試用期間でクビになる確率は?本採用拒否の実態と対策

結論

試用期間でクビ(本採用拒否)になる確率は極めて低く、実際に解雇されるのは全体の1割未満というのが実情です。日本の労働法では労働者の解雇に厳しい制限があり、企業側も「合わないから」という理由だけでは簡単にクビにできません。

「試用期間中にクビになったらどうしよう」と不安な人も多いでしょう。ここでは実際のクビ率の目安と、企業が本採用を見送る典型的な理由、そして万が一に備えて今からできる動き方を解説します。

牛田

試用期間中の不安、すごくよく分かります。でも実際にクビになる人はごく一部なので、まずは落ち着いて仕組みを知っておきましょう。

試用期間でクビ(本採用拒否)になる確率はどれくらい?

結論から言うと、試用期間中に本採用を拒否される確率は、体感で1割未満、厳しく見ても3%前後というのが人事担当者の間でよく語られる目安です。以下では、その根拠と、確率が低い理由を詳しく見ていきましょう。

クビになる確率が低いとされる理由

企業が試用期間中の労働者を解雇するには、通常の正社員解雇と同様に、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が求められます。単に「期待した働きぶりと違った」程度の理由では、解雇は認められにくいのが実情です。

採用と教育には相応のコストがかかっているため、企業側にも「できれば育てて定着させたい」という強いインセンティブがあります。よほどの問題が起きない限り、試用期間だけを理由に安易に契約を打ち切ることは避けたいのが本音です。

本採用拒否が認められる法的なハードル

最高裁判例(三菱樹脂事件)では、試用期間中の解雇は通常の解雇よりも広い範囲で認められるとされつつも、解約権の濫用は許されないという枠組みが確立しています。この判例の詳細は後述の「試用期間の解雇に関する法的ルール」で解説しますが、企業は本採用を見送る際、明確な理由と証拠を求められるため、感覚的な不満だけで解雇に踏み切るのは難しいのが現実です。

この章のポイント
  • 試用期間中の本採用拒否率は体感1割未満、厳しく見ても3%前後が目安
  • 解雇には通常の解雇と同様に合理的な理由と相当性が必要
  • 採用・教育コストの観点からも企業は安易な解雇を避けたい
試用期間でクビになる確率のイメージ図

試用期間中にクビ(本採用拒否)になる典型的なケース

確率は低いとはいえ、実際に本採用拒否となるケースもゼロではありません。ここでは、実務上よく見られる代表的なパターンを3つに整理して解説します。

無断欠勤・遅刻など勤怠の著しい乱れ

繰り返しの無断欠勤や遅刻、連絡なしの欠勤は、企業から見て最も判断しやすい解雇理由のひとつです。1〜2回のミスであれば注意で済むことがほとんどですが、改善の見込みがないと判断されると本採用拒否につながりやすくなります。

経歴詐称や重大な虚偽申告の発覚

履歴書や職務経歴書に記載した学歴・資格・職歴などが事実と異なっていたことが発覚した場合、企業との信頼関係が根本から崩れるため、解雇の正当な理由として認められやすい典型例です。

社会通念上許容できない勤務態度や問題行動

ハラスメント行為や重大な業務指示違反、会社に損害を与える行為などが確認された場合も、客観的に合理的な理由として本採用拒否の対象になり得ます。単なる「仕事が遅い」「性格が合わない」といった主観的な不満だけでは、通常はここまで踏み込んだ判断はされません。

  • 無断欠勤・遅刻の繰り返し
  • 経歴詐称など重大な虚偽申告
  • ハラスメントや業務指示への重大な違反
  • 会社に実害を与える行為
この章のポイント
  • 勤怠の著しい乱れは最も分かりやすい解雇理由になりやすい
  • 経歴詐称の発覚は信頼関係の崩壊として重く扱われる
  • 「性格が合わない」程度の主観的な理由だけでは解雇されにくい

試用期間の解雇に関する法的ルールを知っておこう

試用期間中の解雇には、通常の正社員解雇とは異なる特別なルールが一部存在します。ここでは押さえておきたい法的な基礎知識を解説します。

雇い入れから14日以内は解雇予告が不要

厚生労働省によると、労働基準法第21条により、試用期間中の労働者を雇い入れから14日以内に解雇する場合は、解雇予告や解雇予告手当の支払いが不要とされています。

ただし、これはあくまで「予告の手続きが不要」というだけで、14日以内であれば理由を問わず自由に解雇できるという意味ではありません。解雇そのものには、引き続き合理的な理由が求められます。

14日を超えた場合は30日前の解雇予告が原則

雇い入れから14日を超えて働いた場合、厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」に定められているとおり、企業は少なくとも30日前に解雇の予告を行うか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。

この予告義務は試用期間中であっても14日を超えれば通常の正社員と同じ扱いになるため、突然「明日から来なくていい」と言われるようなケースは、本来は認められません。

解雇権濫用法理による労働者保護

厚生労働省「確かめよう労働条件」で紹介されている判例でも、試用期間は「解約権が留保された労働契約」と解釈されており、解雇は客観的に合理的な理由があり社会通念上相当と認められる場合に限られるとされています。理由のない解雇や、著しく不合理な解雇は無効になる可能性があります。

本採用拒否・解雇までの法的な壁のステップ図
試用期間中の解雇に関わる法的なプロセス
この章のポイント
  • 雇い入れ14日以内は解雇予告不要だが、解雇理由の合理性は別途必要
  • 14日を超えると30日前予告または解雇予告手当の支払いが原則必要
  • 不合理な解雇は解雇権濫用として無効になる可能性がある

試用期間中にクビの前兆を感じたときのセルフチェック

「もしかして評価が良くないかも」と不安になったときは、感情的に落ち込む前に、まず状況を客観的に整理してみましょう。

上司からのフィードバックの頻度と内容を振り返る

明確な改善指摘が繰り返されている場合は、会社側があなたの成長に期待しているサインでもあります。反対に、指摘もフォローもなく放置されている状態が続く場合は、早めに上司へ率直に相談してみることをおすすめします。

契約書・就業規則で試用期間の条件を確認する

試用期間の長さや、本採用の判断基準が雇用契約書や就業規則にどう記載されているかを確認しておくと、不安の正体を具体的に把握しやすくなります。曖昧なまま抱え込むより、人事担当者に確認する方が建設的です。

ミスが続いて自信をなくしているだけのケースもある

クビの不安の多くは、実際の評価というより自分自身の思い込みや自信のなさから来ていることも少なくありません。仕事のミスが続いて落ち込んでいる場合は、原因を切り分けて考えるだけで気持ちが軽くなることもあります。

仕事でミスが多いから辞めたい…と落ち込む人に共通する特徴とは
牛田

一人で抱え込むと不安ばかり大きくなりがちです。次の項目で紹介する動き方も参考にしてみてくださいね。

この章のポイント
  • フィードバックの有無は会社からの期待度を測るヒントになる
  • 契約書・就業規則で試用期間の条件を客観的に確認する
  • 不安なときこそ一人で抱え込まず早めに相談する

本採用を勝ち取るために試用期間中にできること

試用期間中の不安を減らす一番の近道は、評価される行動を積み重ねることです。ここでは今日から意識できる具体的なポイントを紹介します。

報連相を徹底し小さな信頼を積み重ねる

経験や実績が少ない時期ほど、報告・連絡・相談の質が評価に直結します。分からないことをそのままにせず、早めに確認する姿勢は「一緒に働きやすい人」という印象につながります。

遅刻・欠勤などの基本的な信頼を崩さない

能力面での評価はすぐには変わらなくても、勤怠のような基本的な信頼は自分の意識だけで守れる部分です。体調管理も含め、まずは土台となる部分を安定させることを意識しましょう。

不安が大きいときは早めに相談先を持っておく

万が一、社内の人間関係や業務内容そのものが自分に合わないと感じた場合は、一人で抱え込まず、20代の就職・転職支援に強いキャリアスタートのような相談先を早めに持っておくと安心です。仮に現職が長く続かなかったとしても、次の一手を落ち着いて考えられます。

キャリアスタートでは、未経験からの就職・転職に強い有料職業紹介事業(許可番号:13-ユ-305582)として、求人紹介から面接対策まで一貫してサポートしています。試用期間中の悩みも含め、早い段階での相談が可能です。

今の職場が「無理だった」と感じたときの選択肢

色々試しても状況が改善せず、正社員として働き続けること自体が今はしんどいと感じる場合は、無理に我慢を続ける必要はありません。焦って結論を出す前に、他の人がどう乗り越えたかを知っておくのも一つの手です。

正社員で働くのが無理だった人に多い理由は?無理と感じた時にすべきこと
この章のポイント
  • 報連相の質を高めて小さな信頼を積み重ねる
  • 勤怠など基本的な信頼を最優先で守る
  • 不安が大きいときは早めに相談先を確保しておく

試用期間でクビになる確率に関するよくある質問

試用期間中に理由なく突然クビにされることはありますか?

原則としてありません。試用期間中の解雇であっても客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要とされており、理由のない突然の解雇は解雇権の濫用として無効になる可能性があります。

試用期間の延長を打診されたらクビの前兆ですか?

必ずしもそうとは限りません。判断材料がもう少し必要というケースも多く、延長自体は不合理に長期でなければ問題視されにくいものです。ただし、延長の理由が曖昧な場合は、率直に確認してみるとよいでしょう。

試用期間中でも有給休暇は取得できますか?

雇用契約に基づき一定の勤務日数・期間を満たしていれば、試用期間中であっても法律上は有給休暇の対象になり得ます。取得ルールの詳細は会社の就業規則で確認しておきましょう。

試用期間中にクビになった場合、失業手当はもらえますか?

会社都合退職に該当する場合、通常の自己都合退職より早い時期から失業手当(基本手当)を受け取れる可能性があります。詳しい条件はハローワークで確認するのが確実です。

正社員を1週間で辞めても失業手当は受けられる?雇用保険(失業保険)の受給条件は?

試用期間中に「合わない」と感じたら自分から辞めることもできますか?

可能です。無期雇用契約であれば、民法の規定により申し出から原則2週間で退職できます。クビの不安を抱え続けるより、自分に合った職場を選び直すという選択肢も含めて検討してみてください。

万が一離職することになった場合、まず何をすればいいですか?

離職票の受け取りやハローワークでの手続きなど、最初にやるべきことを順番に押さえておくと落ち着いて動けます。事前に流れを知っておくだけでも、いざというときの不安は大きく減らせます。

まとめ

試用期間でクビ(本採用拒否)になる確率は決して高くなく、多くの人は問題なく本採用に至ります。勤怠や報連相など基本的な信頼を守りながら、不安なときは一人で抱え込まず相談先を持っておくことが、安心して試用期間を乗り切るための近道です。

牛田

試用期間中の悩みは、些細なことでも早めの相談がおすすめです。キャリアスタートでも一緒に次の一歩を考えるお手伝いができますよ。

ABOUT US
牛田 晴宣キャリアスタート株式会社 執行役員
東洋大学卒業後、携帯販売職や起業経験を経て、キャリアスタート株式会社に入社。キャリアカウンセラーとして若年層の就職・転職支援に従事し、2021年7月より大阪支店長を務める。「若者の輝く社会を作る」をビジョンに掲げ、関西エリアで求職者のキャリア相談に対応。自身の独立・再就職の経験を活かし、実践的なキャリアアドバイスを提供している。
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