卒業後の就活でも大丈夫!既卒者の就職活動状況・成功させるポイント!
「学校を卒業したけれど、就職先が決まっていない。これから就職できるのかな?」
「既卒者としての就職活動のやり方がわからない…」
このようなお悩みはありませんか?
実は、既卒者でもしっかりと準備をすれば就職先が決まりやすいんです!
この記事では、既卒者の就職状況と就職方法を解説しています。
併せて既卒者の就活成功方法も紹介しますので、これから就職活動をする人はぜひ参考にしてください。
1.卒業後に就職する場合は『既卒』扱いになる
既卒とは、大学や高校、専門学校などを卒業した後に正社員として一度も働いた経験のない人のことです。
既卒になる理由としては、「在学中に就活をしなかった」「希望する企業に採用されなかった」「留学をしていたため、就活ができなかった」「資格試験や公務員試験で不合格となってしまった」などがあげられます。
このように、既卒になった理由はさまざまですが、特に多いのは「就職活動がうまくいかなかった」という理由のようです。
(1)既卒と第二新卒のちがいとは?
既卒と似た言葉で「第二新卒」という言葉もあります。
どちらも教育機関を卒業して1~3年程度の人という共通点がありますが、大きな違いは、社会経験の有無です。
正社員として一度も働いたことのない既卒に対して、第二新卒は正社員としての勤務経験があります。
つまり、第二新卒は学校卒業後に一度は会社に就職したものの、何らかの理由で3年以内に離職した人のことを指します。
既卒は学校卒業後3年以内であれば新卒枠で求人に応募ができますが、第二新卒は新卒枠での応募はできません。
とはいえ、中途採用枠では既卒よりも社会経験がある第二新卒が評価されるケースもあります。
既卒は新卒で就職できなかったこと、第二新卒は早期退職したことを企業から不安視される可能性が考えられるでしょう。
(2)既卒とフリーターのちがいとは?
フリーターとは、パート・アルバイトとして働く若年者のことを指します。
就職先が決まらないまま学校を卒業して、アルバイトで働いている場合、既卒とフリーターのどちらにも当てはまります。
要するに、既卒とフリーターは両立する概念なのです。
ただし、正社員として就職した後に退職してアルバイトをしている場合は、フリーターではありますが、既卒ではありません。
2.大学卒業後の就活について
ここでは、各データを引用しながら既卒者の就職活動について解説します。
順に説明します。
(1)既卒が新卒扱いされるのはいつまで?
既卒者は、「新卒採用枠」と「中途採用枠」のどちらでも応募することができます。
ただし、「新卒採用枠」に応募する人は、基本的に卒業後3年以内であることが求められます。
2010年、厚生労働省は既卒者の応募機会を拡大するため、「青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針」を一部改正しました。
その改正内容には、少なくとも卒業後3年間は、新卒枠として既卒者が応募できるようにすることが記載されています。
企業によっては、卒業後3年経っていても「新卒枠」として受け入れてくれる場合も考えられますが、ほとんどの企業は卒業後3年以内が「新卒枠」であると考えた方が良いでしょう。
(2)既卒者の新卒枠での受け入れは増えている?
前項の「青少年雇用機会確保指針」の改正から、既卒者を受け入れる企業が増えてきています。
以下は、株式会社マイナビが企業へのアンケートをもとに作成した既卒者応募受け入れ予定です。
引用:既卒者採用の10年間とこれから|マイナビキャリアリサーチLab
2012年時点では、既卒を新卒として受け入れる企業は全体の32.9%にとどまっていますが、2022年にはその数値が54.1%まで増えています。
また、厚生労働省公表の「令和3年労働経済動向調査」では、新卒採用を行った事業所のうち「既卒者は応募可能」とする事業所の割合は 68%という結果が出ました。
平成 28年の労働経済動向調査では、新卒者の採用枠で既卒者を応募可能としていた事業所の割合は、43%だったため、この5年間でも既卒を受け入れる企業が増加していることがわかります。
このように、企業側も既卒を受け入れる体制が整ってきているため、既卒者の就職のチャンスは広がっているといえるでしょう。
(3)既卒者が就活で苦労することは?
前項で、既卒を受け入れる企業は増加傾向にあると解説しました。
一方で、既卒者募集をしている企業を見つけることの難しさを感じている既卒者が多く存在します。
以下は、マイナビ公表の「2021年度既卒者の在学時・卒業後の活動実態調査」です。
引用:既卒者採用の10年間とこれから|マイナビキャリアリサーチLab
既卒者が就職活動を行う中で苦労したことを聞く質問で、「既卒者募集をしている企業が探しづらい」「既卒者の募集が少ない」という回答が上位にあがっています。
既卒の採用が広がっている中で既卒者が求人を見つけられない理由は、既卒受け入れについて求人に明記していない企業が一定数いるためと考えられます。
以下は、マイナビが企業に対して行った「2022年新卒採用予定調査」です。
引用:既卒者採用の10年間とこれから|マイナビキャリアリサーチLab
上記のデータから、求人情報を出す際に既卒受け入れを示す企業が6割以上あるものの、既卒受け入れを検討していながらも求人情報にその旨を記載していない企業も存在することがわかります。
つまり、既卒が就職活動をするときに、既卒の採用枠がある企業を探すことは容易ではないのです。
就職エージェントは、求人に明示されていなくても既卒受け入れを行っているといった企業情報を持っています。
多くの求人情報を効率的に得るためにも、既卒者には就職エージェントの活用をおすすめします。
3.既卒の就職活動の進め方
マイナビが行った「既卒者の在学時・卒業後の活動実態調査」では、既卒者が就活で大変と感じたことの1位は「既卒者としての活動の仕方がわからない」ことでした。
引用:既卒者採用の10年間とこれから|マイナビキャリアリサーチLab
また、同調査で既卒者に在学中の就職活動の反省点を聞くと、「自己分析が不十分だった」「面接対策が不十分だった」「業界研究・企業研究が不十分だった」が多いという結果が出ました。
引用: 2021年度既卒者の就職活動に関する調査|マイナビキャリアリサーチLab
ここでは、上記のデータも踏まえて既卒の就職活動の進め方を以下4つのステップに分けて解説します。
順に説明します。
(1)就活のスケジュールを立てる
まずは、いつまでに就職決定したいのかを決めて、そこから逆算して計画を立てましょう。
当たり前のことのようですが、既卒は「卒業」という区切りがある学生(新卒)とは異なり、目標の就職時期を決めておかないと、就活が長引く可能性があります。
「既卒が新卒扱いされるのはいつまで?」でも解説したとおり、既卒者が新卒枠で応募できるのは基本的に卒業後3年までなので、計画的に動いた方が良いでしょう。
また、「○日までに就職エージェントに相談する」「○日までに応募企業を絞る」といった具体的なスケジュールを決めることで、就職へのモチベーションも維持できます。
(2)自己分析をする
次に、あなたがやりたいことや将来の目標、企業選びの基準などを考えてみましょう。
その際に、これまでの経験や自身の考え方、得意なことなどを整理すると、より自己理解が深まります。
ここをしっかりと考えておくことで、数多くある求人情報から自分に合う会社を探すことができますし、就職エージェントの個人面談でも自分の考えを伝えやすくなります。
また、自己分析を行う際には、「なぜ既卒者として就活することになったのか」もしっかりと分析しましょう。
在学中の就活に失敗した場合はその原因を考えておくと、同じ失敗を繰り返さないように意識することができます。
(3)求人を探す・企業研究を行う
入社したい企業の基準が定まったら、求人情報を探しましょう。
求人を探す際には求人サイトを見るだけでなく、エージェントに登録した方がより多くの情報を得られるのでおすすめです。
興味のある企業を見つけたら、丁寧に企業研究を行います。
この時のポイントは、その企業ならではの商品・サービス、社風、考え方、魅力などがないか考えることです。
また、企業が求める人材と自分の強みがマッチしているかどうかを見極めることも大切といえます。
入社後のミスマッチを防ぐことができ、やりがいのある仕事に就けるでしょう。
(4)採用試験準備・対策をする
応募する企業が決まったら、いよいよ採用試験準備・対策を始めます。
この時のポイントは、一般的な面接対策に加えて、既卒者ならではの質問に対する答えをしっかり考えておくことです。
以下は、マイナビが企業に対して行った「企業新卒採用予定調査」の結果となります。
引用:既卒者採用の10年間とこれから|マイナビキャリアリサーチLab
こちらのデータから、6割以上の企業が既卒者との面接で、「在学中に就職活動を行わなかった理由」「在学中に終了しなかった理由」を確認することがわかりました。
企業としては、「就活をきちんとしなかった結果、既卒になったのではないか」「何か大きな問題があるのではないか」といったことを懸念しています。
そのため、既卒として就活している経緯は答えられるようにしておきましょう。
その際に気を付けたいのは、「アルバイトが大変だった」や「単位を取るのに必死だった…」など、何かのせいにしないことです。
既卒になった理由を明確にしたうえで、反省点や今後の展望を述べるようにしましょう。
また、企業の人事担当者が既卒者に期待することは、「卒業後の経験による成長や気づき」と「入社したいという熱意」でした。
引用:既卒者採用の10年間とこれから|マイナビキャリアリサーチLab
このことから、自己PRや志望動機の準備は徹底して行うことの大切さがわかります。
より良い選考対策ができるよう、就職エージェントなどを活用して、第三者に志望動機や面接を見てもらうと良いでしょう。
以下の記事では、既卒のアピールポイントについて解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
4.既卒の就活を成功させる5つのコツ
ここまで、既卒の就職状況と就職活動の仕方を解説しました。
最後に、既卒が納得いく就職を叶えるためのコツを以下5つ紹介します。
順に説明します。
(1)早めに就活をはじめる
「既卒が新卒扱いされるのはいつまで?」でも紹介したとおり、既卒が中途採用枠に加えて新卒枠に応募できるのは基本的に卒業から3年以内です。
年齢が若いうちは、成長する可能性を期待して既卒の受け入れを強化している企業も少なくありません。
しかし、年齢が上がっていくと新卒枠採用を設けている企業が減少することに加えて、企業側も即戦力になる人材を求めます。
また、中途採用枠の場合でも、年齢を重ねるにつれて社会人経験を積んだ人の応募が増えていきます。
このことから、早い段階で就職活動を行った方が、よりあなたが希望する会社に就職できる可能性が高いといえるでしょう。
(2)自分の将来像ややりたいことを明確にする
マイナビ公表の「企業新卒採用予定調査」では、企業が既卒者に期待しているのは「卒業後の気づき」と「企業への熱意」であることがわかりました。
引用:既卒者採用の10年間とこれから|マイナビキャリアリサーチLab
そのため、卒業後の経験を整理して、そこから得た学びは何か考えてみましょう。
また、企業研究を徹底して行うことで志望動機の説得力が高まり、採用担当者に企業への熱意を伝えることができます。
(3)視野を広げて情報収集を行う
既卒の就職活動では、さまざまな企業に目を向けることが大切です。
企業の知名度や規模だけを重視すると、可能性が狭まってしまいます。
有名な企業だけが優良企業とは限らず、一般的にそれほど知名度が高くなくても、上場する実力がある会社や業界では有名な企業も存在します。
また、業界や職種も限定しすぎると、応募できる企業がほとんどないといったことにもなりかねません。
自分のやりたい仕事や挑戦したいことなどの目標は持ちつつも、求人を絞りすぎず、少しでも興味のある業界や職種があれば調べてみましょう。
(4)積極的に応募する
マイナビ公表の「2019年度既卒者の就職活動に関する調査」によると、既卒者の活動量は現役学生と比較すると少ないようです。
調査時点での内定率は、既卒者が43.3%、現役学生が82.6%であることから、活動量が内定率に影響を及ぼしていることがわかります。
引用:マイナビ 2019年度既卒者の就職活動に関する調査|マイナビキャリアリサーチLab
上記のデータから、既卒は就活を優先して積極的にアクションを起こした方が、就職先が決まりやすくなるといえるでしょう。
(5)就活を支援してくれるエージェントを活用する
既卒が就職活動を行う上では、就職エージェントを活用することも重要です。
エージェントでは、就職をトータルサポートしてくれるため、1人で就職活動をするよりも効率的でスピーディーに就活を進めることができます。
キャリアのプロの客観的な視点が入ることで、あなたの強みや希望に合う求人情報、自分では思いつかなかった業界や職種、企業などを知ることができたり、企業に合わせた効果的な選考対策が可能となります。
より良い就職活動をするためにも、就職エージェントに相談しましょう。
以下の記事では、既卒の就活について詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
まとめ
本記事では、既卒者の就職活動について解説してきました。
近年、既卒を受け入れる企業は増加傾向にあり、既卒にもチャンスが広がってきています。
とはいえ、一部の企業では採用ページに既卒の採用について明記しておらず、求人情報を探すことに苦労する既卒者は少なくありません。
また、新卒に比べて既卒は就職に関する活動量が少ないことも内定獲得を困難にしている原因と考えられます。
就職エージェントでは、既卒の採用枠を設けている企業の情報提供しており、就職活動の支援もしています。
納得いく就職活動をしたい既卒の人は、ぜひエージェントを活用しましょう!