大学を中退している人は、資格がなくても就職する事は可能です。
例えば、営業職、事務職、コンサルタントや企画職だけでなく、多くの求職者から人気のあるITエンジニアですら、何らかの資格を持っていることは求人票の募集条件には定められていません。
また、営業やITエンジニアなどの資格不要の職業を目指すのであれば、実務経験を積んでスキルアップできる正社員として就職をすることが非常に大切になってきます。
しかし、大学を中退している人の中には、少しでも就職活動を有利にするために資格取得を検討している人もいるでしょう。
この記事では、これから就職活動を考えている大学中退者におすすめの資格を11選にしてご紹介します。
大学中退の就職について全体像を知ったうえで資格取得をするか考えたい人は以下の記事も参考にしてみてください。
大学中退者は資格がなくても就職できる
職業の中には、資格が必須となる職業と、資格が不要な職業の2つに分かれています。
このうち、弁護士や医師、看護師などの専門的な知識が求められる職業は、それぞれ対応する国家資格の取得が必須となってきます。
ただ、営業職や事務職を始めとした、民間企業の会社員として勤めるような職業を目指す場合、ほとんどのケースで資格は不要です。これらの資格不要の職業を目指したい場合は、早めに正社員就職を目指していきましょう。
なお、民間企業の会社員を目指す場合であっても、仕事によっては資格が必須となるケースがありますので、不安な人は就職エージェントなどの就職支援サービスを使って、求人をあらかじめチェックしておくことがおすすめです。
大学中退者におすすめの資格11選
大学を中退していると、学歴コンプレックスを感じてしまい、就活や自分の将来に不安を抱えがちになります。
もし大学中退によって焦りを感じているのであれば、資格を取得して少しでもキャリアや自分に自信を持つことも選択肢になってきます。
ここでは、以下のジャンルに分けておすすめの資格をご紹介します。
- 短期間で取得できる資格
- 就職活動で役立つ実務系の資格
- 長期的にキャリアアップが目指せる資格
合格率や目安勉強時間、資格が活かせる仕事の例についても分かりやすくまとめていますので、気になる資格があったら参考書を読んでみることから始めてみてください。
短期間で取得できる資格
秘書検定
秘書検定は、秘書に求められる水準の高いビジネスマナーが証明できる資格です。
「秘書」という名称が付いていますが、秘書を目指す人だけでなく、ビジネスマナーが求められる仕事を目指している大学中退者であれば就職活動でアピールが可能です。
難易度に応じて1級から3級までに分類されていますが、3級の合格率は70%程度と比較的高く挑戦しやすい点が魅力といえます。
正社員デビューをするにあたり、ビジネスマナーを習得しておくことは非常に有効なため、大学を中退してフリーターをしているような人は特におすすめできます。
マイクロソフトオフィススペシャリスト
マイクロソフトオフィススペシャリストは、WordやPowerPoint、Excelを始めとしたマイクロソフト社が提供しているソフトウェアを使いこなることを証明できる資格です。
パソコンを使うような仕事であれば、ほとんどのケースでマイクロソフトの何らかのソフトを使うことになります。
資格を取得できれば、基本的なパソコンスキルやマイクロソフトのソフトウェアが使えるアピールになりますので、就職活動で有利になることが期待できます。
一般レベルの難易度であれば合格率は80%程度と言われていますので、挑戦しやすい点も特徴です。
合格率(目安) | 80%(一般レベル) |
目安勉強時間 | 60〜90時間 |
資格が活かせる仕事の例 | ・パソコンを使う仕事全般 |
登録販売者
登録販売者とは、ドラッグストアや調剤薬局において、一般用医薬品の販売ができる医薬品販売専門の資格です。
各店舗に登録販売者の資格所有者がいないと指定された医薬品を販売できないことから、需要の高い資格と言えます。
特に、販売職として店舗スタッフの求人に応募したいと考えるような場合、登録販売者の資格を持っていると、応募できる求人の幅が増えるといったメリットがあります。
目安勉強時間は400時間と簡単な資格ではありませんが、職業選択の幅を広げたい人は取得を検討しても良いでしょう。
TOEIC
TOEICは英語力を図るための資格であり、英語力を世界基準でスコア化できる点が特徴です。
合格という概念がなく、自身の回答結果に応じて10〜990までのスコアが必ず取得できるようになっています。
試験はリスニングとリーディングの2つに分けられており、毎月のように全国各地で試験が実施されていますので、就職活動やバイトで忙しい大学中退者も受験がしやすい点がメリットです。
就職活動でアピールする場合は、600以上のスコアを目指すと良いでしょう。
ただ、会社によっては500以上でも充分英語力があると考えられることもありますので、英語に関係する仕事に就きたいと思っている人は、まずは1回受験してみるのがおすすめです。
合格率(目安) | ー(合格という基準がない) |
目安勉強時間 | ー |
資格が活かせる仕事の例 | ・業務上英語を使う仕事全般 |
普通自動車免許
普通自動車免許は自動車を運転するのに必須となる資格です。
普通自動車免許を持っていることが就職活動で直接アピールになる事はありませんが、業務上車を運転する機会が増えやすい営業職などは、普通自動車免許を持っていることが応募の必須条件になっているケースもあります。
大学を中退していて自由な時間がある人であれば、この期間を活かして免許合宿などで普通自動車免許を取得していくことがおすすめです。
合格率(目安) | 70〜80%(学科) |
目安勉強時間 | 10時間(学科対策のみ) |
資格が活かせる仕事の例 | ・営業職・ドライバー |
就職活動で役立つ実務系の資格
日商簿記検定
日商簿記検定とは、日本商工会議所や各地の商工会議所が主催する資格です。
会社の経営活動を数字で計算・記録する簿記の能力がある証明ができる資格であり、取得することで高い計算能力や学習力をアピールできます。
一定の計算能力が求められる資格ですが、計算そのものは義務教育レベルのものが中心となるため、大学を中退している人であってもしっかりと勉強をすれば合格を狙えます。
難易度に応じて1級から3級までに分かれていますが、3級でも就職活動でアピールできることから、大学中退者はまずは3級の取得を目指して勉強するのが良いでしょう。
合格率(目安) | 30%〜50%(3級) |
目安勉強時間 | 100時間 |
資格が活かせる仕事の例 | ・事務職・営業職 |
基本情報技術者
基本情報技術者は、ITに関する幅広い知識を持っている証明ができる資格です。
プログラマーやITエンジニアとしての活躍を目指す人が多く取得しており、IT関係の資格の中では珍しい国家資格という点も特徴です。
試験内容としては、ITに関する戦略立案やシステムの企画・要件定義、設計など、今までITに触れてこなかったような人だと難易度が高いと感じるかもしれませんが、エンジニア未経験者でも合格している人は少なくありません。
ITパスポート
ITパスポートとは、ITを活用しようとする全ての社会人や学生が持っておきたい、ITに関する基礎的な知識を証明できる資格です。
基本情報技術者と同じく国家資格であるため、資格取得できれば就職活動でアピールに活かせます。
学生も取得の対象としている資格であることから、大学を中退している人であっても勉強をしっかりとすれば合格できる水準に達せます。
勉強時間としては100時間から150時間が目安となってきますが、合格率は50%程度と決して低くないため、IT関係の仕事に就きたい人は取得を検討してみても良いでしょう。
長期的にキャリアアップが目指せる資格
宅地建物取引士
宅地建物取引とは、不動産の売買や賃借の取引の業務を行うのに必須となる国家資格です。
特に不動産営業などの仕事の場合、就職直後に宅地建物取引士の資格取得を義務付けられているような会社も少なくありません。
不動産に関係する仕事をしたい場合、間違いなくアピールに繋がる資格ではありますが、合格率は15%程度と難しい資格になりますので、無理して資格取得に時間を使いすぎないように注意してください。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとは、個人が資産形成をしていくにあたって重要になる、資金計画やライフプランニングに関する専門的な知識が証明できる資格です。
資格取得にあたっては、計算能力や記憶力、一般的な社会常識などの学習が必要になりますので、資格取得ができると金融関係の就職活動で有利に働くことになります。
難易度に応じて1級から3級までに分かれており、3級であれば合格率は70%以上と比較的高い水準であることから、大学を中退してとりあえず何かの資格を取得してみたいと考える人におすすめできます。
合格率(目安) | 70〜80%(3級) |
目安勉強時間 | 30〜100時間 |
資格が活かせる仕事の例 | ・金融営業・ファイナンシャルプランナー |
社会保険労務士
社会保険労務士とは、社会保険の専門家として有しているべき知識を持っている証明ができる国家資格です。
社会保険労務士としての業務を行うためには、社会保険労務士の資格が必須となってくることから、人事労務職の仕事に興味がある人に特におすすめできます。
国家資格の中でも比較的難易度の高い資格と言われており、合格率は6%から7%と低い水準です。
勉強時間としても800時間は最低でも確保したい水準となってくることから、資格取得を目指すのであればある程度の覚悟が必要です。
大学を中退している人であれば1日の大半の時間を資格取得の勉強に当てることもできますが、社会保険労務士の試験範囲が幅広いことを考えると、独学ではなくスクールに通って取得を目指すことがおすすめです。
大学中退者におすすめできる資格の特徴
ここまで大学中退者におすすめできる資格を紹介してきましたが、紹介した資格以外でも以下のような特徴がある資格であれば、大学中退者におすすめできます。
- 複数の仕事適性がアピールできる
- 合格率が比較的高くメジャーな資格
それぞれ解説します。
複数の仕事適性がアピールできる
近くによっては取得をすることで、複数の仕事への適性がアピールできるものがあります。
例えば、ITパスポートを取得できれば、システムエンジニアとプログラマーの2つの仕事の就活でアピールに繋げられます。
それぞれの資格がどういった職業に活かせるのかどうかについては、各資格の運営団体が公開しているホームページでも記載されている傾向にありますので、気になる資格の公式ホームページを確認してみるのもおすすめです。
合格率が比較的高くメジャーな資格
就職活動で資格をアピールしたいのであれば、合格率が比較的高くメジャーな資格取得をおすすめします。
大学を中退している人でフリーターとして生活している場合、フリーター期間が長くなればなるほど正社員になれる可能性が低くなってしまいます。
合格率があまりにも低い資格の場合、勉強に時間が取られることになり、空白期間が長引くといったリスクがあるでしょう。
また、合格率が低い難易度の高い資格が取得できたとしても、その資格が有名でない場合、面接官にアピールをしても資格の凄さがうまく伝わらず、アピールにならないことが考えられます。
大学中退者で、就活のためにこれから資格を取得したいのであれば、多くの人が聞いたことのあるような名前の資格がおすすめです。
大学中退者が資格を就職活動で活かすポイント
就活においては、ただ資格を持っているだけではアピールに繋がりません。
大学を中退した人が就職活動で資格取得を活かすのであれば、以下のポイントを意識しましょう。
- 資格取得で得られた知見をアピールする
- 資格に関連する仕事に応募する
- 履歴書や面接でできる限り資格取得に触れる
それぞれ解説します。
資格取得で得られた知見をアピールする
資格を持っていることそのものがアピールになるのではなく、資格取得を通じてどういった知識や経験を得られたのかという点をアピールするように意識してみてください。
例えば、資格取得にあたって勉強を頑張ったというだけではアピールには繋がりません。
「試験日から逆算し、出題範囲をどうやって学んでいくかを日々のスケジュールに落とし、スケジュール通りに勉強を進めたことで合格ができました。」などの言葉で伝えれば、資格取得を効果的にアピールすることが可能です。
資格取得のアピール方法についてイメージがつかないという人は、就職エージェントに相談をしてみるのもおすすめです。
資格に関連する仕事に応募する
既に資格を持っているという人は、その資格に関連する仕事に応募することがポイントです。
例えば、ITパスポートを持っていることをサービス職の就活でアピールをしても、そこまで面接官に響かないことが考えられます。
このことから、資格取得をする際は、まず自分がどういった仕事に就きたいと思っているのかを考えるところから始めることが大切だと言えます。
履歴書や面接でできる限り資格取得に触れる
就活で資格をアピールするのであれば、履歴書に記載することはもちろん、面接で資格取得に触れる必要があります。
当然ながら資格を持っていることを面接官に知ってもらえなければ、資格を持っていない人と同じ扱いになってしまいますので注意してください。
また、資格を持っていることを履歴書に書いていても、面接の場で触れられないこともあります。
確実に資格をアピールしたいのであれば、自己PRで資格取得に関する経験をアピールすることもおすすめです。
大学中退者が資格取得を目指す時の注意点
最後に、大学を中退している人が就職活動のために資格取得を目指す際、注意しておきたいポイントを3点解説します。
資格取得に時間をかけすぎない
大学を中退してフリーターとして働いているような場合、資格取得に時間をかけすぎたことによって空白期間が長引くと正社員になりにくくなることが考えられます。
具体的に言えば、空白期間が6ヶ月を超えてくると正社員になりにくくなってくるため、勉強から資格取得までが6ヶ月以内で終わるような資格に絞って勉強することがおすすめです。
仮に毎日3時間ずつ3ヶ月勉強したとすると、目安勉強時間が270時間以内の資格であれば、就職に影響せず取得できる水準となりますので、認識しておきましょう。
なりたい仕事のイメージを決めずに資格を取得しない
取得した資格と応募する職業の関連性が薄いと、資格取得が効果的なアピールに繋がりづらくなります。
そのため、これから資格取得をするのであれば、まずは自分がどんな仕事になりたいのかをイメージした上で、どの資格を取得するか検討することがポイントになります。
就活で資格をアピールしたいのであれば、手当たり次第に資格勉強をするのではなく、なりたい仕事から逆算をするイメージを持っておいてください。
資格は就職に必須ではない
正社員就職をするのに資格は必須ではありませんが、その代わり自己分析や面接対策などの就活準備が非常に重要である点は認識しておいてください。
あくまでも、資格取得は自分のアピールポイントを増やす材料にすぎず、面接対策の基本ができていなければ、どれだけ難易度の高い資格を持っていても魅力的な人材だと思ってもらうことはできません。
面接対策に不安を感じているような大学中退者は、就職エージェントのアドバイザーと模擬面接をしてみることもおすすめです。
まとめ
大学中退者が就職する上では資格取得が必須ではないものの、応募する職業に応じた資格を持っておければ、自己PRの材料になりますのでメリットに繋がります。
しかし、資格取得に時間をかけて空白期間が長引くと正社員になれる可能性が下がりかねないため、時間とコストに見合う資格を選ぶようにしてください。
また、大学中退者が就職活動を成功させるのに最も大切になるのは、面接対策と自己分析です。どうやって面接対策を進めていけばいいのか分からない人は、大学中退者の就職支援に強いキャリアスタートまで相談してみてください。