【状況別】転職活動はいつから始める?目安期間とベストな転職のタイミング
「転職活動はいつ頃から始めればいい?」「転職活動はいつするのが得?」と疑問を抱く人もいるのではないでしょうか。
転職活動にはやることが多く、しっかりとスケジュールを立てておかないとスムーズに転職活動を進められません。
一方で、転職活動が初めてでも、転職時期や予定の立て方のポイントを押さえることで、転職活動がスムーズに進められ、志望企業への転職が実現しやすくなります。
今回の記事では、転職活動の期間や始めるタイミング、在職中・退職後の転職活動のメリットと注意点、転職活動をスムーズに進めるポイントについて紹介しています。
転職活動がうまくいくための実践的なコツも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.転職活動はいつから始めると良い?
転職活動はいつから始めると良いのか、以下3つのトピックで詳しく解説します。
(1)転職活動での目安の所要期間
(2)一般的な転職活動のスケジュール
(3)入社したい時期から逆算する
(1)転職活動での目安の所要期間
厚生労働省が発表した「令和2年転職者実態調査の概況」によると、転職者が転職活動を始めてから勤め先を離職するまでの期間は下記の通りです。
参照:厚生労働省|令和2年転職者実態調査の概況 転職について – (3)転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間(表19より)
人によって転職活動にかかる期間は異なりますが、転職活動を始めてから勤め先を離職するまでの期間は1〜3ヶ月が最も多いことから、転職活動の期間はおおよそ1〜3ヶ月が目安といえます。
次いで、「1ヶ月未満」「3〜6ヶ月」で離職した人の割合が多いため、転職活動の期間は長くて半年がひとつの区切りとして考えられます。
(2)一般的な転職活動のスケジュール
一般的な転職活動のスケジュールとしては下記の通りです。
転職活動は、求人に応募したり、面接を受けたりする時間のほかに、自己分析や業界・企業研究といった事前準備の時間も必要です。
転職準備、情報収集、書類作成の所要期間は、転職経験の有無や転職の目的が明確かどうかで大きく変わりますが、企業によっては選考結果を通知するまでに時間がかかることもあります。
また、現職で働きながら転職活動をする人であれば、退職する際の業務の引き継ぎなどの期間も考慮しましょう。
転職をスムーズに進めるためにはあらかじめスケジュールを立てて、余裕を持って行動することが重要です。
(3)入社したい時期から逆算する
転職活動にかかる期間は、入社したい時期から逆算して考えることが大切です。
まずは入社希望日をゴールとして設定して、その2〜3ヶ月前には転職活動を始めましょう。
たとえば、12月の賞与を受け取ってから転職したい場合は、1月前半を入社日に設定するのが望ましいです。
また、2月前半に転職すると決めた場合には、2〜3ヶ月の期間がかかることを想定して遅くとも5月の第1週目から転職活動を始めましょう。
2.在職中・退職後の転職活動の相違点
転職活動を始めるタイミングは、在職中・退職後の大きく2つのケースに分けられます。
在職中・退職後の転職活動の相違点について、それぞれ詳しく解説します。
(1)在職中の転職活動のメリット・注意点
(2)退職後の転職活動のメリット・注意点
(1)在職中の転職活動のメリット・注意点
在職中の転職活動のメリット・注意点は次のとおりです。
・収入面の不安がない
・焦らずに求人を探せる
・職歴にブランクが発生しない
・結局転職しないという選択肢もある
・仕事と並行して転職活動しないといけない
・転職活動が長期化する可能性がある
・内定後すぐに入社するのが難しい
在職中に転職活動を行うと、収入面の不安がないため、焦らずにじっくりと希望の会社を探せることがメリットです。
希望する業界や業種にこだわりが強い場合、すでに転職したい企業が決まっている場合、求人にすぐに出会えない可能性がありますが、在職中であれば希望する求人の募集を見つけたタイミングまで時間をかけられます。
また、転職活動を続けてみて結果的に転職しないという選択肢や、スキル・経験を身につけてから転職するという選択肢があるのもメリットです。
一方、仕事と並行して転職活動しないといけないため、両立が大変なうえ転職活動が長期化する可能性がある点に注意する必要があります。
内定を獲得しても、退職の手続きなどですぐに入社するのが難しいので、すぐに入社可能な別の転職希望者に内定を取られるケースもゼロではありません。
(2)退職後の転職活動のメリット・注意点
退職後の転職活動のメリット・注意点は次のとおりです。
・転職活動に集中できる
・リフレッシュする期間ももてる
・早ければ1ヶ月程度で転職できることがある
・貯蓄を切り崩しながらの転職活動になる
・転職活動が長期化すると経済面が不安定になる
・焦りから転職先に妥協してしまう可能性がある
退職した後に転職活動を始めると、転職活動に集中できるのがメリットであり、リフレッシュする期間をもつこともできます。
また、内定獲得後にすぐに入社できるため、人材採用を急いでいる企業にとってプラスな要素となり採用に近づけるのもメリットになるため、転職活動がスムーズに進めば、1ヶ月程度で転職成功を目指せるでしょう。
一方、貯蓄を切り崩しながらの転職活動になるため、経済的な不安が生まれやすいのがデメリットであり、転職活動が長期化すれば焦りから転職先を妥協してしまう可能性があるので注意が必要です。
退職後に転職活動をする場合のメリット・デメリットについて、さらに詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
3.【状況別】ベストな転職のタイミング
状況別のベストな転職タイミングは次のとおりです。
(1)後任の育成・引継ぎができた時期
(2)賞与の支給対象期間を満たす時期
(3)昇給・昇格が頭打ちになった時期
(4)求人数が多くなる時期
(5)念願の仕事へのチャンスがあった時期
(6)事業の方向性・配属先が変わる時期
(7)ワークライフバランスを保ちたい時期
(1)後任の育成・引継ぎができた時期
後任の育成・引継ぎができた時期がひとつの転職タイミングです。
通常、退職時には業務の引継ぎを行う必要があり、法律上では退職する2週間前までに退職意思を示せば問題ありませんが、会社の就業規則に記載の期日に従って退職の申請や業務の引継ぎ・後輩育成を行うことが一般的です。
(参考:厚生労働省|知って役立つ労働法「第5章 仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき」)
転職活動のスケジュールを決めて動いている場合、内定承諾後にすぐに入社できるよう、後任の育成や引継ぎを進めておくのがおすすめです。
(2)賞与の支給対象期間を満たす時期
賞与の支給対象期間を満たす時期を目指して、転職活動を始めるのもベストなタイミングです。
賞与を受け取る直前に退職するよりも、賞与を受け取ってから退職しようと考えている人は多いでしょう。
まずは会社の就業規則における「賞与の支払い要件」を確認して、必要在籍期間や評価に影響する期間などを確認することが重要です。
そのほか、退職が賞与支給に影響することがあれば、賞与が支給されるのを待ってから退職意思を伝えたほうがよいでしょう。
また、賞与の支給に必要な在籍期間を満たしていないのであれば、賞与をもらえないので、賞与を待たずに転職活動を始めてもいいでしょう。
(3)昇給・昇格が頭打ちになった時期
昇給・昇格が頭打ちになったと感じたときに、転職活動を始めるのも良いタイミングです。
仕事において収入やキャリア形成を重視している人であれば、昇給・昇格できない職場で働き続けることに対してモチベーションを感じられないでしょう。
昇給・昇格を希望する場合、会社の評価制度を確認するほか、一度上司などに必要な要件を聞いてみましょう。
ポストの人数が決まっていて昇給・昇格が認められない場合、あるいは納得できる条件で昇給・昇格できない場合は転職活動することをおすすめします。
(4)求人数が多くなる時期
求人数が多くなる時期も転職のベストタイミングです。
求人数が多くなる時期であれば、転職先企業の選択肢が増えるほか、応募する母数を増やすことでより多くの内定を得られる可能性があります。
求人数が多くなる時期は、「1〜3月」と「9〜10月」です。この時期は4月の新年度の体制を整えるため、10月の下半期のスタートに伴って組織体制を整えるために人材採用が活発になります。
(5)念願の仕事へのチャンスがあった時期
念願の仕事へのチャンスがあった時期も、転職のベストタイミングです。
「同業種でキャリアアップしたい」「他業界でキャリアチェンジしたい」など、人によって転職の理由はさまざまです。
同業界で経験やスキルをさらに積んで年収アップを目指す人も、現職の仕事が合わないと感じて他業界へ転職する人も自分の希望に合った仕事があったときには転職したほうが後悔がないでしょう。
自分がどのような仕事をしたいのか明確であり、その仕事に就けるチャンスがあった場合には転職をおすすめします。
(6)事業の方向性・配属先が変わる時期
事業の方向性や配属先が変わる時期も転職活動を始めるベストタイミングです。
企業によっては立て直しや規模拡大などを目的として、事業の方向性や配属先が変わることがあります。
これまで不満なく働けていたものの、事業の方向性や配属先が変わることで仕事に対して不満ややりがいを感じられなくなる可能性はゼロではありません。
事業の方向性や配属先が変わった後の仕事が、自分の適性や価値観、キャリアプランと合わないと感じたら転職活動を始めることをおすすめします。
また、転勤を拒否したときのリスクについて詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
(7)ワークライフバランスを保ちたい時期
ワークライフバランスを保ちたいと思ったタイミングで、転職活動を始めるのもおすすめです。
たとえば、家族が増えたり親族の介護が必要になったりなど、家庭の事情でワークライフバランスを重視しないといけないときがくるかもしれません。
そのほか、残業が多くてワークライフバランスに不満を感じている人もいるでしょう。
会社や仕事自体に不満がないのであれば、雇用形態や働き方の変更を相談し、認められたら転職せずに現職で働き続けられる可能性があります。
最近ではワークライフバランスを重視した転職も可能であり、働き方の選択肢も広がっているので、会社や仕事内容、ワークライフバランスに不満がある人は転職活動を始めましょう。
4.転職活動をスムーズにするためのポイント
転職活動をスムーズにするためのポイントは次の4つです。
(1)転職を希望する時期から逆算する
(2)自己分析・業界・企業研究を徹底する
(3)面接対策などの選考対策を行う
(4)転職のプロに相談する
(1)転職を希望する時期から逆算する
転職活動をスムーズに進めるために、まずは転職を希望する時期から逆算してスケジュールを立てましょう。
転職活動にかかる期間は人それぞれ異なりますが、2〜3ヶ月程度が一般的です。
たとえば、転職希望日を10月前半とする場合、逆算して考える転職活動スケジュールは下記の通りです。
このように、転職先への入社希望日というゴールを決めてからやるべきことのスケジュールを逆算すると転職活動をスムーズに進めやすいです。
(2)自己分析・業界・企業研究を徹底する
転職活動をスムーズに進めるためには、自己分析や業界・企業研究を徹底的に行うことも重要です。
自己分析や企業研究などを適当にすると、求人探しに迷いが生まれるだけでなく、書類選考や面接でも説得力が弱くなり、転職活動がうまく進まない可能性があります。
一方で、自己分析をしっかり行えば転職の希望条件が明確になり、企業研究を徹底すれば選考通過率が高まるので、ミスマッチを防げる可能性も高いです。
自己分析の方法はさまざまですが、代表的な手法は下記の通りです。
・自分の強みと弱みを書き出す
・他人に自分の強みと弱みを聞いてみる
・モチベーショングラフを作成する
・Will・Can・Mustを考える
また、業界・企業研究は就職情報サイトの特集やコラム、企業のホームページを閲覧する方法があります。
そのほか、企業の元従業員の口コミサイトをチェックすると、よりその企業のリアルな情報を得られます。
転職したいものの、何をしたらいいのかわからない場合には、こちらの記事も参考にしてみてください。
(3)面接対策などの選考対策を行う
面接対策などの選考対策を行うのも転職活動をスムーズに進めるポイントです。
選考対策を事前に行っておくことで、自分のアピールポイントを自信をもって伝えられたり、説得力のある転職理由や志望動機などを伝えられて、選考を有利に進められます。
面接対策では、転職理由や志望動機などの想定される質問に関して、あらかじめ回答を準備しておきましょう。
回答を準備していても、本番では緊張などでうまく回答できないこともあるので、模擬面接をしてシミュレーションも行いましょう。
また、応募書類は志望企業の理念と自分の価値観が共通するところ、企業が求める人物像から自分の強みを発揮して企業に貢献できることを記載することが重要です。
(4)転職のプロに相談する
転職活動をスムーズに進めるなら、転職のプロに相談するのがおすすめです。
転職エージェントは無料で利用できて、企業情報を事前に入手したうえで転職先を決定できます。
さらに、キャリアアドバイザーから非公開の求人を紹介してもらえたり、企業との面接日や入社日を調整をサポートしてくれたりと、自分ひとりで転職活動を行うよりも効率的かつ有利に進めることが可能です。
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転職活動をスムーズに進めたいという人は、当社キャリアアドバイザーが伴走してサポートしますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回の記事では、転職活動の期間や始めるタイミング、在職中・退職後の転職活動のメリットと注意点、転職活動をスムーズに進めるポイントなどを紹介しました。
転職活動にかかる期間は2〜3ヶ月がひとつの目安で、転職先への入社希望日を決めて逆算してスケジュールを立てることが大切です。
しかし、転職活動ではやるべきことが多く、特に転職に慣れていない人であればスケジュールどおりに進まない可能性があります。
そのため、転職活動をスムーズに進めたいという人は、転職のトータルサポートを受けられる転職エージェントの利用がポイントです。
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