新卒1年目の転職はなぜ甘えと言われる?辞めたいときの判断ポイントを解説

/

「新卒1年目に仕事を辞めるのは甘え?」「入社後1年目で辞める割合は?」と気になっているのではないでしょうか。
新卒1年目で仕事を辞めることを考えたときには不安もあるかと思いますが、職歴が浅くても転職できるチャンスは十分あります。
実際に新卒1年目に退職しても、転職することで希望の業界や職種、勤務エリアの仕事に就けて、やりがいをもって働いている人も数多く存在します。

今回の記事では、新卒1年目で辞めると「甘え」と言われる理由や辞めるかどうかを判断するポイント、覚悟すべきことを紹介しています。
新卒1年目で辞めるかどうか迷っている悩みが解決につながりますので、ぜひ最後までご覧ください。

1.新卒1年目で仕事を辞めたいのは甘えなのか?


新卒1年目で仕事を辞めたいのは甘えなのかどうか、下記3つのポイントから解説します。

新卒1年目で仕事を辞めたいのは甘えなのか?

(1)新卒者で1年以内に辞める人の割合

(2)転職の難易度は高いのか?

(3)若者の転職への捉え方

(1)新卒者で1年以内に辞める人の割合

厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況」によれば、1年以内・3年以内に仕事を辞める人の割合は、学歴別に下記表のデータとなっています。

(参考:平成30年3⽉新規学卒就職者の離職率(p.2)|新規学卒就職者の離職状況

上記データによると、大学の新卒者で1年以内に辞める人の割合は、1割程、さらに、3年以内に離職する割合は3割程となっています。
このように、入社して3年以内に3割の人が退職していることから、生涯1社のみで勤務する時代ではなくなってきています。
自分に不適合と感じる仕事を無理に続けると、自分の強みを発揮できなかったり、心身の不調をきたすリスクもあるので、新卒者で1年以内に退職するのも選択肢のひとつです。
新卒でつらいと感じる理由や対処法については、こちらの記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

【新卒でつらい!】新卒1年目でつらいと感じる理由10選とその対処法

2024.04.30

(2)転職の難易度は高いのか?

新卒1年目だからといって、転職の難易度が高いとは限りません。第二新卒を積極的に受け入れている企業は多いためです。
若手向けの大手転職サイト「マイナビ転職」に掲載されている求人のうち正社員の求人数は22,866件で、そのうち第二新卒歓迎の求人数は18,190件でした。(2024年5月の調査時点)

正社員求人の8割程が第二新卒歓迎の求人となっており、多くの企業が第二新卒を求めていることがわかります。そのため、新卒1年目でも転職できるチャンスは十分あると言えます。

(3)若者の転職への捉え方

若者の転職への捉え方を詳しく見ていきましょう。株式会社リクルートのアンケート調査では、下記グラフのデータとなっています。

(出典:転職は当たり前の時代に?転職に対するイメージと本音をアンケート|リクナビNEXT

上記データによると、転職の印象について「ポジティブ」「どちらかといえばポジティブ」と回答した20代は67.9%という結果となりました。
したがって、20代の7割程が転職についてポジティブな印象をもっており、若い人ほど転職にネガティブな印象が少ないことがわかりました。

また、「パーソル総合研究所」の20代社員の就業意識調査によると、下記グラフのデータとなっています。

(出典:~働く10,000人成長実態調査2022~ 20代社員の就業意識変化に着目した分析|パーソル総合研究所

上記データから20代前半が+0.15pt、20代後半が+0.13pt上昇しており、20代はキャリアの明確化をもつ傾向であり、自律的なキャリア形成の意識が高まっていることがわかります。
受け身的ではなく、自らキャリア形成をしていく意識を高くもっているため、転職することは不自然なことではなく、むしろ前向きに捉えていると言えます。

2.新卒1年目で辞めると「甘え」となるのはなぜ?

新卒1年目で辞めると「甘え」と言われる理由には、下記の2つがあります。

新卒1年目で辞めると「甘え」となるのはなぜ?

(1)企業は新卒採用に膨大な時間とコストをかけている

(2)上司の責任が追及されるため

(1)企業は新卒採用に膨大な時間とコストをかけている

企業は新卒採用に膨大な時間とコストをかけているため、新卒1年目での退職は「甘え」と言われることがあります。

株式会社リクルートの「就職みらい研究所」が発表した、「就職白書」によると、新卒1人あたりの採用にかかる費用は93.6万円となっています。

参考:2019年度新卒採用および中途採用1人あたりの平均採用コスト (p.11)|就職白書2020

さらに、新卒採用は採用担当者や各現場の責任者、役員などを巻き込んで説明会・面接が行われ、費用だけではなく時間と工数がかかっているのです。

新卒で採用した1年目に辞められると、採用にかかった時間とコストが無駄になるため、辞めるのは「甘え」などと厳しい言葉をかけ、退職を防ごうとします。

(2)上司の責任が追及されるため

「新卒1年目で辞めるのは甘え」と言われるのは、上司が責任を追求される可能性があることが考えられます。
上司は、新卒社員を教育して育てるのが仕事のひとつで、直属の部下が入社してすぐに辞めると、上司は会社から責任を追求されて、社内での評価が下がるリスクがあります。

そのため、1年目で辞めるのは「甘え」と言って、部下の離職を止めようとするのです。
また、上司自身がつらいことを我慢して働いていると、辞めようとする部下に対して怒りを感じて「甘え」と言ってくることもあるでしょう。

もし、上司からのハラスメントに遭っているのなら、転職を考えたほうがいいでしょう。パワハラで辞めたいときの行動についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

【状況別に解説】パワハラで辞めたいときにとるべき5つの行動を徹底解説!

2023.07.28

3.新卒1年目で辞めたいときの判断ポイント


新卒1年目で辞めたいときの判断ポイントは下記の3つです。

新卒1年目で辞めたいときの判断ポイント

(1)自分の捉え方や行動で変えられるか

(2)心身に不調をきたしているか

(3)退職後のプランはあるか

(1)自分の捉え方や行動で変えられるか

仕事を辞めたいと思ったら、まずは自分の捉え方や行動によって、現状を変えられるかを考えてみましょう。
辞めたいと思う理由は人それぞれですが、自分が働きかけることで、辞めたいと思う原因がなくなることもあります。
たとえば、職場で自分がうまく馴染めずに居心地の悪さを感じていることもあるでしょう。
配属先に恵まれなかったと思うのではなく、自分から積極的にコミュニケーションの量を増やすことで、職場の人間関係が良好になり、仕事を辞めたいと思う理由がなくなる可能性があります。

また、業務の中で非効率でストレスに感じるところがあれば、ただ不満をもつのではなく、効率的な業務工程を上司に提案してみることで、提案が通って仕事への不満が軽減できるかもしれません。
そのため、仕事を辞めたいと思ったら、まずは自分の捉え方や行動を変えてみることで今の職場での不満が解消されるかを考えましょう。

(2)心身に不調をきたしているか

心身に不調をきたしているかどうかも、仕事を辞める判断をするうえで重要なポイントです。
「新卒1年目での転職はダメなことである」と自分に言い聞かせて、ストレスを抱えたまま働き続ければ、心身に不調をきたす可能性があります。

たとえば、常に倦怠感がある、食欲が低下した、自分の趣味に対しても興味・関心がなくなったなど、いつもの自分とは違う症状が現れたら心身に不調をきたしているサインかもしれません。
無理を続けて心身が不調になると、仕事で成果を発揮することが難しくなることはもちろん、快復するまでに長期間かかることもあります。

そのため、心身の不調が続いていると感じたら、新卒1年目でも退職することを検討しましょう。
一時的な症状の場合もあるので、まずは一度休暇をもらうことや休職ができないかどうか、就業規則を確認することをおすすめします。

(3)退職後のプランはあるか

退職後のプランがあるかどうかも、退職を判断するうえで重要なポイントです。
既にやりたいことが見つかっていて、退職後の行動が決まっているなど、目標を達成するまでの計画が具体的に定まっている人は、新卒1年目で辞めても問題ないでしょう。

新卒社会人の中には「とりあえず3年」と考えている人も多いかもしれませんが、ビジョンがはっきりしていれば3年という根拠のない時間にとらわれる必要はありません。
特に、異業種や新しい職種にキャリアチェンジする場合、年齢が若いほうが転職活動では有利になります。

一方で、今の職場で身につけられる経験やスキルが、自分の希望するキャリア形成につながるのであれば、すぐに辞めるのではなく、自分で目標を定めて継続するのも良いでしょう。
次を決めずに退職するときのメリット・デメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説しているので、今の仕事を辞めようと思っている人は参考にしてみてください。

【状況別に解説】次を決めずに退職するときのメリット・デメリット

2023.06.30

4.新卒1年目で仕事を辞めたいときに覚悟しておくこと


新卒1年目で仕事を辞めたいときに覚悟しておくことは、下記の3つです。

新卒1年目で仕事を辞めたいときに覚悟しておくこと

(1)非難や反対してくる人がいる

(2)転職先を早期退職すると次の転職は厳しくなる

(3)失業手当はもらえない

(1)非難や反対してくる人がいる

新卒1年目で仕事を辞めようとすると、上司や親など周囲の人から非難や反対をされることがあります。
「今辞めたら、次もすぐに辞める」「根性がない」「どこに行っても通用しない」など、非難や反対をされると自分が間違っているように感じられるかもしれません。

年功序列の企業に長く勤めるという前時代的な価値観から、1年目の退職を非難・反対する人もいるでしょう。
しかし、上司や親が自分の人生やキャリアを保証してくれるわけではないので、周囲の声に従うのではなく、自分の人生は自分で決めることが大切です。

また、もし退職を申し出てなかなか辞めさせてもらえなくても、法律上は退職を申し出て2週間後には、どのような事情でも退職できますので、詳しくはこちらを参考にしてみてください。
(参考:厚生労働省|知って役立つ労働法

(2)転職先を早期退職すると次の転職は厳しくなる

転職先を早期転職すると、次の転職が厳しくなるので注意しましょう。
日本企業は、1社に長く在籍することが美徳となっている傾向があるため、転職では経歴上の在籍年数が大きく影響します。特に、1年未満の経歴があると転職で不利になるのが一般的です。

20代であれば長期的なキャリア形成が見込めるため、前職の在籍期間が短くても、第二新卒として転職に成功することは十分可能です。面接時に納得のいく退職理由を伝えられたら、ネガティブな印象はもたれないでしょう。

しかし、新卒1年以内に転職をして、その後の転職先も1年以内で辞めたら、次の転職は厳しくなります。
立て続けに1年以内に退職していると、選考時に「採用してもまたすぐに辞めるのでは?」と疑われるためです。
転職先をすぐに辞めることがないよう、自分と企業の適合性を考えて転職後のミスマッチを防ぐことが大切です。

(3)失業手当はもらえない

入社して1年未満に会社を辞める場合、基本的に失業手当は受けられないので注意が必要です。
正社員として就職した場合は雇用保険に加入することが一般的ですが、失業手当を受けるためには、雇用保険に加入している期間が12カ月以上あることが条件です。

また、仮に条件を満たしたうえで退職しても、自己都合で退職した場合は、失業手当を受け取れるのは退職してから2〜3カ月後になります。(参考:厚生労働省|基本手当について
1年未満で仕事を辞めて転職活動する場合は、失業手当をあてにしなくても生計を立てられるように、しっかり計画しておきましょう。

5.新卒1年目で仕事を辞めたいときにすべきこと


新卒1年目で仕事を辞めたいときにすべきことは、下記の3つです。

新卒1年目で仕事を辞めたいときにすべきこと

(1)自己分析してキャリアプランを立てる

(2)在職しながら転職活動をする

(3)転職先が決まったら円満退職に向けて行動する

(1)自己分析してキャリアプランを立てる

新卒1年目で仕事を辞め転職する場合は、自己分析したうえでキャリアプランを立てましょう。
既に1社経験している第二新卒の転職なら、新卒時の自己分析をそのまま流用せずに、改めて自分の強みや価値観を明確にしておくことが大切です。
前職での経験を通じて学んだことや身につけたこと、仕事の適性や働き方に対する価値観など、社会人の経験を経たうえでの自己分析をしていきましょう。

新卒1年目で転職する場合、次も1年程で退職すると、転職の選択肢が少なくなるため長期的な目線で将来のキャリアプランを立てることをおすすめします。
キャリアプランでは、仕事として「やりたいこと」と「できること」を分けて考え、自分が将来どのようになりたいかをイメージしましょう。

(2)在職しながら転職活動をする

転職活動は在職しながら行うことをおすすめします。退職した後に転職活動をすると、経済状況が不安定になり、焦って転職先を決めて失敗する可能性があるためです。

在職しながらの転職活動であれば、金銭的にも精神的にも余裕がもてるので、転職先を妥協せずに選べて、結果的に転職に成功する可能性が高いのです。
もし、在職しながらの転職活動に不安がある方は、転職エージェントの利用をすることで、専任のキャリアアドバイザーが転職活動をサポートしてくれるので、スムーズに優良な転職先を見つけられます。

(3)転職先が決まったら円満退職に向けて行動する

転職先が決まったら円満退職に向けて行動しましょう。円満退職をすれば周囲との人間関係で嫌な思いをせずにすむうえに、退職の事務手続きも円滑に進められるからです。
円満退職をするためには、就業規則に従い、直属の上司に退職の意向を伝えて、引き継ぎや挨拶回りを行い、良好な人間関係を維持しましょう。
辞めるからと人や企業のことを悪く言うと、後々トラブルにつながるため避けたほうが賢明です。

また、退職の意向を伝える際に引き止められることもありますが、やむを得ないプライベートの事情のほか、前向きな将来ビジョンを伝えると、納得してもらいやすいです。
早期退職すべきケースや退職に向けてのステップについてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

【新卒1年で辞めたい】早期退職したい人がとるべき5ステップ

2023.04.19

まとめ


今回の記事では、新卒1年目で仕事を辞める人の割合や転職の難易度、若者の転職の捉え方、1年目で仕事を辞めたいときにやるべきことを紹介しました。

まずは、「自分の捉え方や行動で変えられるか」「心身に不調をきたしているか」「退職後のプランはあるか」の観点から辞めるかどうかの判断をしていきましょう。
また、第二新卒での転職を成功させるには、社会人を経験したうえでの自分の強みや適性、価値観を明確にしたうえで、キャリアプランを立てて行動していくことがポイントとなります。

新卒1年目で仕事を辞めることに不安がある人や、転職でお困りの20代の人は転職エージェントの利用をおすすめします。私たちキャリアスタートは、20代を中心に転職支援を行っている転職エージェントです。自己分析から書類作成、求人紹介、面接対策などトータルサポートを行っています。
これまで新卒1年目の方も転職成功へと導いてきましたので、ぜひお気軽にご相談ください。まずはこちらからご登録ください(簡単1分・無料)

20代の就職・転職なら、まずは「キャリアスタートの転職エージェント」に無料登録!

20代の就職・転職にキャリアスタートがおすすめの3つの理由

  • 就職・転職支援実績
    3000人以上
  • 年収100万円以上アップ
    の事例多数
  • 未経験からの就職・転職で
    定着率92%以上

キャリアスタートでは、20代の若手に特化した転職エージェント・就職エージェントサービスを提供しています。エージェントサービスに登録いただくと、事務職やIT営業・ITエンジニアなど、あらゆる職種の中からご希望に沿った正社員求人を無料でご紹介。

求人の応募から内定まで、専任のコンサルタントが徹底サポートします。「履歴書・職務経歴書の添削」や「面接対策」「給与交渉」も無料で代行します。

私たちの強みは、普通では出会えない、20代の若手を採用したい会社をたくさんご紹介できること。さらにコンサルタントを経由して、あなたの魅力を企業側へプッシュしてもらえるので、自分一人で選考を受けるよりも、内定の可能性を一気に高めることができます。

まずは以下のボタンから転職エージェントサービスにご登録ください(簡単1分・無料)

\転職エージェントに/