留年が確定すると目の前が真っ暗になり「人生終わり」と感じる人も少なくありませんが、決してそうではありません。
「もう就職は無理かも」「親に顔向けできない」と考える人は多いですが、1度の留年で残りの人生で仕事に就けないというのは大袈裟です。
また、親に対してもしっかりと進路の説明ができれば、子供の決断を応援してくれるでしょう。
この記事では、留年が確定して絶望している人のために、人生が終わりではない理由と留年後の進路の選択肢、卒業・中退それぞれのメリットを比較します。
後半では、留年確定後の就職活動の進め方のコツにも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
留年が確定しても絶望する必要はない

留年が確定した瞬間目の前が真っ暗になり、「もう終わりだ」と感じる人は少なくありません。
しかし、留年する人の割合は大学・高校で一定割合おり、決してあなただけが留年しているわけではないことは理解しておきましょう。
具体的に留年する人の割合や将来への影響について解説するので、まずは冷静に留年について考える参考にしてください。
- 大学や高校を留年する人の割合
- 就職への影響
- しっかり向き合えば親も協力してくれるケースが多い
大学や高校を留年する人の割合
大学留年者の割合は全体で4.8%、高校の場合は全日制の普通科で0.1%、定時制で1.5%、通信制で1%です。
さらに詳しく留年率のデータを見てみましょう。
「大学における休学・退学・留年学生に関する調査第 43 報(2020 年度調査結果)」における、大学での留年率データをまとめました。
| 区分 | 全体留年率 | 男子留年率 | 女子留年率 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 4.8% | 5.8% | 3.0% |
| 文系 | 5.3% | 6.9% | 3.7% |
| 理系 | 4.6% | 5.5% | 2.3% |
| 6年制 | 3.4% | 4.2% | 2.1% |
上記をまとめると、大学での留年の割合は20人に1人程度と、決して珍しいことではありません。
次に、高校においての留年率も見てみましょう。
「令和 6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によると、令和7年3月末時点で進級・卒業が認められなかった人の割合は、以下のようになっています。
| 学年 | 全日制 普通科 | 全日制 専門学科 | 全日制 総合学科 | 定時制 | 通信制 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1年 | 0.2% | 0.4% | 1.3% | 3.7% | 1.4% | 0.3% |
| 2年 | 0.2% | 0.2% | 0.6% | 2.6% | 1.2% | 0.2% |
| 3年 | 0.0% | 0.0% | 0.3% | 1.4% | 0.6% | 0.1% |
| 4年 | ― | ― | ― | 1.2% | 0.0% | 0.9% |
| 単位制 | 0.1% | 0.1% | 0.3% | 1.2% | 1.0% | 0.5% |
| 合計 | 0.1% | 0.2% | 0.3% | 1.5% | 1.0% | 0.3% |
傾向としては、全日制よりも定時制や通信制の方が留年率は高くなっています。
一方で、全日制高校の留年率は0.1%程度と非常に低く、ほとんどの生徒が問題なく進級しているのが実情です。
そのため、全日制で留年すると周囲に同じ境遇の人が少なく、「あの先輩は留年したらしい」といった形で目立ちやすくなる傾向があります。
一方、定時制や通信制ではさまざまな事情を抱えた生徒が在籍しており、留年自体が珍しいことではありません。
そのため、環境によっては留年に対する周囲の見方や心理的な負担に違いがある点も理解しておく必要があります。
就職への影響
多くの人は「留年すると就職にも影響する」と考えていますが、そうとも言い切れません。
大学や高校での留年が1回程度であり、かつその後きちんと学習計画を立てて高校・大学を卒業すれば、就職への影響は最小限に抑えられます。
事実、大学を卒業した人の就職率は98.1%と極めて高い水準です。
(参考:令和5年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在))
上記データには留年者の割合が明記されているわけではありませんが、大学の留年率が全体で4.8%という事実をあわせて考えると、留年経験がある人でも就職に成功している可能性が高いことはわかるでしょう。
上記をまとめると、留年したとしてもその後進級できるよう努力し、卒業までこぎつければ就職に大きく影響するとはいえません。
ただし、高校の留年は、大学と比べて割合が低いため、採用側にとって目に留まりやすいポイントです。
実際に高卒就職では学校推薦や書類選考が重視されるため、同じ条件の応募者が複数いる場合、留年していない人が優先されるケースもあります。
ただし、留年していることだけが不採用の決定的な理由になるわけではありません。
重要なのは、なぜ留年したのか、そしてその後どのように改善したのかを説明できるかどうかです。
事実、高卒者で就職を希望した者で就職に成功した人の割合は98%です。
(参考:高等学校卒業者の学科別進路状況:文部科学省)
そのため、高校で留年した場合はしっかりとした対策が必要であるものの、就職自体が絶望的とはいえないでしょう。
しっかり向き合えば親も協力してくれるケースが多い
留年確定後に学生が悩むのが、親へ経済的な負担をかけることへの罪悪感、失望させたことへの後悔です。
実際に、学費負担や進路に対する親の関心は非常に高く、こうした背景から「親に迷惑をかけている」という意識を持つ学生は少なくありません。
しかし、親が一番心配しているのは、「もう1度留年を繰り返すのではないか、これで子供の心が折れて将来に響くのではないか」ということです。
つまり、あなた自身が留年の事実を受け止めて、今後どのように対策していくかを話せれば、親も理解して協力してくれるでしょう。
親と話をする際は誠意を持って謝罪をし、留年を挽回する計画を伝えるように工夫してください。
留年による就職への影響やその対応策はこちらの記事でまとめています。
留年が確定したあとの選択肢

留年が確定して自暴自棄になる前に、その後取れる選択肢を冷静に考えてみるべきです。
大学生と高校生で選択肢は異なりますので、それぞれの状況別に解説します。
大学生の場合
大学生で留年が確定した場合の選択肢は、その学年をやり直して卒業をするか、大学を中退して就職するかの二択です。
1年間留年し卒業を目指す
大学では進級や卒業に必要な単位数が明確に決められており、その条件を満たせば進級・卒業できる仕組みです。
1〜2年生で留年した場合も順当に進級できれば、3年生で就職活動を始めれば、新卒として就職が可能となります。
なお、すでに就活をしており内定を受けている人の留年が確定した場合は、内定先の企業へ速やかに連絡しましょう。
この場合内定が取り消しになるケースが多いですが、改めて就職活動は可能なので、就職への大きな影響はありません。
大学を卒業できない場合内定がどうなるかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
大学を中退して就職活動を始める
経済的にもう1年間の学費の年収が困難な場合や、勉学以外にやりたいことが見つかった場合などは、大学卒業を待たずすぐに働き始める選択肢もあります。
注意したいのが、最終学歴が高卒となるため、大卒向けの企業への応募は難しい点です。
大卒向けの求人へは応募ができないため、大卒者と比べると就職先の選択肢が少なくなることがあります。
大学を中退して就職はありかという論点については、こちらの記事をご覧ください。
高校生の場合
高校生で留年が確定した場合は、進学を含めていくつかの選択肢があります。
選択肢ごとにメリットやデメリットが異なる点を踏まえて、よく将来を考えましょう。
通信制高校や定時制高校への転向
留年した高校を退学し、通信制や定時制高校へ転校することも可能です。
通信制や定時制は単位制が多く、年度途中でも転入しやすくなっています。
全日制に残って後輩と同じ学年になるよりも精神的なハードルも低く、また合理的に留年した学年をリカバリーしやすいです。
無事卒業できれば高卒資格が取得でき、就職活動を進められます。
なお、全日制への転出も不可能ではありませんが、欠員がなければ転学できず、また面接や学力試験が必要になります。
同じ学年へ転入できないこともあるため、高校で留年した場合の転学先としては通信制や定時制が選ばれることが多いです。
高卒認定試験を受ける
高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)を受けて、進学を目指すという選択肢もあります。
この試験に合格すれば、高校を卒業していなくても大学や専門学校の受験資格を得ることができます。
ただし、高卒認定はあくまで「高校卒業と同等の学力がある」と認められる資格であり、高校卒業そのものではありません。
そのため、最終学歴は中卒のままとなり、履歴書にも「高卒」とは記載できない点には注意が必要です。
また、学校に通わず自分で学習を進める必要があるため、自己管理ができない場合は途中で挫折してしまうリスクもあります。
一方で、早く進学したい人や、学校という環境自体が合わない人にとってはよい選択肢です。
このように、高卒認定は誰にでも向いている方法ではありませんが、条件が合えば効率的に進路を切り開けるルートといえるでしょう。
中退して就職を目指す
高校を中退して、そのまま就職を目指すという選択肢もあります。
ただし、この進路は一般的とはいえず、選ぶ人は多くありません。
高校中退の場合、最終学歴は中卒となるため、応募できる求人が限られたり、正社員としての採用ハードルが上がったりする傾向があります。
日本では高卒が就職の一つの基準になっているため、その条件を満たしていないだけで選択肢が大きく狭まってしまうのが現実です。
また、仮に就職できたとしても、昇進や転職の場面で不利になるケースも少なくありません。
そのため、長期的なキャリアを考えると慎重に判断する必要があります。
一方で、すでに働き先が決まっている場合や、特定のスキルを活かして働ける環境がある場合なら中退して就職を目指すのもよいでしょう。
このように、中退して就職すること自体は可能ですが、将来への影響が大きいため、他の選択肢と比較したうえで慎重に検討してください。
中卒の学歴で就職しやすい仕事はこちらの記事で解説しています。
内定を断り就活をもう一度やり直す
内定獲得後に留年が確定し、卒業できない場合は内定辞退し、もう一度就職をやり直す必要があります。
高校で留年した場合はもう1度同じ学年をやり直すことになるので、また3年の4月から就職活動を始めましょう。
高校在学中に就職することで学校からの就活支援を受けられ、一般の高卒入社と同じ待遇で入社できます。
留年確定後の「卒業」と「中退」どちらを選ぶべき?

留年が確定したあと「恥ずかしいし、退学したい」「でも将来のために卒業すべき?」といろいろな考えが思いつくはずです。
卒業と中退にはそれぞれメリットとデメリットがあるので、よく比較したうえで検討しましょう。
留年してでも卒業を目指すメリット
大学や高校を留年してでも卒業を目指すメリットは以下のとおりです。
- 高卒/大卒資格が得られる
- 応募できる求人数が増える
- 学校の就職サポートを受けられる
- 留年を乗り越えた経験が自信につながる
学校の卒業資格を得られることで、応募できる企業の求人の選択肢も増え、希望の職種へ就ける可能性が広がります。
また、学校から受けられる就職先の紹介やOB・OG訪問なども、就職には大きなメリットになるでしょう。
さらに、留年という挫折を経験し、それを挽回するために行動した経験は将来の自信につながります。
大学を中退するか留年するかどうかの判断基準は、こちらの記事で解説しています。
中退して就職するメリット
一方で中退して就職を選ぶメリットもあります。
- 時間を無駄にせず社会人としてのキャリアをつめる
- 収入を得て経済的にも自立できる
- 環境をリセットできる
大学や高校を中退して働き始めれば、早期に社会人としてのキャリアを始められます。
とくに、高校中退で入社しやすい建設や製造業は学歴よりも経験、体力が重視されるため、早めに経験値を積めるのは強みになるでしょう。
また、収入を得られるようになるので自立することができ、親への負担もありません。
留年の理由や対人関係や環境などの場合、それらをリセットすることでよりよい生活を送れる可能性もあるでしょう。
留年確定後の就職活動を成功させるコツ

留年が確定したあとは卒業を目指すか、または中退して自分自身で就職活動を始めなければなりません。
その場合の就職活動成功のコツを紹介します。
- 就職に向けて資格取得やインターンに参加する
- 自己分析で強みを明らかにしておく
- 早めに就職エージェントに相談しておく
就職に向けて資格取得やインターンに参加する
大学卒業を目指して留年する場合は、単位の取得に加えて、就職に役立つ資格取得やインターンへの参加を積極的におこないましょう。
就職に直結する行動をすることで企業理解が深まるだけでなく、面接時のアピールにもなります。
たとえば、IT系や国家資格など業務に直結する資格の取得は知識を得られるだけでなく、採用への意欲をアピールできるでしょう。
高校生や高校中退を検討している場合は、インターンよりもアルバイトや職業訓練を受けて実務スキルを高めるのがおすすめです。
自己分析で強みを明らかにしておく
留年や中退はその事実だけを見ると、採用側に継続力や心身のコンディションについて疑問をもたれやすいです。
しかし、自己分析をしっかりしておき、留年の理由とその挽回のための行動を説明できれば印象を大きく変えられます。
例として、以下のようなことは自分のなかでも整理しておきましょう。
- 留年から学んだこと
- 留年の原因と反省
- 改善策
留年したというだけでなく、そこから自分自身の欠点に向き合い、改善までセットでできていれば、留年は弱みではなく強みに変わります。
早めに就職エージェントに相談しておく
大学や高校を中退しようと思っている場合は、新卒枠が使えないため、自分自身で情報収集から就職活動まで進めなければなりません。
しかし、初めての就職活動をイチから進めるのはかなり難しいでしょう。
そこでおすすめなのが、就職エージェントの利用です。
就職エージェントに相談をすれば、学歴や経歴に応じた求人紹介はもちろん、自己分析のサポートや履歴書などの応募書類作成サポート、面接の支援まで受けられます。
早めに相談することで進路の選択肢を増やすこともできるので、ぜひ活用しておきましょう。
留年についてよくある質問

最後に留年についてよくある質問をまとめました。
留年が確定するのはいつ頃ですか?
大学で留年が確定するのは、一般的には2〜3月の学年末です。
成績確定後に進級条件を満たしていないと判断された場合は、留年が確定します。
一方で高校生の場合は、学期末や年度末の成績評価に基づいて判断されるのが一般的です。
出席日数や成績が基準を下回った場合に進級できず、留年となるケースが多いでしょう。
留年が確定したあとに適用される救済措置はありますか?
大学や高校で留年が確定されたあとの救済措置を設けている学校は、ほぼありません。
ただし、確定前の段階であれば以下のような救済措置が用意されている場合があります。
- 追加履修
- 追加レポート提出
- 進級条件の緩和措置
- 補修
- 追試
- 課題提出などによる評価調整
学校によって救済措置の有無、内容は異なります。
また、あくまで確定前の猶予措置となるため、留年の可能性があると思ったら学校の窓口や教授、担任に相談して救済措置について確認しましょう。
留年確定後の進路のご相談はキャリアスタートへお任せください
留年が確定しても、その後の行動次第で進路やキャリアはいくらでも立て直すことができます。
まずは留年の事実を受け止めて、同じ過ちを繰り返さないように原因の分析と対策を立てましょう。
そのうえで、卒業・中退それぞれの選択肢を比較して、進む道を決めてください。
留年確定後の就職活動に不安がある場合は、就職エージェントのキャリアスタートへご相談ください。
キャリアスタートは豊富な若手の就職支援実績があり、自己分析から選考サポートまで幅広い支援が可能です。
留年したあとの進路のご相談も受け付けていますので、ぜひ一度ご相談ください。



























