「施工管理はどのようなキャリアで進むの?」
「施工管理でキャリアアップするにはどんなスキルが必要なの?」
施工管理業界に転職を検討している方の中には、施工管理のキャリアプランに興味を持っている方もいるのではないでしょうか。
施工管理では、何段階にも分けてキャリアを進めていくので、事前にキャリアプランニングをしておくことが重要です。
本記事では、施工管理の主なキャリアプランやキャリアアップに必要なスキルについて紹介します。
この記事を読めば、施工管理業界でどのようにキャリアを進められるのか理解できますよ!
1.施工管理のキャリアプラン
施工管理のキャリアプランについて紹介します。
主なキャリアの流れは以下のとおりです。
施工管理業界でどのようにキャリアステップしていくのかイメージしてみましょう。
(1)未経験から実務経験
施工管理会社に就職したら、基礎的な実務経験を積むことになります。
主な仕事内容として、四大管理が有名です。
四大管理には、以下のような業務があります。
業務 | 業務内容 |
工程管理 | 決められた工期までに建築物を完成させるために、全体のスケジュールを管理する仕事 |
原価管理 | 予算の範囲内で工事が完遂できるように必要な資材や人件費などの原価を管理する仕事 |
品質管理 | 建物の品質を発注者が求める基準に合わせる仕事 |
安全管理 | 怪我や死亡事故など最悪のケースを防ぎ、全ての工程が安全に行われるような作業環境を確保する仕事 |
これらの業務が施工管理のメインですが、以下のような業務も大切です。
- 設計や計算などの事務作業
- 現場の作業工程写真の撮影
- 近隣住民・会社への挨拶
- 現場の清掃業務
施工管理は工事に関する業務を総合的に管理する仕事なので、業務量が多いです。
しかし、いきなり全ての業務を覚える必要はなく、現場で働きながら少しずつ覚えていけば問題ありません。
数年かけて全体の業務内容を把握しましょう。
(2)施工管理技士2級の取得
キャリアアップを狙うのであれば、施工管理技士2級の取得をおすすめします。
施工管理技士とは、建設業の特定業種技術を認定した国家資格です。
施工管理技士2級を取得することで、施工管理に必要な知識やスキルがあると認められ、昇給や昇進が期待できます。
自分の価値を施工管理業界で高めるために必須の資格なので、向上心がある方は時間を調整して取得しておきましょう。
(3)大企業に転職
施工管理技士2級を取得することで、大企業に転職できる可能性が高まります。
専門的な知識やスキルを所有している人材は、他企業からも求められる存在になるため、優れた労働環境を求めて大企業への転職も可能です。
現職場の環境を気に入っている場合は、昇進・昇給を選択するのも選択肢の1つですが、現状に不満を抱いている方や高待遇を求めている方は、転職も検討してみましょう。
(4)施工管理技士1級の取得
施工管理技士2級を取得したら、次は1級の取得を目指しましょう。
施工管理技士1級は、施工管理業界で最上位の資格です。
そのため、施工管理業界においてあなたの価値が最大まで高くなります。
施工管理技士1級を取得すれば、数多の施工管理会社から引っ張りだこになるため、自然と年収がアップするでしょう。
あなたの納得できる環境で働ける可能性が高くなるので、自分の価値を高めるために施工管理技士1級の取得をおすすめします。
なお、施工管理技士1級を取得するには、2級取得後5年経過していなければなりません。
受験できるまで期間に余裕があるので、計画的に勉強を進めておきましょう。
(5)ゼネコンに転職
施工管理技士1級を取得した後は、ゼネコンに転職しやすくなります。
ゼネコンは施工管理技士1級取得者を求めているので、転職市場で価値ある人材として自分をアピールできるでしょう。
施工管理会社の中でもゼネコンに転職すると、年収の大幅アップが期待できます。
より良い環境で働くために、ゼネコンへの転職を検討してみましょう。
(6)施工管理業界で独立
従業員のキャリアとして行き着くところまで行ったら、独立することも選択肢の1つです。
施工管理技士1級としてキャリアを積んだら、50代あたりから独立を視野に入れることもできます。
経営者としてのスキルが求められ、必ずしも成功するとは限りませんが、施工管理技士としてスキルが高ければ、自分の会社を持つことに挑戦するのも1つです。
仮に失敗したとしても、再び施工管理技士1級として転職すれば、高い年収も期待できます。
ゼネコンの労働環境に満足している場合は定年まで働くのも問題ありませんが、人の元ではなく自分の意思で働きたい場合は、独立も検討してみましょう。
2.大卒と高卒のキャリアプランの違い
大卒と高卒では、施工管理のキャリアプランは異なります。
上記で紹介したキャリアプランは、高卒の場合です。
大卒の場合は、新卒枠でいきなりゼネコンに就職できる可能性があります。
もし最初からゼネコンで施工管理のキャリアをスタートした場合は、そこから施工管理技士1級までの取得を目指すルートになるでしょう。
20代後半から30代前半で高収入を夢ではないので、新卒枠で就活する方は、競争は激しいですが大手企業に挑戦する価値は高いです。
3.施工管理でキャリアアップするために必要なスキル
施工管理でキャリアアップするために必要なスキルを紹介します。
主に求められるスキルは以下の3つです。
これらのスキルに自信がある方は、施工管理に向いているでしょう。
(1)マルチタスクスキル
施工管理の仕事はさまざまな業務が連動して行われるため、マルチタスク能力が高い人は重宝されます。
キャリアアップするほど、任される業務の範囲が広くなるので、1つの作業を進めながら他の業務にも注意を払わなければなりません。
そのため、施工管理技士として活躍するには、広い視野で全体の動きを管理することが求められるでしょう。
(2)柔軟な対応力
工事期間中は予期せぬトラブルが多発するので、臨機応変な対応が求められます。
たとえば、悪天候が続き、計画よりも作業が遅れている場合、工期が後ろにずれるかもしれません。
また、近隣住民からクレームがきたり、従業員に非常事態が発生したりすることもあります。
工事を完遂させるために、柔軟な対応が強いられる場面があることを想定しておきましょう。
(3)スケジュールの管理能力
スケジュール管理能力も施工管理で働く上で重要です。
施工管理には、建築物の工事を期間内に完成させる責任があります。
工事の進捗状況を逐一把握し、スケジュールに遅れが出ていないか小まめに確認しなければなりません。
また、イレギュラーなトラブルが発生するたびにスケジュールを調整する必要があります。
スケジュールを管理できない人は、関係者から信頼を得られないので、施工管理技士としてキャリアを積みたい方は、スケジュール管理の意識を持っておきましょう。
まとめ
施工管理のキャリアプランは大卒と高卒では大きく異なります。
高卒は現場からキャリアをスタートし、施工管理技士の資格取得後、大きな会社に転職する流れになりますが、大卒は新卒枠でゼネコンに入社するのが理想です。
施工管理業界でキャリアアップするには、マルチタスクスキルや柔軟な対応力、スケジュール管理能力は必須なので、これらのスキルを身につけておきましょう。