「仕事を教えてもらえずに放置されるのはなぜ?」「仕事を教えてくれないことはパワハラに該当する?」と不安になっている人もいるのではないでしょうか。
確かに仕事を教えずに放置する会社は存在しており、長く働き続けることで自分自身が損をしてしまう可能性がありますが、対処法を理解したうえで適切に行動すれば、状況を改善させることはできます。
こちらの記事では、仕事を教えてもらえずに放置される理由や放置されるリスク、教えてもらえないときの対処法、転職を検討すべき理由について紹介しています。
仕事を教えてもらえない職場で働いている方の問題が解決に近づきますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.仕事を教えてもらえず放置される4つの理由
仕事を教えてもらえず放置される理由には、主に次の4つが考えられます。
(1)教育体制が整備されていない
仕事を教えてもらえずに放置されるのには、教育体制が整備されていないことが考えられます。
教育体制が整っていない職場では、何をどのように教えればいいのか、先輩社員や上司もわかっていない可能性が高く、自分たちが教育体制が整っていない環境で育ったため、教育方法がわかっていないことがあります。
特にスタートアップ企業やベンチャー企業では、研修プログラムやマニュアルが確立されておらず、教育担当者が不在であることも多いです。そのほか、新入社員の教育は人任せで、なかなか教育が進まないケースもあります。
その結果、新入社員は自己学習を強いられ、具体的な業務プロセスや社内のノウハウを理解するのは本人次第になってしまいます。
(2)上司の教育方針として「敢えて教えない」
仕事を教えてもらえずに放置されるのには、敢えて教えないという上司の教育方針が関係しているかもしれません。
上司が「敢えて教えない」という教育方針をとっているのは、「仕事を教えてもらうのは甘え」「仕事は見て覚えるもの」と考えている可能性があります。
教育方針は企業や人によってさまざまで、なかには自分が会得するのに苦労したから簡単に仕事を教えるのには抵抗があるという上司も存在します。
そのほか「自走してほしい」など、社員に自立性や問題解決能力の成長を促す狙いがあるケースも考えられますが、その状況がどうしてもつらいのであれば、上司や先輩社員に相談してみることをおすすめします。
なお、話しかけても無視をされる、人間関係の切り離しをされている場合には、ハラスメントの可能性がありますのでこちらの記事も参考にしてみてください。
(3)人手不足で手が回らない
人手不足で手が回らないというのも、仕事を教えてもらえず放置されるよくある原因です。
新人教育をすれば将来的には業務が楽になり、仕事の幅が広がることはわかっていても、日々の業務に追われていて教える時間を作れていないのです。
これは、上司や先輩社員など仕事を教える側のスケジュールが過酷なことが原因と考えられます。
人手不足の職場ではマニュアルを渡されたまま放置され実務を教えてもらえないケースや、忙しくてマニュアルさえ準備できていないケースも少なくありません。
また、なかには「部下に教えるよりも自分でやったほうが早い」という考えから、教育に力を入れておらず、新人を放置している可能性もあります。
(4)社内の人間関係が良くない
社内の人間関係が良くないことも、仕事を教えてもらえず放置される原因として考えられます。
仕事はチームとして働くものという考えがあれば、新人もチームの一員として考え、教育に力を入れるのが一般的です。
しかし、社内の人間関係が良くないと社員がそれぞれ個人で仕事を進めるのが当たり前になっていて、教育に力を入れることを重要視していない可能性があります。
また、チーム内でうまく連携がとれていないなど、スムーズに新人を教育する体制が整っていないこともあります。
社内の人間関係が良くなければ、わからない部分があっても質問しにくい環境なことも多いので、新人も自主的に成長しにくいことが問題になりがちです。
2.仕事を教えてもらえず放置される4つのリスク
仕事を教えてもらえないまま放置されるリスクには次の4つがあります。
(2)貴重な時間を無駄にする
(3)精神的ストレスを感じる
(4)実績を積むことができない
(1)仕事で達成感を感じにくい
仕事で達成感を感じにくいことが、仕事を教えてもらえないリスクのひとつです。
仕事を教えてもらえない状況が続けば、何も学べずにスキルも身につかないうえに、仕事のやり方が正しいかどうかも自分ではわからないままなので、仕事に対する達成感が得られにくいです。
同級生やほかの部署の同期などと比較したときに、成長差を感じて劣等感を覚えることもあるでしょう。
仕事に対するモチベーションは下がっていく一方で、早期退職にもつながります。
(2)貴重な時間を無駄にする
仕事を教えてもらえないと貴重な時間が無駄になるのもリスクとなります。
特に新入社員で入社間もないうちは、仕事を覚えてスキルアップする大切なタイミングです。
仕事を教えてもらえない間、何もしない時間が発生したり、自分なりに手探りでやり方を見つけなければならず、仕事ができるまでに時間がかかります。
教えてもらえればすぐにできることでも、試行錯誤する必要があるので無駄な時間を過ごすことになるのです。
さらに、自分がスキルアップできないだけではなく、会社にとっても最大利益につながるような労働をしてもらえないので、社員と会社の両方にとって良くないことです。
(3)精神的ストレスを感じる
仕事を教えてもらえずに放置されると、精神的なストレスを感じるリスクがあります。
仕事を教えてもらえないので、自分で何をすれば良いのかわからない人も多く、自分の行動が合っているかどうかも判断できず、その会社における存在意義が見つけられず、不安を感じてしまうでしょう。
長期的に続くと不安がストレスに変わり、仕事に対するモチベーションの低下につながる可能性があります。
(4)実績を積むことができない
仕事を教えてもらえずに放置されると、実績を積みにくいこともリスクのひとつです。
長期化すると数年後になって実績がないことで会社から評価されない可能性が高く、将来転職することになっても実績がないことで転職活動に苦労する可能性があります。
特に、キャリアアップを目指している人にとって、仕事を教えてもらえずに実績を積めないのは大きなリスクとなるでしょう。
3.仕事を教えてもらえず放置されたときの対処法
仕事を教えてもらえずに放置されたときの対処法としては、次の6つがあります。
(2)不明点は整理してから質問する
(3)教わったらメモをとる
(4)質問に答えてもらえたら感謝する
(5)周囲との人間関係を構築する
(6)信頼できる人へ相談する
(1)自分から積極的に聞きに行く
仕事を教えてもらえないときは、自分から積極的に聞きに行くことが大切です。
上司によっては、教わる側の姿勢によって教育に対する意欲が下がってしまうことがあります。
教わる側が常に受け身な姿勢であったり、やる気がないように見えたりすると、上司も教えることが苦痛に感じるからです。
何度も同じような質問をするのはよくありませんが、わからないことは自分から積極的に聞きにいきましょう。
仕事に対する前向きな姿勢を見せることで、上司が教育しようという気をもってくれる可能性があります。
また、わからないことをわからないままにしておくと、あとで大きな問題になり、自分が損をする可能性もあるので、質問しにくい状況でも恐れず質問する勇気をもつことも重要です。
(2)不明点は整理してから質問する
仕事を教えてもらえず、仕事に対して不明点があれば整理してから質問することが大切です。
教育する側が自分の業務に追われている状況の場合、わからないことをその都度質問するよりも、まとめて質問したほうが良い可能性があります。
あらかじめ質問内容を整理しておけば、端的に伝えられるため時間効率を高めることが可能です。
また、質問する際は質問リストを渡したり、質問事項をメールやチャットで送ったりして、上司の手が空いたときに確認できるようにすると、上司も無理なく回答しやすいでしょう。
まとめて質問するようにすれば、何度も同じ質問をしてしまう事態を避けることにもつながります。
(3)教わったらメモをとる
仕事に関することを何か教わったらメモをとるようにしましょう。
メモをとらないとやる気がないと思われ、教育する側が教える意欲を失う可能性があります。
メモをとることで記憶を定着させることにつながるだけではなく、メモをとっている姿を見せると、仕事への意欲が伝わるのもメリットです。
教育する側としても教えがいを感じやすく、仕事を教える意欲を高めることにつながります。
また、メモをすることで同じ質問をするリスクを避けられるので、教えてもらったことはメモをする癖をつけておきましょう。
(4)質問に答えてもらえたら感謝する
何か質問して答えてもらったら、感謝することを忘れてはいけません。
仕事を教えてもらったとき、場合によっては「内容を理解できない」「別の人に聞いたことと違う」と思うこともあるかもしれません。
質問の回答に納得が行かなくても、その質問に回答するために時間を費やしてくれたことには変わりはないので、質問に答えてもらったら感謝の気持ちを伝えましょう。
感謝の言葉がないと「親切で仕事を教えたのにお礼がなかった」と思われ、今後仕事を教えてもらえなくなるかもしれません。
反対に感謝の気持ちを伝えることで、相手と良好な関係性を築けて、また別の機会で相談にのってくれたりアドバイスをくれたりする可能性があります。
(5)周囲との人間関係を構築する
仕事を教えてもらえない場合、周囲との人間関係を構築することも重要です。
周囲の人と人間関係を構築していると、何かあったときに助けてもらえやすいからです。
「仕事を教えてもらうのは甘え」と考えている人でも、信頼関係を構築しておけば「育てたい」と思ってもらえる可能性があります。
コミュニケーションを通して、仕事の悩みや仕事に対する考え、プライベートに関係することを話し合ってみましょう。
突然フランクに会話することが難しいと感じる場合は、自分から積極的に挨拶をして声かけするだけでも人間関係構築の第一歩になります。
(6)信頼できる人へ相談する
仕事を教えてもらえずに放置される場合、信頼できる人へ相談するのも対処法のひとつです。
もし教育する立場の人に対して、自分から積極的に質問しに行っても放置される状況が変わらないなら、信頼できる第三者へ相談しましょう。
信頼できる人は同期や先輩だけではなく、社会人経験のある学生時代の友人・先輩でも構いません。
自分と同じ状況の相手であれば、どのような方法で解決してきたかを聞ける可能性があり、今後の仕事の参考にできるでしょう。
4.仕事を教えてもらえないなら転職を検討しよう
仕事を教えてもらえないのであれば、転職を検討しましょう。転職を検討すべき理由には以下があります。
(2)仕事ができないのは自分の責任になるから
(3)会社の将来が期待できないから
(4)キャリアアップが難しくなるから
(1)会社に対しての不信感が大きくなるから
仕事を教えてもらえない状態が長期化すると会社に対する不信感が大きくなるため、転職も視野に入れましょう。
一時的に職場が忙しくて、仕事を教えてもらえないこともありますが「常に人手不足で上司がいない」「教育体制が整っていない」「仕事を教えてもらえずにずっと放置されている」という状況では、不信感が大きくなる一方です。
自分は目標をもって働きたいと思っていても、会社側が仕事を教える環境が整っていなければ働く意欲は失われてしまうだけなので、転職することもひとつの選択肢です。
(2)仕事ができないのは自分の責任になるから
仕事を教えてもらえない状況が長期化すると、仕事ができないのが自分の責任になることがあり、転職も検討したほうが良いでしょう。
仕事を教えてもらえなければ自分で仕事を覚える必要があり、スキルを身につけるまでに時間がかかってしまいます。
会社側の教育体制が整っていなかったのが原因であっても「仕事ができないのは自己責任」と考える人も少なくありません。
そのため、仕事を教えてもらえず放置される職場では、数カ月後〜数年後に仕事ができないことを責められる可能性があるのです。
(3)会社の将来が期待できないから
仕事を教えてもらえない職場の場合、会社の将来が期待できないため転職を検討しましょう。
仕事を教えてもらえず放置する会社は、教育体制の整っている会社と比べて新入社員の負担が大きく、人員が定着せずに人手不足が慢性化しやすいという問題点があります。
離職率が高いと常に業務体制が不安定で、会社としての成長も見込みづらいため、仕事を教えてもらえないことが長期化する職場なら転職するのも選択肢のひとつです。
(4)キャリアアップが難しくなるから
仕事を教えてもらえない職場ではキャリアアップが困難なので、転職を検討しましょう。
仕事を教えてもらえなければ、自分で仕事を覚えて身につけるしかありませんが、正しいやり方ではなく、我流のやり方になってしまい、スキルや実績が伴わない可能性があります。
その状況が長く続けば、転職時にアピールできるようなスキルも実績もないということになりかねません。
そのまま仕事を教えてもらえない職場で働き続けると転職のチャンスを逃してしまう可能性があるため、キャリアアップやスキルアップを目指すのなら転職を検討しましょう。
まとめ
今回の記事では、仕事を教えてもらえずに放置される理由や放置されるリスク、教えてもらえないときの対処法、転職を検討すべき理由について解説しました。
仕事を教えてもらえない理由には会社の事情などさまざまですが、その状況が長期化すると自己成長が遅れて貴重な時間を無駄にしてしまいます。
教えてもらえないなら自分から質問するなどのアクションが大切ですが、それでも教育に対して前向きに取り組まない会社なら転職を検討しましょう。
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(2)上司の教育方針として「敢えて教えない」
(3)人手不足で手が回らない
(4)社内の人間関係が良くない