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未経験から事務職へ|必要なスキルと役立つ資格とは?

事務職はどの企業でも必要な職種な上、求められるスキルや経験が高くないことから比較的未経験者でも採用されやすく、常に人気が高い職種といえます。

そこで今回の記事では未経験だけど事務職に就きたい方のために、事務職についての基礎的な知識から、事務職で働く場合のメリット・デメリット、事務職の求人で歓迎される能力や、保持していると事務職への転職が有利に働く資格などについて詳しく説明していきます。

未経験でも事務職に転職できる?

未経験でも事務職に転職することは可能です。ただし、事務職といっても種類が多岐に渡るため、仕事内容によっては専門知識や資格が必要になる場合があります。

 事務職は未経験者歓迎の求人もある

事務職の求人の中には未経験者歓迎の募集も多く見られます。事務職が未経験者でも、基本的なパソコンスキルや、社会人としてのコミュニケーション能力があれば採用される可能性が高いのです。

一般的な事務職で求められるパソコンスキルとして、資料を作成するためにワードやエクセル、他にはパワーポイントなどが挙げられます。また、業務を円滑に進めるためには社内のメンバーとの意思疎通だけでなく、ときには社外でのやり取りも発生するので、コミュニケーション能力も重視される傾向にあります。

 事務職の仕事の内容は求人によって異なる

事務職の種類には、一般事務、営業事務、経理事務、医療事務など、さまざまなものがあります。自分がどの事務職に勤めたいかは、求人募集の文面をしっかりチェックし事前に確認しておきましょう。

また、同じ一般事務でも、会社や業種によっては経理業務が含まれるなど、その仕事内容は異なります。「事務業務」の定義は、それぞれの会社によって大きく異なるので、自分が希望とする業務内容や勤務スタイルを事前に把握することが大切です。

 応募者が多いため倍率は高い

事務職は、未経験者でも応募ができるというハードルの低さから応募者が多く、求人倍率が高い傾向にあります。実際に平成31年3月の一般事務における全国の有効求人倍率は0.54となっていて、採用人数に対しておよそ2倍の応募が寄せられているのです。

また、各企業によって求める人材像も異なり、パソコンスキルがそれほどなくても、コミュニケーション能力や人柄の良さを重視して採用するケースも少なくありません。ただし、未経験者が事務職を勝ち取るためには、オフィスワークに役立つ資格や、その企業のパソコン業務に必要とされる資格を事前に取得しておき、他の応募者と差別化を図るとより良いでしょう。資格を取得したからといって必ず希望の職業に就けるというわけではありませんが、就職活動においては資格保有が有益に働くことは間違いありません。

事務職への応募者の中には事務職経験者も多くいるため、未経験者の場合は書類がなかなか通らないということも見受けられます。独力では事務職への就職が難しいと感じる方は、転職エージェントに相談してみるのもよいでしょう。

事務職の種類

代表的な事務職を挙げ、それぞれの業務内容の違いを見てみましょう。

一般事務

一般事務は、事務業務のなかで最もスタンダードなものといっていいでしょう。書類や資料の作成、データ入力、伝票整理、電話対応、メール対応、来客対応、郵便物の発送・受け取りなど、社内の事務全般を担当します。業務の幅は各企業によって異なり、場合によっては経理や総務を兼任することもあります。

営業事務

営業事務は、営業部のサポート役として、提出資料の作成、受発注の管理、請求書の発行、顧客の来社対応、窓口対応などを担当します。社内での業務が多くなりますが、場合によっては営業メンバーと一緒に営業先に同行して業務にあたるケースもあります。

経理事務

経理事務は、帳簿の記載や管理、経費精算、会計ソフトへの入力、給与の支払い、出納帳管理など、経理全般の事務業務を担当します。金銭に関する業務データの取り扱いが主な仕事なので、給与の支払いや経費申請が集中する月末や月初は業務が忙しくなる傾向があります。企業の金銭データを取り扱うという意味では、間違いがないよう完璧な正確性が求められる業務でもあります。

総務事務

総務事務は、その会社に勤める社員がスムーズに仕事ができるようにサポートする役割を担います。社内報の作成、備品管理、書類のファイリング、イベントの運営準備、会議室の手配、お茶出しなど、社内におけるさまざまなアシスタントを行います。いわば、社員がコア業務に集中できるようにサイドから細かなサポートを行う「縁の下の力持ち」や「社内の何でも屋」的な存在です。

医療事務

医療事務は、病院・クリニックにおいて、受付、電話対応、患者対応、会計業務、レセプト作成などを担当します。医療という専門性の高い分野での業務になるので、レセプト作成においては病名や薬剤名、診療行為など医療の専門知識が必要になります。ほかにも、医療費の計算、診療報酬の請求書作成など、その病院の金銭に関わる業務も担当します。未経験でも採用されるケースも多く、特に女性に人気の事務職となっています

未経験から事務職に転職するメリット・デメリット

 メリット

  • 仕事を覚えやすい

事務職の仕事は比較的容易で簡単なものが多く、未経験でも覚えやすいというメリットがあります。また、日次的・週次的な業務が多く、同じ業務を何回も対応することになるので、その点でも仕事を覚えやすいのです。企業で使う書類などにはテンプレートやひな形があることが多いため、たとえパソコンのスキルがそれほどなかったとしても、それほど問題なく業務を進めることができます。

  • 残業が少ない

また、事務職では、基本的に残業がほとんどなく、突発的なトラブルでも起きない限り定時に退社できることが多いといえます。定時に退社できるということは、それだけプライベートの時間が増えるということですし、子育てをしながら仕事をしたい人にとっても働きやすい職種といえるでしょう。また、営業部の仕事とは違い、ノルマの達成を求められることもないので、ストレスを溜めることなく気楽に勤務することができます。

  • 体力が必要ない

事務業務はオフィスワークやデスクワークが中心なので、外を走り回るような体力は必要ありません。そのため、体力に自信がない人でも安心して業務に専念できます。また、事務職に求められる主なスキルは「パソコンスキル」と「コミュニケーション力」なので、これらの能力を身に付けていれば、どの会社の事務職でも年齢に関係なく長く働きやすいというメリットがあります。

デメリット

事務職のデメリットで多く聞かれるのが、「毎日同じ仕事の連続でつまらない」「ルーティンワークが多く刺激がない」など、いわば仕事へのやりがいが少ない、または機械的な業務に対して飽きてしまうという点が挙げられます。「もっと新しいことにチャレンジしたい」「もっとクリエイティブな現場で働きたい」「もっとキャリアアップしていきたい」という人にとっては不向きの職種といえるかもしれません。日々の業務を効率化または改善することにやりがいを見出すなど、自分でモチベーションを上げるための工夫も必要でしょう。

また、事務職というのは売り上げに直結する業務ではないので、どれだけ頑張って働いても評価されにくいという現状があります。毎日働いてもその努力や実績が認められない、給料も変わらないとなると、そんな日々の自分から脱却したいという気持ちも出る人も多いはずです。このようなケースでも、日々の業務で目標を定めて自分でやりがいを見出すことが大きな課題となります。

事務職で歓迎される能力

パソコンのスキル

事務職は、パソコン操作によるメール対応、書類作成、データ入力の仕事が多くなります。キーボード入力がスムーズにできれば、できるほどそれだけ仕事時間も短縮できます。この点で見ると、タッチタイピング(ブラインドタッチ)ができる、かつパソコン操作を正確かつスピーディーにこなせる人ほど歓迎されます。

オフィスワークではマイクロソフト製のツールを使うことが多いので、やはりワード、エクセルのスキルは重要視されます。特にエクセルは、演算や関数などのハイレベルな知識を有していると、対応できる業務の幅が広がり、会社からも重宝される人材となります。パワーポイントも使いこなせると、顧客へ提示する資料作成などを担当することも多くなるでしょう。

対応力・事務処理能力

事務業務においては、ルーティンワークを正確かつ効率的にこなすための柔軟な事務処理能力が必要になります。事務職は、パソコン作業や書類作成だけでなく、社内手配、来客対応、電話対応など業務の幅が広く、ときには処理が追い付かなくなることもあります。そのため、自分が担っている業務に優先順位をつけ、整理整頓しながら日々のルーティンワークをミスなく上手くこなせる対応力が求められます。

コミュニケーション能力

事務職というとデスクワークだけをこなしているというイメージもありますが、実際には所属部署だけでなく、他部署とのやり取りも多く発生するため、円滑に業務を進めるためのコミュニケーション能力も必要とされます。

企業側は、ただ単に黙々とデスクワークをこなす、あるいは受け身になって与えられた仕事をこなすだけの人材よりも、自分のほうからサポートを申し出るくらいの積極性のある人材を高く評価する傾向があります。誰かに言われなくても自分で先回りしてさまざまなサポートを行える人や社員が常に快適に仕事ができるように日々細かな気配りができる人といった、ホスピタリティ能力の高い人材ほど歓迎されます。

ビジネスマナー

社会人として、また企業に勤める社員として、基本的なビジネスマナーを習得は絶対に必要です。基本的な敬語の使い方や茶出しのマナーなどが要求されます。他にも、メール対応における文章の書き方、電話対応における言葉の使い方、来客者への対応の仕方などが挙げられます。

ちょっとした失礼な行為、ビジネスマナーに反した行為が、その会社の利益を大きく損なう可能性があるため、会社にとって不利益にならないような言動が常に求められるのです。

事務の仕事に役立つ資格

MOS(Microsoft Office Specialist)

MOSは、ワード、エクセル、パワーポイント、OutlookなどOfficeソフトの操作スキルを有していることを証明する国際資格です。スペシャリストとしての資格を保持していればある程度のOfficeソフトの操作が可能であることを証明することができるため、就職時に高いアピールポイントとなり、他の求人応募者と大きな差をつけることができます。

MOSは実技試験で合格すれば資格を取得することができます。また、バージョンとアプリケーションごとに試験が用意されているので、MOSの資格を得たいという人は基本的に最新バージョンの試験を受験することをおすすめします。
なお、ワードとエクセルに関しては上級レベルのスキルを証明する「エキスパート」の資格もあります

日商簿記検定

日商簿記検定は、日本商工会議所が実施している簿記(経理・会計など)に関する知識や技能を証明する検定です。「初級」「3級」「2級」「1級」の4種類があり、3級以上の資格を取得していれば事務職の転職活動において高いアピールポイントになります。1級以外は毎月ネットから試験を受けることができるので、ネット環境さえあれば場所を選ばず資格取得を目指すことができます。経理事務はもちろんのこと、一般事務でも経理を兼任することがあるので、この資格を取得しておくと企業からも歓迎されやすく、事務職への就職が有利に働きます。

秘書検定

秘書検定は、社会人としてのビジネスマナーや立ち居振る舞い、さらに一般常識や敬語の使い方といった能力を筆記試験と面接試験で測る検定です。「3級」「2級」「準1級」「1級」の4種類があり、級が上がるごとに秘書としての求められる質が高くなります。事務職においても社内外の対応で同じような能力が求められるため、秘書検定の資格保持者は企業によって歓迎されるポイントになります。

未経験でも頑張り次第で事務職に就職できる!

 全くの未経験であっても、必要なスキルや能力さえあれば事務職への就職も可能です。しかし、事務職にはいくつかの種類があるため、まずは自分が希望する事務職の種類を決めておきましょう。就職成功の可能性を高めるためには、それぞれの事務職で必要になるスキルや能力を理解し、可能な限り事前に習得しておくことが大切です。簿記など専門的な資格を取得しておけばそれだけ人材として重宝されるので、採用される可能性は高まるといえます。

キャリアスタート株式会社では、未経験者歓迎の事務職の求人も取り扱っています。企業や職種によって事務職の内容や求める人材も異なるので、まずは面談にてお気軽にご相談ください。