販売職の仕事内容とは?向いている人の5つの特徴やメリット・転職事情を紹介!
「販売職では具体的にどのような仕事をするのか?」
「販売職にはどのような人が向いているのか?」
転職先の候補として販売職を検討している方の中には、具体的にどのようなことをするのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
販売職は年齢や職歴に関係なく一から働けるため、転職先として人気の職業の1つです。
本記事では、販売職の仕事内容やメリット、大変なこと、やりがい、販売職に向いている人の特徴、販売職に有利な資格、転職事情について詳しくご紹介します。
この記事を最後まで読めば、販売職に関する知識は網羅できるので、転職するかどうかの参考にしてみてください。
Contents
1.販売職とは?
販売職とは、商品を直接消費者に販売する職業のことです。
消費者と直接接する機会が多く、コミュニケーション能力や多くの商品知識が求められます。
販売職と言っても働き方はさまざまで、以下のような種類に分類されることが多いです。
- 小売店での販売(スーパーやコンビニ、デパートなど)
- 卸売店での販売
- 専用自動車による移動販売
- 消費者のもとを尋ねる訪問販売
- 商品の実用性を説明しながら提供する実演販売
商品を求めている人に対して販売することは同じですが、その過程が異なります。
たとえば、生活に必要な日用品であれば、全ての消費者が対象になるので、小売店で販売するのが一般的です。
弁当や鮮魚などはターゲットが狭くなるため、場合によっては移動販売をすることもあります。
調理器具や家電製品であれば、消費者の購買意欲向上を目的に、お客様の前で使用風景を見せるのも効果的です。
同じ販売職でも取扱商品によって販売方法が変わることを押えておきましょう。
ちなみに、販売職には以下のような職種があるので、転職先を探すときの参考にしてみてください。
- コンビニ
- ドラッグストア
- スーパー、ディスカウントストア
- 百貨店
- アパレル
- 家電量販店
- 携帯電話販売店
- 化粧品販売店
2.販売職の主な仕事内容
販売職の主な仕事内容についてご紹介します。
基本的な業務内容は以下の4つです。
- 接客
- レジ打ち
- 品出し
- 在庫管理
順にご説明しますので、あなたが販売職で働いているイメージをしてみましょう。
(1)接客
接客は販売職のメインとなる業務です。
具体的には、消費者に対して商品説明や店内案内を行います。
たとえば、消費者から「商品Aと商品Bは同じように見えるけど、どんな違いがあるの?」「〇〇という商品を探しているんだけど、どこにあるの?」といった質問をされることがあるでしょう。
顧客満足度に繋がるため、消費者の要望に応えられるように臨機応変に対応することが重要です。
(2)レジ打ち
商品の売買により金銭のやり取りが発生するので、レジ打ちも重要な仕事です。
消費者が売り場から持ってきた商品や、消費者から注文された商品をレジに登録し、算出された合計金額をもとに会計を行います。
現在はほとんどの販売店がPOSレジ(販売情報を自動で記録・集計するシステムが搭載されたレジ)を導入しているので、昨日今日働き始めた人でも簡単にレジ打ちが可能です。
スキャナーで商品のバーコードをスキャンするだけで勝手に集計し、合計金額が表示されるため、未経験者でも安心してレジ打ち業務が行えるようになっています。
ただし、自動釣銭機能が搭載されていないレジの場合は、釣り銭の受け渡しミスが発生しないように注意しなければなりません。
(3)品出し
商品を売り場に並べる場合は、品出しをする必要があります。
納品された商品を指定の場所に並べるだけの単純な作業です。
ただし、古い商品が先に売れるように、納品されたばかりの商品はすでに並んでいる商品の後ろに並べるように意識しなければなりません。
(4)在庫管理
販売職では、在庫管理の業務も大切です。
商品を発注してから納品されるまで期間(リードタイム)が空くので、在庫状況と売れ行き状況を考慮した上で商品を発注しなければなりません。
欠品してしまえば、その分チャンスロス(得られるはずの利益を失うこと)に繋がり、多く在庫を抱えすぎてしまうと廃棄となり、仕入れ額分を損失することになります。
チャンスロスと廃棄ロスのバランスを取りながら、在庫を管理することが求められるでしょう。
3.販売職で働く3つの魅力・メリット
販売職が気になる方に向けて、販売職の魅力についてご紹介します。
主なメリットは以下の3つです。
- コミュニケーションスキルが向上する
- 店舗運営に携われる
- 商品知識を得られる
販売職だからこそ得られるメリットもあるので、前向きに検討してみてください。
(1)コミュニケーションスキルが向上する
消費者への対面販売によって、コミュニケーションスキルを身につけることもできます。
さまざまな価値観を持つ人と接することが多いので、来店客に合わせて柔軟な対応をしなければなりません。
お客様がどのような商品を求めているのかを会話や様子から汲み取って最適な商品を提供したり、購入を渋っている方に対して商品の魅力を伝えたりすることになります。
相手が満足してもらえるように自身がどのような行動を取るべきなのか考えさせられるため、自然と対人スキルが向上するでしょう。
(2)店舗運営に携われる
店舗運営に携われる点も販売職の魅力の1つです。
在庫管理では、商品の発注や納品、廃棄などの商品を管理する業務を学ぶことができます。
また、店長・副店長に就任できれば、人事・労務管理や売上管理なども行うことになるので、店舗を運営する上で必要な経験を得ることが可能です。
将来独立して自身の店舗を持ちたい方にとっては、有益な情報を直に経験として蓄積できるため、独立の際に非常に役立つでしょう。
(3)商品知識を得られる
販売職に就くと、取り扱っている商品関連の知識を深めることができます。
消費者から聞かれたときにしっかり対応できるように、最低限の商品知識を身につけておかなければなりません。
たとえば、化粧品を取り扱っている場合、少なくとも商品に含まれる成分や使い方、適切な保存方法などは押さえておく必要があります。
得た商品知識は、自身の日常生活に役立てることができるでしょう。
4.販売職の6つの大変なこと
次に、販売職で働く上で把握しておくべき大変なことについてご紹介します。
特に押さえておくべき点は以下の6つです。
- 年収が上がるのに時間がかかる
- 休日がバラバラになりやすい
- クレーム対応をしなければならない
- 長時間労働になりやすい
- 休日出勤を求められることがある
- 結果を求められる
販売職で働くことにより、どのような状況に置かれる可能性があるかチェックしておきましょう。
(1)年収が上がるのに時間がかかる
販売職は年収が上がるのに時間がかかります。
そもそも販売職は薄利多売が一般的で、アルバイトなどの人件費が高いため、社員の給料は安いです。
給料が上がるには上の役職に就かなければなりませんが、昇進できる枠が限られているので、全ての人がキャリアアップできるとは限りません。
販売職のキャリアアップは以下の流れが一般的です。
- 販売員
- リーダー・チーフ・副店長
- 店長
- SV(スーパーバイザー)
- エリアマネージャー
- 本社勤務(主任、課長、部長など)
SVとは本部に所属しつつ担当店舗を巡回し、本部の方針に則って店長やオーナーを教育・指導する管理職のことです。
店舗規模によって昇進のしやすさは異なりますが、店舗の数は限られているので、上の役職の変動がなければ空きは出ません。
店長やSVになれる人の数は決まっているため、簡単に昇進することは難しいです。
競う枠が少なければ、他の社員と競争しなければならず、実績や高いスキルが求められるようになるでしょう。
(2)休日がバラバラになりやすい
販売職は休日がバラバラになりやすいです。
職種によりますが、基本的には土日祝日が忙しくなるため、平日に休みを取ることになります。
また、販売職はシフト制なので、アルバイトのシフトが安定しなければ、毎週決まった曜日に休日を取ることは困難です。
休日が不定期であれば、家族や友人とスケジュールを調整するのが難しくなるだけでなく、世間が休日気分の中働かなければならないため、一時的にモチベーションの低下に繋がることもあります。
営業時間によっては、早番や遅番など働く時間も不規則になるので、生活リズムが安定しない点は販売職のつらい点といえるでしょう。
(3)クレーム対応をしなければならない
クレーム対応は販売職の中でも特に大変な仕事です。
消費者にはさまざまな価値観を持っている人がいるので、何がきっかけでお客様を怒らせるかわかりません。
ほとんどの人が気にしないことでもクレームを言う人は一定数います。
店側の対応でお客様を怒らせた場合は誠実に対応するのは当然ですが、店側に非がない場合でも謝罪しなければならないこともあるでしょう。
割り切ってクレーム処理できる人は問題ありませんが、人から怒られることに慣れていない人は、クレーム対応が億劫に感じるかもしれません。
(4)長時間労働になりやすい
シフトの状況によっては長時間労働を強いられることがあります。
たとえば、勤務予定だった従業員が急遽休みになった場合は、欠員を埋めるために代わりにその枠に入らなければならないことがあるでしょう。
ただでさえ立ち仕事で足がパンパンになっている状況で、急に残業が決まったらメンタルにも大きな影響を及ぼします。
販売職に就く以上は、いつ長時間労働になってもおかしくはないことを押えておきましょう。
(5)休日出勤を求められることがある
長時間労働と同じ理由で、休日出勤を求められることもあります。
人手不足に陥っている店舗や人件費に多くを割けない店舗は、人員を最小限に抑えている可能性が高く、その場合1人でも人員が欠ければ店が回らない状況になるでしょう。
事前に休日出勤することが分かっていればまだ準備はできますが、休日当日に急遽休日出勤を求められることになれば、肉体的にも精神的にも負担が大きくなります。
人員が整っている店舗は心配する必要はありませんが、人員不足の店舗で働くことになれば、休日出勤があることは覚悟しておいた方がよいでしょう。
(6)結果を求められる
販売職は利益を出すことが最重要課題なので、どうしても本部から結果を求められます。
各店舗には売上目標が掲げられ、その目標を意識しながら業務を行わなければなりません。
止むを得ない理由がないにもかかわらず目標に遠く及ばない結果になれば、SVや本部からプレッシャーをかけられることになります。
店舗の売上が自身の評価に繋がるといっても過言ではないので、結果にこだわって仕事をしなければならない点は大変といえるでしょう。
5.販売職の3つのやりがい
メリットとデメリットを天秤にかけてもなお、販売職に就くべきなのか迷っている方向けに、販売職のやりがいについてご紹介します。
販売職の主なやりがいは以下の3つです。
- 顧客に感謝されることに喜びを感じる
- 売上に貢献できる
- 好きなことを仕事にできる
これらのやりがいに共感できる方は、販売職に就いて上手くいく可能性が高いでしょう。
(1)顧客に感謝されることに喜びを感じる
お客様から直接「ありがとう」と感謝されたときの喜びは計り知れないものがあります。
余程のひねくれ者でもない限り、人から感謝されることは誰でも嬉しいものです。
自分自身はそのつもりはなくてもお客様から感謝されることは多々あり、深く感謝の姿勢を示されることもあります。
感謝の言葉や褒め言葉は仕事へのモチベーションに大きな影響を与えるので、直接感謝されることで販売職に対してやりがいを覚える人も多いです。
お客様からクレームを言われて落ち込むこともありますが、同じように人から感謝される機会もあるのが販売職の魅力といえるでしょう。
(2)売上に貢献できる
販売員のスキルによって売上が大きく左右されるので、努力次第で売上に貢献できます。
看板娘という言葉があるように、どの店舗にも販売員を目当てに来店されるお客様が一定数いるものです。
たとえば、セールストークが上手な店員や明るく元気な店員がいれば、自然とリピーターが増えてきます。
接客には店員の持つ人間性が大きく現れるので、工夫次第で多くのお客様の獲得に繋げることが可能です。
自分の行いが売上に直結したと実感すれば、充実感を感じることができ、より仕事へのモチベーションを高められます。
店舗によっては、貢献度によってインセンティブをもらえることがあるので、お客様を呼べる店員を目指しましょう。
(3)好きなことを仕事にできる
好きなことを仕事にできる点も魅力的です。
たとえば、趣味に関する商品を取り扱っている場合は、好きなものに囲まれて仕事ができるほか、お客様も自分と同じ趣味を持っているケースが多いので、接客が楽しくなります。
また、販売職だからこそ得られる商品知識もあるため、プライベートの趣味の時間に活かすことも可能です。
好きなことを仕事にするとモチベーションも保ちやすいでしょう。
6.販売職に向いている人の5つの特徴
自分が販売職に向いているのか分からない方向けに、販売職に向いている人の特徴をご紹介します。
特に販売職に向いている人の特徴は以下の5つです。
- 好きなものに囲まれて仕事をしたい
- 知らない人と話をするのが得意
- 経営・運営を学びたい
- 接客経験がある
- マルチスキルがある
これらの該当する方は、販売職に向いている可能性が高いので、思い切って挑戦してみてはいかがでしょうか。
(1)好きなものに囲まれて仕事をしたい
好きなものに囲まれて仕事がしたい方は、販売職がおすすめです
先ほど述べたように、興味のあるものが取扱商品だった場合、好きなことを仕事にできます。
たとえば、洋服が好きであればアパレル、本が好きであれば書店、アニメが好きであればホビーショップなど、販売職は好きなことを仕事にできるチャンスが豊富です。
いくらでも選択肢はあるので、趣味に関することを仕事に選んでみてはいかがでしょうか。
(2)知らない人と話をするのが得意
初対面の人とでもコミュニケーションを取ることが得意な方は販売職に向いています。
仕事上、初めて顔を合わせる人と接することが多く、対応次第で売上に貢献することが可能です。
特に、百貨店やアパレル、化粧品販売店はお客様のニーズを伺いながら、適した商品を提供することが求められます。
コミュニケーションスキルが高い人ほど顧客満足度向上や売上アップに貢献できるため、高いモチベーションで仕事に打ち込めるでしょう。
(3)経営・運営を学びたい
経営・運営を学びたい方は、販売職に就くと良い経験を積むことができます。
販売職に就いて店舗運営に携わることで、先ほどご説明したように経営・運営に必要なことを学ぶことが可能です。
経験がないまま独立するより、一度現場で店舗運営を実際に体験した方が独立開業の成功率が高まります。
将来的に独立を考えている方は、修行と思って販売職を経験してみましょう。
(4)接客経験がある
接客経験がある方は、販売職で即戦力としての活躍が見込めます。
学生時代にアルバイトで接客をしたことがあれば、販売職に必要なスキルが身についている可能性が高いです。
商品知識は不足していても働くうちに定着してくるので、お客様の対応に慣れていれば問題ありません。
接客が得意な方や接客が嫌いではない方は、販売職を選択肢の1つに加えてみてはいかがでしょうか。
(5)マルチスキルがある
マルチスキルがある方は、販売職でも難なく業務をこなせるでしょう。
販売職はお客様対応に加えて、レジ打ちや品出し、在庫管理など幅広い業務を同時に行う必要があります。
たとえば、品出ししている最中にお客様がレジ前に並べば、手を止めてレジ対応をしなければなりません。
販売職は常に視野を広げておかなければ業務が成立しないので、複数の作業を同時に行うことができる方は、販売職で活躍できる可能性が高いでしょう。
7.販売職に有利な資格3選
販売職の現場で役立つ資格がいくつかあるので、販売職への転職に有利な資格についてご紹介します。
転職に役立つ資格は、以下の3つです。
- 販売士
- カラーコーディネーター
- 接客サービスマナー検定
いずれも難易度は決して高くなく、年に複数回試験が実施されるので受験しやすいです。
スケジュールが合う方は、資格取得を目指してみてください。
(1)販売士
販売士は、販売のプロを育成する目的で実施されている資格です。
販売業なら何でも役に立つ知識を網羅的に学習するので、どの職種にも取得する価値があります。
接客や売り場づくり、販売促進のための企画、人材のマネジメントなど販売業で求められる知識を習得できるので、これから販売職に就こうと考えている方におすすめです。
1級から3級までの3階級がありますが、3級でも販売担当として必要な知識・技術を学べるので、まずは3級の取得を目指してみましょう。
(2)カラーコーディネーター
色彩感覚を学べるカラーコーディネーターもおすすめの資格です。
販売職と関係がないように思えるかもしれませんが、売り場づくりに役立てることができます。
色は目に無意識に飛び込んでくる情報なので、商品が売れる売場をつくるために色の使い方は重要です。
たとえば、売りたい商品の背景の色を何にするかで、商品を美しく見せることができます。
商品レイアウトや販促物の色の使い方次第で、思わず足を向けてしまうほどの魅力的な売り場にすることができるので、カラーコーディネーターの資格を取得する価値は大いにあるでしょう。
(3)接客サービスマナー検定
接客の質を高めるために、接客サービスマナー検定を取得しておくこともおすすめです。
接客サービスマナー検定は、1人のお客様と接する時間が長い職種に活かせます。
たとえば、百貨店や化粧品販売店など、販売職の中でもサービス業に近い職種に最適です。
接客マナーは、お客様にいかに喜んでもらえるかを大切にしている店舗では特に必要なスキルなので、サービス業寄りの販売職に就きたい方は、取得しておきましょう。
8.販売職の転職事情
販売職は職種が多く、該当店舗も多いため、全体的に人手不足の傾向があります。
常に人手を募集している状態なので、販売職の転職事情は店舗側の需要が勝っている状況です。
インターネットの普及によりECコマースの利用者は増加していますが、それでも実店舗で買い物を楽しむ人も多数いるので、働き先に困ることはありません。
年齢や経験に関係なく働けるので、セカンドキャリアとしてスタートしやすいのも販売職の特徴です。
心機一転してキャリアをスタートしたい方は、販売職への転職を前向きに検討してみてください。
まとめ
販売職は、コミュニケーションスキルの向上や店舗運営に関する知識の習得など、将来に繫がるメリットがたくさんあります。
業務の幅が広く大変なことはありますが、その分やりがいはある職業です。
販売職は転職者にとって有利な市場になっています。
好きなものを仕事にしたい、接客が得意、経営・運営を学びたいなど、今回ご紹介した販売職に向いている方の特徴に該当する方は、販売職に転職してみてはいかがでしょうか。
販売職への転職を決めた方で時間にゆとりがある方は、少しでも働きやすいように販売士やカラーコーディネーターなど、販売職に役立つ資格取得を目指してみてください。