女性は正社員になれない?データから見る実態|正社員になるコツも解説
「私は正社員にはなれないのかな…」
「どうすれば正社員になれるのだろうか…」
このように悩んでいないでしょうか。
実は様々な調査や報告から、女性のほぼ3分の2は正社員として働いており、フリーターなどの非正規雇用から正社員になった女性が多くいることがわかっています。
この記事では、女性は正社員になれないのか、女性が正社員として働くメリット・デメリット、正社員になるためのコツについてわかりやすく解説します。
Contents
1.女性は正社員になれない?データから見る実態
総務省統計局「労働力調査(基本集計) 2023年(令和5年)平均結果」によると、2023年に正社員(正規雇用)で働く25~34歳女性は68.6%と、ほぼ3分の2の女性が正社員として働いていることがわかっています。
15~24歳 | 25~34歳 | 35~44歳 | 45~54歳 | 55~64歳 | 65歳以上 | |
各年代での正規の職員・従業員の割合 | 46.9% | 68.6% | 52.5% | 45.7% | 35.1% | 16.6% |
さらに、独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査にて、フリーターから正社員になろうとした女性で実際に正社員になれた割合は62.3%とほぼ3分の2の女性が正社員への転職に成功しています。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構│労働政策研究報告書No.213
これらの結果から多くの女性が正社員として働いており、フリーターから正社員に転職した女性も多くいるため、女性が正社員になることは十分に可能であると言えます。
2.女性が正社員として働くメリット3選
ここでは、女性が正社員として働くメリットを解説します。
(1)産休・育休(育児休業)を取得しやすい
女性が正社員として働く大きなメリットの1つ目は、産休・育休を取得しやすいことです。
「産休」とは、法律で定められており、出産前後(出産予定日の6週間前から産後8週間まで)の期間取得できる休暇です。
「育休(育児休業)」とは、法律で定められている制度で、子どもが一定の年齢(通常は1歳まで)になるまで育児を行うために取得できる休暇です。
どちらもアルバイトやパートなどの非正規雇用でも法律に守られて取得することができますが、正社員は法律で雇用が保証されているために職場に復帰しやすいです。
さらに、正社員は非正規雇用よりも福利厚生が充実していることが多く、上記の法律で決められた育児休業や産休とは別で、子育てのための休暇を取得できる場合もあります。
このように正社員になることで出産といった一大イベントを安心して迎えることができるようになります。
(2)雇用が安定し経済的余裕が生まれる
正社員は非正規雇用に比べて雇用契約が安定しており、長期的に働くことが可能です。
非正規雇用は有期契約であるため会社の経営状況や自身の体調不良などから解雇となる可能性がありますが、正社員は法律で雇用が保証されています。
さらに、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると正社員の平均賃金は非正規雇用の約1.5倍となっております。
また、正社員は上記のように雇用が安定しているために社会的信用が高く、住宅ローンなどの審査が通りやすくなります。
(3)キャリアアップを目指しやすい
正社員として働くことでキャリアアップを目指しやすいというメリットもあります。
正社員は前述のように長期的な雇用を前提としているために、企業内での昇進、研修や社内教育などのスキル向上の機会が多く与えられます。
また、社内の重要なプロジェクトに関わるチャンスも与えてもらいやすく、自分の成果を直接的に評価される機会も多くなります。
特に管理職などのキャリアアップを目指す場合には正社員として組織で働いた経験は非常に重要です。
このような経験は今の会社でのキャリアアップだけでなく、より条件のよい企業への転職することもできるようになります。
3.女性が正社員として働くデメリット4選
続いては、女性が正社員を目指す際に直面するデメリットを紹介します。
女性特有のデメリットもありますので、前述のメリットと合わせて正社員になるべきかどうか見直しましょう。
(1)子育てなど家庭との両立が難しくなる
正社員の場合にはフルタイムで働くことが多く、残業や休日出勤もすることもあるために子育てや家事との時間調整が難しくなることがあります。
特に、子どもの学校行事や急な体調不良への対応が求められる際、柔軟な働き方ができない場合が多いです。
一方、非正規雇用であればフルタイムではなく勤務時間に融通が利きやすく、プライベートの時間を充実させることができます。
そのため、家族やパートナーと子育てや家事の分担をしっかりと話し合い、お互いの時間を確保できるようにすることが重要です。
(2)異動や転勤の可能性がある
正社員の場合には異動や転勤の可能性があります。
たとえば転勤が決まると家族と離れて単身赴任をしたり、パートナーや子どもと一緒に引っ越しをするなど環境の変化に対応しないといけません。
異動であっても残業が増える可能性や新しい業務に対応するために通常よりも疲れてしまう可能性もあります。
転勤や異動がない企業や職種もありますので、環境を変えたくない人は企業や仕事選びの際に必ず確認しましょう。
(3)生理痛などの女性特有の健康問題と仕事の両立に悩まされてしまう
厚生労働省「雇用の分野における女性活躍推進等に係る現状及び課題」によると、月経関連の症状や疾病などで女性の2人に1人が職場で困った経験をしたと回答しています。
出典:厚生労働省│雇用の分野における女性活躍推進等に係る現状及び課題
また、同調査にて働く女性の約4割が女性特有の健康課題などで「職場で何かをあきらめなくてはならないと感じた経験がある」と回答し、その半数以上は「正社員として働くこと」を諦めなくてはならないと感じたと回答しています。
出典:厚生労働省│雇用の分野における女性活躍推進等に係る現状及び課題
このように男性にはない女性特有の身体的および精神的な不調に悩まされることが多く、正社員としての仕事のプレッシャーから強いストレスを感じてしまうことがあります。
(4)不妊治療と仕事の両立が難しくなることがある
近年、不妊治療を受ける夫婦は増えており、国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」では不妊の検査・治療を受けたことのある夫婦は22.7%と約4人に1人と報告しました。
その中で、不妊治療経験者のうち26.1%が「仕事と両立できずに離職、不妊治療の中止、又は雇用形態の変更をしている」と回答しました。
出典:厚生労働省│雇用の分野における女性活躍推進等に係る現状及び課題
さらに、不妊治療と仕事の両立が難しいと感じる理由として、男女ともに「通院回数の多さ」が一番多く、特に女性からは「通院と仕事の日程調整の難しさ」が多く挙げられました。
このように不妊治療と仕事を両立するには時間的に自由であることが重要であり、フルタイムで働く正社員にはデメリットとして働く要素となります。
そのため、フレックスタイム制度やリモートワーク制度を活用することや、パートナーと時間を調節してスケジュール管理することが重要です。
4.正社員になれない人の特徴
正社員になれない人の特徴にはいくつかの共通点があり、正社員になれない人には以下のような特徴がある場合が多いです。
- 主体性がない
- コミュニケーション能力が高くない
- スキルや経験が足りない
- 自己分析や企業分析が足りていない
企業は長期的に活躍する正社員を雇用したいと考えるため、主体性がない場合には企業が求める自発的な行動や改善提案を行えず、正社員としての採用が難しくなります。
次に、仕事は他者との協力が不可欠であり、社内外の人々との円滑な連携ができないと責任あるポジションに就くことが難しくなります。
また、特に中途採用の場合には企業は即戦力を求めるため、スキルや経験が求められるレベルに達していないと正社員採用が厳しくなります。
最後に、自己分析や企業分析が不十分な場合、エントリーシートや面接でのアピールが不十分となってしまい採用されにくくなります。
以下の記事で正社員として就職する方法や上手くいかない人の特徴をより詳しく解説しています。
5.正社員になるためのコツ5選
ここでは、正社員になるための成功のコツを5つ紹介します。
正社員になるためのコツを理解して、スムーズに就職活動を進めて正社員の内定を獲得しましょう。
(1)就職や転職活動は思い立ったらすぐに始める
就職や転職活動は思い立ったらすぐに始めることで、正社員になるチャンスを増やすことができます。
すぐに行動をすることで焦らずに情報収集や自己分析を進めることができ、いま自分が足りないスキルや経験などの把握や対策を早めに始めることができます。
また、年齢が若いほどに即戦力でなくポテンシャルで評価をされやすくなるため、熱意や将来性をアピールすることで正社員として採用されることが少なくありません。
(2)自己分析・企業研究をする
自己分析と企業研究は、正社員としての成功に向けた第一歩であり、自信を持って応募や面接に臨むための重要です。
自己分析は、自分の強みや弱み、価値観を理解する作業であり、自分がどのようなスキルを持っているか、どんな職種や業界で活躍したいのかを明確にすることができます。
また、企業研究は志望する企業を調べて入社後のイメージを具体的にし、面接での質疑応答で好印象を与えることにもつながります。
自己分析と企業研究を合わせて自分がその会社でどのように貢献できるかを強くアピールすることができ、正社員への可能性を高めてくれます。
(3)企業や条件へのこだわりを持ちすぎない
求人探しの際に企業や条件にこだわりすぎずに幅広く考えることで正社員になれる可能性が高くなります。
就職や転職活動では理想の条件を追い求めるあまりに応募の機会が減少してしまい、面接への慣れや実際に働くと違ったというミスマッチを生んでしまいます。
さらに、企業や条件だけでなく職場環境や業務内容が自分に合うかどうかも重要です。
そのため、最初から選択肢を狭めるのではなく、まずは様々な企業に応募して自分の適正やキャリアプラン、企業選びの軸を明確にすることをおすすめします。
(4)資格やスキルの取得を検討する
多くの業界では特定の資格やスキルが求められることが多く、持っていることで有利に働くことがあります。
特に未経験の分野に挑戦する際には資格を取得することで自分の意欲や能力を証明できるため、採用担当者に良い印象を与えることができます。
また、行きたい職種では直接的には関係のない資格やスキルであっても、その資格を取得することができた努力や能力を評価してくれる場合があります。
まずは自分が興味を持つ業界や職種に必要な資格をリサーチし、キャリアの方向性に応じた資格を選ぶことをおすすめします。
(5)転職エージェントを活用する
転職エージェントを活用することも正社員になるための近道の一つです。
転職エージェントを活用することで求人の紹介や選考対策、条件交渉の代行まで手厚い転職支援を受けることができるためです。
特に自分では気づきにくい強みや適性を第三者の目線で見つけ出し、効果的にアピールする手助けをしてくれるために心強い存在といえます。
そのため、まずは信頼できる転職エージェントに登録し、自分の希望する職種や業界、条件を明確に伝えましょう。
以下の記事で転職エージェントの選び方や良いエージェントの見分け方を詳しく解説しています。
まとめ
本記事では、女性は正社員になれないのか、女性が正社員として働くメリット・デメリット、正社員になるためのコツについて紹介しました。
「女性は正社員になれない」は事実ではなく、実際には正社員になるための十分な準備や対策ができていないことが大きな原因となっております。
「自分は正社員になれるか不安…」と悩んでいる人は、ぜひ本記事を参考に正社員を検討してみることをおすすめします。
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そのため、まずは転職エージェントに相談することをおすすめします。