「ボーナスをもらってから辞めるのは、やっぱり印象が悪いのかな…」
「ボーナスをもらって辞めたいのだけど、転職活動はいつ頃から始めればいいんだろう」
ボーナス支給時期を一区切りに、転職や退職を考えている人は少なくないでしょう。
しかし、周りから「もらい逃げ」と思われるのが怖くて、迷っているかもしれませんね。
経済的に損をしたくない気持ちは自然なものであり、後ろめたさを感じる必要はありません。
この記事では、ボーナスをもらってから退職する際の注意点やスケジュール、法的なポイントをわかりやすく解説します。
ボーナスをもらって辞める人は多い

「ボーナスをもらってすぐ辞めるのってなんだか気まずい」と感じている人は多いです。
しかし、転職を考えている人の多くが退職時期をボーナス後にしようと考えています。
「株式会社学情のリサーチ」によると、転職予定の人の8割は「ボーナス後にやめよう」と考えていたそうです。
あなたが今「ボーナスを受け取ってから辞めよう」と考えていることに引け目を感じているなら、その必要はありません。
賞与の支給は会社生活における区切りであり、辞めるのに適した時期といえるでしょう。
ボーナスをもらって辞めても法的な問題はない

会社員は原則としていつでも退職を申し出ることができます。
これは労働基準法第137条で定められている「退職の自由」に基づくもので、その時期がボーナス支給後であっても法的な問題はありません。
ただし、ボーナス支給の条件は原則、支給日に在籍していることです。
ボーナスの査定期間中に在籍していても、支給日にすでに退職扱いになっていればボーナスはもらえません。
このルールは会社ごとに異なるため、職務規定をよく確認したうえで、退職日を決めるようにしてください。
ボーナスをもらってから辞めるときのスケジュール

ボーナスをもらってから辞めるときの理想的なスケジュールを紹介します。
このスケジュールはあくまで理想であり、転職活動の成果によってはこの通りにはいきません。
転職や退職日を考える参考として活用してください。
- ボーナスの支給時期に合わせて転職先を決める
- ボーナスを受け取る
- 退職を申し出る
- 引き継ぎをおこなう
- 転職先への出社開始
(1)ボーナスの支給時期に合わせて転職先を決める
ボーナス支給日がある程度わかっている場合は、直近の支給日を目安に転職活動を始めます。
たとえば、6月末にボーナスが支給される場合は7月〜8月には次の会社へ出社するイメージをもっておくと良いでしょう。
そのためには、6月末〜7月には内定が出るように活動を進めなければなりません。
なお、あまり早く転職活動を始めて内定を獲得してしまうと、転職先への入社が遅れることになります。
出来るだけブランクができないように、転職活動をするのがおすすめです。
転職先に迷惑をかけないよう事前に入社可能日を伝えておきましょう。
(2)ボーナスを受け取る
ボーナス支給日当日は通常通りボーナスを受け取りましょう。
支給日前に退職扱いになると支給対象外になるため、必ず支給日に在籍していることを確認しておくことが重要です。
また、ボーナス明細は転職後の源泉徴収や確定申告で必要になるため、手元にデータまたは紙で保存しておくようにしましょう。
(3)退職を申し出る
ボーナスを受け取った直後、2週間〜1ヶ月を目安に退職の意向を伝えるのが理想的です。
支給直後すぐのタイミングだと「もらって即辞めた」と思われやすいため、多少の間を置くことで角が立ちにくくなります。
なお、退職の申し出をすると上司から引き止められる可能性もあるため、転職先が決まっているなら「〇月〇日付で退職したい」と具体的な日付を伝えるのがスマートです。
(4)引き継ぎをおこなう
退職までに、あなたが抜けても困らないレベルの引き継ぎを目指しましょう。
特に、社内であなたしか分からない業務や取引先情報は、ドキュメント化して共有フォルダなどにまとめておくと好印象です。
退職が決まるとモチベーションが下がりがちですが、周りの人の負担も考えて、しっかり引き継ぎをしてから辞めましょう。
(5)転職先への出社開始
退職後は転職先と相談した日にちに出社し、仕事を始めましょう。
なお、退職後に転職活動をする場合はここから転職活動をスタートします。
初出社日があまり先になると気が緩むので、内定後は2週間〜1ヶ月以内には初出社の日を設定するようにすると良いでしょう。
ボーナスをもらって辞めるときのポイント

ボーナスをもらって辞めるのは法的には問題はありません。
しかし、辞め方によってはボーナスを受け取れなかったり、金額的に損をする可能性も。
どうすれば一番損なくボーナスをもらって辞められるか、ポイントを解説します。
- 職務規定でボーナスがもらえる条件を確認する
- ボーナスの額が期待できる時期に辞める
- 後任への引き継ぎはしっかりおこなう
- 退職の申し出まで転職の話はしない
(1)職務規定でボーナスがもらえる条件を確認する
ボーナスをもらって辞める場合は、職務規定で支給条件を確認しましょう。
会社ごとにボーナスの支給条件が違うためです。
一般的にボーナスは査定期間の在籍、そして支給日の在籍を条件に支給されます。
つまり、6月30日のボーナスの査定が10月〜3月でその間に在籍していたとしても、6月25日に退職していればボーナスはもらえません。
退職日はボーナスが確実にもらえるように設定するようにしましょう。
(2)ボーナスの額が期待できる時期に辞める
ボーナスの額は会社の業績によって変動するのが一般的です。
そのため今、業績に大きく貢献する可能性のあるプロジェクトに参加している場合は、その業績が反映される時期に辞めるのがおすすめです。
辞める時期によってはプロジェクト成果がボーナス査定に反映されない可能性があります。
たとえば、プロジェクトが3月に終了して成果を上げたとしても、会社のボーナス査定期間が「4月〜9月」と定められている場合があります。
このような場合、その業績は次回のボーナス査定に持ち越されるため、3月に退職してしまうと「成果が反映される前に辞めた扱い」になってしまいます。
結果的に、実際は会社の業績に貢献していても、その評価が報酬に反映されないリスクがあるということです。
また、会社の決算の関係上、夏と冬のボーナスで金額に差がつくこともあります。
緊急の理由がないのであれば、より高額のボーナスが期待できる時期を選んで退職した方が良いでしょう。
(3)後任への引き継ぎはしっかりおこなう
ボーナスをもらって辞めると、周囲から「もらい逃げ」と思われる可能性はあります。
同僚と今後もつきあいをしていきたいと考えているなら、なるべく悪印象になる辞め方は避けるべきです。
そのためには、退職前の引き継ぎをしっかりおこないましょう。
引き継ぎもせずにボーナス後すぐに辞めれば印象は最悪ですが、マニュアルを整備したり、後任者へ親切に業務を引き継げば印象の悪化を避けられます。
実際の退職日まではその会社へ貢献する意識をもち、あなたが辞めても周囲の人が困らないように配慮しましょう。
(4)退職の申し出まで転職の話はしない
ボーナスを受け取って退職を申し出るまで、転職の話を周囲にしないようにしましょう。
あなたが退職する意思があることが上司に伝わり、ボーナスの額を減額されるリスクがあるからです。
もちろん、退職を理由に大幅にボーナスを減額するのは不当ですが、仮にボーナスが減額されても「退職が理由である」ことをあなたが証明するのは難しいはず。
満額でボーナスを受け取りたいなら、ボーナス後に辞めるつもりであることは隠しておくのが大切です。
転職活動などは水面下で進め、周囲に退職の意思を悟られないようにしましょう。
ボーナスに捉われて転職の時期を逃さないように注意

「どうせ辞めるならボーナスをもらってから」と考えるのは自然なことです。
しかし、ボーナスにこだわりすぎて転職市場のタイミングを逃すと、年収やキャリアのチャンスを損なう可能性があります。
ボーナスの時期にこだわりすぎて転職先への出社日があまりに先になれば、あなたよりも早く入社する別の社員が採用されるかもしれません。
確かにボーナスはまとまった金額で手に入るチャンスですが、転職が決まらなければ新たなキャリアを切り開くチャンスが失われます。
ボーナスの受け取り時期は目安と考えて、転職のチャンスを優先した方が長期的な目線では得かもしれません。
ボーナス時期付近の転職活動ならキャリアスタートへご相談ください
ボーナスをもらってから退職するのは、決して悪いことではありません。
むしろ経済的にも精神的にも区切りをつけやすい、賢い選択といえます。
ただし、支給日と退職日の関係や、査定期間のズレによっては「もらえるはずのボーナスが支給されない」こともあります。
そのため、退職前には就業規則を確認し、支給条件や査定期間を正確に把握しておくことが重要です。
また転職先を焦って決めたり、ボーナス時期を意識しすぎるとせっかくのチャンスを逃す可能性もあります。
「ボーナスを受け取ってから転職したいけど、動き出すタイミングがわからない」と悩む方は、キャリアスタートにご相談ください。
キャリアスタートでは、在職中の転職活動をフルサポートし、「ボーナス後に円満退職→次の会社へスムーズに移行」という理想的な流れを一緒に設計できます。
ボーナス時期に合わせて転職を考えている方は、ぜひ一度ご相談ください。

















