就職を検討している方はぜひ一度ご相談ください。

牛田

最後に、中退者から特によく寄せられる質問にお答えします。気になっていた疑問があればここでクリアにしておきましょう!

大学中退から公務員を目指すよくある質問

23歳の大学中退者でも公務員になれますか?

23歳の大学中退者の場合、高卒程度試験の受験は難しいケースが多いです。多くの自治体が高卒程度試験の年齢制限を「20〜21歳」または「高校卒業から2年以内」と定めているためです。

ただし、大卒程度試験であれば28〜30歳まで受験可能なため、23歳でも十分に挑戦できます。地方公務員は自治体によって24〜26歳まで高卒程度試験を受験可能なところもあるため、志望する自治体の試験案内を必ず確認してください。

23歳から公務員を目指すなら大卒程度試験に挑戦するか、地方公務員のなかで年齢制限の緩い自治体を探すのがおすすめです。

大学中退後の空白期間は公務員試験で不利になりますか?

公務員試験では、大学中退後の空白期間が合否に直接影響することはほとんどありません。公務員試験は学歴ではなく試験の点数で決まるため、空白期間があってもしっかり対策していれば合格できます。

ただし2次試験の面接では、空白期間に何をしていたかを質問されるケースがあります。「公務員試験の勉強に専念していた」「資格取得のために学習していた」など、目的を持って過ごしていたことを伝えられれば前向きに評価されます。

逆に「特に何もしていませんでした」と曖昧に答えると、計画性のなさをマイナスに見られるリスクがあります。空白期間の過ごし方を含めて、面接対策を入念に準備しておきましょう。

大学中退で公務員はやめとけと言われるのはなぜですか?

「大学中退で公務員はやめとけ」と言われる主な理由は以下の3つです。

  • 公務員試験の難易度が高く、不合格時に空白期間が長引くリスクがある
  • 20代のうちは民間企業より給料が低くなりがち
  • 年功序列・異動が多く、専門スキルが身につきにくい

ただし、これらは公務員という仕事の特性に合わない人にとってのデメリットです。安定志向の人や地域貢献にやりがいを感じる人にとっては、むしろ公務員は理想的な働き方になります。

「やめとけ」という意見を鵜呑みにせず、自分のキャリア観に公務員が合うかどうかを冷静に判断することが大切です。判断に迷ったら、第三者である就職エージェントに相談してみるのも有効な選択肢です。

大学中退で目指す公務員試験の倍率はどれくらいですか?

公務員試験の倍率は試験区分と職種によって大きく異なりますが、おおむね3〜8倍程度が目安です。大卒程度試験は5〜10倍、高卒程度試験は3〜6倍が一般的な水準といえます。

なお、社会人試験(係員級)は採用人数が若干名のことが多く、10倍を超える倍率になることも珍しくありません。また、地方上級試験(大卒程度)は人気自治体だと20倍以上になるケースもあります。

倍率の高さに圧倒されず、適切な試験区分を選び・十分な対策時間を確保すれば、大学中退者でも十分に合格できます。あきらめずに計画的に取り組むことが何よりも重要です。

まとめ

大学を中退していても公務員になることは十分に可能です。公務員試験の受験資格には学歴の制限がなく、年齢制限さえクリアしていれば、誰でも公務員を目指すチャンスがあります。国家公務員の約3割、地方公務員の約2割が高卒者という統計からも、中退者が現実的に公務員として活躍できることが分かります。

ただし公務員は仕事の特性上、向き不向きがはっきり分かれる職業です。安定志向で長く働きたい人・コミュニケーション能力に自信がある人・地域貢献にやりがいを感じる人には強くおすすめできる一方、実力主義を求める人・成果で評価されたい人・副業に興味がある人にとってはミスマッチのリスクがあります。

公務員試験への挑戦と並行して、民間企業への就職活動も視野に入れることが現実的なリスクヘッジになります。若手就職支援に特化したキャリアスタートでは、大学中退者の就職を完全無料でサポートしています。進路選びに不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

牛田

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ABOUT US
牛田 晴宣キャリアスタート株式会社 執行役員
東洋大学卒業後、携帯販売職や起業経験を経て、キャリアスタート株式会社に入社。キャリアカウンセラーとして若年層の就職・転職支援に従事し、2021年7月より大阪支店長を務める。「若者の輝く社会を作る」をビジョンに掲げ、関西エリアで求職者のキャリア相談に対応。自身の独立・再就職の経験を活かし、実践的なキャリアアドバイスを提供している。
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