「手に職をつけるってどういう意味？」
「手に職をつけるためにおすすめの仕事は？」
手に職をつけるとは仕事で生計を立てるため、専門的なスキルや技術、資格を取得することを指します。
本来は「働いて自活する」こと自体を指す言葉ですが、この記事では上記の意味と定義して説明します。
この記事では、『手に職をつける』の定義やそのメリットを解説。
後半では、手に職をつけるためにおすすめの仕事を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
『手に職をつける』とは？
手に職をつけるとは、専門的なスキルや技術をもち、それを生業とすることです。
資格をとることと混同している方も多いですが、それだけではありません。
職人などは特に資格はありませんが、手に職をつける仕事の代表格といえます。
その他、ITエンジニアや動画編集者など、知識や技術が必要とされる専門的な仕事についている人は手に職をつけた状態といってよいでしょう。
もちろん、美容師や看護師など資格がある仕事も含まれます。
まとめると、手に職をつけるの意味とは専門的なスキルや技術、資格が必要とされる仕事に就くことを意味すると理解しましょう。
手に職をつけるメリット
親に「手に職をつけなさい」と言われたことがある方もいるでしょう。
具体的に「手に職をつけると何が得なのか」を説明します。
- ブランクがあっても復職しやすい
- 場所を選ばず仕事を探しやすい
- 学歴に依存せず転職できる
- 副業展開しやすい
- 技術を活用して独立もできる
- 自分に自信がつく
（1）ブランクがあっても復職しやすい
手に職をつけるメリットは、ライフステージにおいて休業期間があっても復職しやすいことです。
たとえば、産休などを取得したあとでも、専門的な技術やスキルがあれば同じ職種に復帰しやすいです。
専門的な業務についていたのであれば、復帰後も同じポジションで仕事へ復職できます。
休業後に別の部署で新しく仕事を覚える手間もなく、スムーズな復帰が可能です。
（2）場所を選ばず仕事を探しやすい
手に職がついた状態であれば、仕事探しもスムーズです。
夫や家族の都合で引っ越しをせざるを得なくなって仕事を辞めた場合でも、引越し先でそのスキルを活かして新しい仕事を見つけられます。
たとえば、看護師の資格があれば引越し先で新しく病院へ転職できる可能性も高まりますし、動画編集の技術があればリモートで仕事を見つけられるでしょう。
（3）学歴に依存せず転職できる
専門的なスキルや技術があれば、学歴に関係なくチャンスを掴めます。
「大卒じゃないから無理かも」と不安になる必要はありません。
実際、企業が重視しているのは即戦力としての実力であり、あなたにしかできない技術があれば、それが最大の武器になります。
学歴よりも「この人なら任せられる」と思わせるスキルこそ、転職を有利に進められるでしょう。
（4）副業展開しやすい
専門スキルを活かして副業を始めることも可能です。
たとえば、ITエンジニアとして働く傍ら、自らアプリ開発に取り組んだり、フリーランスとして外注でプログラミングを請け負うような働き方ができます。
あなたにしかない強みを活かして、収入の柱を増やせます。
（5）技術を活用して独立もできる
専門技術を活かして独立することもできます。
例えば、大工のような技術職の人は工務店などで働く道もあれば、個人で独立して「一人親方」になるケースもあります。
事業がうまくいけば規模を拡大し、会社を起こして社長になる道もあるでしょう。
（6）自分に自信がつく
手に職があるというのは、何よりも大きな自信になります。
「自分には確かな技術がある」「どこへ行っても通用する」という感覚は、他の何にも代えがたい安心感です。
周りと比べて焦ることもなくなり、「私はこの仕事で生きていける」という確信が生まれます。
誰にでもできる仕事ではないからこそ、技術を身につけた自分を誇れるようになるでしょう。
手に職をつける方法
手に職をつけるためには、「知識を得るだけ」でなく、実際に経験を積みながらスキルを磨くことが大切です。
資格を取ることがゴールではなく、「スキルを仕事に活かせる状態」にするのが目的。
ここでは、手に職をつけるために実践できる3つの方法を紹介します。
（1）仕事を通じて技術やスキルを身につける
最も確実な方法は、実際の仕事を通じてスキルを磨くことです。
未経験でも採用してくれる職場に飛び込み、現場で経験を積むのが一番の近道。
たとえば、未経験OKのIT企業で働きながらプログラミングを覚えたり、ネイルサロンでアシスタントから始めて技術を習得したりといった方法があります。
「働きながら学ぶ」姿勢こそが、真のスキルアップにつながるといえるでしょう。
（2）ビジネススクールなどに通って知識をつける
独学に限界を感じたら、スクールや講座の受講もおすすめです。
最近では、オンラインで学べるスクールも増えており、仕事や家事の合間でも効率的に学習できます。
特にWebデザイン・動画編集・プログラミングなどは、実践的な課題をこなすことで確実にスキルが定着します。
スクールで基礎を固めてから現場に出ると、自信を持ってスタートできるでしょう。
（3）資格を取得する
資格は、専門スキルを「証明」するための有効な手段です。
経理なら日商簿記、宅建士や社会保険労務士など、業界に直結する資格を取得すればキャリアの幅が一気に広がります。
資格を持っていることで企業からの信頼も得やすくなり、転職や独立の際にも大きなアドバンテージになります。
実務経験と資格の両方を持つことで、あなたの市場価値はさらに高まるでしょう！
手に職をつけられるおすすめの仕事
手に職をつけたいけれど、「どんな仕事を選べばいいかわからない」という人も多いでしょう。
ここでは、未経験からでも挑戦しやすく、かつ長く続けやすい手に職がつく仕事をジャンル別に紹介します。
（1）IT・Web系
デジタル時代のいま、ITスキルはどの業界でも求められています。
IT・Web系は未経験から始めても実績を積めば、在宅や副業にもつなげやすい分野です。
＃1：Webデザイナー
Webデザイナーとは、WebサイトやLP（ランディングページ）のデザインを行う仕事です。
IllustratorやPhotoshop、Figmaなどのデザインツールを扱う技術、さらにそのデザインをサイト上に実装するためのコーディングの知識が必要となります。
独学でもWebデザインやコーディングの知識は身につけられますが、体系的に知識をつけるために「ウェブデザイン技能検定」の受検がおすすめです。
この検定の勉強によってWebデザインについての知識や技術を体系的に学べます。
また、Web系の会社へ転職すれば現場で働きながらWebデザインについて学ぶことも可能です。
技術が身につけば副業展開もでき、フリーランスとしての独立も目指せるでしょう。
＃2：ITエンジニア
ITエンジニアとはアプリやシステム、Webサービスの開発を行う仕事です。
PythonやJavaScriptなどのプログラミング言語、ネットワークやデータベースの知識が必要とされます。
独学からスタートする場合は、書籍などを参考に個人でアプリやWebサイトを作り、GitHubなどでコードを公開することで、未経験でもスキルを証明できます。
転職を目指す場合は、未経験でもWeb制作会社や自社開発企業のアシスタントエンジニアとして実務を積むのが近道です。
入社後は現場でコードデビューを受けながら経験を積むなどして、スキルを伸ばしていきましょう。
なお、基本的なスキルを身につけて転職後は職場でスキルを磨き、最終的に副業や独立の展開も目指せます。
＃3：動画編集者
動画編集者は、YouTubeやSNSなどで配信する動画コンテンツを編集する仕事です。
Adobe Premiere ProやAfter Effectsなどの映像編集ソフトを使うスキルが必要です。
一見難しそうに見えますが、未経験者の多くが自分で撮影した動画を編集し、YouTubeなどにアップしてポートフォリオとして利用しています。
まずは自作の動画を編集するところから、編集ソフトを使う技術を磨いていきましょう。
転職先としてはWebメディア運営企業や映像制作会社がおすすめで、チームで働きながら技術を身につけられます。
＃4：Webマーケター
Webマーケターとは、SNSや広告を活用し、商品やサービスを多くの人に届ける仕事です。
アクセス解析や広告運用、SEO・SNS運用などのマーケティングスキルが必要です。
Web広告代理店やWebコンサルティング会社へ転職し、働きながらSEOやSNS運用の知識を身につけていけます。
独学から始める場合は、自分でブログやSNSを運用して成果データを出すのが最も効果的。
実績をポートフォリオとしてまとめれば、未経験でもWeb広告代理店や自社マーケティング部への転職が狙えるでしょう。
このような技術があれば、副業でのWebコンサルタントやマーケターとしての活躍も期待できるでしょう。
＃5：Webライター
Webライターとは、Webメディアや企業ブログなどの記事を執筆する仕事です。
SEOの知識やライティング、リサーチなどのスキルを習得できます。
特に必要な資格はないので、まずは独学でWebライティングに挑戦して基礎知識をつけるか、Web制作会社へ転職して現場でスキルを身につけましょう。
独学から始める場合は、自分でブログやサイトを運営して成果を数字で示すのが効果的です。
ブログを解説したり、情報をまとめたミニサイトなどを作って月間PV数を伸ばす工夫をしてみましょう。
また、副業でWebライターをやってみて、仕事をしながら学んでいく方法もおすすめです。
（2）医療・福祉系
医療・福祉系の仕事は、人の生活を支えるやりがいの大きい分野です。
高齢化社会が進む中で、今後も安定した需要が見込めます。
＃1：医療事務
医療事務とは、病院やクリニックで受付・会計・レセプト業務を行う仕事です。
受付として入社後に、医療事務技能審査試験（メディカルクラーク）などの資格を取得できます。
無資格・未経験でも正社員での採用は目指せますが、事前に医療事務技能審査試験を取得しておいた方が転職には有利なので、事前の資格取得を目指すと良いでしょう。
資格と実務経験を重ねれば、病院の医事課や医療法人の事務長などキャリアアップも可能な、安定性と専門性の両方を兼ね備えた手に職の代表格です。
＃2：介護士
介護士とは、高齢者の生活支援や介護を行う仕事です。
介護施設やデイサービスに転職し、利用者と関わりながら現場で技術を身につけられます。
資格がなくても現場で学びながら働けますが、介護職員初任者研修や介護福祉士の資格を取得すれば、スキルの証明にもなり、待遇も向上します。
職場によっては介護福祉士の資格取得支援制度や奨励金が出る場合も多く、働きながら手に職をつけやすい環境です。
＃3：歯科助手
歯科助手とは、歯科医院で治療補助や受付業務を担当する仕事で、医療系の中でも勤務時間が比較的安定しており、女性に人気の職種です。
資格は特に必要なく、歯科未経験や無資格でも採用される可能性が高いです。
転職先としては歯科医院になり、まずは入社後にチームの一員として受付や治療補助をしながら、スキルを身につけていきます。
未経験からスタートできる一方で、日本歯科医師会の資格認定制度や日本医療教育財団の歯科助手技能認定などの民間資格を取得すれば、信頼性が高まりキャリアの幅が広がります。
＃4：登録販売者
登録販売者とは、ドラッグストアなどで医薬品の販売や相談対応を行う仕事です。
登録販売者になるには国家資格が必要で、登録販売者試験に合格しなければなりません。
この試験は自治体ごとに実施されているので、最寄りの自治体で試験日などを確認して受験しましょう。（参考例：登録販売者試験について|医薬品の安全|東京都保健医療局）
経験を積めば店長や管理職を目指すこともでき、安定した需要のある生活に密着した手に職の一つです。
（3）美容・健康系
美容・健康系の仕事は手に職をつけたい女性に特に人気です。
自分のスキルが直接お客様の笑顔につながるのが、この分野の魅力となります。
＃1：エステティシャン
エステティシャンはフェイシャル・ボディ・脱毛などの施術を行う仕事です。
リンパや筋肉の構造、マッサージ技術、機器操作などを学べます。
エステサロンや美容クリニックに転職し、施術経験を積みながら手に職をつけられます。
なお、必須資格は特にありませんが、「日本エステティック業協会」の認定エステティシャン資格などの民間認定を取得すると、独立の際などに顧客に安心感を与えられるでしょう。
＃2：ネイリスト・アイリスト
ネイリスト・アイリストは、ネイルやまつ毛エクステ・パーマを施術する仕事です。
ネイリストは資格が必要なく、ネイルサロンで働きつつ研修を受け、プロネイリストとしてデビューできます。
働きながらネイリスト技能検定などを受検し、技術力を高める人が多いです。
反対にアイリストになるには美容師資格が必要で、この資格は通信でも取得できます。
どちらも技術を身につけられる仕事で、将来自分のサロンをもつことも可能です。
＃3：整体・リラクゼーションセラピスト
整体・リラクゼーションセラピストは、身体のコリや歪みを改善する施術を行う仕事です。
どちらも国家資格は必要ない仕事で、整体院やリラクゼーションサロンで働きながら研修を受け、基本的な技術を身につけられます。
筋肉や骨格についての知識、そして技術と覚えることはたくさんありますが、一度取得すれば整体院やリラクゼーションサロンの開業なども視野に入ります。
＃4：美容カウンセラー
美容カウンセラーは、美容医療やサロンで、お客様に最適な施術を提案する仕事です。
受付業務を兼ねることが多く、受付からカウンセリングまでを担当します。
美容クリニックやサロンへ転職し、接客しながら美容医療の知識とカウンセリングの技術を身につけられます。
（4）資格取得系
専門的な知識を活かして、事務所勤務や独立開業も目指せる職種です。
働きながら資格取得を目指す人も多く、職場によっては奨励金が出るケースもあります。
＃1：税理士・税理士補助
税理士は、企業や個人の税務申告や会計処理を行う仕事です。
法人税や所得税の申告、節税アドバイスなどを通じて、経営の根幹を支える重要な役割を担います。
まずは会計事務所や税理士法人に税理士補助として転職し、日々の仕訳や決算処理などを通じて会計・税務の基礎を学びます。
そのうえで、日商簿記2級以上を取得し、実務を積みながら税理士試験の合格を目指すのが一般的な流れです。
また、税理士になるには、試験に合格するだけでなく、税務・会計分野で通算2年以上の実務経験が必要です。
税理士資格を取得すれば、独立開業も可能、景気に左右されにくく経営の右腕として企業の顧問なども目指せます。
＃2：宅建士
宅建士は『宅地建物取引士』の略称で、不動産取引において重要な書類説明や契約を行う国家資格の仕事です。
土地や建物を安全に取引するための法律知識・税制・契約実務など、幅広い専門知識を身につけられます。
宅建士の資格を持つことで、不動産売買・賃貸・管理などのあらゆるシーンで「契約に立ち会える唯一の資格者」として活躍できます。
特に、重要事項説明や契約締結などは宅建士の独占業務であり、信頼性と責任の重い仕事です。
試験の合格率は毎年15〜17％と難関ですが、取得すれば不動産会社やハウスメーカー、マンション管理会社などへの転職が可能。
宅建士の資格があればフリーとしての活動も可能で、不動産会社から契約の立会いのみを請け負うような働き方もできます。
＃3：行政書士
行政書士は、契約書の作成や官公庁への申請手続きを行う法律専門職です。
官公署に提出する書類の作成や権利義務についての書類作成などの業務を請け負えます。
行政書士試験の合格が必須ですが、この試験は法律系の試験のなかでは比較的取得しやすいといわれており、オンラインスクールや通信講座を活用すれば、独学でも取得可能です。
資格を取得して行政書士事務所で働いたり、法律事務所のパラリーガルとして働くなど、勤務先の選択肢も多様で、最終的に独立して事務所を開設する人も多い資格です。
＃4：社会保険労務士
社会保険労務士は、労務管理や年金制度の専門家として企業を支える仕事です。
企業の人事部や社労士事務所など働く先の選択肢も多く、また行政書士のダブルスキルとしても人気の資格となります。
社会保険労務士の国家資格は難易度が高い資格ですが、十分な勉強時間（目安は1,000時間）を確保できれば独学でも取得可能です。
取得後は社労士事務所での勤務はもちろん、一般企業の人事部への転職、また社労保健師士事務所を自ら開設することもできます。
＃5：キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、働く人のキャリア相談や就職支援を行う仕事です。
求職者の強みを引き出し、将来設計を一緒に考えるキャリアの専門家として活躍できます。
国家資格キャリアコンサルタントを取得することで、カウンセリングスキルや面談技術、心理的支援の知識を体系的に身につけられます。
人材会社や企業の人事部、大学のキャリアセンターなどへの転職が一般的ですが、実務を積んでオンラインコンサルを始めるなど、働き方の幅も広くなるでしょう。
手に職をつける仕事ならキャリアスタートにご相談ください
手に職をつけるとは、専門的な技術や資格をもとに、あなたにしかできない仕事に就くことです。
先に技術や資格を取得する必要はないので、あなたが興味のあるジャンルから、手に職をつけられる職場を探してみましょう。
職場で働きながらスキルを習得し、余裕があれば資格を取得するのもおすすめです。
「でも、自分に適性のある仕事がわからない」と思うなら、キャリアスタートへご相談ください。
キャリアスタートはあなたの職歴や性格を深く分析し、あなたが手に職をつけられる一生モノの仕事をご紹介します！
