正社員になれない理由6選!データから見る非正規社員の実態を徹底解説
「非正規社員として働いているけれど、なかなか正社員になれない…」
「そもそも、非正規社員から正社員を目指せるの?」
このようなお悩みはありませんか?
正社員を目指す方法は、今働いている企業の正社員登用制度を活用して正社員になる方法と、他の企業に正社員として転職をする方法があり、これまで正社員として働いたことがなくても正社員になることは可能です。
ただし、正社員登用を行わない企業で働いている場合は、他の会社に転職した方が良いでしょう。
この記事では、非正規社員の実態と正社員になれない理由、正社員を目指すポイントを解説します。
これから正社員として働きたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
Contents
1.非正規社員は正社員になれない?データから見る非正規社員の実態
正社員として働いた経験がなくても、しっかりと準備をすれば正社員を目指すことはできます。
本章では、そもそも非正規社員から正社員になれるのか、各データから非正規社員の実態について解説します。
順に説明します。
(1)非正規雇用労働者の割合
厚生労働省の調査では、2021年の日本の就業率は約6割であり、就業者の約半数が正規雇用労働者、約3割が非正規雇用労働者であることがわかっています。
また、非正規雇用労働者のうち、正社員の仕事がなかったため非正規雇用になった人の割合は、2013年の調査では19.9%でしたが、2021年の調査では10.6%になっており、年々減少しています。
「自分の都合の良い時間に働きたい」という理由で非正規雇用を選択する人が増加傾向にあり、あえて正社員にならなかった人も存在するようです。
(2)非正規社員から正社員になった割合
非正規社員から正社員になった人は、少なくありません。
労働政策研究・研修機構の資料によると、最終学校卒業後の初職状況は正社員が73.3%、非正規社員が22.3%、無業が4.4%でした。
同資料では初職が非正規社員または無業だった人のうち、調査時点で35.1%の人が正社員になっていたことがわかっています。
非正規や無業の人全員が正社員を目指したわけではなく、中には非正規社員を希望する人もいるため一概にはいえませんが、非正規社員から正社員になった人は存在するといえます。
また、初職が非正規または無業だった人への調査では、「無業・非正規から正社員(移動)」は 20.0%、「無業・非正規から正社員(転換)」は 14.2%でした。
このことから、会社の内部転換よりも会社を変わって正社員になった人の方が多いこともわかっています。
参考:若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状|労働政策研究・研修機構
(3)企業の中途採用意欲
企業の採用意欲は高まっているため、現在非正規雇用でも準備すれば正社員になることができます。
リクルートワークス研究所の調査では、2022年度上半期の中途採用で人員を確保できなかった企業は58.7%にのぼり、ほとんどの業種において人材供給が追い付いていないという結果が出ました。
このことから、2022年度に引き続いて2023年度も採用意欲回復が加速する見通しが出ています。
また、同研究所の別の調査では、43.3%の企業が異業種・異職種採用を実施、もしくは予定していることもわかっています。
このように、企業の中途採用意欲の加速や4割以上の企業が未経験者を受け入れようとしているため、正社員として働いたことのない人でも、努力次第で正社員を目指すことは可能です。
参考:中途採用実態調査|リクルートワークス研究所
全国就業実態パネル調査2022|リクルートワークス研究所
2.正社員になれない6つの理由
正社員になれない理由を、正社員登用されない場合と正社員に転職できない場合に分けて紹介します。
(1)正社員登用されない場合
今働いている会社で正社員登用されない理由は、以下の3つです。
#1:正社員に必要なスキルが足りていない
正社員に登用されない理由としては、会社側が非正規雇用の人に対して「正社員に求めるスキルが不足している」と感じていることが考えられます。
具体的には、以下のことがあげられます。
- 仕事でミスが多い・同じミスを繰り返している
- 社会人としての基本的なマナーを知らない
- 正社員に必要な知識を持っていない
企業にとって、スキルが足りない人を正社員にして一から教育するのは、給与や社会保険料といった経費だけでなく教育コストもかかることなので、正社員に登用したくないのが本音です。
また、若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状では、初職非正規で内部転換により正社員となった経歴の者の資格所持率が高くなっている、といったデータがあります。
仕事にもよりますが、無資格の人よりは資格を取得した人の方が正社員登用されやすいといえるでしょう。
#2:自主的に行動ができていない
自主的に正社員になるために以下のような行動を起こしていなければ、正社員登用はされません。
- 正社員に登用される方法を調べている
- 正社員登用試験を受けている
- 企業側に長く働いてほしいと思ってもらえる行動をしている
企業側に正社員で働いてほしいと思われるための具体的な行動は、仕事の指示待ちをするのではなく自分から仕事を探す、業務改善の工夫をするといったことがあげられます。
正社員になることや仕事に対して能動的に動いている人の方が、受動的な人よりも企業から内部転換の提案がされやすいのです。
#3:企業側が正社員雇用する気がない
そもそも、企業側に非正規雇用を正社員にする予定がなければ、いくら非正規雇用者側が努力をしても正社員になれません。
- 正社員登用制度を設けていない
- 正社員登用制度はあるが厳しい条件があり、これまで正社員登用実績がない
- 正社員登用制度はあるが、ここ数年で正社員登用実績がない
3については、制度自体はあってこれまで登用したこともあるが、現在の経営状態が良くないなどの理由から、非正規社員は無期限雇用にしてこのまま非正規でいてほしいと会社が考えている可能性があります。
こういった企業で働き続けても正社員になれる可能性は低いため、他の企業への転職を視野に入れることをおすすめします。
(2)正社員に転職できない場合
正社員として転職先が決まらない理由は、以下の3つです。
#1:会社が求めている知識や経験が不足している
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」では、転職者の採用理由として「即戦力になること」と答えた企業が多いことがわかっています。
これは、専門的・技術的な仕事や管理的な仕事に限らず、事務的、販売、サービスの仕事であっても同様なので、どのような職種を目指すとしても仕事で必要なスキルがなければ転職で不利になるといえます。
そのため、特にライバルに同業他社の転職者がいた場合は、なかなか内定に結びつかないでしょう。
#2:本格的な就職活動を行っていない
受け身の姿勢では、転職活動は進みません。
たとえば、ハローワークや転職サイトに登録しただけでは求人紹介をしてもらえないので、自分から職業相談に行ったり、求人を探したりする必要があります。
また、主体的に転職先に求める条件や選考通過しやすい履歴書、自己PRなどを考え、調べる姿勢が大切です。
#3:入社試験対策が不十分
入社試験対策をせずに求人応募しても、内定獲得にはつながらないでしょう。
選考対策とは、企業研究をして企業が求める人材を把握したうえで履歴書や面接の対策をしたり、企業に好印象を与える受け答えの仕方や身だしなみの準備をしたりすることです。
そのため、特に履歴書や面接練習は第三者に見てもらうことをおすすめします。
以下の記事では、20代の転職成功のポイントをまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてください。
3.非正規社員から正社員を目指すポイント5選
正社員を目指すための具体的な行動を以下5つ紹介します。
順に説明します。
(1)情報収集を行う
正社員を目指すためには、情報収集を行うことが重要です。
正社員登用を目指す人の場合は、会社の制度や実績などを調べる、あるいは上司に相談するといったことがあげられます。
転職で正社員を目指す人の場合は、転職のスケジュールの立て方や転職方法、履歴書の書き方などの情報をインターネットや転職エージェント、ハローワークを活用して集めます。
正社員になるために必要な情報を集めていくことで、自分が取るべき行動も見えてくるでしょう。
(2)自己分析を徹底する
自身を振り返り、今後どうしていきたいか徹底的に考えることも、正社員を目指すうえで大切なポイントといえます。
自己分析をするうえで考えたいことは以下のとおりです。
- 今後どのように働きたいか
- 仕事で大切にしていること
- 譲れない労働条件
- どんな会社の正社員を目指すのか
- その会社の正社員を目指すために必要なこと
正社員登用・転職のどちらにしても、ほとんどの場合に面接試験が行われることがほとんどです。
自己分析を行うことで企業選びの軸ができるだけでなく、面接での受け答えに説得力が出ます。
(3)正社員になる準備を丁寧に行う
「非正規とはいえ、これまで働いてきたから大丈夫」と思っても、企業から「正社員として雇って本当に大丈夫だろうか」と思われてしまう可能性はゼロではありません。
そのため、正社員になるための準備を丁寧に行う必要があります。
正社員登用を目指すのであれば試験対策を徹底して行い、これまでは非正規だったけれど、今後は正社員として働きたい意思や正社員として働けることを人事担当に伝えましょう。
他の企業に転職するのであれば、これまでの経験から得たことを踏まえた今後のキャリアパスや、入社後に注力したいことなどが採用担当者に伝わるような志望動機・自己PRを準備します。
企業側から「この人に長く活躍してほしい」と思ってもらえるように準備をすることが、正社員になる近道です。
(4)転職するなら求人を見極める
転職を決意した場合は、求人情報を見極める姿勢を持ちましょう。
企業によっては、経験者のみ・資格保有者のみを採用しているケースもあるためです。
特に異業種・異職種に挑戦する場合は、未経験者採用をしているか・研修制度が充実しているかなどをチェックする必要があります。
(5)転職エージェントに相談する
正社員を目指す人は、転職エージェントに相談しましょう。
転職エージェントとは、人材を求める企業と仕事を探している求職者のマッチングをサポートする民間企業です。
転職エージェントを活用すると求人紹介をしてもらえるだけでなく、自己分析や選考対策などのサポートもしてもらえるので、安心して転職活動を進められます。
また、「今の会社を続けるべきなのかな」といった転職前の相談にも対応しており、キャリアアドバイザーから客観的なアドバイスがもらえます。
20代が活用したい転職エージェントは、キャリアスタートです。
- 20代の転職支援に特化している
- 正社員になったことのない人の転職支援実績が多くある
- 企業と人材のマッチングに注力しており、入社後の定着率は92%
- 未経験者採用の求人を多く保有している
- 徹底した面接対策で内定獲得率は86%
- 一人ひとりに寄り添ったサポートをしている
自分に合った会社の正社員になりたい人は、今すぐキャリアスタートの無料面談の予約をしましょう!
なお、ハローワークよりも転職エージェントを活用した方が良い理由については、以下の記事を参照してください。
まとめ
本記事では、非正規社員の実態と正社員になれない理由、正社員を目指すポイントを解説しました。
これまで正規で働いたことがない人でも、しっかりと準備をすれば正社員を目指すことは可能です。
ただし、今働いている企業で正社員になりたい場合は、正社員登用制度や登用実績の有無は確認しておきましょう。
正社員登用制度があっても、実際には非正規雇用者を正社員にする気がない企業が存在することも事実です。
そういった場合は、他の会社に正社員として転職する方がおすすめです。
転職して正社員になりたい人は、キャリアスタートに相談しましょう!