仕事を探しているフリーターの中には、これからハローワークに行くかどうか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、フリーターがハローワークに行くメリットとデメリットをわかりやすく解説します。合わせて、ハローワークでできることや、フリーターがハローワーク以外で就職活動を進める方法についても解説します。
これから正社員を目指していきたいと考えているフリーターの人は、記事の内容を参考にしてみてください。
フリーターがハローワークに行くメリット
フリーターがハローワークに行くメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 気楽に足を運べる
- 地元で働ける求人が多い
- 職業訓練を受講できる
これらの点をメリットに感じるのであれば、ハローワークを中心に就職活動を進めてみてもいいかもしれません。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
気楽に足を運べる
ハローワークは、国が運営する公共職業安定所の愛称です。
全国およそ550箇所に設置されており、最寄りのハローワークに足を運べば就職活動を進められるといった、気楽さがメリットの1つと言えます。
ハローワークに行く際は予約は特に必要ありません。
時間が空いたタイミングで最寄りのハローワークに行けば、就職支援のサポートやハローワークに掲載されている求人の検索が進められますので、就職活動にやる気が出たタイミングで就職活動を進められるという点もポイントです。
なお、就職相談は予約不要ですが、面接練習をしたい場合は平日の日中に予約をする必要があります。より本格的にハローワークで就職活動を進めたいのであれば、予約が必要になってくる事は認識しておきましょう。
地元で働ける求人が多い
ハローワークには数多くの求人が掲載されていますが、割合として地元密着型の求人が多い傾向にあります。
全国に支社があるわけではなく、地元だけでビジネスをしているような中小企業の求人が多いことから、地元で働き続けたいと考えている人にとって大きなメリットと言えます。
ちなみに、ハローワークでは自分の住んでいる地域の求人だけでなく、全国各地のハローワークで掲載されている求人を検索することも可能です。
もし今住んでいる場所から引っ越す予定がある場合、引っ越し先の求人をあらかじめ探しておく事もできるため認識しておくと良いでしょう。
職業訓練を受講できる
ハローワークならではのメリットとして、職業訓練が受講できるという点も挙げられます。
職業訓練とは、これから仕事に就職するためのスキルを無料で教われるハローワーク独自のサービスです。
職業訓練はたくさんのコースが用意されており、これから就職したい職業や個人のキャリアプランに応じて、以下のようなコースの中から職業訓練を実施できます。
- ビジネスマナー
- パソコンスキル
- ウェブ系
- 総務・経理事務
- 介護
- 医療・調剤事務
- 機械加工
- 建築
- 印刷
- ファッション
職業訓練のコースは、自分が職業訓練を受けようとする地域によって異なります。
もし自分が将来就職したい仕事の知識を習得できるコースが開講されていた場合は、積極的に受講申し込みをすることにより、その仕事に就ける可能性が高められるかもしれません。
また、職業訓練には所定の条件を満たすことで「職業訓練受講給付金」の精度を利用できる場合があります。
これは毎月10万円をもらいながら職業訓練でスキルを身に付けられるといった国の制度のため、失業状態にある人でも安心してスキルアップを目指すことが可能です。
これらのポイントから、現時点で明確なスキルやアピールできるポイントがないようなフリーターこそ、ハローワークを利用するメリットがあると言えるでしょう。
フリーターがハローワークに行くデメリット
フリーターがハローワークに行くデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 就活をした気になってしまう
- 求人が多すぎて自分では選びにくい
- サポートは手薄
フリーターがハローワークに行くのにはメリットだけでなく、デメリットがあることも認識しておく必要があります。
デメリットも加味した上でメリットの方が上回ると確信できる場合は、ハローワークだけで就職活動を進めてみてもいいかもしれません。
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
就活をした気になってしまう
ハローワークは気軽に足を運べるだけでなく、予約不要でハローワーク内のサービスを利用できる点が特徴です。
しかし、足を運んだだけで就職活動に触れることができることから、ハローワークに行っただけで就活をした気分になってしまうといったデメリットが挙げられます。
特に自分で自分のモチベーションを上げて行動を引き起こすようなことが苦手なフリーターの場合は、「ハローワークに行くだけで具体的な行動は何もしない」といった期間が生じてしまうかもしれません。
一般的にフリーターとしての期間が長引けば長引くほど、正社員としての就職は難しくなると言われています。ハローワークに行って精神的に安定してしまうことで、結果的に自分の将来のキャリアの首を絞めかねないという事は認識しておく必要があるでしょう。
求人が多すぎて自分では選びにくい
ハローワークに行くことで、ハローワークに掲載されている求人を検索したり応募できるようになっていますが、そもそもハローワークに掲載されている求人が多すぎるといったデメリットがあります。
これは、企業がハローワークに求人を掲載するのにお金がかからないという特徴が背景にあります。
通常、民間の求人サイトに求人を掲載する際はお金がかかります。
数十万円から数百万円も掲載料がかかってくるため、お金がない企業は求人サイトを利用することが難しいと言えます。
しかし、ハローワークの場合は掲載料が無料のため、結果的に求人が多すぎて選びづらい状況になってしまっているのです。
自分がどういった会社や仕事に就職したいと考えているのか明確な人であれば問題ありませんが、とりあえず正社員になりたいと考えているフリーターだと、自分が応募すべき求人が見定められずに時間無駄にかかってしまうことがあるでしょう。
サポートは手薄
ハローワークでは職員に就職相談をすることが可能ですが、サポートが手薄いという声が多い点はデメリットとして挙げられます。
先ほど解説した通り、ハローワークは国が運営する公的な施設です。
そのため、職員がどれだけ就職支援やサポートをしたとしても、評価に繋がらずにサポートをする意欲が薄くなりやすい環境にあるといった状況が見られます。
就職相談をしても事務的な対応を取られたり、本質ではないアドバイスばかりをされてしまうことで、就職活動そのもののモチベーションが下がるといったデメリットに繋がる可能性もあります。
求人数が多すぎるという点にも通じますが、自分1人だけで就職活動をやり切る自信がある人であればハローワークをうまく使いこなせる可能性があるものの、少しでも就活を進めることに不安を感じている場合は、ハローワーク以外の方法も検討すべきだと言えます。
ハローワークでできること一覧
フリーターがハローワークの利用を検討しているのであれば、そもそもハローワークでできる事が何かを知っておく必要があるでしょう。
ハローワークでできることとしては、主に以下の4つが挙げられます。
- 1.求人検索
- 2.職業相談
- 3.無料セミナーの参加
- 4.失業保険などの手続き
それぞれ詳しく解説します。
1.求人検索
ハローワークに掲載されている求人については、ハローワークに設置されている求人検索端末で自由に検索することができます。
ちなみにハローワークに行かなくとも、自宅のパソコンやスマートフォンから求人を検索することも可能です。
求人を検索する方法は自由となっており、自分の希望に合わせて条件を設定して求人を見つけていきます。ハローワークの端末で求人検索をしている場合は、そのまま求人票をプリントアウトできるといった特徴もあります。
2.職業相談
ハローワークには職員が常駐していますので、どうしても自分1人で就職活動を進められない場合は職業相談が可能です。
職業相談の予約は必要なく、ハローワークが開いている時間帯であればいつでも相談をすることができます。
就職活動そのものの相談だけでなく、気になる求人に対する内容の質問や応募の相談なども行ってくれるため、おおまかな不安を払拭する事が可能です。
しかし、先ほどのデメリットの箇所で触れた通り事務的な対応をされることが多い傾向にあることから、就職活動全般に対する不安を払拭することまでは難しいかもしれません。
3.無料セミナーの参加
ハローワークでは不定期に自己分析や面接対策に関する就活セミナーを実施しています。
いずれも無料でセミナーに参加でき、講義やワークショップの形式で就職活動のやり方を教わることができるのは嬉しいポイントと言えます。
ただし、就活セミナーは多くの人が不安を感じやすいポイントをテーマにしていることもあり、フリーター個人個人が感じている特別な事情や不安までは踏み込めない点は認識しておいてください。
4.失業保険などの手続き
会社を辞めた場合、条件を満たしていれば失業保険を受け取ることが可能です。
失業保険の手続きは全てハローワークで行うことになりますので、失業保険を始めとした雇用保険の手続きについてもハローワークで行えます。
特に失業保険については、会社から丁寧に案内をされるケースが少ないため、そもそも自分は失業保険を受け取れるのかであったり、失業保険をどのように申請すれば良いのかといった質問が職員に対して直接できる点は認識しておきましょう。
ハローワーク以外の就活方法
ハローワークは気楽に就職活動をする方法としてはメリットがある一方で、求人数が多すぎて、就職活動に慣れていないフリーターの場合は戸惑ってしまうといったデメリットがあります。
ハローワークだけで就職活動を進めるのに不安を感じる場合は、以下の就活方法も利用を検討しておくと良いでしょう。
- 就職エージェント
- 求人サイト
- バイト先の正社員登用
- 紹介予定派遣の活用
それぞれの就活方法は併用することも可能です。
気になるサービスを見つけたら、ハローワークと併用することも視野に入れておくのがおすすめです。
それぞれの就活方法について詳しく解説します。
就職エージェント
就職エージェントに登録することで、自分専任のアドバイザーが担当につき、以下のような就職サポートを無料で受けることが可能です。
- キャリア面談
- 自己分析や企業研究のレクチャー
- 履歴書の添削
- 自分にマッチしている求人の紹介
- 企業との連絡の代行
- 企業への推薦文の作成と提出
ハローワークと異なるポイントとしては就職支援のサポートが手厚いという点と、1人のアドバイザーが就職成功まで担当してくれるという点が挙げられます。
ハローワークでも職業相談は可能ですが、一般論しかアドバイスしてくれないため、自分の状況を把握した上でサポートをしてくれる事はありません。
一方、就職エージェントでは自分専任のアドバイザーが幅広いサポートをしてくれますので、自分に向いている職場に就職しやすいといったメリットがあります。
若手就職支援に特化したキャリアスタートであれば、高い就職率と定着率の実績があるサポートを提供しています。
そもそも就職活動をどのように進めていけばいいのかわからない人であったり、自分らしく働ける職場に内定をもらえる可能性を少しでも高めたい人は、キャリアスタートの無料面談の申し込みをしてみてください。
求人サイト
求人サイトに登録することでも就職活動を進められます。
求人サイトには数多くの求人が掲載されていますので、自分の希望する求人の条件を検索し、自分の好きなタイミングで応募することで就職活動を進めていきます。
ハローワークと異なり、全国規模の大手の求人も多く掲載されているといったメリットがある一方で、就職相談を始めとしたサポートが一切受けられないという点は注意が必要です。
今までずっとフリーターをしていて、初めて正社員を目指す就職活動を進めていく場合だと、どのように就活を進めていけばいいのか不安を感じやすくなる可能性があります。
したがって、フリーターの場合は求人サイトだけで就職活動を進めるのではなく、就職エージェントを併用することがおすすめです。
バイト先の正社員登用
フリーターとして働いているバイト先に、正社員として就職するといった方法も考えられます。正社員登用の制度を使えば、今働いているバイト先で正社員になることができるため、新しく仕事を覚え直したり、人間関係を作り上げていくといった手間を省くことが可能です。
これまでのバイト経験を正社員としての仕事にそのまま活かせますので、正社員就職後のギャップが少ないといったメリットがあります。一方、正社員登用制度はどんなバイト先にもあるわけではありません。
今働いているバイト先に正社員登用制度がなければ、そもそもそのバイト先で正社員になることができない事は注意しておきましょう。
紹介予定派遣の活用
フリーターが正社員を目指すのであれば、紹介予定派遣を活用することも選択肢になってきます。
紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に派遣先企業に直接雇用されることを前提としつつ、派遣社員として働く働き方のことを言います。
派遣期間を通じて派遣先の企業で働くイメージをつけられることから、ミスマッチの少ない就職が実現できるといったメリットがあります。
一方、紹介予定派遣だからといって必ずしも正社員になれるというわけではない点は注意が必要です。紹介予定派遣を経て会社に直接雇用されるためには、労働者と雇用者の双方の合意が必要になります。
もし紹介予定派遣で働いていたにもかかわらず、雇用者側からの同意が得られなければ、直接雇用してもらうことができません。
無駄に時間を使ってしまうことにもなりかねませんので、確実に正社員になりたいのであれば、就職エージェントを使って正社員を目指すことをおすすめします。
フリーターの就活に就職エージェントがおすすめの理由
フリーターが正社員就職を目指す上では、ハローワークではなく、就職エージェントを活用することがおすすめです。
その理由としては以下の3点が挙げられます。
- 自己分析や企業研究のサポートが受けられる
- 模擬面接で安心して面接に臨める
- 自分に合った求人を紹介してもらえる
それぞれの理由について詳しく解説しますので、1つでもメリットに感じられるのであれば、就職エージェントに登録することをおすすめします。
自己分析や企業研究のサポートが受けられる
フリーターが自分に向いている会社に就職するためには、自己分析や企業研究に取り組むことが非常に大切です。
しかし、自己分析や企業研究のフォローについては、ハローワークで詳しく教わる事はできません。
特に自己分析や企業研究は、一人一人カスタマイズしてサポートをしてもらう必要がありますので、専任アドバイザー制をとっている就職エージェントの活用が有効です。
ちなみに、自己分析とは今までの経験を棚卸しし、強みと弱みを言語化する分析のことをいいます。自己分析がしっかりできていると、自分にマッチしている職場を選びやすくなるだけでなく、面接において効果的な自己アピールが可能になります。
また、企業研究とは、求人票や企業ホームページ、就職口コミサイトなどを確認し、応募先の会社で働くイメージを具体的にする調査を言います。企業研究においては、企業の文化や風土を理解している就職エージェントのアドバイザーに話を聞いてみるのも良いでしょう。
模擬面接で安心して面接に臨める
就職エージェントでは、模擬面接を何度でも実施することができます。
ハローワークと異なり、企業ごとにカスタマイズされた質問項目で模擬面接をしてくれるため、より安心して本番の面接を迎えられる点がおすすめできる理由の1つです。
また、模擬面接は対面だけでなく、オンラインで実施できることもあります。
ハローワークの場合は対面でしかサポートを受けられないため、忙しいフリーターだと、なかなか模擬面接に取り組めないと言ったこともあるでしょう。
フリーターの就職活動で面接対策が重要になる事はいうまでもありません。
社会人としての基礎的なマナーや言葉遣い、その企業に入りたいと考えている熱意をどのように示すかなど、就職エージェントの模擬面接を通じてノウハウを習得していきましょう。
自分に合った求人を紹介してもらえる
就職エージェントと実施するキャリア面談を通じて、自分に合った求人を紹介してもらえるという点もポイントです。
求人の件数が多すぎて気になる求人を見つけづらいハローワークと異なり、初めから自分の性格や強みにマッチした求人を紹介してくれるため、短期間での正社員就職を実現しやすくなります。
もし就職エージェントが紹介する求人が自分に合っていない場合は、その旨をアドバイザーに伝えることで、より精度の高い求人紹介を受けられるようになります。
就職活動が面倒だと感じている人であっても、効率的に就活を進められる点はフリーターにおすすめできるポイントと言えます。
就職エージェントを使った就活のコツ
就職エージェントを使うことで、フリーターであっても正社員就職を目指しやすくなります。しかし、就職エージェントに登録すれば誰でも就職を成功させられるわけではありません。
具体的には、以下のコツを意識した上で、就職エージェントを活用するようにしてみてください。
- 気になる求人には積極的に応募する
- すぐに成果が出なくても諦めない
- 自分の希望をはっきり伝える
それぞれ詳しく解説します。
気になる求人には積極的に応募する
就職エージェントが紹介してくれた求人は全て目を通し、少しでも気になる求人には積極的に応募するようにしてください。
フリーターは第二新卒枠や既卒枠で就職活動を進めることになりますが、新卒枠よりも採用枠数が少ない傾向にあるため、書類選考や面接で落とされる可能性も多くなることが想定されます。
最初から応募を厳選してしまうと、なかなか内定が獲得できなかったり、自分のどういった点に問題があるのかを把握しづらくなります。
少なくとも10社以上の求人に応募することを目安にした上で、就職活動に臨むよう意識してみてください。
すぐに成果が出なくても諦めない
就職エージェントを使って就活を始めたからといって、すぐに内定が獲得できるというわけではありません。どうしても最初のうちは見送りになることも多いでしょう。
しかし、すぐに成果が出なかったとしても諦めず、就職エージェントにアドバイスをもらう事を意識してみてください。就職エージェントであれば、落ちた原因をフィードバックしてくれるため、次の面接に活かすことが可能です。
自分の希望をはっきり伝える
就職エージェントのサポートに対しては、自分の希望をはっきりと伝えるようにしてください。例えば、連絡の頻度はどれぐらいが好ましいのかであったり、紹介してもらいたい求人の特徴を伝えることでより、自分にマッチしたサポートを受けられるようになります。
どうしてもアドバイザーとの相性が悪いと感じた場合は、担当アドバイザーを変更してもらうこともできますので試してみると良いでしょう。