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「フリーターの方が稼げる」は本当?正社員と比べて見落としがちな落とし穴

「フリーターの方が稼げるって本当?」
「正社員になってもあまり稼げないなら、就職の意味がわからない」

「フリーターの方が稼げる」という人がいますが、それは正しいとはいえません。

事実フリーターで正社員より多額の年収を得ている人はいますが、あくまでも一部の話です。

この記事ではフリーターの方が稼げるのは真実なのか、正社員よりフリーターの方が稼げると言われる理由を解説します。

後半では、正社員になることで得られる経済的なメリットも紹介していますので、最後までご覧ください。

フリーターの方が稼げるって本当?

ほとんどの場合、フリーターよりも正社員の方が年収は高いことがわかります。

まずはデータをもとにして、フリータと正社員の収入を比較しましょう。

(1)正社員の方が平均年収は高い

フリーターの方が稼げるのかどうかを、実際の年収データをもとに比較しましょう。

令和6年分民間給与実態統計調査」をもとに正社員と非正規雇用者の年収を比較すると、正社員が4,967,345円、非正規雇用者の年収は2,588,455円という結果になっています。

年収だけを比べると、240万円以上の差が生まれており、正社員の方が稼げることがわかります。

(2)生涯年収は正社員の方が高くなりやすい

若いうちはアルバイトをしている人の方が、正社員より稼げているケースはあるでしょう。

会社によっては給与が14〜19万円程度で、賞与がないような場合もあるためです。

この場合、アルバイトでシフトを目一杯入れている人の方が稼げることがあります。

しかし、これはあくまで若い時の一時的な数字であり、生涯年収を比べると正社員の方が受け取る給与の総額は高くなります。

例として、22歳から60歳までアルバイトのまま働いた場合の年収を考えてみましょう。

先ほどの平均年収を毎年稼げると仮定すると、生涯年収は以下のようになります。

フリーターの生涯年収

2,588,455円×39年=1億95万745円

※昇給がないという前提で計算

次に、正社員の場合を考えてみましょう。

正社員の場合は勤続年数や役職によって年収が上がる傾向にあるため、賃金構造基本統計調査から割り出した以下のデータをもとに計算します。

年齢階層正社員年収(万円)
〜19歳2,592,000
20〜24歳3,284,900
25〜29歳4,017,100
30〜34歳4,606,200
35〜39歳5,167,900
40〜44歳5,641,700
45〜49歳5,988,100
50〜54歳6,243,800
55〜59歳6,500,100
60〜64歳5,199,000
65〜69歳4,400,000

出典:賃金構造基本統計調査 | ファイル | 統計データを探す

上記数値をもとに計算した場合の正社員の生涯年収は約2億580万円にも及び、フリーターと比べて約2倍の差が出ています。

(3)正社員以上に稼げるアルバイトの職種は限られる

フリーターでも正社員以上に稼ぐ人はいますが、あくまで一部の仕事の人に限られます。

正社員以上に稼げる可能性があるアルバイト
  • ナイトワーク
  • 在宅ライブ配信
  • YouTuber
  • インスタグラマー
  • 治験

これらの仕事は正社員以上に稼げる可能性を秘めていますが、成功している人はごく一部です。

さらに、正社員のように継続的に安定した収入が入るとはいえないため、生涯年収が変わらない、または下回る場合も多いでしょう。

なぜ正社員よりフリーターの方が稼げると言われるのか

なぜ世間では「正社員よりフリーターの方が稼げる」という声があるのか、その理由を解説します。

  • 10代まで年収の差があまりない
  • 高時給の仕事をしている人がいるから
  • 働く時間や場所の自由さからタイパが良いと思われがちだから

(1)10代まで年収の差があまりない

令和6年分民間給与実態統計調査」をもとに、年齢別の正社員の年収とフリーターの年収の差を比較してみました。

年齢階層正社員年収(万円)非正規年収(万円)
〜19歳2,592,0001,952,400
20〜24歳3,284,9002,294,400
25〜29歳4,017,1002,401,200
30〜34歳4,606,2002,486,400
35〜39歳5,167,9002,545,200
40〜44歳5,641,7002,583,600
45〜49歳5,988,1002,584,800
50〜54歳6,243,8002,580,000
55〜59歳6,500,1002,558,400
60〜64歳5,199,0002,484,000
65〜69歳4,400,0002,403,600

※上記の表には派遣社員等の非正規雇用者のデータも含まれるため、フリーターの場合の年収は記載の金額を下回る可能性があります。

表を見ても分かる通り、20代以前の年収の差は60万円程度であり、さほど大きな差がありません。

そのため、正社員の友達が自分より稼いでいるという実感がもてず、収入差を感じにくいです。

(2)高時給の仕事をしている人がいるから

周囲に高時給アルバイトをしている人がいると、ついつい「フリーターの方が稼げるじゃん」と思ってしまいがちです。

例えば、治験で短期間で数十万円を稼ぐ人がいますが、あくまで短期の話であり継続的な話ではありません。

これはあくまで一部の稀なケースであり、すべての人に当てはまるわけではないことを理解しておきましょう。

(3)働く時間や場所の自由さからタイパが良いと思われがちだから

給与的には正社員の方がうえでも、フリーターの方が「タイパが良い」と思われている可能性もあります。

正社員は週に5日、1日8時間の決まった勤務時間をこなし、必要であれば残業をすることもあります。

フリーターと比べれば自由がなく、またほとんどの場合は出社が必要なため、通勤時間なども含めると1日の半分は働いているような状態です。

一方でフリーターはシフトが自由で、働く日数や時間を調整できるため、自由が効くという面では優れています。

このことから「フリーターの方が効率よく稼げる」と思う人がいる可能性があります。

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フリーターの方が稼げると思いこむのはやばいかも

「フリーターの方が稼げる」と思い込み、将来の年収を甘く見積もるのは危険です。

事実、生涯年収はフリーターよりも正社員の方が多いからです。

その他、フリーターの方が稼げると思い込まない方が良い理由を紹介します。

  • 年齢を重ねるごとに年収に差が出る
  • 社会的な信用は正社員の方が高い
  • 年齢を重ねると若い頃と同じようには働けなくなる
  • 結婚や出産などのライフイベントでつまずく可能性がある
  • 老後の備えが十分にできない
  • 高時給のアルバイトは若いうちだけの仕事が多い

(1)年齢を重ねるごとに年収に差が出る

以下の表は先ほど紹介した年齢別の正社員の年収とフリーターの年収の差を比較したものです。

年齢階層正社員年収(万円)非正規年収(万円)
〜19歳2,592,0001,952,400
20〜24歳3,284,9002,294,400
25〜29歳4,017,1002,401,200
30〜34歳4,606,2002,486,400
35〜39歳5,167,9002,545,200
40〜44歳5,641,7002,583,600
45〜49歳5,988,1002,584,800
50〜54歳6,243,8002,580,000
55〜59歳6,500,1002,558,400
60〜64歳5,199,0002,484,000
65〜69歳4,400,0002,403,600

※上記の表には派遣社員等の非正規雇用者のデータも含まれるため、フリーターの場合の年収は記載の金額を下回る可能性があります。

表を見ても分かる通り、20代後半になると正社員とフリーターの年収差は160万円に開いており、30代前半では240万円と年齢を重ねるごとに年収の差が開いています。

これは、正社員には勤続年数、業務成績に応じた昇給や昇格があるためであり、このような仕組みがないフリーターとは年収の差が開きやすいです。

仮に今はフリーターのあなたの年収が正社員を上回っていても、数年後には追い越される可能性はあります。

(2)社会的な信用は正社員の方が高い

ローンや携帯電話の割賦審査などは、フリーターのままだと通りにくいことがあります。

これは、フリーターの収入の不安定性から、支払い能力が十分であると認められないためです。

反対に正社員は固定給があり収入が安定していることから、ローン審査などは通りやすいです。

その他、安定した職業についている信頼感から「きちんと働いていて信用できる」と、しないされやすいのも特徴といえます。

(3)年齢を重ねると若い頃と同じようには働けなくなる

仮に今フリーターとして正社員以上に稼いでいるとしても、年を取っても同じ働き方ができるでしょうか。

例えば、ナイトワークなどの高時給バイトは若さが求められることが多く、どこかの時点でキャリアチェンジが必要になるケースがほとんどです。

また、今シフトをたくさん入れて正社員以上の給与を得ているとして、年齢を重ねたときに同じように働けるとは限りません。

年をとったあとのことまで考えると、「今フリーターで稼げているから」と安心するのは危険です。

(4)結婚や出産などのライフイベントでつまずく可能性がある

結婚や出産などのライフイベントが起きたときに、フリーターのままでいることを後悔することもあるでしょう。

フリーターの収入では、ライフイベントによる出費に対応できない可能性があるためです。

仮に今、結婚を考えていなくても将来あなたの考えがどう変わるかはわからないものです。

人生には不測の事態が起きるものと考えて、将来を今一度考えてみましょう。

(5)老後の備えが十分にできない

フリーターとして生活はできても、貯金まで手が回らない可能性もあります。

特に、社会保険に加入していない方は、厚生年金分が上乗せされないため、貯金がなければ月に69,308円弱で生活しなければなりません。(参照:令和7年4月分からの年金額等について|日本年金機構

持ち家があればなんとか生活できるかもしれませんが、賃貸物件を借りると考えるとかなり厳しい額のはずです。

若いときに「フリーターの方が稼げる」と思って老後の備えを怠ると、思わぬ落とし穴にハマることになります。

(6)高時給のアルバイトは若いうちだけの仕事が多い

正社員より稼げるアルバイトは確かにありますが、そのようなアルバイトは若いうちだけの仕事が多いです。

ナイトワーク、インフルエンサーなどは若者が多い仕事であり、年を取ってからも続けている人はほんのわずか。

「今はいいけど将来はどうかな」という目線をもって、職業を選択した方が良いでしょう。

生涯年収を上げたいなら正社員を選ぼう

フリーターが正社員より稼ぐことは不可能ではありませんが、生涯年収を考えると正社員の方が高くなりやすいです。

正社員を選ぶメリットを3つ説明します。

  • フリーターより収入が安定しやすい
  • 賞与や昇給により年収が上昇する
  • 厚生年金や退職金など将来の備えになる制度が利用できる

(1)フリーターより収入が安定しやすい

正社員の1番のメリットは、固定給により収入が安定しやすいことです。

雇用契約で定められた固定給が毎月支払われるため、アルバイトのようにシフトによって収入が変動しません。

そのため、毎月定額を貯金に回すなどの資金計画も立てやすく、生活的にも楽になるでしょう。

(2)賞与や昇給により年収が上昇する

フリーターは賞与や大幅な昇給はなく、長く勤めてもほぼ給与が上がりません。

一方で正社員になると企業によっては賞与があり、これが正社員の年収を大きく押し上げている要因です。

さらに、正社員は勤続年数や成績によって昇給・昇格の機会もあるため、一般的には長く勤めるほど給与が上がっていきます。

年収が上がる仕組みが整っていることが、正社員の魅力です。

(3)厚生年金や退職金など将来の備えになる制度が利用できる

正社員には社会保険という社会保障がついており、さらに企業によりますが、退職金がある会社も多いです。

社会保険に加入すれば健康保険料を会社と折半できるうえ、労災保険や雇用保険、厚生年金保険などが利用できます。

病気や怪我への備えができるだけでなく、厚生年金により将来の年金受給額も増えるということです。

さらに、企業によっては退職金制度があり、退職時にまとまった額を受け取れるなど将来への備えもできます。

フリーターより稼げる正社員の仕事探しならキャリアスタートへ

フリーターの方が稼げるというのは一部の仕事のことであり、それが生涯続くとはいえません。

生涯年収を考えれば、多くの場合正社員の方が稼げるのが事実です。

もしもあなたが将来の備えも踏まえて稼げる仕事につきたいなら、正社員就職も検討してみてください。

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