「正社員だけど、派遣でダブルワークをして収入を増やしたいな」
「そもそも、正社員って派遣とダブルワークをしてもいいの?」
このようなお悩みはありませんか?
正社員の人で、週1日もしくは土日のみの勤務ができる仕事として、イメージしやすい派遣を検討する人は多いです。
キャリア形成の観点から国は兼業や副業の普及を促進しており、会社の就業規則で禁止されていなければ正社員でも可能です。
ここでは、正社員で働きながら派遣でのダブルワークをしたいという方へ向けて、派遣でのダブルワークの注意点や副業がばれる理由について、わかりやすく解説します。
記事の後半では、ダブルワーク以外で収入を上げる方法も紹介していますので、これからダブルワークを検討している人はもちろん、収入アップしたい人もぜひ参考にしてください。
1.ダブルワークで派遣の仕事はできるか?
派遣の仕事を副業としてダブルワークすることは可能です。
ここでは、なぜダブルワークで派遣の仕事をしても問題ないのかについて解説します。
(1)正社員でもダブルワークをして問題ない
正社員でもダブルワークしても問題ありません。
厚生労働省は、副業が労働者のキャリア形成や社会への好影響に繋がることから、副業をしやすい環境を整えるべきとの見解を示しており、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが適当としています。
このように、厚生労働省も副業・ダブルワークを推奨しており、原則として、ダブルワークをしても問題ないとされています。
(2)ただし会社がダブルワークを制限することができる場合がある
原則的にダブルワークは問題ないですが、一部の場合において、ダブルワークを制限することができる場合があります。
以下のケースにて、企業はダブルワークを制限できるとされています。
副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であり、各企業においてそれを制限することが許されるのは、例えば、
① 労務提供上の支障がある場合
② 業務上の秘密が漏洩する場合
③ 競業により自社の利益が害される場合
④ 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
に該当する場合と解されている。
このように一部のケースにおいては、ダブルワークを制限される場合があり、必ずしもダブルワークが問題ないわけではありません。
2.派遣でダブルワークするときの3つの注意点
正社員が派遣でダブルワークを行う場合の注意点を以下3つ紹介します。
順に説明します。
(1)ダブルワークする前に就業規則を確認する
ダブルワークをする前に就業規則で、副業に関する規定があるかどうか確認しましょう。
就業規則は、雇用主と対象となる労働者全員との間に統一して定められたルールです。
「裁判等で懲戒処分は認めていない」と先ほどのガイドラインでも認めていますが、ルールを守れないと判断され、社内での関係性や出世などに少なからず影響する可能性は0ではありません。
また、もともと派遣社員として働きながら、他の派遣会社に登録して派遣と派遣でダブルワークをすることも可能です。
ただし、この場合も、それぞれの派遣会社の就業規則で副業が認められている必要があります。
そのため、事前に社内の就業規則を確認し、社内で副業について相談をしましょう。
(2)派遣会社の規則で正社員を禁止しているか確認する
派遣元である派遣会社が禁止しているかを事前に確認しましょう。
正社員の方が派遣でダブルワークをする場合、本業の会社だけでなく副業先の派遣会社でも雇用されることになります。
そのため、派遣会社によっては正社員での登録を禁止している場合があり、ダブルワークが認められていないと、リスクを犯すことに繋がってしまいます。
なお、派遣先の企業が定める規則は適用されないため、派遣登録している派遣会社の就業規則を必ず確認しましょう。
(3)本業に影響が出ないように副業を行う
派遣でダブルワークをする場合、本業に影響がでないように副業をしましょう。
通常は休息として余った時間を使って副業を行うことになるため、精神的・体力的に悪影響を与える場合があります。
特に、本業で残業が多い場合、副業先の就業時間を守れなくなってしまうなど、本業・副業ともに支障を生じてしまう場合があります。
- 本業での残業が多い場合、残業も考慮して副業先の就業時間を考える。
- 体調管理やスケジュール管理などを徹底し、無理のない計画を立てる。
- ダブルワークを理由に本業・副業での仕事が疎かになってしまうないよう、責任感を持つ
自身の体調管理をしっかり行い、本業・副業が中途半端になってしまわないように注意しましょう。
3.派遣での副業がばれてしまう理由と対策
正社員で副業をする際に、「本業の会社にばれないように副業したい」と思う人が多いのではないでしょうか?
ここでは、派遣での副業がばれてしまう理由と対策について説明します。
(1)派遣での副業がばれてしまう理由
会社に副業がバレてしまう一番の理由は、住民税の金額が変わってしまうためです。
一般的に住民税は、勤務先の会社が従業員の分をまとめて支払う仕組みとなっており、会社は住民税額も正確に把握・記録しています。
そのため、副業によって収入が増えると、会社が想定している住民税額より高くなってしまうため、給与以外の収入を得ていると分かってしまいます。
(2)派遣での副業がばれないための対策
派遣には、「単発・短期型」と「バイト型・雇用型」に分けることができます。
「単発・短期型の派遣労働」は、収入は雑所得扱いとなり、自分で確定申告を行うことで、会社に副業が発覚することを防ぐことができます。
「バイト型・雇用型の派遣労働」は、収入が給与所得の扱いとなる場合が多く、住民税を自分で納めることができるかどうかは自治体によって異なります。
そのため、「バイト型・雇用型」では、自分で確定申告ができないために本業での住民税に加算されてしまう可能性があるため、注意が必要です。
4.派遣でダブルワークをするメリット・デメリット
正社員が派遣でダブルワークを行うメリットとデメリットを紹介します。
(1)メリット
正社員が派遣でダブルワークを行うメリットは、以下が考えられます。
- 仕事探しが簡単
- 気分転換になる
- 本業を続けながら違う仕事の経験をすることができる
- 新しいスキルや経験を得られる
- 収入が増える
- 人脈ができる
派遣でのダブルワークのメリットは、求人数が多く仕事探しが簡単なことです。
また、新たなスキルや経験を積むことができることや収入の増加、人脈の広がりやいつもとは違う仕事をすることで新たな自分の適性を見つけることができる、といったメリットもあげられます。
(2)デメリット
正社員が派遣でダブルワークを行うデメリットは、以下が考えられます。
- プライベートの時間を削ってしまう場合がある
- 競業避止義務、秘密保持義務、職務専念義務など留意する点が多くある
- 体調管理を怠ると健康面で悪影響がでることがある
- ダブルワークを禁止している会社の場合は、交渉が必要になる
派遣でのダブルワークのデメリットは、プライベート・休暇の時間を削って業務をするため、体力的につらくなってしまう可能性があることです。
一般的に本業は業務時間を考慮して就業時間・業務量を決めており、その余暇の時間を業務ですり減らすことは、精神面・体力面でマイナスに働くこともあります。
また、副業・兼業の促進に関するガイドラインにある留意点や就業規則などをリスクを考えながら働く必要があります。
5.収入アップが目的なら転職も視野に入れよう
前章で紹介したとおり、正社員が派遣でダブルワークをすることは多くのメリットがある一方、多くのデメリットもあります。
法律的には問題がないとされていますが、特にダブルワークを禁止している会社で働いている場合は、ダブルワークが本業にマイナスに働く可能性が高くなってしまいます。
収入を上げたいといった人は、転職をすることも一つの方法です。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)の「記者発表(2023年5月19日)「副業者の就労に関する調査」によると、副業をする理由は「収入を増やしたいから」が54.5%と半数以上であり、「自分が活躍できる場を広げたいから」という理由も18.7%と少なくありません。
また、(株)マイナビの転職動向調査2023年版(2022年実績)によると、3割近くの20代が「給与が低かった」を理由に転職活動を始め、「転職に満足している」「自分に合った仕事ができるようになった」「年収が上がった」といった声が多く上がっています。
転職は、ダブルワークで「バレたらどうしよう」というリスクを背負うことなく、より待遇の良い会社や自分に合った仕事を見つけられる可能性が高いです。
(1)転職成功の近道は転職エージェント!
「ダブルワークをするより転職の方がいいかも」と思った人は、転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントを活用することで、職業相談から求職者の希望に沿った求人の紹介、選考対策、労働条件交渉の代行まで手厚い転職支援を受けることができます。
特に20代の転職活動で活用したい転職エージェントは、キャリアスタートです。
キャリアスタートは若手の転職支援に特化しており、長期的なキャリアプランを見据えた転職支援を行うため、収入面はもちろんのこと、転職希望者の強みや適性に合った求人を紹介しています。
「副業ができる会社に転職したい」「副業をしなくても、今より高収入を目指せる仕事はないかな」といった相談も大歓迎です。
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まとめ
本記事では、派遣でのダブルワークの基礎知識とダブルワークを行う際の注意点、メリット・デメリットを紹介しました。
リモートワークの拡大や物価高などから、休日や空いている時間などを活用してダブルワークをしたいと考える人は年々増加しており、国も副業・兼業の普及を促進しています。
しかし、社員への安全配慮や企業の情報漏えい防止等の観点から、ダブルワークを認めていない企業も一定数存在し、就業規則や労働契約の内容によってはダブルワークができない場合もあります。
そういった場合は、副業を認めている企業や今よりも高収入を目指せる企業に転職することも視野に入れましょう。
若手に特化した転職エージェントに相談することがおすすめです。
裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。
副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすものかどうかを今一度精査したうえで、そのような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められる。
引用元:副業・兼業の促進に関するガイドライン(令和4年7月改定)