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大学中退者の割合は?中退理由ランキングから見る中退者の特徴も解説

大学中退者の割合は?中退理由ランキングから見る中退者の特徴も解説

大学中退者の割合はおよそ2%となっています。

毎年大学生の2%しか中退をしていないことから、大学中退者は非常に少ないことがわかります。

この記事では、大学中退の割合について推移や、中退割合の高い大学などを様々なデータを用いて解説します。、大学中退理由のランキングや大学中退者の特徴についても国のデータを元に解説しますので、大学中退の理解を深めたい人は参考にしてみてください。

また、大学中退者の就職活動について詳しく知りたい人は以下の記事も参考にしてみましょう。

大学中退者の割合

大学中退者の割合

大学中退者の割合について、文部科学省のデータを中心に解説していきます。

加えて、中退割合の高い大学や学部別の大学中退割合についても触れますので、中退の実態を理解するのに役立ててみてください。

大学中退者の割合は約2%

文部科学省の「令和5年度学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」によれば、学校種別の中退者数と割合は以下のようになっています。

学校種別中退者数学生数に占める中退者数の割合
大学・短期大学合計56,710人2.10%
内、大学53,470人2.04%
内、短期大学3,240人3.95%
大学院合計7,647人2.85%
内、修士課程・専門職学位課程4,986人2.60%
内、博士課程2,661人3.49%
高等専門学校1,183人2.09%
合計65,540人2.17%

上記の表から分かる通り、令和5年度における大学生の中退者数は53,470人となっています。

また、この人数は大学生のうちの2.04%ということも分かりますので、大学中退者の割合は約2%と言えます。

ちなみに、短期大学の場合は中退者割合がおよそ2倍の3.95%、大学院合計で2.85%となっていることから、高校以上の高等教育の場においては、約2%から3%程度の中退割合になるという傾向も見られます。

大学中退者割合の推移

大学中退者割合の推移について、先程と同じく文部科学省のデータを元に推移で表すと以下のようになります。

年度学生数に占める中退者数の割合
令和5年度2.04%
令和4年度1.94%
令和3年度1.95%
令和2年度1.95%
令和元年2.50%

この表から分かる通り、大学生の中退者数の割合は毎年大きな変化はなく、2%前後であり続けていることが分かります。

コロナ禍においても2%前後を推移していたことを考えると、よほど大きな変化がない限り今後も2%前後を推移すると考えられます。

大学中退割合の高い大学

大学生の中退割合が2%であることが分かりましたが、大学には国公立や私立大学、大学院まで様々分かれていますので、それらの中退割合についても見ておきましょう。

文部科学省が2016年2月に発表した「大学における授業料滞納・中途退学・休学の状況」によれば、細かな中退割合は以下のようにまとめられています。

国立大学公立大学私立大学
学部1.20%1.23%2.88%
修士課程3.09%4.38%6.02%
博士課程7.33%8.75%9.46%
短大・中間部1.88%3.86%
短大・夜間部10.65%6.28%

上記の表から分かる通り、国立大学・公立大学・私立大学の順で、どの種別においても中退割合が高まっていきます。

私立大学の方が大学数と学生数が多いことから、中体割合も高まっていると推測されます。

また、短大については夜間部の方が中間部よりもはるかに中退割合が高い結果となっています。短大は中間部よりも夜間部の方が入りやすい傾向にあることが影響している可能性があるという見解もあります。

学部別の大学中退割合

大学の中退割合を学部別でも見ておきましょう。

桜美林大学大学院教授の船戸氏が論じた「深刻化する退学者問題 全額的な取り組みが求められるー上ー」では、学部別の大学中退割合は以下と書かれています。

  • 理工学部:3.5%
  • 社会科学系:3.1%
  • 芸術系:2.9%
  • 人文科学系:2.7%
  • 中略

  • 教育学部、薬学部:1.0%
  • 歯学部:0.9%
  • 医学部:0.6%

大学の卒業が資格取得に直結するような学部の場合、中退割合が少ないといった特徴が見られます。

一方、入学難易度が相対的に低い学部になればなるほど、中退割合が高くなると言われています。

これまでのことから、入学が難しければ難しくなるほど中退割合が下がり、反対に入学が相対的に簡単な場合は中退割合が上がると言えます。

大学中退理由の割合順ランキング

続いては、文部科学省の「令和5年度学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」をもとに、大学中退理由の割合順ランキングを解説します。

大学中退理由の割合順をランキングにすると以下のようになります。

  • 一位:転学・進路変更
  • 二位:学生生活に慣れなかった
  • 三位:就職や起業
  • 四位:経済的に厳しかった
  • 五位:学力不振
  • 六位:精神疾患
  • 七位:病気や怪我

それぞれどういった理由なのかについて詳しく解説していきます。

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一位:転学・進路変更

転学や進路変更で大学を中退する人は22.0%でした。

大学中退理由として最も多いのが転学や進路変更です。

今通っている大学と別の大学に転学する場合や、在学中にどうしても専門的な知識を学ぶために進路を変更する場合は、通っている大学を中退する必要があります。

大学中退理由としては非常に前向きなものになりますので、就職活動においても面接官にネガティブに映りにくいと考えられます。

二位:学生生活に慣れなかった

学生生活に慣れなかったという理由で、大学を中退する人は16.5%でした。

大学に入学する前はキラキラした大学生活をイメージしていたものの、実際に入学してみたら思っていたよりもつまらないと感じてしまったり、大学生活そのものに慣れることができなかったような人が中退という選択を選んでいます。

また、大学生活では様々なことに挑戦できる反面、大学に通うよりも興味を持てることに出会ってしまった場合、興味のある方向に時間を使いたいと考えて中退する人もいます。

三位:就職や起業

就職や起業で大学を中退する人は14.4%でした。

大学を卒業すれば新卒として就職するのが一般的ですが、中には大学在学中に早く社会人経験を積みたいという理由で就職する人も少なからず存在します。

就職すると日中大学に通うことができなくなりますので、必然的に中退を選ぶ必要があります。

また、大学在学中に自分でビジネスを起業し、自身のビジネスに集中するために大学を中退する人もいます。就職や起業といった理由も、就職活動においてはポジティブに受け取られやすいと考えられます。

四位:経済的に厳しかった

経済的に厳しいという理由で大学を中退する人は13.6%でした。

大学は卒業するだけでも決して安くない学費を支払わなければなりません。

学費は国公立や私立などの種類によって異なりますが、おおよそ1年間で50万円から100万円程度かかると言われています。

家庭の事情によっては奨学金を借りても学費を賄うことができず、泣く泣く大学を中退しなければならないケースもあるでしょう。

五位:学力不振

学力不振で大学を中退する人は7.3%でした。

大学を卒業するためには、卒業までに必要な単位を取得しなければなりません。

また、大学によっては「進学するために所定の単位を取得しなければ留年してしまう」といった制度を設けていることもあります。

もし大学に入学した後、真剣に勉強に取り組むことができなければ、単位を落としてしまい、卒業ができなくなることもあるでしょう。何度も留年をすることになれば、大学を卒業するモチベーションが下がってしまい、中退する選択を選ぶケースも考えられます。

六位:精神疾患

精神疾患で大学を中退する人は6.6%でした。

大学に通っていると、様々な面で精神的にストレスを感じることがあります。

人間関係や単位取得、部活動やサークルなどで精神的なストレスを感じ、どうしてもそのストレスが解消されない場合は、精神病を患うことに発展するかもしれません。

精神的に落ち込んでしまえば大学に通う気力がなくなってしまいますので、そのまま中退するケースもあります。

七位:病気や怪我

病気や怪我で大学を中退する人は4.1%でした。

精神疾患と異なり身体的な病気や怪我で中退するケースであり、病気や怪我をしてしまう理由は人それぞれです。

アルバイト先で怪我をすることもあれば、大学の部活動やサークル活動で怪我をしてしまうこともあるでしょう。

病気や怪我で大学に通えなくなった場合、最初は休学の選択肢をすることになりますが、大学ごとに休学できる期間は定まっていますので、休学が認められている期間以上に病気や怪我が完治するのに時間がかかってしまう場合は中退しなければなりません。

大学中退者の特徴

先ほど解説した大学中退理由から考えると、以下のような特徴を持つ人は大学を中退しやすいと考えられます。

  • 大学生活を自ら楽しみにいけなかった
  • 無理してレベルの高い大学に入学してしまった
  • 上手く人間関係を築けなかった

もし大学を中退したいと考えているのであれば、これらの特徴に当てはまるかどうか確認してみてください。

大学生活を自ら楽しみにいけなかった

苦労して大学に通い始めたものの、大学生活を心から楽しめないと感じた人は、大学を卒業せずに中退してしまう傾向にあります。

大学生活は自由度が非常に高い反面、自分から行動を起こさなければ楽しみややりがいを感じることは難しいのが実態です。

特にサークルは部活動などに入ることなく、ただ講義を受けて帰る毎日を過ごしていると、キャンパスで楽しそうに過ごしている人を見て恨めしい気持ちすら感じてしまうかもしれません。

大学に楽しませてもらおうと感じているような受け身な人は、大学に通う意義を見出せずに中退してしまったり、仮に卒業できても面接の際に「学生時代に力を入れたこと」を聞かれてもうまく答えられず、就職に苦戦してしまうことも考えられます。

無理してレベルの高い大学に入学してしまった

受験生時代に無理してレベルの高い大学に合格したような人は、入学後の単位取得や勉強で苦戦してしまうことが考えられます。

大学に入学してまで勉強に追われる毎日を過ごしていると、精神的につらい思いをしたり、大学に通うこと自体に強いストレスを感じることがあるでしょう。

大学生活は特に誰かに通学を強制されるものではありませんので、講義についていけないと感じた人の中には、そのまま講義を無断欠席して単位が取得できなくなることが考えられます。

次第に大学に通う時間が無駄だと考え、中退してしまうこともあるでしょう。

上手く人間関係を築けなかった

大学生活を楽しむためには、上手く人間関係を築く必要があります。

大学の本分は、講義を受けて専門的な知識を習得していくことではあるものの、それと同じ位人間関係を築くことが重要です。上手く人間関係を築くことで、たとえ勉強についていけなかったとしても、友人同士で励ましあって卒業を目指すことができます。

ただ、自分から行動することが苦手で自ら友達作りを進められなかった場合、人間関係が築けず、孤独感を感じながら大学に通い続けなければならなくなります。

精神的なストレスや大学に楽しみを見出せなくなり、フェードアウトするように大学を中退してしまうかもしれません。

大学中退が就活に与える影響

大学を中退すると、就職活動に様々な影響を与えることになります。

基本的に大学中退はネガティブな影響しか与えませんので、解説内容をしっかり読んだ上で本当に大学を中退するのか再検討するようにしてみてください。

中退理由次第で面接で不利になりやすい

大学を中退すると、就職活動の面接で大学中退理由を聞かれるようになります。

これは、企業が大学中退者に対してネガティブな印象を持っているためであり、大学中退理由を聞くことで人間的に問題がないかを確認するといった目的があります。

もし大学中退理由をポジティブに伝えられないと、それだけで企業からマイナス評価を受けることになり、見送りの判断をされかねません。

大学中退者が内定を獲得するためには、特に大学中退理由を作り込み、ポジティブな印象を与えられるよう意識することが重要です。

高卒になるため応募できる求人が減る

大学を中退すると学歴では高卒になります。

求人の中には大卒以上を応募条件としているものもありますので、大学中退者は応募できる求人に制限が出てきてしまいます。

将来就職したいと思える求人を見つけても、学歴の条件を満たしていないことで、書類選考の土台に乗らないといったこともあるでしょう。

将来の職業選択の幅が狭くなるというのは、大学中退ならではの大きなデメリットと言えます。

中退後に空白期間があると不利

大学を中退してからフリーターとして空白期間を長引かせてしまうと、正社員になれる可能性が下がっていってしまいます。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した「大都市の若者の就業行動と意識の分化」によれば、空白期間が6ヶ月以内の人が正社員になれた割合は60%程度であるものの、フリーターを5年以上続けると正社員になれる割合が20%程度まで下がってしまうことが分かっています。

空白期間が長くなればなるほど正社員になりづらくなりますので、大学を中退するのであれば、できるだけ早く正社員就職を目指して行動することが大切になってきます。

大学中退者が就活を成功させる方法

最後に、大学中退者が就職活動を成功させる方法として意識しておきたい3つのポイントを解説します。

  • 就職エージェントを活用する
  • できるだけ多くの求人に応募する
  • 資格を取得する

上記の3つのポイントをしっかり理解した上で、大学中退者は就職活動を進めていくようにしてください。

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就職エージェントを活用する

大学を中退する場合、大学のキャリアセンターの支援が受けられませんので、基本的に1人で就職活動を進めていくことになります。しかし、就職活動は基本的な流れを意識して進めないとブラック企業に入社してしまうリスクが高まります。

自分1人で就職活動をしっかりと進めていく自信がないのであれば、就職エージェントを活用するのがおすすめです。就職エージェントを活用することで、専任のアドバイザーが自分の就職活動の最初から終わりまでを全てサポートしてくれるようになります。

また、大学を中退していても、内定をもらえる求人を優先して紹介してもらえるため、効率的に正社員を目指せるというメリットもあります。

就職活動を基礎から学びたい大学中退者は、若手就職支援に特化したキャリアスタートに相談してみてください。

できるだけ多くの求人に応募する

大学を中退すると大卒よりも書類選考のハードルが高くなってしまいますので、人一倍多くの求人に応募するといった意識が大切です。

確実に内定を獲得するためにも、少しでも興味を持った求人は迷わず応募していきましょう。

1社から内定をもらう目安としては、10件から20件程度の求人に応募することを意識しておいてください。

ちなみにエージェントを利用すれば、推薦含めて求人に応募できる場合があるので、多く応募をする必要がないこともあります。

資格を取得する

大学を中退すると自由な時間が増えますので、就職を見据えた資格取得もおすすめです。

ただ、資格を取得したからといって就職できるわけではありませんので、あらかじめ認識しておきましょう。

また、会社によっては就職後に資格取得を支援してくれるケースもあります。

そのため、大学を中退したからといって無理して資格取得の勉強をするのではなく、就職後に資格を取得することを見据えて就職活動をスタートさせるのも1つの選択肢となってきます。

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