「就職したいけど、中卒じゃどこも雇ってくれないんじゃないか…」
「中卒でも正社員として働ける職業はなんだろう…」
中卒から正社員として就職することは可能です。
就職を成功させる一番の近道は、中卒が就職できないと言われてしまう理由を理解し、ポイントを抑えて効率的に行動することです。
この記事では、中卒でも正社員として就職できることが可能な理由、おすすめの職業や資格、履歴書の書き方のポイントなどをわかりやすく解説します。
1. 中卒の3人に1人は正社員で就職している
中卒から正社員として就職することは簡単ではないですが、就職することは可能です。
厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」によると、中卒者の35.4%が正社員就職をしていると報告しています。
確かに高卒や大卒に比べると正社員の割合は少ないですが、中卒でも正社員として働くことは可能です。
最終学歴 | 正社員 | 正社員以外・その他 |
中学卒 | 35.4% | 64.6% |
高校卒 | 56.3% | 43.7% |
大学卒 | 80.9% | 19.1% |
特に若ければ若いほどポテンシャル採用での未経験者採用をしてもらえる可能性が高く、出来るだけすぐに就職活動を始めることをおすすめします。
2.中卒でも就職できる仕事が少ないと言われる3つの理由
ここでは「なぜ中卒でも就職できる仕事が少ないと言われてしまうのか」についてその理由を3つ紹介します。
中卒でもできる仕事が少ないと言われてしまう理由を理解して、対策に役立てましょう。
(1)高卒以上を要件とする求人に応募できない
求人の応募資格には学歴の項目があり、「高卒以上」や「大卒以上」を条件としている求人に応募することができません。
そのため、中卒の求人は数が少なく、興味がある仕事や業種の求人を見つけたとしても対象外となるため「自分がしたい仕事」が見つかりにくくなってしまっています。
もし希望の条件の仕事が見つからない場合は、まずは同一業種や職種の仕事に就職し、業務経験やスキルをつけて、ステップアップを目指してみましょう。
ステップアップの転職でも学歴の要件がある場合がありますが、経験やスキルを評価してくれる企業も少なくないため、未経験よりも就職がしやすくなります。
(2)企業が中卒者を採用するのに躊躇してしまう
企業が中卒を採用するのに不安を抱いて採用に消極的になってしまうため、就職がしにくい傾向があります。
家庭の事情などのやむを得ない事情で進学していない場合もあるかと思いますが、一般的に以下のようなマイナスイメージを採用担当者は持っていることが少なくありません。
- 社会人も常に学び続ける必要があるが、中卒なので学習意欲がないのでは?
- 忍耐力など継続して努力することができないのではないか?
- 素行が悪かったり不良ではないか?
さらに、企業の人事担当者は採用する際に上層部に採用した理由を説明する必要があり、リスクを避けたいと考えることが多いことも要因の一つです。
もし採用した中卒者に問題があったときに上記のようなマイナスイメージがあることから「やっぱりね。なぜ採用した?」と責められてしまう可能性があるためです。
学歴と仕事ができるかどうかは無関係ですが、一般的に「高学歴=優秀」という常識が広まっており、採用担当者が言い訳として学歴を要件に設けていることが多いです。
そのため、中卒者へのマイナスイメージを払拭できるような志望動機や面接での受け答えができるように準備しておくことが重要です。
(3)中卒では取得できない資格がある
中卒者が取得できない資格があり、応募できる仕事が限定されてしまうことがあります。
さらに、資格を取得ができないために企業から「採用しても自社の重要なポジションを将来的に任せることができない」と判断され、採用を見送られてしまうこともあります。
中卒で取得できない資格には管理栄養士や歯科衛生士などがあり、高卒以上の学歴が必要となります。
しかし、高卒以上しか取得できない資格は多くはなく、こうした職種を目指す人以外は大きな壁にはならないでしょう。
もし取得したい資格を学歴のために取得できない場合は、高卒認定を取得するなどで受験資格を得るのも一つの手です。
3.中卒でも就職できるおすすめの職業9選
ここでは、中卒でも就職できるおすすめの職業について紹介します。
働きながらキャリアアップを目指せる仕事を多く紹介していますので、ぜひこれらの仕事から検討をしてみましょう。
(1)営業職
営業職は中卒からでも正社員で就職できるおすすめの職業です。
営業職は業界問わず幅広く募集しており、入社してから商品知識などをつけて働くことが一般的なため、未経験でも歓迎している求人が多いです。
成果に対してのインセンティブを支給する会社も多く、成果次第で給料の伸びしろも期待できます。
明確な目標を目指してやりがいを求めて仕事をしたい人に適しています。
正社員での入社のしやすさ | △ |
転職で有利なスキルの得やすさ | ◎ |
キャリアップ時の上限年収 | ◎ |
営業職に就職・転職するなら、転職エージェントを利用すると選考で有利になります。
(2)施行管理
施行管理も中卒でも働くことができる仕事です。
施行管理とは建設工事の現場を監督し工事全体を管理する仕事で、若い時から活躍できます。
建設業界全体で人手不足となっており、未経験者でも目指しやすい職種です。
施行管理は働きながら資格の取得や経験を積むことでキャリアアップがしやすいのも特徴です。
正社員での入社のしやすさ | ◎ |
転職で有利なスキルの得やすさ | ◎ |
キャリアップ時の上限年収 | 〇 |
中卒でより条件の良い施工管理求人を探すときは、転職エージェントの利用がおすすめです。
(3)ITエンジニア
中卒でも正社員として就職できる仕事としてITエンジニアもおすすめです。
ITエンジニアはプログラミングなどのITスキルを使い、システム開発などを行う仕事です。
急速にニーズが拡大している職種で人材不足で求人も高く、未経験でも募集を積極的にしていることが特徴です。
ITは常に新しい技術が生まれるために新しい技術を習得することで転職やキャリアアップも目指せることも魅力です。
もしITエンジニアを目指す場合はオンライン教材やプログラミング学校などでプログラミングを学び、プログラミング知識や関心が高いことをアピールすることが重要です。
正社員での入社のしやすさ | 〇 |
転職で有利なスキルの得やすさ | ◎ |
キャリアップ時の上限年収 | 〇 |
中卒でインフラエンジニアに転職するなら、転職エージェントを利用することがおすすめです。
(4)接客業・飲食業
接客業や飲食業も中卒でも正社員として就職できる仕事です。
接客業や飲食業の代表的な例は以下のような職種が挙げられます。
接客業 |
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飲食業 |
|
最初は実際に現場での経験を積むことがほとんどですが、本部での企画開発部門への異動や店舗の店長などキャリアアップを目指すことができます。
お客様に気に入っていただくことが重要であり、人とコミュニケーションをとることが好きな人に適しています。
独立や転職が容易な業種となっており、コミュニケーション能力はどの企業でも役に立つ能力となっており、転職も目指しやすいです。
(5)介護職
介護職は中卒でも就職でき、無資格でも働ける専門職です。
訪問介護において直接身体に触れるような身体介護などの無資格でできない仕事は一部ありますが、食事の準備や洗濯のような介護士のサポートとして働くことはできます。
さらに、中卒であっても3年以上の実務経験を積むことで介護福祉士試験を受けることができ、介護士の資格を取得することも可能です。
無資格から介護職を目指す場合は、資格取得の支援を行っていたり、未経験者歓迎の企業を探すことをおすすめします。
(6)工場作業員
工場作業員も中卒でも正社員として就職できる仕事です。
工場作業員とは、主に工場で生産ラインの工程ごとに製品の組み立てや製造機械の操作、検査・検品などをする職種です。
食品や精密機械など幅広い求人があり、工場ごとに製造方法が違うために学歴不問、未経験者を歓迎している求人が多いのが特徴です。
工場ごとの特殊技能資格の取得や働き次第で昇進していくことが可能で、中卒からでも高収入を得られる可能性があります。
コツコツ仕事を進めたい人におすすめの職種です。
(7)公務員
地方公務員は中卒でも正社員として就職が可能です。
地域によって条件は異なりますが、中卒者を対象にした職種があり、一般事務や学校事務などがあります。
公務員は安定した収入を得ることができることが一番の特徴です。
人気が高いため倍率も高い職種ですが、公務員試験があるために努力と結果が結びつきやすく、面接対策をしっかりと行うことで採用される可能性を高めることができます。
公務員試験には年齢制限があるため、期限を決めて集中して取り組むことが重要です。
(8)保育士(保育補助)
保育士になるためには国家資格である保育士資格を取得する必要がありますが、保育補助としてであれば無資格でも働くことが可能です。
保育補助は、保育士の指示に従って掃除や片付け、保育日誌の記入などの保育士の手が回らない仕事をフォローする仕事です。
中卒者の場合は、5年以上かつ7,200時間以上の実務経験をすることで、保育士試験を受けることが可能となります。
しかし、すべての施設での勤務が実務経験として認められるわけではなく、都道府県や施設によって判断が異なるため、あらかじめ施設長などに確認しておくとよいでしょう。
(9)看護師(准看護師)
看護師には「正看護師」と「准看護師」の2つの資格があり、それぞれ看護師学校を卒業することで働くことができます。
「正看護師」は、採血などの診療の補助を行う仕事であり、高卒以上で看護学校を卒業してから国家資格を取得するものです。
一方で、「准看護師」は看護師の指示があれば「正看護師」と同様に診療の補助を行うことができ、中卒以上で養成学校を卒業してから試験に合格することで働くことができます。
なお、中卒が「正看護師」を目指す場合は、高卒認定試験に合格してから看護学校に進むことで、国家資格を受けることが可能です。
そのため、今すぐに働くことができずに一度学校に通って資格を取得する必要がありますが、取得すれば安定した仕事で働くことができます。
4.中卒の方におすすめしたい人気資格
中卒者におすすめの資格は以下となっており、取得することでほかの中卒者と違うとアピールすることができます。
資格名 | おすすめな理由 |
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) | PCの事務作業で必要なマイクロソフトオフィスの基本的なスキルを持っているとアピールできる。 |
宅地建物取引士 | 不動産会社が土地や建物の売買する際に説明することができ、不動産業界(営業)で重宝される人材になる。 |
日商簿記3級、日商簿記2級 | 会計帳簿のつけ方などを学び、経理などの事務職採用やビジネススキルがあるとアピールできる。 |
どの資格を取得したらいいかどうかは、気になる求人の応募要件に書いているかどうかを確認し、やりたい仕事や興味がある業界に関係があるか注目しましょう。
希望する仕事に活かすことができる資格を取得することで、熱意や意欲をアピールすることができ、就職後も知識やスキルが役に立ちます。
5.中卒でも就職できる履歴書の書き方のポイント4選
ここでは、中卒者が就職・転職を成功するための履歴書の正しい書き方のポイントをつ紹介します。
履歴書の正しい書き方のポイントを理解することで、就職を成功させることができます。
(1)学歴欄は「中学校卒業」から書く
履歴書の学歴は中学卒業から記載し、学校名は正式名称で記入しましょう。
もし高校を中退している場合は「○○高等学校 中途退学」と記載し、「中退」と省略しないようにしましょう。
平成○年○月 ○○中学校 卒業
平成○年○月 ○○高等学校 ○○科 入学
平成○年○月 ○○高等学校 ○○科 中途退学
(2)中卒・中退は正直に記載する
学歴詐称となってしまうため、中卒や中退の事実は必ず正直に記載しましょう。
履歴書は企業に提出する正式な書類のため、嘘がばれた場合に採用が取り消されることもあります。
(3)中卒や高校中退の理由を別紙で説明する
中卒や高校を中退した理由について、履歴書とは別紙で説明しましょう。
先述したように中卒に対するマイナスイメージを抱かれてしまうことは現実として多いです。
そのため、「なぜ中卒・中退したのか」「今後どうしたいか」を記載し、過去の経験を生かしてこれからどうしたいかをポジティブに伝えることが重要です。
(4)職歴欄に同じ業界などの場合はアルバイトやパートの経歴も記載する
応募する企業と同じ業界である場合などは、履歴書の職歴欄にアルバイトやパートの経験を記載しましょう。
正社員での応募の履歴書にアルバイトやパート経験は書かない場合が多いですが、経験が活かせるアルバイトやパート経験は書くことと良いでしょう。
平成○年○月 ○○株式会社 入社(アルバイト)
○○店で○○の販売スタッフとして従事
(詳細は職務経歴書に記載します)
6.中卒の就職に「転職エージェント」を活用してみよう
中卒での就職を成功させるために転職エージェントを活用することも検討しましょう。
転職エージェントは転職だけでなく就職のサポートをしているエージェントもあり、求人の紹介や選考対策など手厚い転職支援を受けることができるためです。
転職エージェントは無料でサービスを提供しており、自己分析や企業調査、どんな資格を取得すべきかなどを幅広く相談することができます。
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まとめ
本記事では、中卒から正社員に就職したい人向けに、中卒でも就職できることが可能な理由、おすすめの職業や資格を紹介しました。
中卒から正社員として就職するの可能ですが簡単ではなく、応募書類や面接などの対策は必要不可欠です。
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