完全週休2日制のメリットは?週休2日制との違いや祝日の扱いを確認
近年では、労働時間や有休・休日の改善に対し各企業が積極的に取り組んでいます。この背景には政府が注目する「ワーク・ライフ・バランス」の推進も大きく影響しており、仕事とプライベートのバランスを保つためにも、週に2日しっかり体を休める環境づくりは非常に重要だといえるでしょう。
多様な働き方の整備が促進するなかで、若年層はもちろん子どもを持つ女性や高齢者など、継続して長く働き続けるためには適切な休みがある職場を求める人も増えているのが現状です。今回は完全週休2日制のメリットをはじめ、週休2日制との違い・祝日の扱いについてもご紹介していきます。
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完全週休2日制とは?
現在勤務する会社の就業規則や求人募集要項などでよく見かけるのが「完全週休2日制」「週休2日制」「週休3日制」などという言葉。一般的に「週に2日はしっかり休みたい」と考えている人は多く、就業先を決める際の大きな指標になっている項目のひとつです。
ここでは、そもそも完全週休2日とどういったものなのか、法的な観点からも踏まえて解説していきます。
完全週休2日制の意味
完全週休2日制とは、1週間のうち必ず2日間の休みがある休日制度のことを指します。
そもそも労働基準法第32条において、原則として1週間の労働時間の上限が40時間までとされています。1日に8時間の労働を行う場合、5日間で上限に達するため、2日間の休日が必要になる計算です。
また労働基準法第35条では、毎週少なくとも1回の休日もしくは4週間で4日間以上の休日を与えることとしています。つまり完全週休2日制は法律で定められているものではありませんが、近年では完全週休2日制を選択する企業は増えています。
(総務省行政管理局「電子政府の総合窓口(e-Gov)」:労働基準法https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049#167)
完全週休2日制での休日となる曜日は、企業によって異なります。シフト制で交代しながら休日を取る企業もあるため、土日休みや連休ではない可能性もあるのが実情です。
週休2日制との違い
就業規則や募集要項などでもよく見られる「週休2日制」とは、1週間に2日間の休日がある週が、1カ月に1回以上ある制度です。完全週休2日制との大きな違いは、必ずしも毎週2日間の休日があるとは限らないことです。
上述したように、労働基準法では1週間に少なくとも1日の休日を設けるよう定めています。完全週休2日制と比べると、休日数が少ないことは明らかながら、間違いやすいので要注意です。
余談ですが、厚生労働省がまとめた資料(週休制の形態別適用労働者割合)によると、何らかの週休2日制を採用している企業は86.5%(2018年調査)で、2017年調査では87.5%となっています。完全週休2日制については 59.4%(2018年調査)で、2017年調査では58.4%です。
前回調査より若干ながらも完全週休2日制を導入している企業が増えていることがうかがえます。
(参考:厚生労働省|平成 30 年就労条件総合調査の概況https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaikyou.pdf)
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完全週休2日制のメリット
完全週休2日制と週休2日制とは、言葉が似ているという理由から混同されやすいものの、その意味はまったく違うものです。きちんと内容を理解しておかないと、思わぬミスマッチによって転職を繰り返してしまう恐れもあります。
もし完全週休2日制の職場に勤務した場合、どのようなメリットがあると考えられるでしょうか?これからの働き方を想像しながら、読み進めてみましょう。
安定して休みを取れる
週休2日制の場合、1カ月に1回は週休2日の週があるということです。たとえば週に1回しか休みがない場合には、まず体をしっかりと休ませることが重要になります。遠方へ外出したり、旅行したりといった計画が立てにくいと想定されるでしょう。
一方で完全週休2日制の場合、安定して毎週2日の休みがあります。体を休ませられるのはもちろん、長時間の外出・夜の外食・勉強など、幅広く休日を有効活用できるでしょう。
完全週休2日制は、週休2日制のように週によって休みの日数が変わる心配がなく、さらに週休2日制よりも休日の日数が多い傾向にあります。たとえば週休2日制の年間休日数は、最低65日(月に一度だけ週2日休みで、祝日を含めない場合)、完全週休2日制の年間休日数は最低104日(祝日を含めない場合)。1年を通して考えても、それだけ休日の日数に大きな差があることがわかります。
一般的に、「年間休日数120日あるとうれしい」という言葉もよく聞かれます。完全週休2日制の場合は、祝日含めると年間で120日程度に。1カ月で10日程度の休みがあるという計算になるので、プライベートの時間もしっかり確保しつつ働くことができます。
土日休みの場合は予定を立てやすい
完全週休2日制の企業のなかには、土日休みの仕事・職場もあります。休日が土日に固定されていると、人と会う約束をしやすい・旅行などをしやすいといったメリットがあるのも魅力です。土日休みの社会人や学校に通う子どもと予定を合わせられるため、友人・家族含め、柔軟なスケジュール計画を立てやすくなるでしょう。
近年では子どもの学校行事や地域行事に、そろって参加する夫婦も決して少なくない時代となりました。休みの日には家族のため、子育て中心で活動したいというパパ・ママも増えています。土日休みだと子どもたちのスケジュールにも合わせやすいため、特に女性の社会復帰にはおすすめの働き方・条件といえるでしょう。
仕事の疲れをリフレッシュしやすい
完全週休2日制であれば、政府が推進するワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現に近づきやすいのもポイント。仕事の疲れをリフレッシュしやすく、心身ともに健やかな暮らしを整えることができるでしょう。
休日の日数が少ない、有給が取得しづらい、長時間労働が多いなどといった職場環境では、いくら自分が望んだ仕事内容とはいえ、長期的に働き続けることに辛くなってしまうケースもあるでしょう。生き生きと暮らしながら自分のために時間を使い、やる気を持って働き続けるためにも、しっかりと休養を取れる完全週休2日制は大きなメリットがあります。
転職で完全週休2日制の求人を探すときのポイント
これから転職を検討している人のなかには、ぜひ完全週休2日制の企業で勤めたい考えを持っているケースもあるでしょう。これから転職先を探すうえで、完全週休2日制の求人を見つけるポイントについてご紹介していきます。
休日の曜日をチェックする
完全週休2日制と一口に言っても、休日の曜日は企業により異なります。入社前、応募時の段階できちんと調べておくことが望ましいでしょう。特に注意しておきたいのは完全に週休となるのは「どの曜日か」という点です。
たとえば一般的な休日の表記の例として、主に以下のようなものが挙げられます。
・完全週休2日制(水・日):毎週水曜日と日曜日が休日
・完全週休2日制(土・他1日):毎週土曜日とその他1日が休日
・完全週休2日制(シフト制):毎週シフトで決められた2日間が休日
完全週休2日制といっても、すべての職場において土・日の連続2日間というわけではありません。週の中日である水や木と日曜日、土日のどちらかと他1日というパターンもあります。なかには職場や仕事内容などに関連して完全シフト制によるケースもあります。
完全週休2日制でも、どのような休み方を望んでいるのかをよく考えたうえで応募先を決定するようにしましょう。特に「何曜日が休みなのか」は非常に重要です。
祝日の扱いを確認する
職場では、完全週休2日制に加え、その他に祝日の扱いなども大きく影響してきます。求人情報に年間休日の記載がある場合は、全体の日数を確認しておくことが大切です。たとえば完全週休2日制でも祝日が休日とならない場合には、年間休日が思っていた以上に少ないということも考えられます。
祝日が休日とならない場合、ゴールデンウィークや年末年始などの大型連休の過ごし方に影響が出るため、あらかじめ確認しておくと安心です。
一般的な祝日の表記の例としては、主に以下のようなものが挙げられます。
・完全週休2日制(土・日・祝):祝日がある週は、土曜日または日曜日のいずれかが休日
・完全週休2日制(土・日)、祝日:土曜日と日曜日と祝日が休日
ハッピーマンデーに伴い、祝日がある週はおのずと3連休になり、旅行など自分のやりたいことにしっかりと時間を使えるのがうれしいですね。祝日休みとはならない場合、祝日があると土・日のどちらかは出勤となる場合とでは大きく異なるため、応募前に自分の理想的な休み方を想像してみてください。
【先輩たちの声】近藤由美さん 職種:エンジニア
受けた企業はどんな会社でしたか?
今までサービス経験が中心でしたが、キャリアチェンジをしたいと思う中で、ITに行きたい!と考えて、アドバイザーの方が「研修がちゃんとしている」「土日休み」の未経験者がしっかりと就職されているという企業を受けました。
面接に行ってみてどうでしたか?
説明会もつけてくれたので、仕事のイメージが湧きました。
面接では、キャリアスタートとの面談の時に、性格分析とかも行なっていたので、自分をしっかりと出しながら、注意すべきところは伝え方を注意して臨ことができました。
完全週休2日制で仕事もプライベートも充実した生活を!
週休2日制というと、毎週2日休みが当たり前ではないのが盲点です。求人を確認する際には、応募条件などをよく確認し、「完全週休2日制」と記載されているかどうか、さらに具体的な曜日などが記載されているか理解しておきましょう。勘違いしたまま就職先を決めてしまうと、あとで後悔することにもなりかねません。
近年では長時間労働問題なども少しずつ軽減されはじめ、休みについてもきちんと整備されるように改善されつつあります。オンオフのメリハリをつけ、仕事の時間には業務に集中してモチベーションを高められるよう、しっかり休める会社・職場を探してみてください。