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年功序列の企業で働くメリット・デメリットは?成果主義との違いも解説

年功序列の企業で働くメリット・デメリットは?成果主義との違いも解説

年功序列は日本の企業で長く採用されてきた仕組みであり、勤続年数に応じて昇進や給与が上がるといった特徴があります。

年功序列は安定して長期間働きやすい環境が整っているメリットがある一方、成果主義とは評価基準が異なるため、人によっては働くモチベーションが下がるようなデメリットも見られます。

この記事では、年功序列のメリットとデメリットを解説しつつ、成果主義との違いや年功序列の企業が多い業界まで詳しく解説します。どんな企業に就職したいか悩んでいる人は、記事の内容を参考にしてみてください。

年功序列とは

年功序列とは、従業員の勤続年数や年齢に応じて昇進や給与が決まる人事制度のことを言います。戦後の日本の高度経済成長期に広く普及し、終身雇用と並ぶ企業文化として年功序列は多くの会社で根付いてきました。

年功序列の最大の特徴は、能力や仕事での成果よりも勤続年数の長さが評価される仕組みにあり、従業員にとっては長期的な雇用の安定が守られる点です。ただし、昨今は成果主義が広まってきていることもあり、年功序列そのものが見直されつつあります。

そのため、すべての企業で年功序列が維持されているわけではなく、会社によっては成果主義が導入されていることもあるため、仕事選びの際は、応募しようとしている企業が年功序列か成果主義のどちらに属するかを調べておくことが重要です。

年功序列の企業で働くメリット

年功序列の企業で働くことで、安心して長く働けたり、将来の昇給スピードや金額が事前に分かることからライフプランを考えやすいといったメリットがあります。

また、従業員全員が年功序列で昇給していけるという共通認識を持っていることから、仕事のプレッシャーが低く、指示を持って働けるといったメリットも見られます。

ここからは、年功序列の企業で働くメリットを4つの観点から解説していきます。

腰を据えて安心して働ける

年功序列では、勤続年数に応じて給与や役職が上がるため、安定したキャリア形成が可能です。優れた結果を出せなくても昇格していけることから精神的なプレッシャーが少なく、長期的な視点で働ける点が安心できるポイントです。

また、年功序列の企業は平均勤続年数が高くなりやすい傾向にありますので、働く期間が長くなればなるほど顔なじみの社員が増え、社内の人間関係を築きやすい傾向があります。特にライフイベントを重視する人にとっては、年功序列の企業で安定した収入が見込める事は大きな安心感に繋がるでしょう。

結婚や子育てを計画する上でも年功序列はメリットとなりますので、腰を据えて安心して働きたい人にとっては理想的な職場環境と言えます。

ライフプランを考えやすい

年功序列は給与が緩やかに右肩上がりになることがほとんどであり、将来の収入をある程度予測できるといった特徴があります。したがって、住宅の購入や教育費の計画など、長期的なライフプランを立てやすいといったメリットがあります。

若手のうちは給与が少なかったとしても、年齢を重ねることで昇給していけるため、将来的にまとまったお金が必要になるタイミングで安定した生活基盤を築けている可能性が高くなります。

一方、成果主義の場合は収入が業績に左右されることから給与が不安定になりがちですが、年功序列では一定の昇給が保証される会社が多く、人生設計でも安心感を感じやすいでしょう。

成果を求められるプレッシャーが低い

成果主義の企業では、短期間での業績達成が強く求められる傾向が強くストレスを感じやすい働き方となりますが、年功序列の職場では業績が評価に大きく影響しないため、成果を求められるプレッシャーが低く精神的にも安心して働けるようなメリットがあります。

したがって、過度な競争を避けたい人や、自分のペースでコツコツと努力をしていく働き方を実現したい人にとっては、年功序列の企業が適していると言えます。特に営業職や企画職など、数字や成果でパフォーマンスが求められるような仕事において、年功序列と成果主義の企業それぞれでは働き方が大きく変わってくることは注意してください。

年功序列の企業では仕事で感じるストレスが少なくなりやすいことから、ワークライフバランスを保って仕事と家庭を両立したい人や、長期的にキャリア形成をしていきたい人にとって嬉しいポイントでしょう。

指示を待ちながら働けることが多い

年功序列の職場では、自分で仕事を探して成果を出すよりも、上司や先輩の指示に従いながら業務をこなしていく姿勢が重視されやすい傾向があります。したがって、自分で積極的に目標を見つけて働くことが苦手な人でも、安心して働けるといったメリットが挙げられます。

特に未経験職種への転職を目指す人にとっては、常に先輩の指示を受けながらやるべきことに取り組んでいく働き方が、ストレスフリーな日々に繋がります。また、スキルを段階的に習得しやすく、じっくりとキャリア形成を進めていくことが可能です。

自主性よりもチームワークや協調性を重視する人にとって、年功序列の仕組みはメリットが大きいと言えます。

年功序列の企業で働くデメリット

年功序列の企業は様々なメリットがある一方で、どれだけ仕事で頑張って評価を出したとしても給与に反映されにくかったり、働き始めの頃は給与が低くなりがちなため、同年代よりも稼げていないと感じる可能性があるといったデメリットがあります。

また、評価に納得感が出にくかったり、仕事にマンネリ感を感じやすいなど、人によっては働くモチベーションを維持しにくいと感じることもあるでしょう。

ここからは、年功序列の企業で働くデメリットについて4つの観点から解説します。メリットと合わせて理解しておき、就職先選びに役立ててみてください。

評価に納得感が出にくい

年功序列の企業では、勤続年数が評価基準の大半を占めるため、成果を上げても昇進や昇給が決まるわけではありません。その結果、努力や実績が正当に評価されないといったネガティブな感情に陥りやすいデメリットが挙げられます。

特に若手からどんどん仕事に取り組んで活躍していきたいと考えている人にとっては、働くモチベーションが低下する要因となりえます。場合によっては、自分よりも明らかに頑張っていない社員の方が、「勤続年数が高いから」という理由だけで評価されることもあるでしょう。

評価に納得感が出にくいと、成長意欲の高い人ほど他の企業に転職したいと考えるようになるため、自分が仕事を通じてどのように働いていきたいか、あらかじめ自己分析しておくことが大切です。

頑張っても給与に反映されにくい

成果主義の会社であれば、短期間での実績がそのまま給与やボーナスに反映されることが多いものの、年功序列ではそういった仕組みがほとんどありません。どれだけ頑張って成果を出しても、勤続年数が浅いうちは給与が上がる事はほとんどなく、やりがいを感じにくいデメリットがあります。

特に成果を出し続けて高い評価を受けたいと考えている人だと不満が溜まりやすく、転職を検討する理由にすらなりえます。

加えて、業界によっては同年代と比較して、年功序列の企業の方が給与が低く見えることもあるため、「このままの働き方ではダメだ」などと勤め先にネガティブな印象を感じてしまうことも考えられます。

同年代よりも給与が低いと感じやすい

年功序列の給与体系だと、若手のうちはどうしても給与が低く設定されがちです。したがって、成果主義の会社で働く同年代と比べると給与が低いと感じてしまい、働くモチベーションそのものを大きく避けてしまうようなリスクが考えられます。

分かりやすい例で言えば、IT業界のエンジニアは年功序列の企業の場合20代で年収が400万円前後にもかかわらず、成果主義の企業だと600万円以上の年収が稼げるようなこともあります。

こうした比較をしてしまうと、将来的に昇給が見込めるとしても、若い時期の収入に納得ができずに転職を考えることに繋がりかねません。

働くことを、「生活するために仕方なくやっていること」と割り切っている人であれば問題ないかもしれませんが、仕事を通じて成長や収入アップを期待するような人からすると、年功序列にはデメリットが大きいと感じる可能性があります。

仕事にマンネリ感を感じやすい

年功序列の職場では勤続年数が評価基準となりますが、裏を返すと、長年働かないと責任の大きな仕事を任せてもらえないとも言えます。したがって、若手の内は同じ作業を長期間続けることも珍しくなく、仕事にマンネリ感を感じやすいといったデメリットがあります。

加えて、年功序列の企業は上司からの指示以外の新しいチャレンジがそもそも歓迎されにくいこともあり、入社して数年間はキャリアの幅を広げにくいといったデメリットも見られます。

仕事に刺激や成長を求めたい人にとっては、年功序列の働き方が物足りなさを感じることに繋がるかもしれません。

年功序列の企業が向いている人の特徴

年功序列の企業は、仕事を通じてどのような経験をしたいかによって、向き不向きが変わってきます。例えば、1つの企業で長く勤めたい人であれば年功序列の企業が向いているでしょう。

また、勤続年数に応じて徐々に任される仕事の幅が広がっていくようなキャリアになりますので、これから未経験就職をしたい人や、ゆっくりとスキルを身に付けていきたい人にとっては、年功序列の企業がプラスに働くことが多くなります。

ここからは、年功序列の企業が向いている人の特徴を3つの観点から解説していきます。どれか1つにでも当てはまる場合は、年功序列の企業への就職も検討してみると良いでしょう。

一つの企業で長く勤めたい人

年功序列は勤続年数がそのまま評価に直結するため、長期間にわたって同じ会社で働きたい人に向いています。努力や成果よりも在籍年数が重視される社風ということもあり、コツコツと真面目に業務に取り組めば、昇給や昇進が保証されやすい点は安心感に繋がります。

特に転職を繰り返してスキルアップするよりも、安定した人間関係や職場環境を維持しながら働きたい人にとっては魅力的に感じられるでしょう。また、長期的なライフプランが設計しやすく、結婚や子育てといった大きなライフイベントを見据えた働き方も実現しやすい点も特徴です。

周りの環境の変化や業務が大きく変わることにストレスを感じやすい人には、年功序列の企業が向いていると言えます。

これから未経験就職をしたい人

年功序列の企業は、即戦力を前提とする成果主義の企業とは異なり、経験がなくても勤続年数を重ねることで徐々に評価が上がり、キャリア形成が実現できます。特に段階的に業務を覚えやすい環境にあるため、未経験から就職する人にとって向いている仕組みと言えるでしょう。

また、年功序列の企業だと中長期的な研修制度が整っていることが多く、未経験での就職をした人でも、長期的に働く意欲さえあればじっくりと仕事に向き合っていけます。

これまで職歴がない中で、正社員として腰を据えて働いてる会社を探したい場合は、年功序列の企業を中心に見ていくことをおすすめします。

ゆっくりとスキルを身につけていきたい人

年功序列の企業では、即戦力を求めるよりも長期的に人材を育成していくような傾向が強いため、ゆっくりとスキルを身に付けていきたい人に向いています。成果主義のように短期間で結果を出さなければならないプレッシャーが少ないだけでなく、自分のペースで上司の指示に従って経験を積んでいくことが可能です。

したがって、就職後に焦って働くのではなく、基礎を着実に固めていきたい人や、段階を踏んで無理なくキャリア形成をしていきたい人であれば、年功序列の企業は非常にマッチしています。

加えて、周りの従業員の勤続年数も長くなりやすいことから、特定の業界や職種で活かせる専門的なスキルを高めたい人にも嬉しい制度と言えるでしょう。

年功序列を廃止する企業が増えている理由

いくつかのデメリットはありつつも、安定して長期的なキャリア形成が築けるといったメリットがある年功序列ですが、昨今ではそんな年功序列を廃止する企業が増えている傾向が見られます。

年功序列の廃止が増えてきているのは、時代的に即戦力が求められる傾向になってきていることが大きな理由として挙げられます。

また、世界的に変化が激しくなってきていることや、転職も一般化してきていることから、今までのような年功序列が通用しない時代になっているのも、年功序列の廃止に繋がっていると考えられます。

ここからは、年功序列を廃止する企業が増えている理由について、3つの観点から解説していきます。

即戦力が求められる傾向になっているから

昨今では、勤続年数よりも即戦力として成果を出せる人材が強く求められています。これは、今まで以上に転職による人材の流動性が高まっているとともに、少子高齢化によってそもそもの働き手が少なくなっていることが原因と考えられています。

こうした変化があり、従来のような在籍年数で評価する年功序列の仕組みは時代に合わなくなりつつあります。特にIT業界やベンチャー企業では、既に多くの会社で成果主義が定着していて、経験やスキルを持っている人材を即戦力として採用する動きが広がっています。

特に技術力や成果が業績に直結するような業界や職種においては、即戦力を求めるために年功序列を廃止するケースが増えてきています。

世界的に変化が激しくなってきているから

ITの技術革新を受け、世界のグローバル化やテクノロジーの進展が目まぐるしく進んでいます。このように世界的にビジネス変化が激しくなってきている状況においては、勤続年数を前提とした年功序列の仕組みがスピードに対応しきれないのが実態です。

加えて、海外の会社が成果主義を導入していることもあり、日本企業もその影響を受け、グローバルの競争力を維持するために年功序列から成果主義にシフトしている企業も増えてきています。

昨今ではどれだけ優れた技術や製品であっても、数年経てば風化してしまうような状況でもあり、変化に迅速に対応できる仕組みとして成果主義が選ばれるようになってきていることが、年功序列を廃止する企業が増えている理由の一つです。

転職が今まで以上に普通になってきているから

従来は同じ企業で定年まで働くのが一般的なキャリアでしたが、現代では転職がキャリア形成の一つとして当たり前になってきています。

したがって、勤続年数に依存する年功序列制度は、むしろ転職を後押しするようになってきており、時代の変化に合わせるために年功序列を廃止する企業が増えています。

働く若者側もSNSで同年代の活躍を目にする機会が増えてきていることもあって、短期間で成果を出して評価されたいと考える人も増加傾向にあります。こうした成長意欲の高い若者を獲得するために、成果主義を導入する企業が増えています。

年功序列の企業で働きたい人におすすめの業界

年功序列は日本において下火な傾向になってきてはいるものの、長期的に安心して働けるというメリットは成果主義にはない特徴です。もし年功序列の企業で働きたい場合は、平均勤続年数が長かったり、世の中のインフラになっているような業界の求人を中心に検討することがおすすめです。

具体的にいうと、金融メーカーなどの業界は歴史が長く、現代においても年功序列が根強く残っている企業が多い傾向にあります。これらの業界は、世の中のインフラとしての役割も強く、将来的にも年功序列の働き方を維持しやすいと考えられます。

ここからは、年功序列の企業で働きたい人におすすめの業界を3つ解説していきます。

金融業界

金融業界は経済的なインフラを支えており、会社としての安定感が求められる結果、年功序列の文化が根強く残っています。銀行や証券、保険といった大手企業では、勤続年数を重ねることで昇進や昇給が進みやすく、安定したキャリアパスが築けます。

また、教育体制が整っている会社が多い点も特徴で、第二新卒にしろ中途入社にしろ、長期的に働きたい人におすすめです。加えて、金融業界で勤めるだけで社会的信用が高まりやすかったり、給与水準も高いなど、ライフプランを重視する人にとって適した選択と言えます。

ただし、一部の証券会社や保険会社では、強い成果主義にシフトしていることもありますので、あらかじめ求人票を見て働き方をチェックしておくことがポイントです。

メーカー

メーカーは大手企業や中小企業を問わず、従業員を長く雇用して育てるような年功序列の文化が根付いています。特に自動車や機械、化学などのメーカーにおいては、長期的なスパンで経験を積むことが求められるため、勤続年数と評価が直結しやすい傾向にあります。

また、成果よりもプロセスやチームワークを重視する風土が強く、昔ながらの会社が多いと感じることもあるでしょう。平均勤続年数が長い会社も多いため、長期的なキャリア形成を目指している人にとっては魅力的な業界と言えます。

公務員

公務員は典型的な年功序列制度が採用されている働き方です。勤続年数に応じて昇進や昇給が行われ、安定した雇用と収入を得やすい点が最大のメリットです。

特に国家公務員や地方公務員では、明確に年功序列制度が整備されており、ライフプランを立てやすいと感じられるでしょう。また、成果主義のように仕事で実績を残すようなプレッシャーが少なく、安定志向が強い人や社会に貢献しながら長く働いていきたい人におすすめです。

就職するためには公務員試験に合格する必要がありますが、学歴制限はありませんので、本気で公務員を目指したい場合は専門学校に通いながら試験対策に取り組んでいくと良いでしょう。

よくある質問

最後に、年功序列に関してよくある質問を3つ取り上げて解説します。

年功序列よりも成果主義の方がいい?

年功序列と成果主義は、人によってどちらが良いか大きく変わってきます。

成果主義は、短期間で成果を出せば給与や昇進に直結するため、実力を発揮して高収入を早く稼ぎたい人には魅力的に映ります。一方、成果が出せないと評価が低くなりやすいため、注意が必要です。

年功序列は、安定して昇給や昇進が見込める仕組みのため、1つの会社で長く働きたいと考えている人にとっては、成果主義よりも年功序列の方が良いと言えます。

どちらの会社を選ぶかは、自分の性格やどんなキャリアプランを歩みたいかに応じて判断していくと良いでしょう。

年功序列はなぜ存在しているのでしょうか?

年功序列は戦後の日本の高度経済成長期に定着した制度であり、長期的な雇用を前提とすることで人材を確保するための仕組みとして存在してきました。終身雇用とセットで適用されることの多い日本独自の仕組みであり、社員が安心して働ける環境を整えることが目的です。

近年では成果主義の導入が進んできてはいるものの、依然として大企業や公務員、特定の業界などでは根強く残っており、成果主義よりも年功序列の会社で働きたいと考える人も一定数見られるのが実態です。

成果主義の悪いところはありますか?

成果主義は、能力がある人であれば多くのメリットを感じながら働ける制度ではあるものの、常に結果が求められるため、プレッシャーが大きくなりやすいといったデメリットがあります。

また、結果を出せなければ評価が低くなり、安定して昇給していくことが難しくなるため、将来のライフプランを設計しにくい点もデメリットと言えます。

成果主義の会社か年功序列の会社が、どちらの方が自分に向いてるか分からない場合は、若手就職支援に強いキャリアスタートまでご相談ください。

ABOUT US
牛田 晴宣キャリアスタート株式会社 執行役員
東洋大学卒業後、携帯販売職や起業経験を経て、キャリアスタート株式会社に入社。キャリアカウンセラーとして若年層の就職・転職支援に従事し、2021年7月より大阪支店長を務める。「若者の輝く社会を作る」をビジョンに掲げ、関西エリアで求職者のキャリア相談に対応。自身の独立・再就職の経験を活かし、実践的なキャリアアドバイスを提供している。