施工管理に興味があるけれど「施工管理はやめとけ」とまわりの人から聞いたことがあるし、インターネット上の検索でもそのようなキーワードが出てくる理由はなぜなのだろうか。
このように「施工管理が気になってはいたけれど、なんだか不安を感じる」「施工管理の何がきついんだろう」と悩まれることがあるのではないでしょうか。
この記事では、施工管理はやめとけと言われる理由や魅力的なところ、未経験からホワイトな環境で給与アップする方法について解説します。
また、「施工管理はやめておけばよかった」とならないポイントについても紹介しています。施工管理が気になる方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
1.施工管理がやめとけと言われる代表的な理由6つ
施工管理がやめとけと言われる代表的な6つの理由を下記に紹介します。
(1)労働時間が長い・残業が多い
施工管理は残業時間が多く労働時間が長い仕事であるため、施工管理はやめとけと言われることがあります。(参考:国土交通省「建設業における働き方改革」)
施工管理の残業時間は、平均して月30時間~50時間程度で、日本の会社員全体の平均残業時間(約20時間)と比較すると、1.5倍~2倍以上の残業時間となっています。
残業を除いた施工管理の勤務時間は、平均して8:00~17:00前後のため、これに残業時間が追加される形になります。
仮に1ヶ月の残業時間が40時間だった場合、1日あたりの残業は2時間の計算となりますので、残業時間を含めて考えると、勤務時間は8:00~19:00前後となります。
また、一般的な施工管理職は残業が多い状況にも関わらず、「みなし残業」などの理由で残業代を満額もらえないことがあります。
※国土交通省より「建設業働き方改革加速化プログラム」という施策がとられるようになりました。
長時間労働の是正にもガイドラインがとられるようになったため、今後は労働環境は改善されていく見込みです。
<残業が多くないケースも存在する>
一方で、技術派遣の会社に正社員として入社し、他社のプロジェクトに施工管理として参画する働き方であれば、残業が少なく、また残業したとしても残業代は満額で支給されます。
理由は、技術者派遣会社と派遣先の会社は派遣契約を結んでいるため、派遣先の会社は必ず残業代を支払わなければならないためです。
その際、派遣先の会社はできる限り残業代を支払いたくないので、現場には「派遣の人は残業せずに早く帰ってもらうように」といった指示がなされていることが多いのです。
そのため、技術者派遣での施工管理の仕事は、一般的な施工管理と比較して残業が少なくなります。
(2)休日出勤をすることがある
施工管理は休日出勤をすることも多い仕事です。
以下のグラフは施工管理だけに絞ったものではありませんが、
国交省の「建設業の働き方改革の現状と課題」によると建設工事全体では、技術者の約4割が4週4休以下で就業している状況となっています。(下記グラフ参照)
上記のグラフを見ると、建設業全体では平均1ヶ月間に5回程度の休みとなっていて、他は通常出勤、もしくは休日出勤の状態です。
また、納期が立て込んできた時期には有給休暇の取得が難しいケースがあります。
そのため、休日出勤をしたくない場合や、有給休暇を自由度高く消化したいと考えている人は、施工管理はやめておけと言われる可能性が高いでしょう。
<休日出勤をしないケースも存在する>
なお、土木施工管理技士の資格を持っている場合は、「発注者支援業務」(国土交通省など土木工事の発注者を支援する業務)に携わることができます。
発注者支援業務の勤務先は官公庁で、いわゆる「役所」にあたり勤務時間などのルールが厳しいため、残業が少なく、忙しくない時は17:30頃に定時上がりができます。
また、勤務先である官公庁は基本的に土日祝休みのため、土日祝は稼働していません。そのため、休日出勤は基本的にありません。
なお、発注者支援業務に従事するためには、「土木施工管理技士」の資格が必要です。
(3)業務量や業務範囲が多い
施工管理は業務の範囲が広く、業務量が多いです。
企業によって時間にずれが生じることもありますが、一般的な1日のスケジュールは以下のとおりです。
- 7:00:出勤、朝礼の準備
- 8:00:朝礼(作業員に1日の流れなどを説明)
- 8:30:作業のスタート、工事現場の巡回や点検、工事写真の撮影・記録、各工程ごとに作業員への指示
- 12:00:昼休憩
- 13:00:昼礼、現場監督や所長との翌日以降の打ち合わせ、工事現場の巡回や点検
- 15:00:作業の進捗状況の確認
- 17:30:作業員の業務終了、工事写真の整理、作業報告書の作成、作業工程表の作成
- 19:00:退勤
業務量の多さを示す調査データとして、以下の日本建設産業職員労働組合協議会 による「残業理由」のアンケート調査結果データを見てみましょう。(参考:日本建設産業職員労働組合協議会 「残業理由」)
上記のアンケート結果の「残業した理由」として特に多いものは、下記の3つです。
・仕事量が多く時間内に処理できない。
・配置の人数が少ない
・工程が厳しい
いずれも業務量が多くなっていることが理由としてあげられています。
業務量が多い中、納期を守るように進めていくには、施工管理としての調整力が試されます。
<建設業のICT化で施工管理の業務量は減少傾向にある>
なお、国土交通省が発表した「 ICTの全面的な活用の最新情報」では、ICTの活用で建設現場の生産性を2025年度までに2割向上を目指す方針が示されています。
(参考: 国土交通省 ICTの全面的な活用の最新情報)
建設現場でのICTを活用した業務効率化の例としては「施工管理アプリ」の活用が挙げられます。
施工管理アプリは、工事写真の管理(従来は事務所に戻ってから手作業で仕分けをしていた)や、工程表のリアルタイム共有(工期や工程の変更等に伴う再度の印刷・配布といった手間を削減)、ワンクリックで書類を作成できる機能など、施工管理の仕事を大幅に削減してくれる機能が備わっています。
このようなICTを積極的に導入している建設会社においては、施工管理の業務量は大幅に改善されています。
(4)危険がある
施工管理はやめとけと言われる理由のひとつとして、「危険がある」と言われています。
施工管理は工事現場での業務もあるため、終日オフィスワークの職種と比較すれば、危険が伴うと言えるでしょう。
下記は厚生労働省が発表した 「令和2年の労働災害発生状況を公表」のデータを参考にキャリアクションで作成した業種別の労働者死傷病報告によると、建設業は全体の11%(14,977人)となっており、決して少ない数とは言えないでしょう。
ただし、施工管理は現場の仕事であると言っても、重たい資材を運んだり、組み立てるような肉体労働があるわけではありません。
具体的な例としては、作業員のヘルメットや安全ベルト着用の確認や作業場所に危険物が落下しそうでないかなど現場を見回るような安全管理、指示出しや進行管理のために現場に立ち入ることが多いです。
(5)単身赴任をすることがある
施工管理は担当する現場ごとに勤務先が変わるため、転勤の可能性がある仕事と言われています。
そのため、既婚者の場合には単身赴任の可能性があると言えるでしょう。
日本建設産業職員労働組合協議会 による「建設産業を支える単身赴任の実態と意識」の
全体の既婚者のうち単身赴任している割合は28.7%で、内勤11.3%、外勤43.4%となっており、
さらに外勤土木では実に半数以上が単身赴任をしています。
なお、単身赴任の割合や属性による傾向は、ここ10年間で大きな変化はありません。
(参考:日本建設産業職員労働組合協議会 )
<単身赴任は会社の特性やプロジェクトによる>
ただし、大手企業でプロジェクト案件数が多い場合や地域密着型の会社の場合は、
勤務先は特定の都道府県内のみとしていることもあります。
転職の際の施工管理の求人情報を見ても、ポジションによっては転勤なしの記載がある求人もあります。
結論としては、単身赴任の有無は会社の特性やプロジェクト、ポジションによると言えるでしょう。
単身赴任の可能性の有無が気になっていて、自分で求人を探すのが難しいといった場合には、当社キャリアアドバイザーより求人を紹介することもできますので、お気軽にご相談ください。
(6)人間関係が難しい
施工管理の仕事は人間関係が難しいと言われることがあります。
理由としては、幅広い年齢層・職種の数多くの人と関わり、調整しながら進めていく仕事だからです。施工管理の仕事は工事現場に立ち入り、現場の職人に進捗確認や指示を出す業務もあります。
建設物は、現場の職人、施工管理、関係者と協力し合って工事を進めていきます。そのため、人とのコミュニケーションが苦手な人は施工管理はやめておけと言われる可能性があります。施工管理になったことをきっかけに苦手意識の克服をする人もいますが、慣れるまでは時間がかかるかもしれません。
反対に人とコミュニケーションをとり、協力しながら仕事を進めることが好きな人には向いており、能力を発揮しやすい仕事と言えるでしょう。
周囲の関係者と信頼関係を築くことができれば、工事がスムーズに進みやすくなり、満足のいく仕事をできるでしょう。特に現場の職人から信頼してもらえることは、施工管理のやりがいにつながります。
もともと気さくに接してくれる職人もいますが、中には昔かたぎな職人もいて、信頼を得るには仕事で認めてもらうことが必要になるでしょう。
下記は、当社キャリアアドバイザーが実際にサポートして入社した方の声になります。
(キャリアクション調査)
「最初は怖いと思っていた職人さんへ、自分から毎日声掛けをしていたら職人さんのほうからも声を掛けてもらえて、飲み物を差し入れをしてくれるようになった」
「自分が徐々に仕事ができるようになってきたら、職人さんとの信頼関係ができて作業調整の依頼にも快く応じてくれた」
など、最初は怖くてコミュニケーションが難しいと思っていた職人さんも信頼関係ができたら、仕事がスムーズに行きやすくなり、 やりがいをもって働くことができている人も多いようです。
2.結論:6つのデメリットは就業先の会社やプロジェクトによる
結論としてはデメリットは就業先の会社やプロジェクトによると言えるでしょう。
例えば、勤務先については「引っ越し先を伴う転勤なし」としているポジションを募集している会社もあります。下記は施工管理職の実際の求人例になります。
・職種:施工管理職
・月給:24万円 ~ 35万円
・仕事内容:工事の進捗状況の確認、スケジュール管理、内装の検査、現場スタッフの管理、工事中の写真記録、内覧会立会い、アフターサービス業務。
※現場での仕事を全て一人にお任せするわけではありません。
現場の規模にもよりますが 何人かのスタッフで分担します。
経験やスキルを考慮し、簡単な作業から始めていただきます。
・応募条件:未経験の方歓迎。建設現場経験者、設備、土木経験者で建築にも興味のある方。
・雇用形態:正社員
・勤務時間:8:00-17:00(プロジェクトによって変動あり)
・勤務地:首都圏の各現場 東京・神奈川・埼玉・千葉
※引っ越しを伴う転勤はありません
また、土木施工管理技士の資格を持っていて、発注者支援業務に携わっている場合は、
休日出勤はほぼありません。
また、発注者支援業務の場合は施工体制で職人の作業チェックすることはあっても、直接職人へ指示をしたりやり取りをしたりということはないため、人間関係の複雑さは少なくなるでしょう。
下記は発注支援者業務の実際の求人例になります。
・職種:発注支援者業務
・月給:35万円 ~ 55万円
・仕事内容:国土交通省の発注者支援業務をお願いします。
1級土木、2級土木施工管理資格必須
他にも案件がありますので、お気軽にご応募ください。
面接時に条件面等ご相談ください。
・応募条件:1級土木、2級土木施工管理、有資格者、真面目で周囲とコミュニケーションが取れる方
・雇用形態:正社員
・勤務時間:8:30~17:30
・勤務地:神田駅
自分で求人を探すのが難しいといった場合には、当社キャリアアドバイザーより希望や適性にマッチした求人を紹介することもできますので、お気軽にご相談ください。
3.施工管理はやめとけは嘘!施工管理のメリット
施工管理は「やめとけ」と聞くことがありますが、デメリットとなるところは就業先の会社やプロジェクトによるところが多く、実はメリットになることが数多くあります。
転職の選択肢として施工管理を考えているのであれば、メリットを知った上で選択を行いましょう。
そこで、ここでは実際に施工管理の仕事をしている人が、どのようなところをメリットと感じるのかを紹介します。
(1)平均年収が高い
(2)未経験でも給与が上がりやすい
(3)将来性がある
(4)転職しやすい
(1)平均年収が高い
施工管理のメリットは平均年収が高いことです。20代前半で資格未取得のうちはそれほど高い年収にはなりませんが、その年代以外は平均年収が高くなります。
施工管理の給与水準がどの程度なのかは、下記の日本人の平均給与所得を見るとわかりやすいでしょう。
・日本人の平均年収…433万円
・施工管理の平均年収…462万円
国税庁が調査している「令和2年の民間給与実態統計調査」によると、日本人の給与所得者の平均給与は年収433万円となっています。
施工管理のみの平均給与は462万円(※1)となっていて、
資格の有無・役職・年齢によっては、700万円前後まで給与が上がる可能性があり、ゼネコンの場合は年収1000万円以上となるケースも多々あります。
業種別に見ると、建設業全体の平均年収は509万円で、日本人の平均給与より高いことがわかります。
(※1)参考:求人ボックス給与ナビ
(2)未経験でも給与が上がりやすい
施工管理は、未経験からでも現場で4~5年の経験をすれば、同業他社への転職により非常に年収が上がりやすいです。施工管理は、現場経験が長ければ長いほど年収が高くなる傾向があります。
多くの経験を積んで身につけたスキルが評価されて、昇進や昇給につながる可能性が高いからです。
年代が上がるに比例して、年収が上昇する傾向があります。
実務経験を積みながら、2級施工管理技士の資格取得→更に実務経験を積んで1級施工管理技士の資格取得をすることで、さらに年収を上げることができるでしょう。
(3)将来性がある
少子高齢化問題による若手の建設人材の需要の増加
日本のインフラや民間建築物は、老朽化はもちろん地震などの災害によるダメージも蓄積し、維持修繕工事が年々増加することが見込まれています。
一方で、少子高齢化が進んでおり高齢のベテラン層の大量退職による人手不足が発生すると予測されています。
建設業就業者数は、いわゆる団塊の世代(1947年〜1949年代に生まれた世代)の定年退職に伴い、1997年3月の約685万人から2021年3月には約499万人まで低下しています。
高齢化によって働き手が減少していることから、今後はさらに若手人材の需要が高まると考えられています。
下記は国土交通省より報告された「⽇本の建設業の現状(就業者数) 」によると建設業の就業者数のうち約3割が55歳以上を占め、高齢化が進んでいることがわかります。一方で29歳以下は1割以下の割合となっています。
(参考:国土交通省 建設業の働き方改革の現状と課題 )
下記は国土交通省より報告された「少⼦化問題 」によると第一次ベビーブーム(出生率が急上昇する現象)、第二次ベビーブームと出生数が多い世代がありますが、第三次ベビーブームは起きていません。
(参考:国土交通省 建設業の働き方改革の現状と課題 )
そのため、少子化により生産年齢人口(15〜64歳人口)が顕著に減少する構造になっているのがわかります。日本の構造からも少子高齢化は避けられず、今後はますます生産年齢人口が減っていくため若手人材の需要は増え続けるでしょう。
ICT化の活用による業務効率化・生産性の向上
少子高齢化による人手不足が予想されている状況から、国土交通省では建設現場における生産性を向上させる「ICTの全面的な活用」を推進しています。
具体的な最新技術の例としては、デジタルデータを活用した鉄筋出来形計測の現場試行をしています。
下記の図のように、建設現場の省力化・省人化を目的にカメラ等により撮影された画像データ解析による鉄筋計測に関する技術開発です。
(参考:国土交通省 「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」)
現地で直接計測する業務が遠隔で確認できるようになるため、業務効率化となり従来よりも少人数で行えるようになります。
この他にも建設現場でのICT化の取り組みに向けて推進をしており、効率化に取り組んでいます。
将来的にはICT化の活用により、これまでアナログで行っていた業務が減ることにより、労働時間の減少も期待できるでしょう。
ICT化による効率化への取り組みはするものの、施工管理は高度な知識と幅広い関係者と協業することが必要です。管理する人が全くいない状態で行える工事はないので、将来的にも施工管理がなくなることはないでしょう。
(4)転職しやすい
<施工管理技士の有資格者は転職市場で引く手あまた>
現在、施工管理技士の有資格者を求める企業の数に対して、有資格者の数は圧倒的に少ないため、企業側は高い給与を提示してでも有資格者を採用しようとしています。
そのため、2級建築施工管理技士や2級土木施工管理技士の資格を保有した上で同業他社へ転職することで、大幅な年収アップをすることも可能になります。
30代 建築施工管理
保有資格:1 級建築施工管理技士
年収:740万円→910万円
残業時間:45h→50h
施工管理技士の資格保持者は建設業以外でも重宝される
現在、施工管理技士の資格保有者が不足しているため、資格保有者は転職市場においても非常に人気が高いです。
例えば「建築施工管理技士」の資格は、建設業界だけでなく不動産業界などにも有効な経験として評価されます。
加えていえば、住宅などであれば建築施工管理の知識を駆使して営業などの別分野の仕事に役立てることも可能です。また、建物の評価などを行うコンサルタント業務にも役立てることができます。
そのため、資格の保有者であれば、転職の幅は非常に広いと言えるでしょう。
4.未経験からホワイトな環境で給与アップする5ステップ
ここでは、未経験からホワイトな環境で給与アップする5ステップを下記に紹介します。
STEP①:未経験採用をしている会社に転職する
STEP②:現場で経験を積む
STEP③:2級建築施工管理技士の資格を取る
STEP④:待遇の良い会社に転職する
STEP⑤:1級建築施工管理技士の資格を取る
STEP①:未経験採用をしている会社に転職する
未経験から施工管理としてキャリアアップしていく場合、技術者派遣の会社に正社員として入社するのがおすすめです。
なぜなら、技術者派遣の会社は、「研修が非常に丁寧」で「残業が少ない」、さらに「残業しても残業代は満額支給される」からです。
技術者派遣会社は、未経験の人材を「正社員」として採用し、施工管理として別の会社の現場へ派遣するという性質上、未経験者に対する研修に非常に力を入れています。
実際に、施工管理を派遣する技術者派遣会社は、未経験者へ1ヵ月~2か月程度の研修をして業界知識をつけてから、現場へ配属をすることが多く、建設業界の経験がない人でも施工管理の仕事を始めやすい環境が整っているのです。
また、一般的な施工管理職は「みなし残業」などの理由で残業代を満額もらえないことが多くありますが、技術者派遣会社と派遣先の会社は派遣契約を結んでいるため、技術者派遣で施工管理の仕事をすると、残業代を満額受け取ることができます。
その際、派遣先の会社はできる限り残業代を支払いたくないので、現場には「派遣の人は残業せずに早く帰ってもらうように」といった指示がなされていることが多いのです。
そのため、技術者派遣での施工管理の仕事は、一般的な施工管理と比較して残業が少なくなります。
STEP②:現場で経験を積む
施工管理の業界では、現場の経験を積んでいくと徐々に給与は上がっていきます。
転職に関しても、たとえ施工管理技士の資格を持っていなかったとしても、現場経験5年・無資格の転職で100万円以上の年収アップした例もあります。
27歳土木施工管理
年収:300万円→457万円
残業時間:80h→50h
建築施工管理から土木施工管理へジョブチェンジ。
無資格/業界経験5年。経験を買われ150万円以上年収アップ
無事に技術者派遣の会社で施工管理の仕事を始めることができたら、現場の経験を積みながら、2級建築施工管理技士の資格取得へ向けての勉強を進めると良いでしょう。
2級建築施工管理技士の資格取得することで昇給昇格が目指せますし、資格の受験資格には実務経験が必須であるためです。
STEP③:2級施工管理技士の資格を取る
現場での経験を積みつつ、まずは2級建築施工管理技士、または2級土木施工管理技士の資格取得を目指しましょう。
2級の施工管理技士の資格を取得するだけでも、施工管理としての市場価値は一気に上昇し、年収アップに直結します。
施工管理技士の資格試験は「学科」と「実地」に分かれており、2級施工管理技士の実地受験資格を得るためには大学の建築系学科を卒業後1年以上の実務経験、指定学科以外の大学卒の場合は卒業後1年6カ月以上の実務経験が必要です。
大学を出ているのであれば、現場経験を積みながら学科試験の勉強を行い、1年もしくは1年半後に実地試験を受けるというのが未経験から2級合格までの最短ルートになります。
STEP④:待遇の良い会社に転職する
多くの会社から必要とされる2級施工管理技士の資格を取得したら、それを武器に転職活動をしましょう。
2級施工管理技士資格を保有した上で同業他社へ転職することで、大幅な年収アップをすることも可能となります。
STEP⑤1級建築施工管理技士(または土木施工管理技士)の資格を取る
2級建築(土木)施工管理技士の資格を武器に待遇の良い会社に転職したら、最上位資格である1級(土木)建築施工管理技士を取得しましょう。
1級建築施工管理技士を取得していて、かつスーパーゼネコンに在籍している場合、年収1,000万円を超えることも可能でしょう。
5.施工管理にはどんな人が向いてる?
施工管理にはどのような人が向いているのでしょうか。
下記に施工管理に向いている人の4つの特徴を紹介します。
(1)ものづくりに関わたい
(2)やりがいのある仕事をしたい
(3)体力に自信がある
(4)人付き合いが得意
(1)ものづくりに関わたい
ものづくりに関わりたい人にとっては、施工管理は向いていると言えるでしょう。
施工管理は何もないところから、段々と形づくられている進捗状況を目の前で見ることができる職種であるため、ものづくりの過程が好きな人にはやりがいを感じやすいからです。
また、数多くの工程を経て作り上げた建設物が完成した時の達成感は大きなものになります。
例えば、下記のようなときは、より大きなやりがいを感じられるでしょう。
・話題のアミューズメント施設が完成した
・トンネルが開通した
・立派な橋がかかった
・大きなビルを造って、そこで仕事をしている人を見たとき
・大型の商業施設が完成して、沢山のお客さんが訪れた
・観光地の工事をして、大勢の観光客が楽しんでくれる
多くの作業員や協力会社と力を合わせて、まっさらな土地にゼロから建設物をつくり、
後世に残せるということは施工管理の誇りになるでしょう。
作った建設物は地図に載り、何十年も人々が利用し続けることもあります。
さらに、自分の担当した建設物がマスメディアに取り上げられたり、ドラマ撮影に使われたりと功績を残す可能性もあります。将来、「自分はあの建設に関わった」と話のネタにもできるかもしれません。
また、自分が造った建設物をたくさんの人が使っているのを見ると、「頑張って良かったな」と感動するものです。現場を指揮する司令塔として、工事に携わる多くの人をまとめ上げたときの達成感や、納期までに工事を終わらせることができたときの安堵感・充実感は施工管理者ならではのものでしょう。
(2)やりがいのある仕事をしたい
施工管理の仕事は、設計図書や仕様書、安全基準や品質を満たした建物を、工期内に事故なく終わらせることが評価につながります。
施工管理は、成果物が目に見えており、期間も決められているため評価されやすいので、やりがいのある仕事がしたい人にもおすすめです。
評価に値する仕事ができれば、大きな案件を任せてもらえることもありますし、昇給や昇進も夢ではありません。
そして、建築施工管理技士や土木施工管理技士の資格を取ることで、昇進や昇給につながり、転職でも有利になります。
施工管理の仕事は多岐に渡りますが、どんな業務にも対応できる知識や技術が身につけば、会社からの信頼度や評価が増していきます。
自分の実力・努力が認められて、目に見えるカタチになって還元されることは大きなやりがいのひとつだと言えるでしょう。
(3)体力に自信がある
施工管理の仕事は工事現場の進行管理や安全管理などで動き回るような業務もあるため、体を動かすことが好きな人や体力に自信のある人は向いていると言えるでしょう。
現場の職人は基本的に日中の作業が終わると帰宅しますが、施工管理は事務所に戻って業務をすることも多いです。
施工管理は現場での業務が終わった後には、夕方から書類作成などの事務仕事があるためです。
業務範囲や業務量が多岐に渡るため、体力に自信がありバイタリティのある人には働きがいを感じられるでしょう。
(4)人付き合いが得意
建設物は現場の職人や施工管理、関係者で協力し合い多くの人と関わりながら進めていきますので、人付き合いが得意な人は向いていると言えるでしょう。
特に職人と信頼関係を築くことができれば、工事がスムーズに進みやすくなり、満足のいく仕事ができることが多いためです。
施工管理の仕事は現場に入って進捗を確認したり職人へ指示を出したりする業務もあります。
現場の職人から信頼してもらえることは、施工管理のやりがいにもつながります。
もともと友好的に接してくれる職人もいますが、中には口数が少なくて話づらいと感じるような職人もいます。信頼を得るにはコミュニケーションの積み重ねと、仕事で認めてもらうことが必要になるでしょう。
6.施工管理を目指した結果、もし合わなかったら?
施工管理は業務が多岐に渡り、多くの関係者と関わりながら仕事を進めていく特性上、
対人スキルや業務遂行能力が求められる仕事です。
労働環境が良い場合でも、自分に向いていなければ辞めたくなることもあるかもしれません。
このようなことにならないように、転職前に自己分析や目標設定を行いましょう。
事前に施工管理の仕事内容や必要なスキル・能力を調べておくことで、合わないということは少なくなります。なるでしょう。
また、施工管理の一定の実務経験や資格のある人は、施工管理の経験を活かして他の分野や職種へ転職できる可能性が存分にありますので、新しい仕事にチャレンジすることもできます。
弊社キャリアスタートでは、キャリアアドバイザーがマンツーマンで求職者の強みや弱みの自己分析、将来なりたい姿になるためにはどうすれば良いのかを考え、一緒に目標設定ができます。
そのため、施工管理が自分に向いているかどうか悩んでいる人はもちろん、適職を知りたい人は一度無料相談の面談を受けてみましょう。
まとめ
今回の記事では、施工管理はなぜ「やめとけ」と言われるのか、向いている人の特徴と未経験からホワイトな環境で給与アップする方法について紹介しました。
施工管理は、建築業界の人手不足が不安視されるため、今後も需要の高い仕事になるでしょう。
未経験からはじめる方は、現場で経験を積みながら2級建築施工管理技士(または2級土木施工管理技士)の資格の取得を目指すことがおすすめです。
また、未経験から現場の経験を身につけるには、技術者派遣会社がおすすめです。
技術者派遣会社は顧客先に人を派遣する関係上、研修をかなり丁寧に実施しているので、未経験者からも転職しやすい環境が整っています。
「派遣」と言っても、施工管理として他の会社のプロジェクトの協力に行くようなイメージです。雇用形態は正社員なのでご安心ください。
技術者派遣の会社は世の中にたくさんあるので、より自分に適したホワイトな会社を探したい方は、エージェントを利用するのもひとつの選択です。
これから就職・転職を考えている方は、キャリアアドバイザーに相談すると、より自分が希望した条件の求人が見つかりやすくなるかもしれません。
自分に合った仕事を知りたい方、マッチする仕事を紹介できます。一度キャリアのプロに相談してみませんか?
(1)労働時間が長い・残業が多い
(2)休日出勤をすることがある
(3)業務量や業務範囲が多い
(4)危険がある
(5)単身赴任をすることがある
(6)人間関係が難しい