「IT営業の平均年収が知りたい」
「IT営業は他の業界の営業と比較すると年収が高い?低い?」
IT営業を目指している方の中には、このような疑問を持っている方も多いでしょう。
IT営業は専門性の高い職業なので、他の業界の営業に比べて年収は高めです。
この記事では、IT営業の平均年収や仕事内容について詳しく解説します。
IT営業に必要なスキル・キャリアパスについても紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。
1.IT営業の平均年収
IT営業の平均年収は、マイナビエージェントによると472万円です。
年齢別に見てみると、20代の平均年収は410万円、30代の平均年収は585万円です。
キャリアを積んで経験も豊富な30代になると、20代に比べて175万円も平均収入が上がっていることが確認できます。
次に、企業別・職種別のIT営業平均年収を紹介します。
(1)他の営業職との平均年収比較
IT営業と他業界の営業職の平均年収を比較してみます。
MR営業 | 580万円※1 |
金融営業 | 498万円※1 |
不動産営業 | 411万円※2 |
保険営業 | 365万円※2 |
※1出典:マイナビエージェント職種別平均年収ランキングより
※2出典:求人ボックス給料ナビより
他業界の営業職と比べると、IT営業の年収は平均的であると言えます。
(2)IT業界の他職種の平均年収比較
IT業界の他職種と営業職の平均年収を比較してみました。
システムコンサルタント | 610万円 |
社内SE | 516万円 |
IT営業 | 472万円 |
システムエンジニア | 443万円 |
テクニカルサポート | 414万円 |
IT営業は他の職種よりも年収は高めですが、コンサルタント業や社内SEといった技術職よりかは年収が低いです。
2.IT営業とは?
IT営業とはどのような仕事を行うのか紹介します。
IT営業にはやりがいがある一方でデメリットもあります。
仕事内容・やりがい・きついと言われる理由を解説します。
(1)IT営業の仕事内容
IT営業の仕事内容は、インターネット関連・IT関連の商材やサービス・システムの提案を行うことです。
有形商材も無形商材もあり、有形商材であればソフトフェアなど、無形商材だとシステムなどがあげられます。
顧客のITに関する悩みをヒアリングして、業務効率化や売上アップのために商材やサービスの提案をします。
他にも企業にエンジニアの派遣を行うのも、IT営業の仕事です。
IT営業は他の業界の営業とは異なり、ITに関する専門的な知識が必要です。
社内のエンジニアやデザイナーともコミュニケーションを取りながら、顧客に最適な提案を行います。
必ずしもシステムエンジニアの資格が必要ではありませんが、持っておくと仕事に生かすことができます。
(2)IT営業のやりがい
IT営業には下記のようなやりがいがあります。
- 人の役に立っている実感が得られやすい
- チームで仕事ができる
- 将来性がある
IT営業は新しいサービスや商品を企業に提案して、企業が困っていることを改善できます。
世の中に知れ渡るようなサービスや商品を取り扱うこともあるので、人の役に立っている実感が得られやすい仕事でもあります。
また、IT営業は社内のエンジニアやデザイナーとチームを組んで、1つのプロジェクトを遂行するのが仕事です。
一人で商品を提案するだけの営業職とは異なり、チームで協力してシステム開発などができるがやりがいです。
IT業界は現在も成長し続けている業界で、今後もデジタル化やAI化などによって需要がなくなることはないでしょう。
将来性がある仕事という点においても、やりがいを感じることができます。
(3)IT営業がきついと言われる理由
IT営業がきついと言われるのには、下記のような理由があります。
- ノルマがきつい
- 飛び込み営業がきつい
- 緊急対応がきつい
IT営業に限りませんが営業職には、ノルマが課されることがほとんどです。
IT営業で取り扱う商材は単価が高いので、その分成約率もあまり高くありません。
それゆえ、ノルマをクリアするのは、他の業界の営業職に比べて大変なのできついと言われるのです。
また、IT営業の営業手法の中には、飛び込み営業やテレアポ営業があります。
どちらも断られることの方が多いので、精神的にきついと感じる方が多いです。
さらに、IT営業は夜間や休日関係なく緊急の対応が求められることがあります。
例えば、システムの不具合やソフトウェアの故障などがあり、システムなどが動かないと顧客の業務に大きな支障が出るのですぐにでも対応しなければいけません。
対応に時間がかかることもあり、休みが少なくしんどいと感じる方が多いようです。
3.IT営業と他業界の営業の平均年収比較
IT営業は他業界の営業と比べて、年収が高いのか低いのか気になる方も多いでしょう。
下記の4つの業界の営業職の平均年収を紹介します。
- 金融
- 広告
- 不動産
- 医療・医薬品
それぞれ詳しく解説します。
(1)金融
金融業界の営業の平均年収は、dodaによると576万円です。
金融業界の営業とは、銀行・保険会社などに属して法人相手に営業を行うのが仕事です。
金融業界の営業の平均年収は、IT業界の年収よりも高いという特徴があります。
(2)広告
広告営業の平均年収は、求人ボックスによると433万円です。
広告営業は、顧客の代わりに商品やサービスの宣伝を行うのが仕事です。
広告の企画や広告作成のスケジュール管理などを行います。
広告営業の平均年収は、IT営業の年収よりも低めです。
(3)不動産
不動産営業の平均年収は、求人ボックスによると411万円です。
不動産営業には、法人営業と個人営業があり、マンションや戸建てといった不動産の販売・賃貸業務を行います。
不動産営業の平均年収は、IT営業の年収よりも低めです。
(4)医療・医薬品
医療・医薬品業界の営業の平均年収は、マイナビエージェントによると445万円です。
病院やクリニックなどに、医療品や医薬品の販売を行います。
IT営業の平均年収よりも低いですが、医療関係の専門知識が必要なので他の業界の営業よりかは高い年収です。
4.IT営業に必要なスキル
IT営業は、特別なスキルがなくてもなれますが、スキルを持っていればより条件の良い求人に応募可能です。
IT営業に必要なスキルについて下記にまとめました。
- IT関係の知識
- ヒアリング力
- マネジメント能力
それぞれのスキルについて詳しく解説します。
(1)IT関係の知識
IT営業に必須の知識として、IT関連の知識を持っている必要があります。
IT営業職の求人の多くは、求める人材として『IT関連の知識・経験がある人』と記載されていることが多いです。
可能であればプログラミングの知識やエンジニアの知識があれば、採用確率も上がります。
特に即戦力を求めている会社だと、面接の際にITに関する知識がどれほどあるのかが重要視されます。
求人によってはエンジニア経験が求められることもあるので、応募する求人の条件をしっかりと確認する必要があります。
(2)ヒアリング力
IT営業には、ヒアリング力も重要です。
営業相手の企業が抱えている課題を聞き出して、改善するための商品・サービスを提案する必要があるからです。
営業としての成約率をあげるためにも、顧客満足度をあげるためにも、顧客の問題点を聞き出すヒアリング能力がある人に向いています。
ヒアリング能力とは、相手の話を聞くだけではなく聞いた話を整理して、相手が気づいていない問題点を洗い出す必要があります。
気づいていない課題に気づいて、改善するための商品やサービスを紹介することで、相手からの信頼も得られます。
(3)マネジメント能力
IT営業はエンジニアやデザイナーとチームを組んで仕事を行います。
チーム全員に気持ちよく仕事をしてもらうために、マネジメント能力がある人がおすすめです。
顧客からの難しい要望をエンジニアに伝える際、顧客から言われたことをそのまま伝えるのと、顧客の要望の背景なども汲み取って伝えるのでは、エンジニアの受け取り方も異なります。
エンジニアの受け取り方によって、気持ちよく仕事ができるか否かが変わるので、マネジメント能力はIT営業が仕事を円滑に進めるために必要な能力です。
5.IT営業は新卒・未経験でもなれるのか
未経験でもIT営業を目指せます。
実際、新卒や第二新卒といった、若い未経験者を求めている企業は多くあります。
特に第二新卒は、ビジネススキルやマナー・社会性が身についている特徴があり、新卒よりも採用したがっている企業はたくさんあります。
未経験でIT営業を目指すのであれば、過去の経歴・スキルを洗い出してIT営業につなげられるものがないか考えましょう。
面接時には、「なぜ他の業界の営業ではなくIT営業になりたいと思ったのか」「数あるIT企業から応募先を選んだ理由」などが聞かれます。
ありきたりな理由ではなく、過去の経験・経歴などをもとに説得力のある理由を伝えましょう。
自分がIT営業に向いているのかわからない方は、転職サイトや転職エージェントの適職診断を受けてみると良いでしょう。
6.IT営業の将来性
IT業界の成長はとても好調で、今後も成長していく可能性が大いにある業界です。
デジタル化・AI化は今後も進んでいくので、IT業界には営業などの人材が今まで以上に求められています。
2021年に発表された中小企業白書では、情報通信技術の今後の見通しが記載されていて、ロボットの社会進出やAIが人の代役となることを目標としています。
また、感染症の流行によってIT化・デジタル化の重要性が高まったかという質問に対して、約66.4%が「高まった」と回答しています。
さらに、IT導入補助金などがあり、国として企業のIT化を進めているので、今後もIT業界の需要は高いです。
また、IT営業に転職した後のキャリアパスも豊富なので、IT業界の将来性は安定しています。
7.IT営業のキャリアパス
IT営業に転職した後はどのようなキャリアパスがあるのでしょうか?
考えられるキャリアパスを下記にまとめました。
- 管理職
- マーケター
- コンサルタント
- フリーランスへ転向
それぞれの仕事について詳しく解説します。
(1)管理職
IT営業からリーダーやマネージャーといった管理職に昇進することで、年収アップが可能になります。
IT営業の管理職の平均年収は800〜1200万円と言われていて、IT営業の平均年収472万円を大きく上回ります。
IT営業の管理職になるためには、マネジメント能力が必要です。
部下の指導・数字の管理を行なって、自身が担当する部署の売上アップに繋げなければいけません。
マネジメントだけではなく、自分自身もプレーヤーとして営業を行うのであれば、自分のノルマを管理しながら部下のマネジメントも行うことになります。
(2)マーケター
IT営業からマーケターに転職する方も多いです。
マーケティングの仕事には下記のようなものがあります。
- 商品の企画・開発
- 広告宣伝
- 販売促進
- 市場調査
どのような商品が求められているのかを市場調査・分析して、商品の企画や開発を行います。
また、商品やサービスの認知度を高めて売上アップを目指すために、広告・宣伝も担当します。
ターゲットや媒体の選定・広告の企画などを行なって、戦略的な宣伝を行うのがマーケティングの仕事です。
(3)コンサルタント
IT営業からコンサルタントに転職することで、年収アップが期待できます。
コンサルタントの平均年収は800〜2,000万円ほどと言われています。
コンサルタントの仕事内容を以下の通りです。
- 顧客の抱える課題を見つけ出して解決に導く
- IT商材の提案
コンサルタントは、顧客が抱えている課題などに気づいて、解決に導くためのサポートを行います。
未経験でも簡単になれる職業ではないので、コンサルティングの経験があれば企業からも重宝されるでしょう。
コンサルタントの経験を積むことで、起業することも可能です。
(4)フリーランスに転向
IT営業やマーケティング・コンサルティングの経験があれば、起業してフリーランスに転向する選択肢もあります。
フリーランスになると平均年収は自分の仕事量に比例するので、IT営業時代よりも下がる可能性もありますが、努力次第で大幅な年収アップも見込めます。
会社に属さず、自由に行きたいと考えている方におすすめのキャリアパスです。
まとめ
本記事では、IT営業の平均年収や仕事内容を紹介してきました。
IT営業は専門性が高いので、他業界の営業職よりも年収が高いのが特徴です。
ノルマがきついデメリットがありますが、人の役に立てている実感ができるというメリットもあります。
未経験でもIT営業を目指せるので、過去の経験・経歴をもとにIT営業を選んだ理由を明確に伝えましょう。