そもそもニートとは、未婚で就学も就業もしていない、職業訓練も行っていない、家事の手伝いもしていない、15~34歳の若者のことを指します。現在の日本では、ニートの若者の増加が社会問題となり、さまざまな就職支援が行われています。その結果、ニートの人数は減少傾向にありますが、人口に対する割合は横ばいで相変わらず高い状態が状態が続いています。また近年ではニートの高年齢化も問題視されており、ニートの若者への更なる就職支援サービスが必要と言われてます。
ニートから正社員になるのは難しい?
ニートの人が就職を目指したとき、正社員での採用は難しいから、就職できたとしてもアルバイトで、フリーターとして一生を送らなければならないと悲観してしまうことがあります。では、本当にニートから正社員になるのは難しいのでしょうか。
ニートから正社員にはなれない?
はっきり言ってニートから正社員になるのは難しいのが現実です。もし新卒の時に就職活動をしなかった、就職活動をしたけど失敗してしまったという理由でニートになってしまった場合、既卒なのに職歴がないという状態になります。また一度は就職したけど退職して、転職活動をする気が起きずにニートになってしまったという人も、長い空白期間ができてしまいます。どちらの場合も、面接においてはその理由を質問されることが多く、好印象を与えるのが難しくなります。また、ニートの人は、一般の人に比べて社会人経験が少ないことから、「働く意欲が低い」や「スキルが足りない」などと思われ、企業側は採用を躊躇してしまう可能性があります。ただし、近年は売り手市場による採用難によりでニートでも就職できるチャンスがあります。
ニートから正社員になる方法
ニートでも就職できるチャンスがあるとは言え、いきなり正社員として採用されるのはかなり難しいのが現状です。特に長くニートをしていた人は、生活習慣から就労するのに適した行動に慣れる必要があります。まずは、アルバイトで応募して働き、正社員登用を目指しましょう。この際には、正社員登用制度のある企業へ応募することは必要です。また、紹介予定派遣で働いて、正社員を目指す方法もあります。紹介予定派遣とは、派遣社員として最長6ヶ月働いた後、本人と派遣先企業双方合意のもとに社員となる働き方です。 派遣期間は、試用期間と考えられ企業はこの期間で、直接雇用するかどうかを判断します。
また、ニートから正社員での就職を目指すには、就職支援サービスを有効活用すると良いでしょう。ニートの若者の増加は深刻な社会問題となっているため、国や自治体、民間とさまざまな就職支援サービスがあります。
公的な機関としては「ハローワーク」や「地域若者サポートステーション」、「ジョブカフェ」などがあり、その特徴は以下の通りです。
ハローワーク
正式名称を公共職業安定所といい、厚生労働省によって設置されている機関で、求人の紹介の他に、求職活動の方法や履歴書の書き方などの相談なども行っています。ハローワークには、地元中小企業の求人が多いため、就職のために転居せず実家などから通える企業への就職を目指す時に利用するとよいでしょう。
地域若者サポートステーション
厚生労働省の委託機関のため、他の公的な就職支援機関と連携したサポートを行っています。通称「サポステ」と呼ばており、就職に対して踏み出せずにいる若者に対して、専門スタッフが相談を受けて総合的な就労支援をしています。
ジョブカフェ
各都道府県が主体となって設置している、若者の就職支援をワンストップで行う施設です。地域によって名称や支援する内容や対象年齢が違いますが、地域若者サポートステーションより実践的な支援が受けられます。
民間の就職支援サービスとして代表的なものは就職サイトと就職エージェントです。それぞれの特徴は、以下の通りです。
就職サイト
企業の求人情報を得る手段として、最も一般的なものが就職サイトです。就職サイトには、いろいろな企業、さまざまな職種の求人がたくさん掲載されていますが、自身で希望に合う求人を探して企業に連絡したり応募をしたりと、主体的に就職活動を進めることが必要です。
就職(転職)エージェント
就職(転職)エージェントは、求職者の希望に沿った求人を紹介してくれる他、専任の担当者が内定獲得までフォローしてくれます。なかには中卒・高卒者やニートのサポートに特化した就職(転職)エージェントもあります。
ニートから正社員を目指すのにおすすめの職種
ニートから正社員での就職を目指すなら、職種を絞って就職活動をすると採用される可能性が高くなります。おすすめの職種と主な仕事の内容、ニートの人でも正社員になりやすい理由を紹介します。
プログラマー
急激な拡大を続けているIT業界は、今後も成長する事が予想され、需要の増加に伴って人材不足の状況が続いています。IT業界の求人は、エンジニア職が中心で中でも特にプログラマーは需要が高い職種の一つです。プログラマーの主な仕事内容は、プログラミング言語を用いて、Webシステムなどに必要な機能を実装することです。本来、スキルや経験が必要とされますが、人材不足のため全くの未経験者でも採用している企業があります。就職するために特別な資格は必要ありませんが、基本的なITの知識を持っていると採用されやすくなります。
介護職
少子高齢化社会となり介護業界は深刻な人手不足となっています。そのため未経験でも採用されやすくニートの人でも正社員を目指すことが可能です。仕事の内容としては介護を必要とするお年寄りの身の回りの世話などで、日常生活の介護を行います。アルバイトで入社したとしても、介護福祉士の資格を取ることで正社員に登用されるチャンスがあり、さらなるスキルアップも可能です。
警備員
警備員になるには、一般的にはアルバイトから始めるケースが多いようです。警備員のアルバイトの求人は時期を問わず比較的多く、ニートでも採用となるチャンスは多くあります。採用された後には、現場に出るまで30時間の研修が義務づけられているため、まったくの未経験でも安心です。アルバイトとして経験を積み、資格を取ることで正社員登用のチャンスが広がります。
清掃員
清掃員は、未経験者でも正社員として応募可能な求人が多い職種です。仕事は大きく分けて、ビルの清掃とハウスクリーニングの2つですが、どちらの場合も特別な資格や学歴は必要ありません。経験を積んでいくと現場のスタッフをまとめるリーダー的な立場となり、アルバイトで入社したとしても正社員登用の可能性が大きくあります。
販売職
販売職の主な仕事は、店頭でお客様に商品やサービスを販売することです。コミュニケーション能力が必要となりますが、未経験でも応募可能な正社員の募集が多く、人と接することが苦ではないニートの人にはおすすめの職種です。
営業職
営業職も販売職と同じく、人と接することを苦手としていないニートの人におすすめの職種です。どの業界でも、常に営業職は募集が多い傾向にあり、正社員での求人がほとんどです。経験や実績があると転職では有利ですが、未経験でも採用されやすい職種と言えます。ただ、募集が多いのは定着率が比較的低いからであり、性格的に営業に向かない人は応募を避けた方が良いでしょう。
ニートから正社員になるためのポイント
ニートから正社員になるのは、決してハードルは低くありませんがチャンスがないわけではありません。次に紹介するポイントに気をつけて就活を進めましょう
生活習慣を改善する
長くニートの状態にいると、生活習慣が乱れていることが多いようです。ニートを抜け出して就職するには、早寝早起きを心掛けたり、1日3食バランスよく食べるなど、生活リズムの見直しや不健康な習慣の改善から始めるのがおすすめです。生活習慣が、改善されないまま就職してしまうと、遅刻をしてしまったり、日中眠くて仕事に集中できなかったりする可能性があります。まずは、日中に活動することに体を慣れさせるようにします。引きこもり状態で外出に慣れていない人は、近所への散歩や買い物から始めても良いでしょう。
思い立ったらすぐに就職活動を始める
20代~30代のうちは、未経験者やブランクがある人でもポテンシャルを評価してもらえる可能性があるため、採用してくれる企業も多くあります。正社員になるには、一般的に年齢が若いほど有利であり、ニートの状態が長く続けば続くほど採用されるのが難しくなります。したがって、就職しようと思ったらすぐに行動を起こすことが重要で、まずは就職サイトや就職(転職)エージェントに登録してみるなどすると良いでしょう。
幅広い業界の求人を見る
就職活動を開始して応募企業を選ぶ際には、初めから選り好みしすぎず、幅広く求人情報を見るようにしましょう。ただし、あまり選択肢を広げ過ぎると、自分に合った求人が見つけづらくなるため、優先準備を付けて希望する応募企業を探しましょう。
就職(転職)エージェントを活用する
ニートの人の多くは、就職活動に不慣れな事が多く、どのように就職活動を進めて良いかわかりません。就職(転職)エージェントを利用すると、自分の希望や特性に合った求人を紹介してくれるだけでなく、内定までの就職支援のサポートを受けることができます。就職(転職)エージェントの中には、履歴書・職務経歴書の書き方や面接対策に関する相談なども受け付けてくれるところもあり、「どうしてニートになったのか」や「空白期間に何をしていたのか」などを面接で質問された時の対応にもアドバイスを受けることができます。また、就職サイトには掲載されていないニートでも応募可能な非公開求人を紹介してもらえることもあります。
就職(転職)エージェントを利用するときの主な流れ
就職活動に不慣れなニートの人には、就職(転職)エージェントを活用するのがおすすめですが、利用する方法と主な流れを紹介します。
登録
就職(転職)エージェントを利用するのには、まずは最終学歴や就業状況、個人情報などを
登録する必要があります。一般的に登録は無料で、インターネットや電話から行えます。
面談
登録が完了すると、専任のエージェントとの面談があり、希望する業界や職種、条件などがヒアリングされ、それらの希望に沿った求人がエージェントから紹介されます。一般的に面談は対面によって個別に行われますが、忙しくて面談の場所に足を運ぶ時間が取れなかったり、遠方の場合には電話での面談に対応してくれる就職(転職)エージェントもあります。
応募書類の添削・面接対策
就職(転職)エージェントでは、応募書類の添削も行ってくれ、応募書類に不安な点がある場合は相談することもできます。また、模擬面接を行ってくれるエージェントもあり、面接時にどのような質問が聞かれるか、答え方も含めてアドバイスが受けられます。
面接
就職(転職)エージェントは、面接日程の調整も応募者に代わって行ってくれます。応募の際には、エージェントが紹介状を書いてくれるため、就職サイト経由で自ら応募するよりも合格の可能性は高くなります。企業との面接が終了し合格できれば就職決定となります。
ニートから正社員を目指すなら就職(転職)エージェントを活用しよう
ニートからでも正社員として応募できる求人はありますが、採用されるには応募書類や面接などの対策を行うことが重要です。就職活動に不慣れなニートの人は、まず就職(転職)エージェントに登録して、就活のプロのアドバイスを受けるとよいでしょう。「キャリアスタート」は、ニートやフリーター、第二新卒の人に向けた特化型転職エージェントです。