仕事に関する将来の不安の解消法|必要な対策と将来性のある職業は?
外国人労働者の受け入れに関する労働市場における規制緩和、AIの急速な進化による労働人口の減少など、労働市場の環境悪化が懸念されています。内閣府の調査では、そうした労働環境変化の影響もあってか「若者の将来展望は悲観的になりがちになる」との調査結果が出ています。この記事では「仕事」や「将来」への不安をどのように払拭していくべきかについて詳しく解説していきたいと思います。
Contents
若者が将来について不安に感じること【仕事編】
収入や老後
今の仕事を続けて、十分な収入が得られるか
内閣府が発表している「子供・若者の現状と意識に関する調査」(平成29年度)によると、働くことへの不安に関して「とても不安」「どちらかといえば不安」の合計が最も高いのは「十分な収入が得られるか」に対する不安となっています。高齢化社会の加速に伴い、年金受給開始年齢が引き上げられる人々の老後の生活不安は高まり、現役世代の「自分は何歳まで働けるのか?」という不安の高まりも当然と言えるかもしれません。
リストラされないか
男女ともに16〜19歳は「とても不安」「どちらかといえば不安」と答えた割合は高くなっています。「あまり不安ではない」の回答は、25歳〜29歳の女性の割合が35.4%となっています。雇用環境は景気動向により大きく変化するため、「不況下では、いつリストラされるかわからない」という不安を持つ人が多いと言えるでしょう。
老後にきちんと年金を受け取れるのか
年金に関しては男女間で不安の感じ方に違いがあるようです。「とても不安」という回答が最も多いのは25〜29歳の女性(47.9%)で、「まったく不安を感じない」「あまり不安ではない」の合計が最も多いのは20〜24歳の男性(31.0%)となっています。
勤め先の将来
会社が倒産しないか
内閣府が発表している「子供・若者の現状と意識に関する調査」(平成29年度)によると、「勤め先企業が倒産しないか?」という不安についての問いに対し、「どちらかといえば不安」と回答した人の割合が高いのは16〜19歳の男性(43.3%)、「とても不安」と回答した人の割合が高いのは16〜19歳の女性(26.0%)となっています。若い人ほど勤め先企業の将来に対しての不安に感じている人が多い傾向にあるようです。
【出典】内閣府「子供・若者の現状と意識に関する調査」
https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/h29/pdf/s2-2.pdf
仕事に関する将来の不安を解消する方法
情報収集を心がける
新聞やインターネット、書籍、専門家の講演会聴講などを活用し、ビジネスに必要な情報をキャッチアップすることも重要です。職業の将来性は、日本経済全体や業界の動向が影響してくるため、常に世の中の動きに目を向け、先々のことを考えて行動できるようにすることが重要です。
将来性のある職業に転職をする
勤務先の未来に対しての不安が大きい場合、早めに転職活動を行い、より将来性のある職業に就職するのもよいかもしれません。「会社が倒産しないか」という不安に悩まされることが少なくなるとともに、金銭面での不安を解消できる可能性があるからです。さらに残業時間の削減や福利厚生の充実など、職場環境に関する不安の解消にもつながる場合もあります。
将来性のある仕事とは?
それでは「将来性のある仕事」について具体的に考えてみましょう。
将来性のある仕事の特徴
AIによって代替できない領域の仕事
製造業、接客業など様々な分野でAIの活用が進んでいますが、クリエイティブ関連職やソフトウェア設計、教育など、まだまだAIでの代替が聞かない仕事はたくさんあります。
転職先が多い仕事
転職先が多いということは社会の中に需要が高く、多くの人に求められている仕事であると言えます。社会的なニーズの高い仕事は将来性も高く、無くなる不安のない仕事と言える
時代に左右されない仕事
代々受け継がれる職人の技による仕事などもAIでの代替は不可能。数値化できない「職人の勘」は、人間から人間へのみ伝えられるものであり、唯一無二の技術は他者により変わられる可能性が低くなります。
将来性のある職業の例
医療、介護職
看護師や介護士などがこれに含まれます。これらの仕事は業界的に慢性的な人材不足に悩まされており、
超高齢社会の進行に伴い、今後も需要が増えることが予想されています。また、患者さんやお年寄りとのコミュニケーションは、機械やAIにはできないことも多いと考えられているため、求人ニーズは今後も確実に増えていくはずです。
ITエンジニア
今や私たちの生活においてITは欠かすことのできないインフラとなっています。もはやITスキルはあらゆるビジネスパーソンにとって欠かすことのできないスキルであり、IT分野に携わる者でなくとも身に付けなければならないものとなっています。IoT社会の急速な発展に伴い、より高度なITスキルを持つITエンジニア需要は今後も高まっていくと思われます。
弁護士
世の中には高度な専門資格保有者しか従事できない職種がいくつもありますが、法の専門家である弁護士は必ず必要とされる存在であり、決してAIに代替されない仕事です。司法試験は数ある国家資格試験の中でも特に難易度の高い試験であることから、弁護士は誰もが簡単に就ける仕事ではありません。
営業職
営業とは、営利を目的とする業務であり、製品の販売・販路の拡大・企業との提携・M&Aなどあらゆる企業活動の最前線となる仕事です。どれだけIT化が進んでも、マンツーマンの営業は決してなくなることはないと言えるでしょう。
公務員
立法・司法・行政の三権分立は民主主義の根幹であり、公共の福祉を担う行政の役割は未来永劫変わらないと言えるでしょう。行政に従事する公務員の求人は常に安定しており、常に安定した就職人気を保っています。将来性・安定性の観点で言えば、公務員はもっとも堅実と言えるかもしれません。
将来に対する不安から転職した人の体験談
S.Kさん
不安に感じていたこと
経験社数7社、正社員歴合計2年の自分にとって、将来のキャリア形成に不安を感じるようになった。これからはもっと稼いでいく必要があると思い始めたが、具体的にどうすべきか悩んでいた、
内定企業へ就職を決めた理由
実際に面接を受け、話を聞いたうえで、「自分がここなら将来的な目標が達成出来る!」と感じたから
S.Sさん
不安に感じていたこと
未経験職種への転職を目指し単独で活動を進めていたのですが、得られる情報には限りがあり「果たしてこのままでいいのだろうか」という不安を感じていました。
内定企業への就職を決めた理由
紹介していただいたのが業界トップの会社で、そこで活躍できるのであれば、是非頑張りたいと思いました。面接も面接官の圧迫感がなく、話やすかったですし、面接で企業についての説明をしっかりしてもらえ、企業イメージがより上がりました。
S.Yさん
不安に感じていたこと
私の最終学歴は中卒で、正社員として働いたことはありません。自分の経歴で本当に正社員として採用されるのかが最大の不安でした。
内定企業への就職を決めた理由
内定を頂いたのは2社目に紹介して頂いた企業だったのですが、じつは1社目の面接で大失敗をしてしましました。その反省から面接のトレーニングを繰り返し、2社目では自分の思いをすべて伝えることができました。入社を決めた理由は、その思いを正面から受け入れてもらえたからです。
※参考:「先輩たちの声」https://careerstart.co.jp/interview
将来への不安を払拭するために
年齢が若いほど将来への見通しに不安
内閣府「子供・若者の現状と意識に関する調査」によると、仕事・収入・老後などについて20代よりも10代のほうが「不安である」とする割合が高くなっています。
・AIの急速な進化に伴い、仕事がAIに代替される時代が本格的に到来したこと。
・年金だけでは老後の生活が成り立たないこと。
・年功序列・終身雇用の日本型雇用慣行の衰退したこと。
これから社会に出ようとする若者にとっては、とても未来への希望の持てない事実ばかりです。
仕事や将来への不安を解消するためには
自分が他に代替されないために必要なのは、なくてはならないという存在価値を高めることが必要です。スキルを高め、資格取得などにより専門性を獲得していくことで、キャリアにおける多彩な選択肢が広がるはずです。
「将来リストラされるのではないか?」そんな不安を持つ若者も多いようですが、そんな方は「将来性」という観点で仕事を選ぶとよいでしょう。
将来性のある仕事の特徴を挙げると、「AIなどに代替されにくい」「社会的ニーズが高い」「時代に左右されない」などがあります。長期的なキャリア形成を目指すならば、こうしたポイントで仕事を選択するとよいでしょう。
いつの時代にも変わらぬ将来性のある仕事
医師・弁護士など高度な専門性が要求され社会的ニーズの高い仕事や、企業活動の最前線を担う営業職、今後も発展し続けると見られるIT業界の仕事など、将来性を強く感じられる仕事はたくさんあります。それぞれ求められる適性やスキルなどは異なるので、まず自分のスキル・経験・適性などを十分に把握することが大切です。