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フリーターから公務員になるには?試験対策・メリット・落ちた時の対処法を解説

「フリーターから公務員になれる?」
「安定した仕事を手に入れたいけど、どうすればいいの?」

公務員は安定した雇用と手厚い福利厚生が魅力的な仕事として、フリーターの方からも注目されています。
しかし、年齢制限や試験勉強の必要性など、目指すにあたって知っておくべき点も多いです。

この記事では、フリーターが公務員になる方法と、実際に目指すことで得られるメリット・知っておきたいデメリットを解説します。

さらに、公務員試験に落ちたときの対処法も紹介していますので、最後までご覧ください。

フリーターから公務員は目指せる!

安定した職業の代表格である公務員は、フリーターからでも目指せます。

公務員になるには公務員試験に合格する必要があるものの、受験には学歴や職歴は必要とされない場合がほとんどだからです。

まず公務員試験には以下2つの枠が用意されています。

試験の枠
  • 一般枠
  • 経験者採用枠

経験者採用枠は一般企業での3〜5年(自治体によって異なる)の経験が求められ、競争率も高めですが、一般枠では職歴は求められません。

学歴もほとんどの試験で不要であり、試験の受験資格さえあればフリーターでも受験できます。

事実、公務員試験のための勉強をしながらアルバイトで生計を立てている人もいます。

このようにフリーターであっても公務員を目指すことは可能なので、少しでも興味があるなら勉強を始めましょう。

フリーターが公務員を目指すための条件

フリーターが公務員を目指すためには2つの条件を満たす必要があります。

(1)年齢要件を満たすこと

公務員試験には年齢制限が設けられています。

自治体によって年齢制限の上限は異なりますが、ほとんどの場合、一般枠は30歳までの受験が必要とされています。

ただし、自治体によっては年齢制限が緩和されている場合もあるので、自治体に確認しましょう。

なお、経験者採用枠の場合は59歳までの年齢制限、及び民間企業での勤務経験が3〜5年必要です。

(2)学科試験と面接試験を突破すること

公務員になるには、学科試験と面接試験を突破しなければなりません。

学科試験の難易度は受験者の学歴に合わせて3つの区分があり、学力に合わせた一般教養や専門試験が用意されています。

試験の種類
  • 高卒程度
  • 短大・専門卒程度
  • 大卒程度

また、学科試験のあとは面接試験がある自治体がほとんどで、面接では公務員たる人柄かどうかを面談で判断します。

フリーターが目指せる公務員の種類

フリーターから目指せる公務員の種類についても知っておきましょう。

(1)地方公務員

地方公務員とは都道府県や市区町村の、地方公共団体で働く公務員です。

6つの区分があり、それぞれ以下のような仕事を担当します。

なお、地方公務員の中でも資格が必要な職業「看護師や薬剤師など」については、国家試験合格が条件となっているため、今回記事中で紹介するルートでは目指せません。

区分代表的な職種・採用例
行政職・県庁
・市区町村職員
技術職・土木
・建築
・機械
・電気
・化学
・農業
・林業
・情報
心理職・児童相談所
・少年院
・福祉施設の心理判定員など
福祉職・生活保護ケースワーカー
・障がい者支援
・相談員
公安職・警察官
・消防吏員
資格・免許職・保健師
・薬剤師
・獣医師
・管理栄養士
・司書
・保育士 など

地方公務員の試験は目安となる学歴レベルに応じて以下の3つがあり、教養問題や知識問題に加えて、法的な知識を問う専門的な問題が出題されます。

なおこの3つの区分はあくまで学力のレベルの目安であり、学歴とは関係ありません。

区分目安となる学歴レベル主な出題科目
地方上級大卒程度・一般知能
(数的処理、文章理解)
・一般知識(人文科学、社会科学、自然科学、時事問題など)
・専門科目(憲法、民法、行政法などの法律系科目や、経済学、政治学、行政学などの社会科学系科目)
地方中級短大・専門卒程度
地方初級高卒程度

(2)国家公務員

国家公務員とは国の機関で働く公務員を意味します。

省庁や裁判所、国会などで働いている人が国家公務員です。

国を運営するのに欠かせない政策の立案などを担ったり、そのサポートをするのが主な仕事です。

基本的に地方公務員よりも試験の難易度が高く設定されており、一般職試験であっても合格率は40%以下となっています。

フリーターが公務員になる方法

フリーターが公務員になるにはどうしたら良いか具体的な流れを紹介します。

  • 目指す公務員の種類を決める
  • 募集要項や年齢制限を確認する
  • 公務員試験の勉強をする
  • 応募・受験手続きをする

(1)目指す公務員の種類を決める

公務員と一口にいっても、国家公務員・地方公務員・警察官・消防士など職種はさまざまです。

仕事内容や勤務地、採用人数、必要な資格の有無も異なるため、まずは自分がどの分野で働きたいのかを明確にしましょう。

「安定性重視」「地元で働きたい」「専門職を目指したい」など、自分の希望を基準に選択するのがポイントです。

(2)募集要項や年齢制限を確認する

公務員試験には年齢制限が設けられているケースが多く、受験できる年齢は自治体や職種によって異なります。

また、学歴要件や必要な資格の有無も募集要項に明記されているため、必ず公式サイトで確認しましょう。

ここでミスマッチがあると、せっかく準備しても受験できないことがあるので注意してください。

(3)公務員試験の勉強をする

公務員試験の合格には、教養試験・専門試験・面接対策など幅広い準備が必要です。

効率よく学ぶために公務員予備校に通う人も多いですが、独学でも対策可能です。

その場合は参考書・過去問集を活用し、自分に合った学習方法を選びましょう。

独学の場合はスケジュール管理が重要なので、勉強計画を立てて進めてください。

(4)応募・受験手続きをする

準備が整ったら、実際に受験申込を行います。

申込期間は自治体や機関によって異なるため、公式発表をこまめにチェックしましょう。

試験当日は、筆記試験だけでなく面接試験もあるため、コミュニケーション力や自己PRの練習も欠かせません。

不安なら家族や友人に手伝ってもらい、面接のリハーサルなどもしておくと良いでしょう。

フリーターが公務員になるメリット

フリーターから公務員を目指すと以下のようなメリットがあります。

  • 雇用が安定した就業先である
  • 福利厚生が充実している
  • 勤務時間が一定である
  • 年金制度が手厚い

(1)雇用が安定した就業先である

公務員は景気に左右されず、国が存続する限りは安定した就業先です。

会社が途中で倒産するような心配もなく、また給与も安定しています。

賞与なども安定して支給されるなど、長期的に安定して働きたい方にとっては魅力的な就業先といえるでしょう。

(2)福利厚生が充実している

公務員は福利厚生が充実していることも魅力といえるでしょう。

公務員は民間企業のお手本ともなるべき存在なため、福利厚生はかなり充実しています。

給与以外に各種手当が用意されており、通勤手当などはもちろん地域手当や役職手当、退職手当も用意されています。

さらに休暇は年間125日と暦通りで休暇が取れるほか、有給休暇や特別休暇の取得も可能です。

その他、共済組合への加入でカフェテリアプランが利用できるなど、一般的な企業を上回る福利厚生が用意されています。

(3)勤務時間が一定である

公務員は勤務時間は原則週に38時間45分と定められています。

もちろん勤務先によって勤務時間が長時間になることはありますが、原則として残業は少なく勤務時間が大きくズレることはありません。

勤務時間が一定なので終業後の予定も立てやすく、ワークライフバランスがとりやすいです。

(4)年金制度が手厚い

公務員は、一般の会社員が加入する厚生年金に加え、退職後に「年金払い退職給付」という独自制度があります。

かつては共済年金と呼ばれていましたが、現在は厚生年金に一元化されています。

退職時にまとまった一時金+年金形式での給付が受けられるのが特徴です。

例えば、20年以上勤務した場合には退職金だけで数百万円〜1,000万円以上になることも多く、加えて年金払い退職給付により毎月の年金額が上乗せされます。

これにより、退職後の生活資金に余裕を持ちやすくなるのは大きな魅力です。

フリーターが公務員になるデメリット

フリーターが公務員になれば安定した生活という恩恵を得られますが、その一方でデメリットがある点も理解しておきましょう。

  • 副業ができない
  • 年功序列型の給与体系になっている
  • 民間よりも仕事の自由度が低い
  • 異動が多い

(1)副業ができない

公務員は法律で副業が禁止されています。

そのため、公務員以外の仕事で収入の柱を増やしたり、スキルを身につけるのは難しいです。

株式投資や不動産経営などの一部を除く、一般的な副業はできない点に注意しましょう。

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(2)年功序列型の給与体系になっている

公務員は年功序列型の給与体系が主軸となっており、若いうちは給与が低めに設定されています。

引用:第1 調査結果の概要

総務省が実施した「地方公務員給与実態調査」によると、20代の地方公務員全体の月給は20万円を下回る場合があるなど、さほど高いとはいえません。

これは公務員の給与体系が年齢を考慮したものとなっており、「若手で力があれば先輩公務員を超える給与がもらえる」といった風潮がないことに起因します。

「若いうちから高給を稼ぎたい」と望む方には、やや物足りない月給かもしれません。

(3)民間よりも仕事の自由度が低い

公務員の仕事は厳密にルールが決まったものが多く、自由度はかなり低いです。

また、民間よりもDXが遅れていることが多く、紙ベースの書類のやりとりや目視での作業が多く、最新技術を用いた仕事に触れる機会は限られます。

独自のアイデアやスピード感を求められる民間企業に比べると、決まったルール通りに処理するという仕事が中心になります。

そのため、創造的な働き方やベンチャー気質な職場を好む人には、窮屈に感じる可能性があります。

(4)異動が多い

公務員は数年ごとに異動があるのが一般的で、配属先や勤務地を選べない場合が多いです。

中には全く希望していない部門や、地元から離れた地域への異動を命じられることもあります。

また、異動がなくても毎月のように出張がある職場もあり、生活リズムや住環境が大きく変わることがあります。

「安定した場所で長く働きたい」という人にとっては、この点がストレスになる可能性があります。

公務員試験に落ちた場合の対処法

公務員試験は職歴に関係なく受験が可能ですが、多くの人が受験するため不合格になるケースは多いです。

もしも公務員試験に落ちてしまった場合は、年齢要件を満たすなら再受験が可能です。

どうしても公務員になりたいと思うなら、フリーターを継続して生活費を稼ぎつつ、公務員試験の勉強を続けましょう。

年齢要件を満たしていない場合、また公務員にこだわらない場合は、民間企業への就職もおすすめです。

公務員の仕事は確かに安定しており、福利厚生も充実しています。

しかし、最近は民間にも福利厚生が充実しており、ワークライフバランスが取れる環境の仕事も増えています。

なお、民間企業で3〜5年の実績を積めば、公務員試験の経験者採用枠試験の受験資格が得られるので、改めて公務員試験に挑戦するのも良いでしょう。

公務員並みに安定した職業探しならキャリアスタートへご相談ください

フリーターから公務員になるには、まず目指す職種を決め、募集要項や年齢制限を確認したうえで試験勉強を進め、受験手続きを行うのが一般的な流れです。
公務員は雇用が安定し、福利厚生や年金制度が手厚いなどのメリットがありますが、副業ができない・異動が多いといった制約も存在します。

もし試験に落ちたとしても、再受験を目指す方法や、安定性の高い民間企業への就職という選択肢もあります。
フリーターから一歩踏み出して安定した働き方を目指すなら、まずは行動してみましょう。

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