「海の近くで働きたい」「船や生き物に関わる仕事がしたい」と考えても、具体的にどんな職種があるのか、資格が必要なのか、未経験でも採用されるのかは意外と知られていません。この記事では、海に関わる仕事8職種を仕事内容・年収・資格の有無まで詳しく紹介していきます。
海に関わる仕事とは|3つの職種タイプ
- 海に関わる仕事は「資格不要型」「資格・試験取得型」「公務員試験型」の3タイプに分かれる
- 資格不要型は未経験からの入職ハードルが低く、20代の就職弱者層にも現実的な選択肢
- 試験が必要な職種も、学歴不問・学科試験のみなど社会人からでも挑戦しやすいものが多い
ひとことで「海に関わる仕事」といっても、必要な資格や採用ルートは職種によって大きく異なります。まずは全体像を3つのタイプに分けて整理してみましょう。
資格・学歴不問で挑戦できる職種
漁師の見習いや水族館飼育員、水産加工スタッフなどは、入職にあたって特別な学歴や資格を求められないケースがほとんどです。現場で先輩から仕事を教わりながら経験を積むスタイルが一般的で、フリーターや高卒・大学中退からでも挑戦しやすい職種といえます。
民間資格・国家試験の合格が必要な職種
潜水士のように国家試験(学科のみ)に合格すれば就業できる職種や、マリンスポーツインストラクターのように民間資格を取得して活躍する職種もあります。試験勉強は必要ですが、学歴を問わず社会人からでも十分に狙えるルートです。
公務員試験に合格して目指す職種
海上保安官や海上自衛官は、海上保安大学校・学校や自衛官採用試験に合格して就く国家公務員の仕事です。採用試験の難易度はありますが、高卒区分の採用枠も用意されており、学歴不問で挑戦できる点は共通しています。
海に関わる仕事8選|仕事内容・年収・資格の有無
- 8職種を「仕事内容」「向いてる人」「平均年収」の3点で比較できるように整理
- 資格不要の職種と、試験合格が必要な職種を分けて紹介
- 年収は厚生労働省job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベースの数値
ここでは、海に関わる仕事の代表的な8職種を、仕事内容・向いてる人・平均年収とあわせて紹介します。まずは年収の全体像から見てみましょう。

沿岸漁業従事者(漁師)
約360.8万円(jobtag:沿岸漁業従事者)
- 比較的小さな漁船で日帰りの沿岸漁業に従事する
- 網おろし・網の巻き上げ・漁獲物の仕分けなどを行う
- 漁船や漁具の清掃・点検・修理も日常業務に含まれる
- 早朝からの肉体労働に抵抗がない人
- 自然相手の仕事にやりがいを感じられる人
- 地域に根ざして長く働きたい人
漁師になるために学歴や資格は必要なく、個人事業主や漁業会社の船に見習いとして乗り込むのが一般的な入職ルートです。独立して自分の船を持つ場合は小型船舶操縦士などの免許が必要になりますが、雇用されて働く分には資格不問で始められます。全国の漁協や水産会社が住居無償提供などの支援をしながら若手採用に力を入れており、都市部からの転身者も増えています。
船員(海運業)
約470.1万円(jobtag:船員)
- カーフェリーや貨物船、タンカーなどで甲板・機関部の業務を担当する
- 船の舵取り・見張り・入出港作業・荷物の積み降ろし準備などを行う
- エンジンや発電機の運転・保守を担う機関部の仕事もある
- 規則正しい集団生活・チームワークを大切にできる人
- 長期間の乗船勤務と陸上休暇のメリハリに魅力を感じる人
- 手に職をつけて安定した収入を得たい人
船員は水産高校などを卒業して海技士免許を取得するルートが一般的ですが、働きながら乗船履歴を積んで資格取得を目指すことも可能です。内航船なら2ヶ月乗船して20〜30日の陸上休暇、外航船なら数ヶ月単位の乗船と長期休暇というサイクルが基本で、未経験からでも人材紹介サービスを通じて求人を探せば、海運会社への就職が現実的な選択肢になります。
学歴や資格を問わない職種をほかにも知りたい人は、「資格がなくてもできる仕事15選」もあわせてチェックしてみてください。
潜水士
約466.9万円(jobtag:潜水士)
- 港湾工事や漁業、サルベージなど水中での各種作業を行う
- 船底の清掃・点検補修、水中での溶接や設置作業なども担当する
- 災害時の捜索・救助やレジャーダイビングの指導に従事することもある
- 水中での作業に恐怖心を感じにくい人
- 船上・陸上のチームと連携して働ける人
- 体力面での自己管理を徹底できる人
潜水士になるには、安全衛生技術試験協会が実施する国家試験に合格する必要がありますが、試験は学科のみで実技はなく、学歴や性別による制限もありません。会社に所属して先輩から潜水技術を学びながら実務経験を積むのが一般的なキャリアの始め方で、港湾工事会社や漁業関係の会社、レジャーダイビング業界など活躍の場は多岐にわたります。
水族館飼育員
約360.8万円(jobtag:水族館飼育員)
- 水槽の観察・水質管理・給餌など生物の飼育全般を担当する
- 飼育スペースや水槽の清掃、展示替えなどの日常業務も行う
- 生物の採集・繁殖やイルカ・アシカショーの実施を担う場合もある
- 生き物の観察・世話をコツコツ続けられる人
- 交替制勤務や土日祝日勤務に対応できる人
- 水質管理など地道な裏方作業を苦にしない人
水族館飼育員は学歴や資格が必須ではありませんが、水産学部や水産高校出身者が求人に応募するケースが多く、採用倍率は高めです。水族館の新設・開館時にまとめて採用されることが多いため、求人情報はこまめにチェックしておくとよいでしょう。潜水士や学芸員の資格を持っていると選考で有利になる場合もあります。
水産ねり製品製造(水産加工)
約396.7万円(jobtag:水産ねり製品製造)
- かまぼこ・ちくわ・はんぺんなどの水産ねり製品を製造する
- 魚肉の精製・らいかい・成形・加熱・包装までの工程を担当する
- 製造機械の操作や品質管理を通じて商品づくりに携わる
- 決まった工程を正確にこなすのが得意な人
- 食品製造の技能を身につけてキャリアアップしたい人
- 地元の水産加工業に貢献したい人
水産ねり製品製造も学歴・資格不問で入職でき、採用後の現場研修で製造工程を学んでいくのが一般的です。厚生労働省の技能検定「水産練り製品製造技能士」を取得すれば、専門性を客観的に示すことができ、キャリアの幅も広がります。水を多く使う仕事のため冬場の作業環境はやや厳しいものの、標準的な工場勤務で生活リズムを整えやすい点も特徴です。
決まった作業をコツコツ続けるのが得意な人は、「コツコツできる仕事15選」もあわせて参考にしてみてください。
マリンスポーツインストラクター
約442.0万円(jobtag:スポーツインストラクターの統計値を参考値として使用)
- ダイビングやサーフィン、ウインドサーフィンなどの指導を行う
- 器材の点検・安全管理、ツアーの引率などを担当する
- シーズンオフはショップ運営や事務作業を兼務することも多い
- 人に教えることが好きな人
- 海のアクティビティに強い情熱がある人
- 繁忙期の不規則な勤務にも対応できる人
マリンスポーツインストラクターは、各競技団体が発行する民間資格(ダイビングであればオープンウォーター指導者資格など)を取得して活躍するのが一般的です。未経験からショップのアシスタントスタッフとして働きながら資格取得を目指すルートもあり、海が好きでアクティブに働きたい人にとって現実的な選択肢のひとつです。
海上保安官
特別職国家公務員のため、jobtagに具体的な年収データは公開されていません。jobtag:海上保安官によると、行政職の国家公務員より給与水準は高めとされ、船艇勤務にはさらに手当が支給されます。
- 巡視船や航空機を使って海洋の監視・治安維持にあたる
- 密輸・密漁の取り締まりや、遭難した人・船の捜索救助を行う
- 海図作成や灯台の保守など海上交通の安全確保にも携わる
- 人の役に立つ仕事にやりがいを感じる人
- 規律や上下関係を大切にできる人
- 緊急時にも冷静に行動できる人
海上保安官になるには、海上保安大学校または海上保安学校の学生採用試験に合格する必要があります。大学校卒業後は幹部候補として、学校卒業後は警備救難などの専門スタッフとしてキャリアを積んでいく流れです。高卒程度から受験できる採用区分も用意されているため、学歴に自信がない人でも挑戦しやすい公務員職といえます。
海上自衛官
特別職国家公務員(自衛官俸給表)のため、jobtagに具体的な年収データは公開されていません。jobtag:海上自衛官によると、教育期間中から給料が支払われ、営舎内居住者には食事・被服も支給されます。
- 護衛艦や航空機を運用し、海上からの侵略に備えて警戒監視を行う
- 災害時の物資輸送や国際平和協力活動での燃料・人員輸送も担当する
- 機雷の除去や南極地域観測協力など特殊な任務に携わることもある
- 組織的な行動・チームワークを重視できる人
- 体力や規律を求められる環境に前向きな人
- 国を守るという責任感にやりがいを感じる人
海上自衛官になるには自衛官採用試験に合格する必要がありますが、18歳以上であれば「自衛官候補生」などの区分で学歴不問での受験が可能です。入職後は自衛隊内の教育機関で必要な知識・技能を習得できるため、未経験からでも一歩を踏み出しやすい職種です。
未経験から海の仕事に就職する5つのステップ
- 興味のある職種を決めてから、資格・試験の有無を確認するのが第一歩
- 求人は専門エージェントやハローワークを横断的にチェックする
- 入職後はOJTで経験を積みながら資格取得を目指すルートが一般的
海に関わる仕事は職種によって入職ルートが大きく異なります。ここでは、未経験から就職を目指す際の基本的な流れを5つのステップで解説します。

STEP1|興味のある職種を決める
まずは「体を動かす現場仕事がしたいのか」「生き物と関わりたいのか」「公務員として安定した働き方をしたいのか」など、大まかな方向性を絞りましょう。8つの職種の仕事内容・向いてる人の特徴を見比べながら、自分の興味や適性に近いものを選ぶのがポイントです。
STEP2|必要な資格・試験の有無を確認する
潜水士や海技士のように試験が必要な職種か、漁師や水族館飼育員のように資格不要で挑戦できる職種かを確認します。公務員系を目指す場合は、受験資格(年齢・学歴区分)と試験日程も早めにチェックしておきましょう。
STEP3|求人・専門エージェントで探す
海運会社や漁協、水産加工会社の求人はハローワークに掲載されるほか、業界団体の紹介で見つかることもあります。未経験歓迎の求人を効率よく探したい人は、若手就職支援に強いキャリアスタートまでご相談ください。
STEP4|応募書類・面接の準備をする
体力面での不安や未経験であることを正直に伝えつつ、「なぜ海の仕事に興味を持ったのか」を具体的なエピソードとともに語れるように準備しましょう。地域や自然に貢献したいという意欲は、面接官にも好印象を与えやすいポイントです。
STEP5|入職後はOJTで経験を積む
多くの職種は入職後、先輩から実務を教わりながら技術を身につけていきます。潜水士や海技士のようにキャリアの途中で資格取得を目指すケースもあるため、焦らず一歩ずつ経験を積んでいく姿勢が大切です。
フリーターから就職活動を進める人は「フリーターから就職するには?」、高卒から就職を目指す人は「高卒からの就職ガイド」もあわせて参考にしてみてください。
海に関わる仕事に向いてる人の特徴
- 体力に自信があり、屋外や不規則な勤務にも対応できる人が向いている
- 自然や生き物への興味・探究心がある人はモチベーションを保ちやすい
- チームワークを大切にできる人は、船上や現場での協働に強い
体力に自信があり、屋外作業にも抵抗がない人
漁業や潜水作業、水産加工などは屋外・現場での肉体労働が中心です。早朝勤務や力仕事も多いため、日頃から体力づくりを意識できる人ほど長く働き続けやすい傾向にあります。
自然や生き物への興味・探究心がある人
水族館飼育員やマリンスポーツインストラクターのように生き物や海洋環境と向き合う仕事では、「もっと知りたい」という探究心が仕事の質やモチベーションに直結します。
チームワークを大切にできる人
船員や海上保安官、海上自衛官のように集団で行動する職種では、個人プレーよりもチーム全体の安全や成果を優先できる協調性が求められます。
規則正しい生活リズムを保てる人
水産加工や飼育業務など、決まったスケジュールで作業を積み重ねる仕事も多いため、コツコツと同じ作業を続けられる人には向いている職種が揃っています。
海の仕事に興味がある人が知っておきたい注意点
- 体力的な負担が大きい職種が多く、天候や自然条件に左右されやすい
- 職種によって給与水準や雇用形態(自営・契約社員など)に差がある
- 乗船勤務や交替制勤務など、家族と過ごす時間が制限される職種もある
体力的な負担が大きい
早朝勤務や力仕事、悪天候の中での作業など、体力面での負担は決して小さくありません。特に漁業や潜水作業は気象条件による危険も伴うため、安全管理の知識も欠かせません。
給与・雇用形態が職種によって差が大きい
漁師の一部は自営・フリーランスの働き方が中心となり、漁獲高によって収入が変動します。安定した収入を重視する場合は、正社員雇用が中心の船員や水産加工、公務員系の職種を検討するとよいでしょう。
家族と過ごす時間が制限される職種もある
外航船の船員や自衛官のように、長期間の乗船・勤務を伴う職種では、家族と離れて過ごす期間が発生します。働き方や勤務形態について不安がある人は、求人条件をひとつずつ確認できる若手就職支援に強いキャリアスタートまでご相談ください。
体力的な負担が少ない職種と比較したい人は、「長く続けられる仕事の特徴と選び方」もあわせてチェックしてみてください。
学歴を問わず挑戦できる仕事をほかにも知りたい人は、「ブルーカラーの仕事とは」も参考になります。
海に関わる仕事に関するよくある質問
ここでは、海に関わる仕事を目指すうえでよく寄せられる質問にお答えします。
海に関わる仕事は未経験・資格なしでも就職できますか?
はい、漁師の見習いや水族館飼育員、水産加工スタッフなど、学歴・資格を問わず挑戦できる職種は多くあります。多くの現場では入職後にOJTで技術を教わるスタイルが一般的なので、まずは求人の応募条件を確認してみましょう。
女性でも海に関わる仕事に就けますか?
はい、水族館飼育員では女性の割合が増加傾向にあるほか、海上保安庁や海上自衛隊でも女性の採用数が増えています。漁業でも海女のように女性が活躍する分野があり、性別を理由に選択肢が大きく狭まる心配は少ないといえます。
潜水士の資格はどれくらいの期間で取得できますか?
潜水士試験は学科のみで実技はなく、学歴や性別の制限もありません。受験対策の勉強期間には個人差がありますが、数ヶ月程度の学習で合格を目指す人が多い試験です。合格後は会社に所属しながら実地で潜水技術を学んでいくのが一般的な流れです。
海上保安官・海上自衛官はどんな人におすすめですか?
人の役に立つ仕事にやりがいを感じる人や、規律・チームワークを大切にできる人に向いています。学歴不問で受験できる採用区分もあるため、高卒からでも公務員として安定したキャリアを築きたい人におすすめです。
30代・第二新卒でも海の仕事に転職できますか?
職種によりますが、漁業や水産加工、船員などは年齢を理由に採用を制限されるケースは比較的少なく、第二新卒からの転職も十分に可能です。公務員系は年齢制限が設けられている場合があるため、事前に募集要項を確認しましょう。
海に関わる仕事で正社員として長く働けますか?
水族館飼育員や水産加工、船員、公務員系の職種は正社員雇用が中心で、長期的なキャリア形成が可能です。一方で漁師の一部は自営・フリーランス色が強いため、雇用形態は職種ごとに事前に確認しておくと安心です。
まとめ
海に関わる仕事には、漁師や水族館飼育員のように資格不要で挑戦できる職種から、潜水士や海上保安官のように試験合格が必要な職種まで幅広い選択肢があります。
まずは自分の体力やライフスタイル、興味の方向性に合った職種を見極めることが大切です。未経験からの一歩を踏み出したい人は、若手就職支援に強いキャリアスタートまでご相談ください。

海の仕事は選択肢が意外と多いので、まずは気になる職種から求人をのぞいてみるのがおすすめですよ。1人で悩んだら、いつでも私たちキャリアスタートを頼ってくださいね。





























海に関わる仕事は、漁師や水族館飼育員のように資格不要で挑戦できる職種から、潜水士や海上保安官のように試験合格が必要な職種まで幅広くあります。20代未経験からでも、自分の体力や興味に合った職種を選べば正社員を目指せます。