「転職回数が多いと人生終わり?」
「転職自体は悪いことじゃないはずなのに、なぜ転職回数で不利になるの?」
こうした不安を抱えている人は少なくありません。
確かに、日本ではいまだに「長くひとつの会社に勤めることが安定」という価値観が根強く残っています。
そのため、転職回数が多いと「すぐ辞める人」「忍耐力がない」と誤解されやすいのも事実です。
しかし実際には、転職が一般的になりつつある現代において、複数回の転職は決して珍しいことではありません。
この記事では、データで見る客観的な転職回数、転職回数が多くても人生終わりでない理由、転職回数の多さが不利になるケースを紹介します。
最後には、転職回数の多さを強みに変えるコツに触れていますので、ぜひお読みください。
データで見る客観的な転職回数

「転職者実態調査」によると、転職の総数平均は2.92回であり、男性の平均が2.73回、女性は3.18回となっています。
また、年代別に見た転職回数は以下の表のようになっており、30代後半以上の人は転職回数が6回以上になっている人も一定割合でいることがわかります。
年齢階級 | 計(%) | 1回(%) | 2回(%) | 3回(%) | 4回(%) | 5回(%) | 6回以上(%) | 不明(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 100.0 | 27.7 | 18.9 | 19.5 | 13.1 | 7.1 | 13.4 | 0.3 |
15~19歳 | 100.0 | 98.8 | 0.1 | – | – | – | – | 1.1 |
20~24歳 | 100.0 | 69.7 | 16.9 | 9.9 | 1.2 | – | 1.2 | 1.1 |
25~29歳 | 100.0 | 49.3 | 23.9 | 17.8 | 5.9 | 2.0 | 1.0 | 0.0 |
30~34歳 | 100.0 | 27.1 | 24.9 | 23.6 | 14.8 | 3.5 | 5.7 | 0.3 |
35~39歳 | 100.0 | 14.6 | 22.2 | 25.0 | 17.5 | 8.3 | 12.2 | 0.2 |
40~44歳 | 100.0 | 14.9 | 12.9 | 20.0 | 15.4 | 11.5 | 25.1 | 0.2 |
45~49歳 | 100.0 | 13.9 | 14.1 | 22.6 | 17.1 | 11.7 | 20.6 | – |
さらに、業界によっても転職回数が多い人の割合は異なります。
職種 | 計(%) | 1回(%) | 2回(%) | 3回(%) | 4回(%) | 5回(%) | 6回以上(%) | 不明(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総数 | 100.0 | 27.7 | 18.9 | 19.5 | 13.1 | 7.1 | 13.4 | 0.3 |
専門的・技術的な仕事 | 100.0 | 31.0 | 16.7 | 17.1 | 14.0 | 7.1 | 13.5 | 0.6 |
事務的な仕事 | 100.0 | 27.5 | 23.8 | 19.1 | 12.2 | 6.1 | 11.0 | 0.3 |
販売の仕事 | 100.0 | 34.9 | 21.3 | 19.0 | 11.7 | 6.3 | 6.7 | 0.2 |
サービスの仕事 | 100.0 | 19.1 | 13.6 | 20.9 | 19.8 | 6.9 | 19.4 | 0.2 |
保安の仕事 | 100.0 | 6.0 | 32.2 | 27.2 | 12.6 | 9.7 | 12.3 | – |
生産工程の仕事 | 100.0 | 31.7 | 16.5 | 21.8 | 12.9 | 6.9 | 9.9 | 0.2 |
輸送・機械運転の仕事 | 100.0 | 10.7 | 16.0 | 20.5 | 12.7 | 14.5 | 25.1 | 0.5 |
建設・採掘の仕事 | 100.0 | 28.7 | 16.8 | 19.0 | 12.6 | 3.4 | 19.0 | 0.4 |
運搬・清掃・包装等の仕事 | 100.0 | 21.8 | 17.6 | 25.8 | 12.5 | 9.4 | 12.7 | 0.2 |
その他の仕事 | 100.0 | 30.0 | 30.0 | 14.4 | 7.1 | 7.6 | 10.9 | 0.1 |
「輸送・機械運転の仕事」では転職回数6回以上の人が25%以上を占めるなど、業界によっても転職回数の増減があることがわかります。
このように転職回数は年齢や業種によって異なり、一概に転職回数が多いからといってマイナスになるとも言い切れないのが現状です。
転職回数が多い=人生終わりではない理由

転職回数が多いと「もう人生終わり」といった風潮が一部にありますが、それは誤解です。
実際には社会全体の価値観が変わりつつあり、転職はキャリアアップや自己実現の手段として広く受け入れられています。
(1)日本における働き方は変化している
かつて日本では「ひとつの会社に長く勤めること」が美徳とされていました。
そのため、転職を繰り返す人は「根気がない」「仕事が続かない」といったネガティブなレッテルを貼られることが多かったのです。
しかし、今は状況が大きく変わっており「雇用されている側が、働く環境やキャリアを自分で選ぶのは当たり前」という風潮が生まれています。
これにより、転職はキャリア形成の自然な一部と捉えられるようになりました。
(2)さまざまな仕事を通じて経験やスキルが身につく
転職を繰り返すことには、確かにデメリットもあります。
しかし一方で、複数の業種や職場を経験することで、幅広いスキルや柔軟性が身につくという大きなメリットもあります。
たとえば営業から企画へ、事務から広報へとキャリアを変えていけば、単一のキャリアでは得られない知識や人脈を築くことが可能です。
このような経験は変化に強い人材としての価値を高め、転職市場におけるアピール材料にもなります。
転職回数が多いと人生終わりといわれる理由

ここまで「転職回数が多い=人生終わりではない」と論じてきましたが、世間で転職回数が多いことがネガティブに捉えられるケースもあります。
なぜ転職回数が多いと人生終わりと言われてしまうのか、その理由を解説します。
- 転職歴の多さがマイナス評価となり転職が難しくなる
- 昇進のチャンスを逃しがちになる
- 年収が同年代と比べて低くなってしまう
(1)転職歴の多さがマイナス評価となり転職が難しくなる
採用担当者の中には、履歴書に短い期間で複数の転職が並んでいると「すぐ辞める人では?」と不安視する人もいます。
特に日本ではまだ「会社には長く勤めるものだ」という価値観をもつ企業も多く、転職回数の多さがネガティブに映る場面も少なくありません。
短期での離職を何度も繰り返しているようなケースでは、人事から定着性や根気に疑いをもたれることがあるでしょう。
(2)昇進のチャンスを逃しがちになる
同じ会社で長く働いていれば、勤続年数や社内評価が積み重なり、昇進や昇給のチャンスが増えます。
一方で転職を繰り返すと、その都度キャリアがリセットされるため、管理職や専門職に昇格する前に退職してしまい、結果的に昇進機会を逃してしまうことがあります。
仮に転職先が決まっても、キャリアをまた1から積み上げることになり、なかなか役職に就けないような状況が起こるでしょう。
(3)年収が同年代と比べて低くなってしまう
年収は勤続年数やスキルの蓄積とともに上がる傾向があります。
転職を繰り返すとベースアップの積み重ねが途切れるため、同年代の正社員より年収が低くなることもあります。
特に30代以降は昇格で役職がつく年代のため、大きな差がつくことも珍しくありません。
転職回数の多さから転職が難しいケース

転職回数が多いからといって人生終わりではありませんが、転職においてその履歴がマイナスになるケースはあります。
具体的にどのようなケースで転職回数の多さが影響するかを説明します。
- 短期離職で転職回数が多い
- 30代以上で専門的なスキルがない
- 業界や業種をコロコロ変えている
(1)短期離職で転職回数が多い
1年未満で退職と転職を繰り返しているような人は、転職の際に採用側に悪印象をもたれる可能性があります。
企業は採用にコストをかけているため、「すぐに辞める可能性が高い人材は採用したくない」というのが本音です。
また、短期離職が続いているとその会社で専門的なスキルを得られてないと判断されるため、仮に同業種への転職であっても経歴が評価されない可能性があります。
(2)30代以上で専門的なスキルがない
20代のうちは、伸び代に期待したポテンシャル採用の可能性がありますが、30代以降の転職は基本的に即戦力採用となります。
同年代の転職者も経験やスキルを身につけている人が多く、専門スキルがない30代では、ライバルに勝てない可能性が高いです。
仮に人材不足でも転職回数が多くスキルがない30代は、「育成コストがかかるうえ、辞める可能性が高く無駄な投資になる」と判断され、なかなか転職先が決まらない可能性があるでしょう。
(3)業界や業種をコロコロ変えている
職種や業界を頻繁に変えていると、採用側からは「一貫性も専門性もない」と評価されやすいです。
企業は採用において「この人材をどの領域で活用するか」を考えますが、軸の見えない経歴の人材に対しては、明確に活用のビジョンが見えにくいからです。
例えば、販売職から事務へ移り、その後営業職をしたうえで広報など、異業種を短期間で移動しているケースでは、個々の経験はあっても特定スキルの深掘りや成果の積み上げが見えません。
このような経歴だと採用側があなたの活用方法を見出しにくくなり、転職ではマイナスになるでしょう。
転職回数が多いことをマイナス評価にしないための対策

転職回数の多さが転職の場面でマイナスに働くことがあるのは事実ですが、評価自体はアピールの方法で変えられます。
ここからは、転職回数の多さをマイナス評価にしないコツを紹介します。
- 転職回数で得た経験やスキルをアピールする
- 資格の取得で強みを増やす
- ITやクリエイティブなど転職回数が考慮されにくい業界を選ぶ
(1)転職回数で得た経験やスキルをアピールする
転職の多さは弱点ではなく、活かし方次第で強みに変えられます。
採用側が重視するのは「環境が変わっても過去の経歴やスキルを活かして成果を出せるか」です。
転職先企業で役に立つスキルを棚卸しておき、履歴書や採用面接においてアピールしましょう。
例えば、数値設計や業務改善のスキル、顧客との折衝により実績などの数字は汎用性が高く、どの企業でも役立つスキルです。
具体的な数字を交えて実績と紐付けることで、あなたの有用性を企業へアピールできるはずです。
(2)資格の取得で強みを増やす
転職志望先の企業で役立つ資格を取得し、あなたの強みを増やしましょう。
採用側は年代に関係なく「自社に貢献してくれる人材、成果が出せる人材」を求めています。
これまでの経歴から得たスキルを文字で並べるだけよりも、資格を取得して客観的な裏づけを示したほうが即戦力性と学習意欲が伝わりやすいです。
例えば、事務系の仕事に就くのであればビジネス会計やMOSなどを取得することで、あなたのスキルを客観的に証明できます。
無闇に資格を取る必要はないので、志望先の企業に役立つものを取得すると良いでしょう。
(3)ITやクリエイティブなど転職回数が考慮されにくい業界を選ぶ
転職回数の多さが気になる場合は、成果物で評価される業界を検討しましょう。
日本には今も「長く勤めるべき」という価値観の企業があり、特に老舗の製造・インフラ・不動産・一部金融ではその傾向が強いです。
一方で、ITやWebマーケ、編集・デザイン・動画などは実力主義で、転職回数に関係なく成果で評価される傾向にあります。
職務経歴書や面接で実績をわかりやすく示せれば、転職回数に関係なく内定を獲得できる可能性があるでしょう。
(4)転職エージェントのサポートを受ける
転職回数の多さが不利に働いていると実感しているなら、転職エージェントのサポートを受けましょう。
エージェントは職歴の共通項を見つけて一貫性を設計したり、実績の数値化をしたりと書類作成から面談の準備まで協力してくれます。
また、転職先が見つけられない場合でも、あなたの経歴からフィットした業種や職種を見つけてくれるなど、転職において心強い味方になってくれるでしょう。
転職回数が多くて悩んでいる人はキャリアスタートへご相談ください
転職回数が多い=人生終わりと転職を諦めるのではなく、転職回数の多さをどう強みに変えるかを考えるべきです。
転職回数が多いことが不利に働く場面もありますが、その分つけてきたスキル、経験もあるはずです。
しかし、多くの人にとって自分のキャリアやスキルを客観視するのは難しいもの。
そんなときは、キャリアスタートへご相談ください。
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転職回数の多さに悩む人の適性を分析し、あなたが長く働ける職場探しのお手伝いも可能です。