建築施工管理技士とは?未経験から資格を取得する方法

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第二新卒におすすめの業界6選

建築施工管理技士は、施工管理の国家資格です。なんとなく難しそうといったイメージをもたれるかと思いますが、資格取得したら「年収アップしやすい」、「昇進しやすい」、「転職に有利」など、数多くのメリットがあります。そこで、今回は未経験から建築施工管理技士の資格を取得する方法、メリット、転職方法についてそれぞれ紹介します。

施工管理技士が気になる方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

1.建築施工管理技士とは

建築施工管理技士とは、建築現場の管理者としての技術力・管理能力を証明するための国家資格です。

建築施工管理技士は、建設工事の現場において主に工事の進行を全体に指示し、工事現場の監督を担います

建築施工管理技士は1級と2級に分かれており、1級建築施工管理技士と2級建築施工管理技士の大きな違いは「管理できる現場の規模」です。

 

管理できる現場の規模の違い

・1級建築施工管理技士…請負代金額が4,000万円以上の大規模な建設現場

・2級建築施工管理技士…請負代金額が4,000万円以下の中小規模の建設現場

建設工事現場では、建築施工管理技士の有資格者を1名以上置くことが法律で決められているため、基本的に建設会社は、建築施工管理技士の有資格者がいればいるほど多くの工事を受注することができ、売上を増やすことができます。そのため、建築施工管理技士の有資格者の市場価値は高く、資格取得により「年収アップしやすい」「昇進しやすくなる」「転職に有利」など、数多くのメリットがあります。

なお、2021年度より建設業法改正により1級建築施工管理技士の受験資格が緩和されました。

(参考:国土交通省「改正建設業法について」

1級建築施工管理技士の受験資格が緩和された背景には、少子高齢化社会による監理技術者不足が挙げられます。監理技術者とは、請負代金額が4,000万円以上の大規模な建設現場に必ず配置しなければならない管理者のことで、監理技術者になるためには1級建築施工管理技士の資格を持っている必要があります

近年、この監理技術者の多くが高齢のため引退し、4,000万円以上の建設現場を管理できる人材が急激に少なくなってしまったため、1級建築施工管理技士の受験資格を緩和し、監理技術者を増やそうとなったわけです。このような人材不足の背景もあり、建築施工管理技士の資格者の市場価値はますます高まってきています。

1級建築施工管理技士と2級建築施工管理技士の詳しい違いについては、下記に紹介します。

 

建築施工管理技士の種類

(1)2級建築施工管理技士

(2)1級建築施工管理技士

(1)2級建築施工管理技士

役割・業務領域

2級建築施工管理技士の有資格者は、中小規模の建設工事(請負代金額が4,000万円以下)を管理することができます。資格は、3つに分かれており、「建築」、「躯体」、「仕上げ」それぞれの資格の有無で、担当できる管理業務が決まります。例えば、「仕上げ」の2級建築施工管理技士の資格を取得することで、防水工事や塗装工事などの業務を担当できるようになりますが、鉄筋工事などの業務を担当したい場合は、「躯体」の資格も取得する必要があります。

 

「建築」資格の取得で担当できる業務

「建築」の2級建築施工管理技士の資格を取得することで、「建築一式工事」を担当する事ができるようになります。

「建築一式工事」とは、基本的に大規模で複雑な工事が該当し、専門工事(大工工事・内装工事・電気工事など)が2つ以上必要な工事を指します。

 

「躯体」資格の取得で担当できる業務

「躯体」とは建築物全体を構造的に支える骨組み部分のことで、「躯体」の2級建築施工管理技士の資格を取得することで、以下のような業務を担当することができるようになります。

・解体工事

・鉄筋工事

・鋼構造物工事

・大工工事

・とび、土工、コンクリート工事

・タイル・レンガ・ブロック工事

「仕上げ」資格の取得で担当できる業務

「仕上げ」とは、建造物の構造以外の部分である、内装と外装に関わる工事を指し、「仕上げ」の2級建築施工管理技士の資格を取得することで、以下のような業務を担当することができるようになります。

・塗装工事

・内装仕上工事

・防水工事

・屋根工事

・大工工事

・石工事

・板金工事

・ガラス工事

・タイル・レンガ・ブロック工事

1級建築施工管理技士の有資格者は、上記の区分は適用されないため全ての業務を担当することができます。2級建築施工管理技士の有資格者の場合でも、3つ全ての資格を保有することで、区分による制限を受けることなく、すべての業務を担当することができます。

 

主任技術者になれる

2級建築施工管理技士を取得すると、建設現場において主任技術者になることができます
主任技術者とは、建設工事の計画、管理、指導、監督を行う人です。
建設業法第7条により、建設業者は主任技術者を建設現場に専任で配置しなければなりません。

 

<主任技術者の業務内容>

・施工計画の作成
・工程管理
・品質管理
・建設工事の施工を担当する者の技術上の指導・監督

また、主任技術者になると毎月の給料にプラスして資格手当(2,000〜5,000円)がつくなど金銭面でのメリットもあり、年収アップを狙えます。

 

<メリット>

主任技術者になる最大のメリットはキャリアアップができることです。
主任技術者は知識や経験が豊富であり、社内でも重要なポジションです。
出世につながりやすいと言えるでしょう。
また、手に職をつけられる資格でもあり、資格手当がついたり、転職や独立を考える場合においても有利になります。そして次のメリットが、自分の仕事に対してやりがいや実感を持ちやすくなるという点です。工事の開始から完成まで、全てを統括するため完成後も大きな達成感を得ることができます。

 

(2)1級建築施工管理技士

役割・業務領域

1級建築施工管理技士は管理できる工事の規模に上限がないため、大規模な建設工事現場に関われる資格となっています。請負代金額が4,000万円以上の建設現場には、監理技術者(建築業の技術水準を保つために建設現場に置かれる技術者)の専任配置が義務付けられています

 

主任技術者、監理技術者になれる

監理技術者とは、請負代金額が4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)の大規模な建設現場に専任で配置される、施工の技術上の管理をつかさどる技術者のことです。

 

<監理技術者の業務内容>

・施工計画の作成
・工程管理
・品質管理
・技術的指導
・その他、発注者との調整や下請からの協議事項への対応、費用管理、近隣住人への説明等

 

<主任技術者との違い>

どちらも、工事が円滑に進むように現場の管理や指導監督を行いますが、監理技術者は請負代金額が4,000万円以上の大規模な工事現場に配置することに対して、主任技術者は請負代金額が4,000万円以下の小規模な工事現場に配置となります
また、監理技術者は下請負人を指導・監督するというまとめ役を担うことから、主任技術者よりも高いレベルの経験や資格が必要となります。
2級建築施工管理技士は主任技術者までの資格となっており、監理技術者にはなることは出来ませんが、1級建築施工管理技士は主任技術者と管理技術者どちらにもなれます。
監理技術者や主任技術者は現場ごとに配置する必要がありますので、請負代金額が4,000万円以上の大規模な工事を管理することができる1級建築施工管理技士は非常に需要が高い人材です。そのため、監理技術者になることで更に年収をアップすることが可能になります。

 

2.建築施工管理技士を取得するメリット

「建築施工管理技士」の資格取得をするとさまざまなメリットがあります。

主な3つのメリットを下記に紹介します。

 

建築施工管理技士を取得するメリット

(1)とにかく稼げる(資格手当・昇進による昇給・転職による給与アップ)

(2)信頼関係を構築しやすい

(3)転職に有利

(1)とにかく稼げる(資格手当・昇進による昇給・転職による給与アップ)

建築施工管理技士を取得するメリットは「とにかく稼げること」です。2級建築施工管理技士を取得すると、主任技術者と専任技術者になることができるため、会社は受注できる工事が増えます。

そもそも建設会社は施工管理技士がいないと工事を請けられないので、会社の利益に直結する資格であり、有資格者には資格手当や昇進による昇給・転職による昇給など、金銭的なメリットが多く存在します

施工管理技士の有資格者の方が年収が高い理由は、下記の3つです。

・資格手当で稼げる(2級:3000円程、1級:1万円程)

・昇進しやすい

・転職が有利になる

(参考:賃金構造基本統計調査

特に年収に影響が大きいのは、昇進と転職です。施工管理の経験年数や資格取得による給与アップについてさらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。

施工管理20代の平均年収を徹底解説!資格別や大手ゼネコンの年収も紹介

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なお、1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士・無資格の平均年収の目安は以下の通りです。

1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士・無資格の平均年収の目安は下記の通りです。

<資格ごとの平均年収の目安>

1級建築施工管理技士:550万円~1,000万円位

2級建築施工管理技士:400万円~

無資格:350万円~

 

(2)信頼関係を構築しやすい

クライアントや他業者との打ち合わせの際に「国家資格保有者」と名乗れると、信頼関係の第一歩が構築しやすくなります。業務を円滑に進めるためにも、資格取得はオススメです。

また、仕事仲間との信頼関係も構築しやすくなります。工事を進めるうえで職人との信頼関係は必要不可欠になります。施工管理が上手くいくと、職人と信頼関係が築けるようになり、おのずと品質の高い仕事につながります。

下記は、当社キャリアアドバイザーが実際にサポートして入社した方の経験談です。
(キャリアクション調査)

 

未経験から建築施工管理になった方の声

「一見、無口で怖そうな職人さんにも自分から積極的に関わるようにしていたら、段々と信頼してもらえて、作業調整にも応じてもらえるようになった」

「最初はバラバラだった職人さんたちをまとめるのは大変だったけど、毎日ひとりひとりに声掛けをしていたら、徐々に自分の話に耳を傾けてくれて、気づくとチーム一体となっていった」

上記のように、最初は怖いイメージのあった職人さんとも信頼関係を築くことができて、業務の調整がしやすくなったり、チーム一体となってやりがいをもって働けている人も多いです。

 

(3)転職に有利

建築施工管理技士の資格保有者が転職市場で人気の理由

日本のインフラや民間建築物は、老朽化はもちろん地震などの災害によるダメージも蓄積し、維持修繕工事が年々増加することが見込まれています。
一方で、少子高齢化が進んでおり、建設業においても今後高齢のベテラン層の大量退職による人手不足が発生すると予測されています。
若年層の労働者や資格保有者が不足しているため、建築施工管理技士の資格保有者は転職市場においても非常に人気が高いです

 

現場経験があれば、違う業界、分野でも有利になる

建設業界だけでなく不動産業界などにも有効な経験として評価されます。加えていえば、住宅などであれば建築施工管理の知識を駆使して営業などの別分野の仕事に役立てることも可能です。
また、不動産業界や施工管理ではなく建物の評価などといった分野にも役立てることが可能です。

そのため、資格の保有者であれば、転職の幅は非常に広く、自分のライフスタイルに合わせて転職を行うことも、大幅に給与アップする可能性もあるでしょう。

 

3.建築施工管理技士の6つの仕事内容

 

建築施工管理技士が建築の工事を管理するイメージはつくけど、具体的にはどんな仕事内容なのだろうと疑問をもたれた方もいるかと思います。

そこで、ここでは建築施工管理技士の仕事内容について下記の6つをご紹介していきます。

建築施工管理技士の6つの仕事内容

(1)施工計画

(2)原価管理

(3)工程管理

(4)品質管理

(5)安全管理

(6)環境管理

(1)施工計画

建設工事が設計図通りに、予算内に安全に行うための方法を計画します

具体的には、工事に関わる工事協力業者を選び、工事を始める前に工事の内容を伝えることや、現場やその周辺の状況を調査し、把握すること、解体等により現場で発生する資材の抑制・再利用・再資源化も計画し、廃棄物が出る場合の運搬場所も前もって決めておきます。また、設計図の指示に代案がある場合は、設計者に提案し、より良い方法で工事が進められるよう計画を行っていきます。

 

(2)原価管理

建設工事の予算は決まっているため、工事を進めるにあたり、適切な経理と費用の削減が必要です。これらの金額や原価の計算に役立つのが原価管理となります。人件費や材料費などの原価を計算して、工程通り工事を進めるために管理します

収入と支出を帳簿上で管理して、適切な利益を生むために必要な計算です。利益金額が想定金額に満たない場合は、分析・検討・工程の改善につなげて利益を確保しなくてはならないのです。このような分析手段としても、原価管理は必要となっています。

 

(3)工程管理

工事の始まりから終わりまで、工事現場に関わる工事内容を把握し、それに関わる多数の職人のスケジュールを組み、建設工事が予定通りに進むように管理します

また、その工事に間に合うように資材の発注もします。建設工事の規模が大きくなるほど、工事内容も関わる職人の数も多くなるため、複雑な工程を管理するのは建築施工管理技士の知識があってこそ出来る業と言えるでしょう。工事が進むと、基礎工事から内装工事まで、各専門工事が始まります。それらの管理(技術的指導)を行うのも建築工事管理技士の大切な仕事です。

 

(4)品質管理

品質管理は建設工事の人件費や材料費といった原価や費用を管理する業務となっています
建物の安全性などに影響しない範囲内で管理しなければいけませんが、企業として利益を出すために費用管理を行わなければなりません。作業工程と人件費を踏まえ、下請け業者などの職人の人数なども管理します。
また、材料費に関しては材料が無駄にならないように管理し、可能であれば少ない費用で材料を手配するのも重要です。建設工事が進むと、その都度予算の確認を行うことも大切です。赤字になりそうなら対策や予算案を見直したり、臨機応変に対応する必要があります。

 

(5)安全管理

建設工事は、日常的に高所作業や重機の使用等で危険な作業が伴うため、建築施工管理技士は「職人が安全に作業できるのか」を確認しなければなりません。
そのため、現場を見回りして、安全設備の不備、不安全行動の確認を行います
万が一、職人に事故が無いように安全注意事項の説明をします。その他にも、建築施工管理技士は、職人やその周辺の人々が怪我なく安全に工事が進むように現場に出入りする関係者への安全教育や、書類提出による健康管理、工事における危険予知とその周知、安全パトロール、使用する機器の安全性チェック等、建設現場における全ての安全の管理も行っていきます。

 

(6)環境管理

環境に影響の出る可能性があることについては、役所に「このような建設工事がありますが、環境に影響のないようにこのような対策をしています」という書類を提出する必要があります。書類提出を怠ると、最悪の場合、工事が中断や中止となることもあるので、こちらも重要な仕事になります。

環境には下記の通り、「自然環境・周辺環境・職場環境」の3つの要素があります

自然環境
地盤や土壌、空気汚染など建設現場周辺の環境を考慮し工事を行います。

周辺環境
重機の音や振動、騒音や粉塵、車や重機の排気ガスなど、建設現場周辺の住民に迷惑がかからないように考慮し、対策を行います。

職場環境
現場の職人が働きやすい環境を整えるための対策を行います。

建設工事周辺の環境は、現場の立地やその日の工事内容によって優先順位が変わってきます。

そのため、施工管理技士は現場によってどの環境を優先するべきか考える必要があります。また、職場環境については職人としっかりコミュニケーションをとり、信頼関係を作ることが重要になってきます。施工管理の仕事内容についてさらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。

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4.2級建築施工管理技士の資格試験

 

施工管理技士には1級と2級がありますが、仕事内容には大きな違いはありませんが、

扱うことのできる建物規模に制限があります。

1級建築施工管理技士の場合は、工事を請け負うことができる規模は制限がないものとなっております。
2級建築施工管理技士の場合は、主に中小規模(請負金額4,000万円以下)の建設工事を扱うことになりますが、一戸建て住宅などを主に請け負う会社に勤めている場合は、2級があれば十分でしょう

ここでは実際に施工管理技士2級の資格試験が、どうすれば取得できるのか下記の3つに分けてご紹介していきます。(参考:一般財団法人 建設業振興基金 施工管理技術試験

 

2級建築施工管理技士の資格試験

(1)受験条件

(2)試験内容

(3)試験の難易度・勉強方法

(1)受験条件

受験資格

2級建築施工管理技士は誰でも受けられる試験ではありません。2級建築施工管理技士の受験には、指定学科を受講した大学を卒業した後、1年の実務経験を積むことが必須条件です。最終学歴が高等学校の方は、3年の実務経験で受験資格を得ることができます。
ちなみに、第一次検定のみの受験であれば、満17歳以上であることが受験資格です。
第二次検定を受験する場合に限って受験資格が必要なので、一度、公式サイトの情報を確認しておきましょう。(参考:一般財団法人建設業振興基金 施工管理技術検定

 

受験費用

受験費用は下記の検定ごとにそれぞれ発生し、あわせると10,800円必要になります。

第一次検定のみ:5,400円
第二次検定のみ:5,400円

 

受験日程

「施工管理技術検定」は国家資格となっており、年に2回行われます。前期試験日は6月に行われ、7月に合格発表があります。後期試験日は11月に行われ、翌年1月に合格発表があります。

 

(2)試験内容

試験は第一次検定と第二次検定に分かれている

2級建築施工管理技士の試験は、第一次検定と第二次検定に分かれています。
第一次検定はマークシート形式の問題で、第一次検定の合格者のみ、第二次検定を受験することが可能です。

 

試験内容は3つの種別に分かれている

2級建築施工管理技士の資格試験は「建築」「躯体」「仕上げ」の3つに分かれており、

いずれか1つの第一次検定・第二次検定を受けます。

 

(3)試験の難易度・勉強方法

難易度

2級建築施工管理技術検定の「第二次検定」は、平成29年~令和3年における平均合格率は28.88%です。令和3年度の合格率は、平均よりも高い結果となっているので、「第二次検定」も「第一次検定」と同様、試験範囲をきちんと勉強していれば対応できる内容だったと言えるでしょう。

勉強時間は60時間目安のため、まずは1カ月で1日2時間位から勉強してみるもの良いでしょう。

 

勉強方法

市販の問題集などで勉強する際は、問題を解いて答え合わせする時には、必ず解説にも目を通しましょう。問題と答えだけを暗記するような勉強方法だと、出題形式の変化に対応できず、試験本番で失敗してしまう可能性も高くなります。解説もあわせて読むことで、問題の本質をきちんと理解し、出題形式が変わっても対応できる力を身につけましょう。

また、「やる気を維持できるか不安」「記述問題での自分の解答が合っているか分からない」という方は、資格学校などが実施している講習・通信講座などを活用してみるのもおすすめです。解説を聞けたり、記述問題の添削をしてくれたりと、受講する内容によってメリットは様々です。数日から数ヶ月のコースまで、幅広い講習・講座があるので、予算や予定も踏まえて自分に合ったものを選びましょう。

 

5.1級建築施工管理技士の資格試験

 

1級建築施工管理技士の場合は、工事を請け負うことができる規模は制限がなく、

街中によく見かける大型商業施設や高層マンションなどが施工可能です。

東京スカイツリーも1級建築施工管理技士があれば現場所長として管理できます。

ここでは実際に施工管理技士1級の資格試験がどうすれば取得できるのか、下記の3つに分けてご紹介していきます。(参考:一般財団法人 建設業振興基金 施工管理技術試験

 

1級建築施工管理技士の資格試験

(1)受験条件
(2)試験内容
(3)試験の難易度・勉強方法

 

(1)受験条件

受験資格

1級建築施工管理技士の資格受験には、指定学科を受講した大学を卒業した後、3年の実務経験を積むことが必須条件です。最終学歴が高等学校の方は、10年の実務経験で受験資格を得られます。

また、2021年度の4月より施工管理技士全般の受験資格が緩和されました

2級の第二次検定合格者が1級の第一次検定を受験する場合に限って受験資格が不要です。

第二次検定を受験する際には2級の第二次検定合格後5年以上の実務経験が必要ですが、2級の第二次検定の翌年から1級の第一次検定は受験できます。

施工管理技士の資格は建設業界で働く上でのスキルを客観的に証明することができ、重宝される資格です。例えば主任技術者や監理技術者といった建設現場で責任ある役割を任されるためには1級の資格取得が必須となります。そのため、1級取得をすることでより昇進昇給を目指すことができるでしょう。

(参考:一般財団法人建設業振興基金 施工管理技術検定

 

受験費用

受験費用に関しては第一次検定も第二次検定も10,800円です。

 

受験日程

1級建築施工管理技士の試験は年に一回行われます。第一次検定は6月に行われ、7月に合格発表があります。第二次検定は10月に行われ、翌年1月に合格発表があります。

 

(2)試験内容

第一次検定は、建築学(環境工学、各種構造、構造力学、施工共通、躯体工事、建築材料、仕上げ工事)、施工管理法、法規があります。

午前の部2時間30分、午後の部2時間の試験です。第一次検定は全て四肢択一形式の出題です。

第二次検定は実務経験における建築全般の応用力が求められる記述式の試験です。

 

(3)試験の難易度・勉強方法

難易度

1級建築施工管理技士の令和元年度の合格率は、第一次検定は42.7%、第二次検定は46.5%です。

一級建築施工管理技士試験の難易度は、二級建築施工管理技士の2倍以上といわれています。

また、勉強時間の目安としては、二級建築施工管理技士が60時間程度、一級建築施工管理技士は75時間程度です。また時間的には一級建築施工管理技士のほうが少し長い程度ですが、一級建築施工管理技士を受験する人は二級建築施工管理技士を受験する人よりももともと経験、知識が豊富です。すでに二級建築施工管理技士の資格を取得している人も多いでしょう。

受験者のレベルが明らかに一級建築施工管理技士のほうが上なので、試験の難易度も高いと言えます。一級建築施工管理技士の試験難易度は決して易しくありませんが、一級建築士と比べると一級建築士のほうが難易度は高くなります。

 

勉強方法

一級建築施工管理技士「第一次検定」に合格した人は、過去問題から勉強している人がほとんどです。特に一級建築施工管理技士「第一次検定」の受験者は社会人が多いため、勉強できる時間も労力も限られています。限られた時間と労力で合格するためには、なるべく効率的に、必要な部分にのみエネルギーを注ぐことが重要なのです。

テキストをきっちり読み込むのも一つの手ですが、これだと時間がかかります。テキストを読み込んで細かく理解したほうがすっきりするかもしれませんが、時間と身につく知識量のバランスを意識して勉強するのがおすすめです。とりあえずは解けなくてもいいので過去問題に目を通し、解説を見ながら理解していく方法がよいでしょう。

 

6.未経験から最短で給与アップする5ステップ

 

ここでは、未経験から最短で給与アップする5ステップを紹介します。

 

未経験から最短で給与アップする5ステップ

STEP①:技術者派遣会社に正社員として入社する

STEP②:現場で経験を積む

STEP③:2級建築施工管理技士の資格を取る

STEP④:待遇の良い会社に転職する

STEP⑤:1級建築施工管理技士の資格を取る

 

STEP①:技術者派遣会社に正社員として入社する

未経験から施工管理としてキャリアアップしていく場合、技術者派遣の会社に正社員として入社するのがおすすめです。なぜなら、技術者派遣の会社は、「研修が非常に丁寧」で「残業が少ない」さらに「残業しても残業代は満額支給される」からです。

技術者派遣会社は、未経験の人材を「正社員」として採用し、施工管理として別の会社の現場へ派遣するという性質上、未経験者に対する研修に非常に力を入れています。

実際に、施工管理を派遣する技術者派遣会社は、未経験者へ1ヵ月~2か月程度の研修をして業界知識をつけてから、現場へ配属をすることが多く、建設業界の経験がない人でも施工管理の仕事を始めやすい環境が整っているのです。

また、一般的な施工管理職は「みなし残業」などの理由で残業代を満額もらえないことが多くありますが、技術者派遣会社と派遣先の会社は派遣契約を結んでいるため、技術者派遣で施工管理の仕事をすると、残業代を満額受け取ることができます。

その際、派遣先の会社はできる限り残業代を支払いたくないので、現場には「派遣の人は残業せずに早く帰ってもらうように」といった指示がなされていることが多いのです。そのため、技術者派遣での施工管理の仕事は、一般的な施工管理と比較して残業が少なくなります。

下記は、当社キャリアアドバイザーが実際にサポートした技術派遣会社に未経験から入社した方の経験談です。(キャリアクション調査)

 

未経験から技術者派遣会社の建築施工管理になった方の声

「初めての業界で右も左も分からなかったけど、新たな知識を知ることができて楽しい」

「未経験向けの社内研修では同期メンバーもいるため、難しいところや覚えるのが大変なところがあっても、励まし合いながら勉強できる」

「研修で分からないところを講師に個別で質問したら、自分にも理解できるように分かりやすく教えてもらえた」

上記のように、未経験から入社して大変なところもある一方で、新しい知識が増えるのが楽しいと感じられている方や同期入社の仲間と一体感をもって取り組んでいる方も多いです。

 

STEP②:現場で経験を積む

施工管理は「現場の経験がすべて」とよく言われます。施工管理の業界では、現場の経験を積んでいくと徐々に給与は上がっていきます。転職に関しても、たとえ施工管理技士の資格を持っていなかったとしても、現場経験5年・無資格の転職で100万円以上の年収アップした例もあります。

建築施工管理 年収アップの例

27歳土木施工管理

年収:300万円→457万円

残業時間:80h→50h

建築施工管理から土木施工管理へジョブチェンジ。

無資格/業界経験5年。経験を買われ150万円以上年収アップ・週休2日制の案件で残業時間も減少。

無事に技術者派遣の会社で施工管理の仕事を始めることができたら、「現場の経験を積む」ことを第一に考えて取り組みましょう。

STEP③:2級建築施工管理技士の資格を取る

現場での経験を積みつつ、まずは2級施工管理技士の資格を目指しましょう。施工管理技士の資格試験は「学科」と「実地」に分かれており、2級施工管理技士の実地受験資格を得るためには大学の建築系学科を卒業後1年以上の実務経験、指定学科以外の大学卒の場合は卒業後1年6カ月以上の実務経験が必要です。

大学を出ているのであれば、現場経験を積みながら学科試験の勉強を行い、1年もしくは1年半後に実地試験を受けるというのが未経験から2級合格までの最短ルートになります。

 

STEP④:待遇の良い会社に転職する

多くの会社から必要とされる2級建築施工管理技士の資格を取得したら、それを武器に転職活動をしましょう。

建設工事現場では、2級以上の建築施工管理技士の有資格者を1名以上置くことが法律で決められています。2級建築施工管理技士が増えることで、企業はより多くの工事を請けることができるようになり売上を増やすことができますので、どの企業も2級建築施工管理技士の有資格者を強く欲しています。

現在、2級建築施工管理技士の有資格者を求める企業の数に対して、有資格者の数は圧倒的に少ないため、企業側は高い給与を提示してでも有資格者を採用しようとしています。

そのため、2級建築施工管理技士資格を保有した上で同業他社へ転職することで、大幅な年収アップをすることも可能となります

<転職先の例>

・ 大手ゼネコン
・ 中堅ゼネコン
・ 地場ゼネコン

ゼネコンの規模には差があり、規模による年収の目安は次の通りです。

ゼネコンの規模による年収差

・スーパーゼネコンの平均年収/1,000万円程度

・大手ゼネコンの平均年収/600万~700万円程度

・中堅ゼネコンの平均年収/500万~600万円程度

・小規模ゼネコンの平均年収/300万~500万円程度

ゼネコンの規模が大きくなるにつれて、請負代金額の高い大規模な建設工事の取り扱いが増えるため、比例して施工管理技士の年収が高くなる傾向があります。

 

STEP⑤1級建築施工管理技士の資格を取る

2級建築施工管理技士の資格を武器に待遇の良い会社に転職したら、建築施工管理の最上位資格である1級建築施工管理技士を取得しましょう。1級建築施工管理技士を取得していて、かつスーパーゼネコンに在籍している場合、年収1,000万円を超えることも可能です

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7.建築施工管理技士の主な転職先

建築施工管理技士は、資材・人材管理から竣工までを一気通貫で支えるプロフェッショナルであるため、そのスキルは、同業以外にも建築に関連する多くの業界からも求められています。

以下では、建築施工管理技士の資格を活かした主な転職先を紹介します。

 

建築施工管理技士の主な転職先

(1)技術者派遣会社

(2)ゼネコン(大手・スーパーゼネコン)

(3)ディベロッパー

(4)不動産仲介の営業

 

(1)技術者派遣会社

建築施工管理技士の資格を保有した上で転職活動をする場合、転職の難易度と年収・労働環境を比較しながら転職先を検討します。技術者派遣会社を転職先とするメリットとしては、「転職しやすく」「入社段階で年収アップしやすい」点が挙げられます。

技術者派遣会社が「転職しやすく」「入社段階で年収アップしやすい」理由は、技術者派遣会社は現場を任せられる社員(=1級または2級建築施工管理技士の資格保持者)が多ければ多いほど売上を伸ばすことができるからです。売上が好調な技術者派遣会社は、クライアントから技術者派遣の依頼があっても、資格保持者不足により依頼を受けたくても受けられない、といった状況にあるため、年収を引き上げてでも、建築施工管理技士の資格保持者を採用したいと思っています。

そういった背景により、建築施工管理技士の資格保持者は、技術者派遣会社に「転職しやすく」「入社段階で年収アップしやすい」というわけです。

 

(2)ゼネコン(大手・スーパーゼネコン)

ゼネコンは狭き門で転職の難易度は高いですが、年収アップの幅は圧倒的に大きく、スーパーゼネコンで1級建築施工管理技士の資格を持っていれば年収1,000万以上となるでしょう

理由は、ゼネコンは建設工事を担当できる(1級または2級建築施工管理技士の資格保持者)が多いほど売上を伸ばすことができるからです。売上が好調なゼネコンは、クライアントからの大規模な建設工事の依頼も多いため、依頼を受けたくても受けられない、といった状況にあるため、年収を引き上げてでも、建築施工管理技士の資格保持者を採用したいと思っています。

そういった背景により、建築施工管理技士の資格保持者は、ゼネコンに「転職しやすく」「入社段階で年収アップしやすい」というわけです。

ゼネコンの規模には差がありますので、下記を参考にしてみてください。 

ゼネコンの規模による年収差

・スーパーゼネコンの平均年収/1,000万円程度

・大手ゼネコンの平均年収/600万~700万円程度

・中堅ゼネコンの平均年収/500万~600万円程度

・小規模ゼネコンの平均年収/300万~500万円程度

 

 

(3)ディベロッパー

ディベロッパーは「開発者」を意味します。不動産開発業者(ディベロッパー)は主に不動産の企画・開発を行い、実際の工事はゼネコンへ発注します。こういった関係性から、ゼネコンとディベロッパーはパートナー的存在であると言われています。建築施工管理技士としての経験が豊富であれば、その経験を活かして建築物の企画・開発を行う「ディベロッパー」へ転職する道も見えてきます。

理由は、ディペロッパーは1級または2級建築施工管理技士の資格保持者が多いほど扱える不動産も多くなります。ディペロッパーは、不動産開発をしたくても扱える人がいないとできない、といった状況にあるため、年収を引き上げてでも、建築施工管理技士の資格保持者を採用したいと思っています。そういった背景により、建築施工管理技士の資格保持者は、ディペロッパーに「転職しやすく」「入社段階で年収アップしやすい」というわけです。

大手ディベロッパーは基本的に新卒採用となっていますが、電鉄系や商社系は中途採用していることもありますので、ディベロッパーに興味がある方は中途採用に関する情報をキャッチできるよう常にアンテナを張っておくと良いでしょう。企業によって特徴や強みが異なりますので、企業研究はしっかり行う必要があります。

狭き門で転職の難易度は高いですが、年収アップの幅は大きいでしょう

(4)不動産仲介の営業

不動産業界と建設業界は、異なるイメージのため転職できるのかと驚かれる方もいるでしょう。建築施工管理技士の知識と経験は、建築物の良し悪しを判断できるため不動産仲介の営業でも活かすことができます。

不動産仲介の営業職は多くの場合、インセンティブ(歩合)が入るので、自分の営業成績次第では大幅な年収アップも可能です

また、顧客に重要事項説明をする際に必要な「宅地建物取引士」の資格を取得しておけば資格手当がつきますし、不動産業界への転職がさらに有利になるでしょう。

 

まとめ

 

今回の記事では、施工管理技士についてご紹介してきました。施工管理技士は、建築業界の人手不足が不安視されるため、今後も需要の高い仕事になるでしょう。未経験からはじめる方は、現場で経験を積みながら2級建築施工管理技士の資格を目指すことがキャリアアップの最短ルートになります

また、未経験から現場の経験を身に付けるには技術者派遣会社がおすすめです。技術者派遣会社は顧客先に人を派遣する関係上、研修を非常に丁寧に実施しているので、未経験者から施工管理を始める上で充実した環境が整っています。「派遣」と言っても、施工管理として他の会社のプロジェクトの協力に行くようなイメージで、雇用形態は正社員なのでご安心ください。技術者派遣の会社は世の中にたくさんあるので、より自分に適したホワイトな会社を探したい方は、エージェントを利用するのがおすすめです。

私たちキャリアスタートでは、これまで第二新卒、フリーター、異業界の方々の、未経験から施工管理への転職を支援してきました。キャリアスタートでは、ホワイトな技術者派遣会社を中心に、求人サイトでは見つけることのできない非公開求人も含め、ご希望にマッチした施工管理求人をご紹介可能です。これから施工管理への転職を考えている方は、ぜひキャリアスタートにご相談ください。

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