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大学留年か中退か、将来を見据えるならどっち?判断基準も解説

大学留年か中退か、将来を見据えるならどっち?判断基準も解説

大学を留年するか中退するか、どちらの選択を選べばいいのか悩んでいる人も多いと思います。将来の就職を見据える場合、どちらか1つしか選べないのであれば、留年の方が仕事を選ぶ選択肢が増えるという意味でおすすめできます。

大学の留年と中退は、どちらも周囲の人からポジティブに見られづらかったり、それまで築いていた交友関係がリセットされてしまうといった共通点があります。

また、大学の留年と中退をそれぞれメリットとデメリットに分けて整理してみると、大学を中退することには、学歴が高卒になってしまうという大きなデメリットがあります。

高卒になると大卒が応募条件となっている求人に就職ができなくなるため、将来の選択肢が大幅に狭まってしまいます。

ただ、だからといって大学の留年を手放しにおすすめできるわけではありません。

大学の留年は就職活動に少なからずネガティブな影響を与えることになるため、大学を中退するか留年するかを迷った際は、一度自分が現在どういったことに悩んでいるのか自己分析をして、自分が取るべき行動を明らかにすることを意識しましょう。

自己分析のやり方に悩むのであれば、若手就職支援に強いキャリアスタートに相談してみてください。

大学留年と中退の共通点

大学留年と中退の共通点

大学を留年するか中退するか、どちらの方が望ましい選択なのか考える前に、まずはこれらの選択肢の共通点について理解を深めておきましょう。

大学の留年も中退も、どちらも今後の長い人生に影響を与える選択になりますので、このあと解説する留年と中退のメリットデメリットも合わせてしっかりと認識しておいてください。

周囲の人からはポジティブには見られにくい

大学の留年も中退も、どちらも周囲の人からポジティブに見られにくくなるといった共通点があります。

特に就職活動であれば、留年や中退の伝え方にもよりますが、多くのケースで企業から「大学をストレートで卒業できなかったということは、何か問題がある人なのではないか」と思われることも考えられます。

一般的に、大学を留年するということは、大学に真面目に通っていなかったことと受け取られやすいです。また、大学を中退したという事実は、多くの人が卒業できている大学に通うことを諦めてしまったと受け取られやすい傾向にあります。

また、就職活動だけでなく、家族や友人からもネガティブに見られやすいのが実態です。

友人とコミュニケーションを取ることがあれば、図らずも友人と自分の境遇を比較してしまい焦燥感を感じることも考えられますし、家族からは「学費を無駄にした」などと言われてしまうかもしれません。

短期的な目線だけで決めてはいけない

繰り返しになりますが、大学の留年も中退も自分の将来に大きな影響をもたらすことになります。

場合によっては、今後数十年に渡る自分の職業選択にも影響をもたらしかねませんので、決して「今大学に通うのがつらいから」といった短期的な目線だけで選択をしないでください。

また、記事の冒頭では「どちらかというと大学の留年の方がおすすめ」と解説しましたが、人によって将来の生活に対する価値観が異なってくるため、一概にどちらが良いとは言い切れません。

むしろ、留年も中退も避け、ストレートで大学を卒業する方法がないか模索することが重要です。

大学を留年するのか中退するのか明確な判断ができないのであれば、自分だけで考えずに親や大学のキャリアセンターの職員と相談することをおすすめします。

大学留年と中退のメリットデメリット

大学を留年することと中退することには、それぞれで無視できないメリットとデメリットが存在します。

ここからは、それぞれの選択のメリットとデメリットを3点ずつ詳しく解説していきます。

これから大学に通うことをどうするのか悩んでいる人は、メリットとデメリットの違いを理解しておきましょう。

大学留年のメリット

大学を留年するメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 新卒として再び就活できる
  • 使える時間が多くなりやすい
  • 大学のキャリアセンターが利用できる

これらのメリットについて詳しく解説していきますが、改めて大学を留年することそのものにメリットが大きくあるわけではないことを理解しておきましょう。

新卒として再び就活できる

大学を留年することで、新卒枠として再び就活できるといったメリットが挙げられます。

例えば、1回目の4年生の就活でどうしても行きたい企業の選考に落ちてしまった場合、留年をしなければその企業に新卒として就職できる可能性はゼロになります。

この場合、必然的に1番行きたかった会社とは別の会社で就職を決めて社会人として働いていかなければなりません。

一方、大学を留年して2回目の4年生をする場合、1回目の就活で落ちてしまった第一志望の会社に再び新卒として応募できるようになります。

企業によっては留年者の応募をチェックしているケースもありますが、企業の募集状況は毎年異なることから、2度目の応募で採用されるといった可能性は十分に考えられます。

それだけでなく、留年をして再び就活に臨めば、1回目の就活で失敗してしまったポイントを改善した状態で就活に挑戦できる点もメリットと言えるでしょう。

使える時間が多くなりやすい

1回目の大学4年生の段階で卒業するまでの単位をほとんど取り終わっている場合は、就活に使える時間が多くなりやすいといったメリットも享受できます。

例えば、大学1年生から3年生まで単位の取得が芳しくなかった場合、就活の時期で講義に時間を取られることになるため、就活対策を十分にできずに落ちてしまうといったことも考えられます。

しかし、大学を留年することによって単位に余裕がある中で就活に専念できるので、本来就活をする際に取り組むべきである自己分析や企業研究に時間を費やせるようになります。

大学の留年が、結果的に希望の就職先に内定をもらいやすくなることに繋がることもあるでしょう。

大学のキャリアセンターが利用できる

大学を中退してしまうとその大学の学生ではなくなることから、大学が提供している各種サービスが利用できなくなってしまいます。一方、大学を留年すればその大学の学生であり続けられるため、就活を進めることに役立つキャリアセンターが利用できます。

キャリアセンターでは就活関連の書籍を借りられるだけでなく、大学のOBを検索したり、基本的な面接対策を教わることができるなど、新卒就活に有利な知識を習得できます。

留年をすることで時間的な余裕も生まれていることが考えられるため、大学の設備でもあるキャリアセンターをフルに活用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

大学留年のデメリット

大学を留年するデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 学費が1年分かかる
  • 留年の理由は面接で聞かれる
  • 同級生と疎遠になりやすい

いずれもイメージしやすいデメリットになっていますが、今一度理解を深めておいてください。

学費が1年分かかる

大学を留年することで、当然ながら学費が1年分余計にかかってしまうといったデメリットが生じてきます。

学費は学部や国公立・私立といった違いによって金額が変わってきますが、国公立大学の場合はおおよそ50万円、私立文系の場合は100万円弱と決して低くない金額となっています。

また、親元を離れて下宿している場合、学費だけでなく生活費も考える必要があります。

例えば1ヵ月あたり10万円で生活をしているのであれば、留年によって120万円が余計にかかってくる計算になります。

自分で大学に通うお金を稼いでいる場合は、そのぶん余計にアルバイトをしなければなりませんし、親に仕送りをしてもらっている場合は家族の金銭的な負担が増えてしまうといった点は無視できないデメリットです。

留年の理由は面接で聞かれる

大学を留年すると再び新卒枠で就活を進めることができますが、2度目の就活の場合は留年の理由を面接で聞かれる可能性が高まります。

留年の理由をうまく伝えることができないと、それだけで企業からネガティブな印象を受けてしまうためデメリットになると言えます。

また、留年の理由は新卒就活の場だけでなく、社会人になった後の転職の面接の場でも聞かれる傾向にあります。

今後の人生で行う面接のたびに留年の理由を聞かれ、ネガティブに感じられてしまうリスクがあるということは中長期的なデメリットと言えるでしょう。

同級生と疎遠になりやすい

大学を留年すると、同級生の多くは一足先に正社員になってしまいますので、出会える機会が減ってしまったり、会話が成り立ちづらくなったりなど疎遠になるリスクが生じてしまうといったデメリットが挙げられます。

ただ、同級生と疎遠になりやすいというデメリットは、大学留年も主体も変わらないデメリットとも言えますので、そこまで深く捉える必要は無いかもしれません。

大学中退のメリット

ここまでは大学を留年することについて解説してきましたが、ここからは大学中退のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

大学を中退することのメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • やりたいことに集中できるようになる
  • 大学のことに悩まなくなる
  • 留年よりも社会人経験を早く積める

大学を留年することで得られるメリットと比較をして、自分にとってどの選択肢が適しているのかの検討に役立ててみてください。

やりたいことに集中できるようになる

大学を中退することで、今まで講義を受けていた時間を全て無くすことができるため、自分が本当にやりたいことに集中できるといった大きなメリットが挙げられます。

特に日中で時間が必要な趣味や夢がある人の場合、大学に通い続けることが夢を実現する足かせになることもあります。

実際に大学を中退してから自分で企業をしビジネスを展開していたような実業家もいることから、本当にやりたいことが見つかった人であれば、大学の中退は大きなメリットとして感じられるでしょう。

大学のことに悩まなくなる

大学の交友関係や勉強、ゼミ活動などに悩みを感じていたような人であれば、大学を中退することで悩みから解放されるといったメリットを享受できます。

大学に通うことで生じている悩みは、留年では解消することがほぼできません。

どうしても目の前の悩みを解消する手立てが見つからず、精神的に参ってしまっているような人は、大学の中退が最適な選択になることもあります。

留年よりも社会人経験を早く積める

大学を中退してそのまま社会人になった場合は、留年をした人よりも一足早く社会人経験を積めるといったメリットもあります。

社会人になった後は、今までの学歴よりも自分がどういったスキルを持っているかといった実務経験が重視されるようになります。

大学を中退して早めに社会人経験を積むことで、将来のキャリアアップのスピードも早まることが期待できるでしょう。

大学中退のデメリット

大学を中退することのデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 学歴が高卒になる
  • 就職先の選択肢が大幅に狭まる
  • 中退をしても奨学金の支払いは必須

大学の中退は、一度選択すると取り返しがつかないという事実を十分に認識しておく必要があります。

上記のようなデメリットは今後の自分の人生に大きく左右してきますので、軽い気持ちで大学を中退するといった決断はしないよう心がけてください。

学歴が高卒になる

大学を中退すると、学歴としては高卒になります。

大学中退後にもう一度大学に入学して卒業しない限り、今後の人生において一生高卒として生きていく必要が出てくるという点は大きなデメリットと言えます。

特に履歴書の学歴欄を記入する際は、大学に入学した事実は書けるものの、合わせて中退をした事実を書かなければならないため、就職活動をするにあたって大学中退の事実を隠すことは不可能です。

就職先の選択肢が大幅に狭まる

大学を中退することによって学歴は高卒となりますが、これによって将来自分が選択できる就職先が大幅に狭まるといったことも、大きなデメリットとして認識しておかなければなりません。

大学を中退した後に就職活動をする場合、中途採用の枠で求人を探していくことになりますが、求人には応募する条件として大卒以上であることが明記されていることが少なくありません。

大学を中退すると学歴上は高卒となることから、それらの求人に就職できる可能性はなくなります。

求人にもよりますが、一般的に大卒以上を募集している求人の方が、提示される給料が高かったり休みや福利厚生が充実しているなど、働きやすさを感じやすいような待遇の求人が多い傾向にあります。

大学を中退すると、将来なりたいと思った仕事に就職したくても就職できないといった末路を迎えかねないことは必ず認識しておきましょう。

大学中退すると就職は厳しい?就職を成功させるコツを徹底解説

中退をしても奨学金の支払いは必須

大学に通うにあたって奨学金を借りた場合、卒業をせず中退したとしても、あらかじめ定められた日からの奨学金の支払いは必須となります。

高卒として応募できる求人と大卒が応募できる求人には、基本給にしておよそ2万円程度の差が出てくる傾向にあります。大卒に比べて少ない給料で生活しながら奨学金の返済もしなければならなくなるため、家計的にも厳しい日々を過ごすことになるかもしれません。

大学留年か中退かを判断する3つのポイント

ここまで大学の留年と中退について、それぞれメリットとデメリットを詳しく見てきましたが、これから大学を留年するのか中退するのか、どちらを選ぶべきなのかを判断するポイントとして以下の3点が挙げられます。

  • 今悩んでいることを自己分析で整理する
  • 自身のキャリアパスを設計してみる
  • 親に相談してみるのも一つの手

どうしても大学を留年するか中退するか選ばなければならない状況に陥っているような人であれば、これから解説するポイントを意識して後悔のない選択をしていきましょう。

今悩んでいることを自己分析で整理する

既に解説した通り、大学に留年することで得られるメリットと中退することで得られるメリットは異なります。それぞれで解決できうる自分の悩みに応じ、留年と中退のどちらの選択をするのか判断していく必要があるでしょう。

自分が今どういったことに悩んでいるのかを言語化するために、自己分析を行うことがポイントになってきます。

自己分析をするにあたっては、今通っている大学を選んだ理由から受験勉強時の感情、大学に入学してから現在に至るまでどういった出来事に感情が動いたのかなど過去を振り返り、もう一度自分自身を理解していくことが必要です。

自分自身の感情を言語化することで見えてくるものもあります。

留年と中退を安易に決めるのではなく、まずは自分自身のことを誰よりも深く理解するところから始めてみてください。

自身のキャリアパスを設計してみる

大学の留年と中退は、どちらを選んでも将来のキャリアに少なからず影響を与えます。

特に大学を中退してしまうと、選べる仕事が大幅に減ってしまう点は改めて認識しておく必要があります。

大学留年することと中退することのどちらを選択すればいいか悩んでいる場合は、将来のキャリアパスを設計してみることがおすすめです。

自分は将来どういった会社でどのような仕事に就いて働きたいと思っているのかが分かれば、大学を卒業する必要があるのかないのかがはっきりします。

反対に、「最低限の生活ができるだけの給料が稼げるのであれば、どんな仕事でも構わない」と考えている人であれば、大学を中退して学歴が高卒になることはそこまで大きなデメリットと感じないかもしれません。

このように、将来のキャリアパスによって留年と中退のどちらが適しているかが変わってくるという点は認識しておきましょう。

親に相談してみるのも一つの手

大学の留年と中退のどちらを選択すべきかについて、素直に親に相談をしてみるというのも1つの手です。

特に学費を親に支払ってもらっている場合は、どちらを選択するにしても親に対して報告すべきであるため、判断をする前に相談をしておくことで後々円滑に物事を進められるでしょう。

また、親に相談をすることで、精神的に感じている不安を取り除くといった効果も期待できます。もしかしたら現在自分のメンタルが落ち込んでしまっていることで、大学を留年・中退しようと感じてしまっているだけかもしれません。

悩みを人に話して心を落ち着かせるということで、冷静な判断ができるようになるでしょう。

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大学留年か中退か悩む人によくある質問

最後に、大学を留年するか中退するか悩んでいる人によくある質問を3つ取り上げて解説します。

大学で留年する人、中退する人の割合は?

文部科学省が発表している「Ⅱ 調査結果の概要」によれば、平成30年に入学した大学生のうち4年で卒業できた人の割合は81.6%となっています。つまり、逆算すると留年する人の割合は18.4%と計算できます。

一方、同じく文部科学省が発表している「大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生の修学状況(中退・休学)等に関する調査の結果について」によれば、大学の中退率は令和元年から令和3年にかけて2%前後を推移しています。

つまり、データ上で言えば大学を留年する人よりも、中退する人の方が遥かに少ないといえます。

大学中退者の割合は?中退理由ランキングから見る中退者の特徴も解説

大学を留年、中退する時の注意点は?

大学を留年するにしろ中退するにしろ、以下のような点は注意しておく必要があります。

  • 学費や将来の生活費の工面
  • 将来の就職活動で不利になり得ること
  • 留年をする場合は、1度だけで済ませられるように単位取得を確実に行うこと
  • 中退をする場合は、将来にわたって高卒として生きていかなければならないこと

上記のポイント以外にも、この記事で解説したそれぞれのデメリットについてはしっかりと認識しておいてください。

大学をストレートで卒業できないと就職できない?

大学をストレートで卒業をしていなかったとしても、就職することは可能です。

大学を留年したとしても学歴上は大卒になりますし、応募条件に「大学をストレートで卒業していること」と記載されている求人は基本的に存在しません。

ただし、大学をストレートで卒業していない場合だと、面接でその旨を聞かれることが多くなります。上手く答えられないと企業に対してネガティブな印象を与えてしまい、面接に落ちやすくなることも考えられるでしょう。

もし、大学をストレートで卒業できなかった理由を面接でうまく答える自信がないような人は、若手支援に特化した就職エージェントであるキャリアスタートの利用も検討してみてください。