安定した職業はない？変化の時代に“揺るぎない安定”を築く方法

安定した職業がないのかと考え、求人サイトを検索し続けている人も多いのではないでしょうか。

一言で安定した職業といっても、人それぞれ安定の定義は異なって来るだけでなく、時代の流れによって安定した職業という考え方は変わっているのが実態です。

この記事では、そもそも過去から現在に至るまでの安定した職業の考えの変化をもとに、現代における揺るぎない安定を築くための方法や、おすすめの仕事について解説します。

今の自分にとって本当の意味で安定した職業を探している人は、記事の内容を参考にしてみてください。

また、自分にとっての安定した職業が分からないという人は、若手就職支援に特化したキャリアスタートに相談をしてみましょう。

「安定した職業」はないと言われる理由

安定した職業の時代の変遷を見るために、新卒の就職人気企業ランキングを確認してみましょう。

株式会社マイナビが運営する「マイナビキャリアリサーチLab」がまとめたデータによると、文系の人気ランキングは以下の通りとなっています。

このように、10年単位で見てみると、新卒が考える安定した企業は大きく変わっていることが分かります。

まずはそもそも、安定した職業や会社は時代によって変化していることについて詳しく見ていきましょう。

昔は一つの企業で働き続けられるかが重要だった

2000年代頃までは終身雇用が前提の働き方でした。

今のように転職をする事は、会社への裏切りという見方は珍しいものではありませんでしたし、就職した会社をすぐに退職するような事は言語道断な判断だと言われていました。

終身雇用が前提のため、1つの企業に就職し40年間勤め上げて退職金を受け取り、老後の生活を過ごすというのが一般的な人生の流れであり、それが成し遂げられる職業や会社が安定と認識されていました。

したがって、会社としての財務基盤が安定しているかどうかが、当時の安定した職業の判断基準だったと考えられます。実際に先程のランキングを見てみても、1980年代に公務員が入って来ていることからその推測が成り立ちます。

これは背景に1990年代前半のバブル崩壊があると言われています。

日本の景気が大きく落ち込んだこともあり、働き手は会社そのものに安定性を求めていたのです。

技術革新やグローバル化で終身雇用が崩壊

2010年後半から現在にかけて終身雇用は崩壊していると言われています。

これは技術革新やグローバル化によって、企業の平均寿命が約23年になったことに由来していると考えられ、昔のように40年間同じ会社で働くという常識が覆されてしまったのです。

この変化は就職人気企業ランキングでも現れています。

上位の企業はいずれも会社として安定している大手企業でありつつ、JTBグループやANAなどグローバル化が進んだことで収益が増加した企業が名を連ねており、グローバル化が就職にも影響していることが分かります。

今は個人が有するスキルが重視

現代でいう安定は個人のスキルが重視されています。

終身雇用が崩壊した今、転職をして収入を上げていく事は当たり前の動きになっています。

転職活動ではどんなスキルがあるかを重視されるため、自身のスキルアップをすることがそのまま安定した生活に繋がるという見方がされています。

言い換えると、現代における安定とは自分が働いている企業ではなく、個人にどんなスキルがあり、それをどう活用できるかが重視されていると言えるでしょう。

したがって、絶対的に安定した職業は無いと言える一方で、どのような職業に就いたとしても、自分のスキルを身に付けられれば生活に不便をしないという意味での安定した人生が歩めると考えられます。

安定した職業に就職する方法

現代において安定した職業に就職するためには、個人の持つスキルアップが重要であることを解説しました。

日本能率協会が発表した「2022年度新入社員意識調査」によれば、「仕事に必要な能力やスキルを身に付けることの責任は個人にある」と回答する人が85.5%に上っており、就職した後も個人の努力でスキルを身に付けていくことの重要性が分かります。

これらを踏まえ、安定した職業に就職するためには、以下のような方法を試し、個人でスキルアップをした上で面接に臨む必要があると言えるでしょう。

それぞれの方法について詳しく解説します。

自己分析を徹底的に行う

自分のスキルを上げるためには、自分自身の性格や現時点でできることを誰よりも理解しておくことが必要です。そのために重要になってくるのが自己分析です。

自己分析とは今までの経験を棚卸しし、強みと弱みを言語化することで、自分の現時点で活かせるスキルや、足りていない箇所を明らかにする分析のことを言います。

自己分析がしっかりできていると、面接でアピールできる自分のスキルが具体的になるだけでなく、自分にとって本当の意味でマッチしている求人を見定めやすくなるといったメリットがあります。

自己分析のやり方をプロから教わりたい人は、キャリアスタートの無料面談に申し込んでみてください。

スキルや資格を取得する

安定した職業に就職するためには、自身のスキルアップを実現するためにも、仕事で活かせるスキルや資格を取得することも大切です。

現在、何らかの会社で働いている人であれば、日々の業務をただこなすのではなく、業務の中でどんなスキルを身に付けられるのかを考え、自分自身でスキルを習得していく意識を持って働くようにしてみてください。

また、資格は転職において必須となってくるケースは少ないものの、汎用的なビジネススキルが面接でのアピールポイントに繋がることもあります。

資格を就活でアピールする場合は、資格を持っていることだけをアピールするのではなく、資格取得を通じてどのようなスキルを身に付けられたかについて、具体的なエピソードとともに伝えると良いでしょう。

就職エージェントを使って正社員就職する

個人のスキルを身に付けるためには、自分にマッチしている職場に就職することが非常に大切です。

その観点で言えば、就職エージェントを使うことで、自分にマッチした職場の求人を紹介してくれるため、スキルアップをして安定した職業に就職できる可能性を高められます。

それだけでなく、就職エージェントでは自己分析の方法や模擬面接の実施など、就活をする上で重要になってくるサポートを幅広く受けられます。

特に就職活動に自信がない人や、少しでも気になる会社に内定をもらえる可能性を高めたい人には就職エージェントを使った正社員就職がおすすめです。

キャリアスタートは高い就職率と定着率の実績がある就職サポートを実施していますので、気になる人は無料面談を申し込んでみてください。

安定した職業10選

現代における安定した職業とは、個人のスキルが身に付けられるかどうかという点が大きい要素となっています。

一方で、人によっては勤め先の会社の安定性を重視する人もいるでしょう。

ここからは、それらの基準に照らし合わせ、おすすめできる安定した職業を10個ご紹介します。それぞれ求められるスキルや仕事内容をまとめて解説しますので、求人探しに役立ててみてください。

1.営業職

営業職は、法人や個人に対してサービスを提案して契約を取ってくる仕事です。

営業スキルそのものが様々な会社の営業職として活かすことができるため、1度スキルを身に付ければ、様々な会社で働けるといった点が職業として安定していると言えます。

また、営業経験を活かせば別の職種に転職しやすいとも言われており、将来的にキャリアチェンジを考えた際に実現しやすい点もおすすめできるポイントです。

平均年収出典：厚生労働省「営業（IT） – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））」

2.ITエンジニア

ITエンジニアは、ITサービスを開発する際に設計や開発業務を担う仕事です。

ITサービスは今後も右肩上がりで需要が伸びていくと言われているため、経験やスキルを身に付けることで手に職をつけられることもあり、安定した職業と言えるでしょう。

経験を身に付けることでフリーランスとして独立することもできますので、様々な働き方ができる点も魅力的な職業と言えます。

平均年収出典：厚生労働省「システムエンジニア（基盤システム） – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））」

3.介護職

介護職は、高齢者や病気の人で介護サービスが必要な人に対して生活介助を行う仕事です。

日本は少子高齢化が進んでいくと言われていますので、介護の経験を今後も長く活かせるという点で安定した職業と言えます。

介護職になった後は、介護士やケアマネジャーの資格を取得することで年収を上げることもできます。資格取得と年収アップを両立できる点も、介護職の特徴と言えるでしょう。

平均年収出典：厚生労働省「施設介護員 – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））」

4.公務員

公務員は役所などに勤め、公共サービスを提供する仕事です。

昔からある安定した職業の代表格であり、勤め先が地方自治体や国になるため、基本的に解雇されることがありません。

まさに安定した職業を探す人にぴったりである反面、就職するためには幅広い学力が求められる公務員試験に合格しなければならないという点は認識しておく必要があります。

平均年収出典：厚生労働省「地方公務員（行政事務） – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））」

5.政府系金融機関

政府系金融機関は、国などの政府が運営している金融機関において、主に営業担当として業務に携わる仕事です。

もともと金融機関が安定した財務基盤にあるのに加え、政府系ということもあり、勤め先の安定性が極めて高いといった特徴があります。

政府系金融機関は平均年収も高く人気な仕事でもありますので、就職を目指す際は自己分析や面接対策など就職活動を徹底的に行う必要があります。

平均年収出典：厚生労働省「銀行・信用金庫渉外担当 – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））」

6.施工管理

施工管理は、建築や土木の現場において、あらかじめ定められた工期通りに工事を完了させられるよう管理監督する仕事です。

施工管理の経験者は求人数に比べて大きく不足している状況のため、経験を積めれば今後も長く働いていける安定した職業と言えます。

施工管理技師の国家資格を取得することで年収を上げていくことも可能であり、高い収入を目指して安定した生活を過ごしたい人にもおすすめできます。

平均年収出典：厚生労働省「建築施工管理技術者 – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））」

7.クリエイター

クリエイターは、主にインターネット上で自身の創作物を公開し、人気を得ることで仕事に繋げていくような職業です。

今後も個人の力やスキルが安定した職業に重要であるとしたときに、クリエイターとして個人で稼げるようになる事は安定した生活に繋がると言えます。

ただし、すべてのクリエイターがお金を稼げるわけではありませんので、最初のうちは副業や趣味の範囲で取り組んでみることをおすすめします。

8.商社

商社の仕事は簡単にいうと、安くものを仕入れて、高く売るといったものになります。

財務基盤が安定している会社が多く、かつ会社という存在があり続ける以上、商社の役割はなくならないと言われています。

大手の商社は安定した職業を求める人からの人気も高く、面接対策や自己分析が必須になってくるため、入念に就活準備に取り組みましょう。

平均年収出典：厚生労働省「商社営業 – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））」

9.ITコンサルタント

ITコンサルタントは、事業や経営の課題に対して、ITの専門的な知識を持って解決策を提示する仕事です。

コンサルタントとしての経験は一生役立てられるようなスキルであるのに加えて、IT業界の今後のニーズの高さが相まって安定した職業と言えます。

高い年収が期待できる一方で、ITに関する専門的な知識が求められることもあり、ITエンジニアやコンサルタントとしての経験を持った上で転職することをおすすめします。

平均年収出典：厚生労働省「ITコンサルタント – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））」

10.医師

医師は、病気や体の不調を訴える患者に対して診察を行い、適切な処置をする仕事です。

昔からあるハイレベルな仕事であり、一度医師になることができれば定年を迎えても働き続けられるような安定性が魅力です。

しかし、医師になるためには極めて狭い門をくぐり抜けなければならないこともあり、これから就職を目指すには非常にハードルが高い仕事である点は認識しておく必要があります。

平均年収出典：厚生労働省「内科医 – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））」

安定した職業に就職するために活かせる資格

安定した職業に就職するためには、汎用的にアピールできる資格を取得しておくのもおすすめです。

具体的には以下のような資格があれば、今回紹介したような職業に就職できる可能性を高められるかもしれません。

ただし、職業によっては別の資格を持っていることが必須のケースもありますので、気になる職業を見つけられたら、どういった資格が必要になるかを合わせて確認しましょう。

ここでは上記3つの資格について詳しく解説します。

マイクロソフトオフィススペシャリスト

マイクロソフトオフィススペシャリストは、マイクロソフト社が提供しているオフィス系ソフトのスキルを証明できる資格です。特に営業職や商社など、業務でPowerPointやWord等のPCスキルが求められるような職業において活かせます。

合格率は公式では非開示となっていますが、一般レベルで約80%、上級レベルで約60%と言われており、PCスキルに自信がない人でも少し勉強すれば合格できるレベルの資格と言えるでしょう。

秘書検定

秘書検定は、社会人として働く上で求められるビジネスマナーがあることを証明できる資格です。「秘書」という単語が付いていますが、秘書以外であってもビジネス系の仕事に就職する際は資格をアピールすることが可能です。

難易度に応じて1級から3級まで設けられており、合格率はそれぞれ以下のようになっています。

2級までであれば一般的な知識を問われることも多いため、まずは2級の参考書を読んでみて、自分でも取得できそうかどうかを検討した上で受験する級を選択すると良いでしょう。

TOEIC

TOEICは国際的な英語力があることを証明できる資格試験です。

合格や不合格などはなく、受験をすることで正当数に応じた10から990のスコアが付与されます。

一般的に英語力があると認識されるのは600以上と言われていますので、語学力が求められるような職業に就職したい場合は、まずは600のスコアを目指して学習すると良いでしょう。

また、試験の内容としてはリスニングとリーディングの2つで構成されています。

それぞれ495点が最高得点となっているため、どちらの能力も満遍なく引き上げることができないと、600以上のスコアは目指せません。

試験は毎月1回開催されていますので、就職活動や仕事があっても受験しやすい点がポイントです。

安定した職業に就職するために求められるスキル

安定した職業は就職希望者からの応募も集まりやすいため、自分の持っているスキルを十分にアピールする必要があります。

しかし、面接でアピールするスキルはその職業に沿ったものでなければなりません。

職業によって求められるスキルは変わってきますが、経済産業省が発表する「わが国産業における人材力強化に向けた研究会報告書」を参考にすると、以下のようなスキルを持っている人が企業から求められる中核人材になり得ると考えられます。

それぞれのスキルについて詳しく解説します。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、安定した職業に限らずどのような仕事を目指す場合においても重要なスキルになってきます。

会社員として働く以上、誰かしらの人と仕事を一緒に進めていくことになりますので、コミュニケーションが成り立たなければ仕事が成り立たないとすら言えます。

コミュニケーションスキルは面接においても重要な見極めポイントとなっています。

面接における受け答えをする際の挙動や、面接官からの質問に対して的確に答えられているかといった点で見極められますので、就職エージェントの模擬面接で適切なコミュニケーションが取れているかをチェックしておくと良いでしょう。

ロジカルシンキング

論理的に物事を考えて解決策を導き出せるようなロジカルシンキングスキルも重要になってきます。

特に現代において、言われたことをただやるだけの仕事はAIや各種自動化ツールによってなくなっていくと言われています。

個人のスキルを高めて仕事で発揮していくためにも、目の前の課題をどのように解決するかを考えて実行していく力が求められます。

課題解決のためにはロジカルシンキングが重要になって来ますので、日ごろから論理的に物事を考えられるようトレーニングをしておくことをおすすめします。

アンガーマネジメントスキル

安定した精神を維持して働き続けられれば、どのような会社に就職したとしても安定して仕事に向き合うことができるでしょう。自身のメンタルを安定させるために重要になってくるのがアンガーマネジメントスキルです。

アンガーマネジメントとは、自身の怒りやイライラした感情をコントロールし、冷静にコミュニケーションを取れるようにするスキルを言います。

具体的な例で言えば、怒りを感じたとき、深呼吸をして6秒待つことで、自分の心を落ち着かせるといった「6秒ルール」などがあります。

自分の感情の変化を理解して仕事に活かすことができれば、常に最高のパフォーマンスを発揮できるため、スキルの習得も早くなるでしょう。

安定した職業を目指す上での注意点

最後に安定した職業を目指す上での注意点を3つ解説します。

いつまでも安定した職業は存在しない

記事の冒頭で「安定した職業は時代の変遷によって変化する」ということを解説した通り、いつまでも安定した職業は存在しないと思っておきましょう。

特に現代においては会社やビジネスの動きが早くなっていますので、どんな変化にも耐えられるように個人のスキルを身に付けておくことが、安定して働き方をする上で最も重要と考えられます。

就職活動する際は、応募先の企業の経営基盤や社名だけを見るのではなく、働いてどのようなスキルを身に付けられるかといった観点を持っておくことも大切です。

待遇だけで求人を選ばない

就職活動を進めていくと、どうしても給料や休みといった待遇だけで求人を選びがちです。

しかし、今の時代において安定した働き方を実現するためには、個人のスキルを見つけることが重要です。

したがって、待遇だけで求人を選んでしまうと、本当の意味で安定した職業に就職できなくなる可能性が高まります。

最初から偏った目線で求人を比較検討するのではなく、自己分析を行い、自分にとって最も成長できる環境はどこかという観点で求人を選ぶようにしましょう。

一人で就職活動をしない

1人で就職活動を進めると、なかなか内定を獲得できなかったり、焦ってブラック企業に入社してしまうリスクが高まります。

そのため、できる限り就職支援のプロである就職エージェントを活用して就職活動を進めることをおすすめします。

高い就職率と定着率を誇るキャリアスタートでは、一人ひとりのキャリアや希望を伺った上で適切な求人を紹介しています。

就職活動に関わる様々な悩みのアドバイスも行っていますので、安定した職業に就職したい人は、キャリアスタートの無料相談に申し込んでみてください。