既卒者は正社員採用されないのか?就活で気を付けるべき4つのポイント
「既卒はなぜ正社員採用されにくいのか?」
「既卒が採用されるためにはどうしたらいいのか?」
既卒者でこれから就活を始めようとしている人の中には、既卒は正社員採用されないと聞いて、本当なのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
既卒は新卒に比べると確かに採用されにくいのは事実ですが、だからといって正社員採用を諦める必要はありません。
本記事では、既卒者の就活事情をはじめ、既卒者が採用されにくいといわれている理由や就活のポイントを紹介します。
この記事を参考に、これからどのように就活に取り組むか考えてみましょう。
Contents
1.既卒者は正社員採用されないのか?
結論から言うと、既卒者でも正社員採用されます。
しかし、就活において新卒より不利に働くのは事実です。
ここでは、世間が既卒者をどのように見ているかについて紹介します。
(1)既卒者は新卒に比べると内定率が低い
既卒者は新卒に比べると内定率が低いのは事実です。
マイナビの「マイナビ2021年度既卒者の就職活動に関する調査」によると既卒者の内定率は42.4%で、就職みらい研究所の「就職プロセス調査」では、新卒は95.2%という結果でした。
数字を見比べれば一目瞭然で、新卒の方が圧倒的です。
しかし、見方を変えれば、就活に取り組んだ既卒者の4割は内定をもらっていることになります。
そのため、既卒者だからといって正社員に採用されないとは限らないことを押さえておきましょう。
(2)企業は新卒で就職しなかった理由を不安視している
既卒者が採用されにくいのには、いくつかの理由が考えられますが、内定率に一番影響しているのは、「新卒で就職しなかった」ということです。
怪我や病気によってやむなく就職できなかった場合は、企業側も納得できる理由といえます。
しかし、それ以外の理由に関しては、マイナスなイメージになりやすいです。
特に理由がないにもかかわらず新卒枠で内定をもらえなかった場合、企業は「内定をもらえなかった点に何か大きな理由があるのでは?」と疑いの目で見るのは仕方がありません。
既卒になった理由を企業が明確に判断することは難しくても、企業から選んでもらえなかったという事実は変わらないため、既卒というだけでマイナスな印象を企業に与えてしまいます。
企業は既卒になった理由を不安視しているので、面接では既卒になった経緯を正直に話しながら、入社意欲を示して採用したいと思ってもらえるように対応することが重要です。
(3)既卒者でも正社員として活躍している人はたくさんいる
既卒者は就活において不利と述べましたが、実際に正社員として活躍している人は多いです。
4割以上の人は既卒という不利な要素を振り払って就職に成功しています。
既卒者の内定率が低い理由を把握し、しっかり就活の対策をすれば十分就職が期待できるでしょう。
2.既卒者の就活事情
既卒者の就活事情について紹介します。
正社員として就職するのが難しいといわれていますが、近年は既卒者への考え方を改める企業が増えているのも事実です。
就活で不利なことに変わりはありませんが、既卒者の立場も変わってきているので、どのような状況になっているか頭に入れておきましょう。
(1)既卒3年以内は新卒扱いをする企業が増加
既卒3年以内であれば、新卒扱いをする企業が増加しています。
青少年雇用機会確保指針の改正により、厚生労働省から3年以内既卒者は新卒枠で応募受付するように提言され、現在は全体の9割が新卒扱いとして受け入れている状況です。
採用されるかどうかは別の話ですが、卒業して3年以内であれば、新卒枠として応募できることを押さえておきましょう。
(2)30歳までを新卒扱いする企業も登場
企業によっては、30歳までを新卒扱いにするケースもあります。
大手企業の損害保険ジャパンが新卒枠を30歳まで拡大したことが大きな話題になりました。
既卒3年を過ぎていてもチャンスがなくなるわけではないので、30歳以下の人は諦めずに就職先を探してみましょう。
(3)労働力確保のために既卒者の採用を強化している企業も増加
労働力確保のために既卒者の採用を強化している企業も増加傾向にあります。
少子高齢化により日本の労働人口は激減しており、実際に人手不足が原因で倒産する企業も増えているのです。
新卒や中途だけでなく既卒者に目を向けている企業が目立つようになってきたので、今後は既卒者の内定率も増加する可能性が高いでしょう。
3.既卒者の多くが正社員採用されない4つの理由
既卒者の多くが正社員採用されない理由を紹介します。
主な理由は以下の4つです。
- 新卒で就職しなかった理由が影響している
- 自己分析ができていない
- 面接練習が足りていない
- 社会人マナーが伴っていない
就活市場での既卒者の立場は良い方向に変わっていますが、それでも採用されるかどうかは本人次第です。
もし内定をもらえなくて悩んでいる人は、これらの項目に該当していないかチェックしてみましょう。
(1)新卒で就職しなかった理由が影響している
特に理由がなく既卒者になった人で、なかなか内定をもらえない場合は、既卒になった理由を聞かれたときに、企業が納得のいく回答ができていない可能性があります。
先ほど述べましたが、企業は既卒であることをマイナスに捉えていることが多く、募集はしているものの初めから採用に消極的な会社が存在するのも事実です。
面接では必ず既卒になった経緯などを聞かれるため、既卒になった理由を踏まえて前向きな志望動機を示す必要があります。
初めから不利な状況に立たされているのが事実ですが、面接の対応次第でいくらでも挽回できるので、堂々と受け答えできるように入念に面接の対策をしておきましょう。
(2)自己分析ができていない
自己分析が不十分なケースも考えられます。
新卒枠の場合は、学校の就活コミュニティや就活仲間からアドバイスをもらうことができるため、客観的な自己分析が可能です。
しかし、既卒者は一人で就活に取り組むのが一般的で、自己分析や企業研究をすることなく、とりあえず応募して面接を受けているケースが多く見られます。
会社が求める人材に自分がマッチしているか判断するには、自身の強みやスキル等を把握しなければなりませんが、自己分析ができていなければ、自分と相性が悪い会社に応募していることもあるのです。
自分のアピールポイントを把握しておらず、とりあえず面接を受けている人は、いくら応募してもなかなか内定をもらうことは難しいでしょう。
(3)面接練習が足りていない
面接練習が足りていないのも原因の1つです。
既卒を理由にマイナスな印象からスタートしているので、面接でプラスの印象を与えられなければ、内定をもらうことはできません。
練習不足の状態で面接に挑んでも、余程コミュニケーションスキルに長けていなければ、初対面で立場が上の人に対して、自分を上手くアピールすることは困難です。
また、以下のような既卒特有の質問に対して対策をしていなければ、いざ聞かれたときに言葉に詰まって上手く応答ができないでしょう。
- なぜ既卒になったのか
- なぜこのタイミングで就職しようと思ったのか
- 卒業してから今まで何をしていたのか
これら3つの質問は既卒者からすると非常に答えづらい質問ですが、必ずといってもいいほど聞かれます。
嘘はバレるので、正直に答えて、過去の失敗を踏まえて現在の就職への熱量を示しましょう。
(4)社会人マナーが伴っていない
社会人マナーが伴っていなければ、内定をもらうことは難しいです。
既卒者は、卒業して数年経過しているため、社会人マナーを身につけていること前提で採用します。
そのため、社会人スキルが低い人は採用されにくいのが現実です。
既卒者の年齢は、社会人マナーを身につけた新卒と同じ年代になるので、ビジネスマナーが低い人は戦力として見られにくくなります。
部屋の入出方法や着席のタイミング、挨拶の仕方など、就活で押さえておくべきビジネスマナーは勉強しておきましょう。
4.既卒から正社員になれない人の特徴
既卒から正社員になれない人の特徴を紹介します。
主な特徴は以下のとおりです。
- 大手企業ばかり応募している
- 特定の業種に絞っている
- 応募数が少ない
- 自分に自信がない
- 自分の長所を理解していない
- 周囲に相談できる人がいない
- 面接の練習をしていない
- エントリーシートでアピールできていない
これらの項目に合致している方は、いくら長期間就活に取り組んでも内定をもらうことは難しいです。
しかし、逆を言えば、原因が解明しているため、しっかり対策すれば内定を勝ち取ることができます。
なぜ内定をもらえないのか原因を追究して、課題を改善して就活に取り組みましょう。
5.既卒者が就活するときの4つのポイント
既卒者が就活するときのポイントを紹介します。
特に意識すべきことは以下の4つです。
- 既卒者の採用を強化している業界を選ぶ
- 優良な中小企業を狙う
- 自己分析で自分を把握する
- 就活エージェントを利用する
少しでも内定率を高めるために、参考にしてみてください。
(1)既卒者の採用を強化している業界を選ぶ
既卒者の採用を強化している業界を選びましょう。
特に以下のような人材が不足しがちな業界がおすすめです。
- 営業職
- 販売職
- 施工管理
- 介護職
- ITエンジニア
これらの業界は通年、採用活動をしている傾向があるため、応募先を探すときの参考にしてみてください。
(2)優良な中小企業を狙う
優良な中小企業を狙うのもおすすめです。
大企業を狙うとライバルが多いため、競争率が高くなります。
また、大量の新卒枠との争いにもなるので、既卒者の内定率が低いです。
大企業への入社を希望する場合は、まずは中小企業でビジネススキルと専門スキルを高め、自身の付加価値を高めてから転職することを推奨します。
就活市場での価値が跳ね上がるため、高待遇での入社が実現するでしょう。
(3)自己分析で自分を把握する
自己分析で自分の特徴を把握することが大切です。
特に以下の項目は明確にしておきましょう。
- 就職の軸(大切にしていること)
- 得意なこと
- 就職してやりたいこと
- 将来のビジョン(将来設計)
たとえば、接客業をメインに就活する場合、就職の軸を考えるときは、「一人でも多くのお客様に、退店時に楽しかったと思ってもらえるような時間を過ごしてもらいたい」といった思いを明確にしましょう。
自分自身を効果的に売り込むためには、より具体的に示すことがポイントです。
(4)就活エージェントを利用する
就活エージェントを利用しましょう。
既卒者は新卒に比べると、就活に必要な知識やスキルを得られる場がありません。
内定をもらう確率を上げるためには、自分自身にマッチした企業に応募することが重要です。
就活エージェントを利用すれば、相性のよい企業情報の提供や、面接対策などを行ってくれます。
効率よく内定をもらうために、キャリアコンサルタントにサポートしてもらいましょう。
まとめ
既卒者は新卒に比べると、正社員採用がされにくい傾向があります。
既卒の時点でマイナスイメージからスタートするので、少しでも内定取得率を高めるためには、既卒ならではの面接の対策をすることが重要です。
今回紹介した既卒で内定をもらえない人の特徴に合致した人は、原因が分かっている分、しっかり対策すれば内定を勝ち取れます。
業界や企業選びに時間をかけ、自己分析の結果をもとに的確にアピールしましょう。
就活コミュニティなどに属していない人は、就活エージェントを利用して、サポートを受けながら内定獲得を目指すことをおすすめします。