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これだけは押さえておきたいゼネコン施工管理の知識!仕事内容・年収も紹介

「ゼネコンの施工管理はどんな仕事なのかな?」
「ゼネコンの施工管理は激務と聞くけれど、実際はどうなのだろう?」

このような疑問をお持ちではないですか?

本記事では、ゼネコンの施工管理を目指すのであれば知っておきたい知識として、ゼネコンの特徴や施工管理の仕事内容を解説します。

また、年収や労働時間などのデータも紹介していますので、ゼネコンの施工管理に興味のある人はぜひ参考にしてください。

1.施工管理とは

施工管理とは、一言でいうと「工事を予定通りに進めるために管理をする」仕事です。

建設業は、工期や品質、予算など施主に求められる要件を満たしながら、会社に利益が出るよう工事を進めなければなりません。

そのため、材料費や人件費、工事のスケジュール、安全な現場環境づくりなど施工に関する管理を行う必要があります。

こういった「4大管理」とよばれる原価管理・品質管理・工程管理・安全管理を主な業務とするのが施工管理です。

施工管理者は、上記業務に加えて施工計画の作成や行政への申請書作成、近隣挨拶、トラブル対応なども行います。

また効率よく工事を進めるためには、現場に関わる多くの作業員を統率することも大切です。

このように施工管理の業務は多岐にわたりますが、工事後は建築物が目に見える形で残るため、大きなやりがいを感じる仕事といえるでしょう。

2.ゼネコンの施工管理の特徴

ここでは、ゼネコンの基礎知識とゼネコンの施工管理について解説します。

(1)ゼネコン・スーパーゼネコンとは

ゼネコンとは、英語の「General contractor」を略した言葉です。

日本語では総合工事業や総合建設業に該当します。

ゼネコンは、元請負者として土木・建築の工事全体をとりまとめる役割があります。

請け負う工事は、主に国や地方公共団体、大手企業から発注された工事です。

具体的には、以下のような工事があげられます。

ゼネコンが扱う工事
  • 道路、駅、橋、河川工事などのインフラ
  • 役所、学校、博物館、美術館などの公共施設
  • 工場、マンションなどの大型建築物
  • 大型商業施設、テーマパークなどのアミューズメント関連施設

このように大規模な工事が多いため、ゼネコンは主に工事全体の管理を行い、実際の工事はサブコン(Sub contractor)と呼ばれる下請けの建設業者が行います。

また、ゼネコンの中には「スーパーゼネコン」とよばれる会社があります。

スーパーゼネコンの定義は明確に決まっていませんが、「年間の売上額が1兆円を超える企業」や「全国のゼネコンの中で完成工事高上位5社」を指すことが多いようです。

現在のスーパーゼネコンは、鹿島建設・清水建設・大成建設・大林組・竹中工務店の5社といわれています。

(2)ゼネコン施工管理の特徴

ゼネコンは扱う工事の規模が大きいことから、施工管理の業務も他の建設会社の施工管理とは異なる点があります。

例えば、ゼネコンの施工管理の仕事は「1.施工管理とは」で紹介した業務に加えて、各下請業者を工程ごとに配置する業務もあります。

大規模工事には複数の下請業者と協力する必要があります。

それゆえに、各下請業者の特徴や考え方を把握したうえで、適材適所の采配をすることが求められます。

そのほかのゼネコンの施工管理ならではの特徴は下記のとおりです。

ゼネコン施工管理の特徴
  • 大規模工事の際は、施工管理業務が分業され担当できる仕事が限られる場合がある
  • 3D技術やAIなどを取り入れた最新の技術や工法、新しい資材などに触れる機会がある
  • 企業によっては遠方の工事を任されることがあるため、長期出張をする可能性がある

プロジェクトが大きければ大きいほど、チームで施工管理を行うため個人の裁量は小さくなります。

もちろん工事規模が小さい場合は、一人ですべての施工管理を行う場合もあります。

また、医療技術や情報技術と同様、建築技術も進んでいます。

大手ゼネコンでは、積極的に新しい技術を取り入れて工事を行うため、施工管理者もそういった技術を知る機会が多くあります。

さらに、企業によっては地方や海外などさまざまな場所で仕事をする可能性があります。

これはライフワークバランスの難しさを感じる人もいると思いますが、いろいろな土地を知る機会になりますし、昇進するチャンスでもあります。

3.ゼネコンの施工管理の給料は?年収相場

結論としては、建設会社に勤める人の年収は他の産業に勤める人よりも高い傾向にあり、会社の規模が大きくなればなるほど高収入になります。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、10人以上の従業員を抱える建設業の平均年収は約540万円という調査結果が出ています。

全産業の平均年収は約487万円なので、他の産業に比べて建設業は高収入であることがわかります。

建設業の企業規模ごとの平均年収は以下のとおりです。

企業規模平均年収(千円未満切り捨て)
従業員1000人以上の企業751万円
従業員100人~999人の企業576万円
従業員10人~99人の企業454万円

参考:令和2年賃金構造基本統計調査|e-Stat政府統計の総合窓口

従業員人数が多いほど平均年収が高い傾向にあります。

また、スーパーゼネコン5社の有価証券報告書による平均年収はこちらです。

会社名平均年収(千円未満切り捨て)
株式会社大林組1,032万円
鹿島建設株式会社1,135万円
大成建設株式会社985万円
清水建設株式会社971万円
竹中工務店1,007万円

このように、スーパーゼネコン5社は従業員1,000人以上を抱える企業よりはるかに高収入です。

つまり、企業が大手であればあるほど収入も高くなります。

現場監督を目指す人は、企業の規模も視野に入れることがおすすめです。

4.ゼネコンの施工管理は激務?労働時間について

一般的にゼネコンの施工管理の業務量は多く、激務といわれています。

建設業で働く人の労働時間は、全産業の平均労働時間と比較して年間300時間以上多く、出勤日

一般的に他の産業では設けられている週休2日制ですが、建設業で週休2日確保できているのは全体の1割以下、1カ月間週休2日が全く取れていない就労者も4割以上存在します。

上記のデータからわかることは、建設業の業務量が膨大で多忙であることです。

しかし、こういった労働実態調査結果を踏まえて、国土交通省は働き方改革を加速させるため「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定しました。

引用:建設業における働き方改革について|国土交通省

長時間労働・生産性向上に関する具体的なプログラム内容はこちらです。

長時間労働・生産性向上を図るプログラム内容
  • 週休2日制の導入を後押しする
  • 適正な工期設定を推進する
  • 生産性の向上に取り組む建設企業を後押しする
  • 工事書類の作成負担を軽減するため、公共工事関係の基準類を改定する
  • IoTや新技術の導入等を導入して施工品質の向上と省力化を図る
  • 人材・資機材の効率的な活用を促進する

参考:「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定|国土交通省

建設業の課題となっている長時間労働は、公共工事の週休2日制適用の拡大や週休2日工事の労務費などの補正、現場管理費などの見直しを行うことで、改善される予定です。

また、工期設定のガイドラインも見直しを行い、発受注者の協力を促して適正な工期に設定することで残業軽減を、さらにICTの活用や申請手続きの電子化を進めることで生産性向上を図っていくことも決まっています。

このような取り組みによって、建設業の働き方は改善されていくと考えられます。

加えて、上記プログラムには待遇の改善として技能や経験に見合う給与を実現する取り組みなどもあり、ゼネコンはもちろんのこと建設業全体が働きやすい環境になるでしょう。

5.施工管理への就職について

施工管理の仕事に就くためには、建設会社に入社する必要があります。

一般的には大学や高等専門学校などで土木や建築、電気など建設業に関係する知識を学んだうえで、建設業に挑戦した方が希望する会社への就職が叶いやすくなります。

とはいえ、未経験から施工管理者になって活躍している人も多くいることも事実です。

ここでは、文系出身者や女性でも施工管理者に挑戦できるのか解説します。

(1)文系から施工管理の仕事に就けるの?

文系出身者が施工管理の仕事に就くことは可能です。

例として、スーパーゼネコン5社が公表している新卒の応募資格と採用実績を紹介します。

会社名応募資格・採用実績
株式会社大林組・「職務内容の違いによる総合職・一般職などの職制はありません」と記載あり
・文系出身者の採用実績あり
鹿島建設株式会社・学部について特に言及なし
・文系出身者の採用実績はあるが、配属先は事務か開発となっている
大成建設株式会社・学部について特に言及なし
・文系出身者の採用実績はあるが、配属先は事務となっている
清水建設株式会社・「専攻に関わらず、どの系統・職種でもエントリー可能です」と記載あり
・学部別の採用実績不明
竹中工務店・学部について特に言及なし
・学部別の採用実績不明

このように文系・理系関係なく受け入れている企業は多いようです。

しかし、企業によっては文系出身者は入社後の配属が施工管理ではなく事務方になる可能性もあるので、求人情報を見る際は配属後の部署もチェックするようにしましょう。

また、施工管理の仕事に就けても、建築の知識を学んで入社した理系の人と実務を積みながら建築の知識を学ぶ文系の人ではスタートラインが変わることも確かです。

とはいっても熱意と向上心があれば、文系出身でも施工管理者として活躍できます。

例えば、施工管理は現場の職人さんや施主、近隣住民といった人と話す機会が多い仕事です。

そのため、コミュニケーション能力が理系・文系関係なく必要とされます。

活躍する施工管理者になるためには、知識を身に着けることも大切ですが、コミュニケーション能力を磨くことも重要です。

また、国家資格である施工管理技士は受験資格に学部の制限がないので、文系出身者であっても挑戦できます。

特に1級施工管理技士を取得できれば担当できる工事の幅が広がり、収入アップにつながる可能性があります。

大手ゼネコンはもちろんのこと、スーパーゼネコンでも1級施工管理技士の有資格者は需要が高いため、資格取得後はより大手のゼネコンを目指すことも可能です。

このように施工管理者になりたい人は文系出身者であっても十分チャンスがありますし、努力をすればキャリアアップも叶えられます。

(2)女性の施工管理技士はいるの?

結論としては、人数は少ないものの女性の施工管理技士も存在します。

まずは、「建設業活動実態調査 」を見てみましょう。

こちらは、大手建設業者53社(総合建設業33社、設備工事業20社)を対象に、国土交通省が行った調査です。

引用:令和2年建設業活動実態調査の結果|国土交通省

上記のデータから総合建設業では施工管理技士を含む技術職の女性は、前年に対して40.3%増加したことがわかります。

また、日刊建設工業新聞にこのような記事がありました。

施工管理技術検定/女性の2級合格者が過去最多/受験者も9年連続増加
2019年度は若年層の受験者が多い2級学科試験で女性の受験者数が過去最多を更新。9年連続の増加となった。2級実地試験の合格者数も過去最多を記録した。1級試験は学科が06年度以降、実地も04年度以降で最多となった。建設現場で監理技術者や主任技術者として活躍する女性が増えていきそうだ。
引用:施工管理技術検定/女性の2級合格者が過去最多/受験者も9年連続増加|日刊建設工業新聞

このように、施工管理の仕事に就いて国家資格に挑戦する女性は増加しています。

施工管理は人とコミュニケーションをとる機会が多く細かい管理もあるので、女性を歓迎する企業も少なくありません。

施工管理に興味がある方は、男女関係なく思い切って挑戦しましょう。

まとめ

ゼネコンの施工管理者の特徴は、大規模工事に関われることです。

後世に残る建築物の施工に携われる、または社会貢献度の高いインフラ整備を担当できるため、やりがいを感じる仕事といえるでしょう。

長時間労働についてはまだ改善の余地があるものの、働き方改革が進んでいくことで働きやすい環境が整っていくと考えられます。

ゼネコンの施工管理に興味のある方は、理系出身の方はもちろん、文系出身の方や女性も積極的に挑戦しましょう!