【営業職の適性を確かめる】10の営業適性診断と必要なスキルを解説
「営業に挑戦してみたいけれど、自分に適性はあるのかな?」
「どんな人が営業職に向いているのかどうかわからない…」
このようなお悩みはありませんか?
人には適性があるので、営業職にも向き・不向きがあることは事実です。
しかし、一見営業に向いていないような人でも、営業職に必要なスキルや考え方を知り、改善努力をすることでトップ営業マンになったケースはあります。
そこで、この記事では営業職の適性と営業に求められるスキルについて解説します。
営業職の適性について知りたい人や、営業で成果を上げるために必要なスキルやマインドを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
1.営業職とは?
営業職とは、新規顧客や既存顧客に対して自社商材の売り込みを行い、会社に利益をあげる職種です。
扱う商品は、モノ・不動産といった目に見える有形商材やサービス・情報などの目に見えない無形商材など多岐にわたります。
また、すでに取引をしたことのある企業や顧客に対して行う営業もあれば、電話や訪問などで新規顧客を獲得する営業もあります。
このように、企業によって扱う商材や営業方法は異なりますが、顧客の課題や悩みを解決する商品提案を行い、契約につなげていく点はどの業種の営業でも変わりません。
つまり、営業職の仕事は「顧客に自社商材の魅力を伝えて会社に利益を上げること」です。
営業職の仕事内容については、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
2.営業職に向いているのはどんな人?10の適性検査
営業職は出身学部問わず、また未経験・無資格でも挑戦できます。
しかし、顧客と信頼関係を築き会社に利益をもたらすためには、さまざまなスキルやマインドが必要です。
ここでは、一般的に「営業向きである」といわれる10の項目を紹介しますので、適性診断を受ける気持ちで読んでください。
当てはまる項目が少ない場合でも、まったく営業ができないというわけではありません。
あくまで、営業をやりやすい人の特徴として参考にしてください。
各項目について順に説明します。
(1)人の話を聞くのが好き
話上手なだけでなく、聞き上手な人が営業職に向いています。
なぜなら、顧客に合う商材を提案するためには、顧客の状況や考え方などを知る必要があるからです。
営業をする側から一方的に商品の魅力を伝えても、顧客のニーズに合っていないければ契約に結び付くことはありません。
そのため、人の話を聞くことが好きな人には営業の素質があるといえます。
とはいえ、顧客のことを知るためには、ただ話を聞くだけではなく相手の情報を引き出す能力も欠かせません。
このように、顧客のニーズを正確に汲み取って商品提案するためには、人の話を聞くことが好きで、かつ相手の話を引き出すスキルが求められます。
(2)記憶力がある
特に、人の顔と名前を記憶することが得意な人は営業向きです。
顧客と二度目に会った時にすぐ名前が出れば顧客からの印象が良くなりますし、顧客情報が頭の中に入っている人は、トラブルにも迅速に対応することができます。
また、営業では顧客と話した内容を覚えていることも大切です。
既存営業の際に、顧客が以前話した内容に触れることで信頼関係を築きやすくなりますし、商材が新しく開発された時に顧客が前に話したことから提案ができることもあります。
このように名前や顔、話の内容、考え方など顧客情報を記憶するのが得意な人は、営業を行ううえで強い武器になります。
(3)相手の立場になって考えることが得意
1.営業職とは?でも述べた通り、営業は顧客の課題を解決する商材の提案を行うことが仕事です。
顧客に最適な商品・サービスを提案するためには、相手の状況、考え方など、相手に寄り添う姿勢がが求められます。
顧客目線に立つことで、課題に合う解決策の提供やトラブルが起こった際に適切な判断ができます。
また、営業では営業職のイメージも成果に左右されるため、自分が相手にどう見えるかを客観視することも大切です。
身だしなみに清潔感があるか、正しい言葉遣いをしているか、顧客が話しやすい表情や相槌ができているかなど、意識する点は多くあります。
どんな営業職であれば信頼できるか、どんな提案をされたらうれしいかなど、相手の目線に立って考えることが得意な人は、営業職に向いているといえるでしょう。
(4)提案力がある
営業職では、商品・サービスの魅力やその商材が顧客に最適な理由をしっかりと伝えること必要です。
そのためには、顧客に合った提案をすることはもちろんのこと、遠慮がちではなく堂々と自信をもって話すことも求められます。
また、無形商材など購入するメリットがわかりづらいものやIT関係など専門知識が必要なものを、専門用語を使わずにわかりやすく説明するスキルも大切です。
このことから、人に提案することが得意な人・プレゼンや自己PRなどが得意な人は、営業職の適性があるといえます。
(5)好奇心旺盛である
営業では、商品知識はもちろんのこと、業界知識やニュース、趣味など幅広く好奇心を持つことが大切です。
商品や業界のことに関心をもって知ることで、他社製品との違いや商品のメリットを深く話すことができ、商品説明に説得力が増します。
また、どんな営業先でもいきなり商品の説明をするのではなく、最初に行うのは世間話です。
そのため、ニュースや一般教養はもちろんのこと、既存顧客の場合は相手の趣味や共通の話題について調べておくと、良い雰囲気で商談を始めることができます。
このように、世の中の様々なことに興味をもって、常に情報アンテナをはっている人は、営業でも活躍できる人といえるでしょう。
(6)几帳面である
営業で成果をあげるためには、顧客と信頼関係を築くことが重要です。
そのためには、顧客対応での気遣いやこまめな連絡、契約後のアフターフォローなどは欠かせません。
また、営業職はスケジュール管理や顧客ごとの情報管理、営業前の準備など、顧客対応以外でもさまざまな管理があるため、ある程度の几帳面さが必要です。
加えて、細やかな気配りができる人であれば、トラブルも起きる前に気づくことができ、契約機会の損失を防止できることもあります。
以上の理由から、几帳面な性格の人は営業に向いているといわれています。
(7)行動力がある
営業職は、受け身ではノルマや目標を達成することはできません。
行動量が顧客獲得数につながるので、自分から積極的に動ける人が営業職に向いているといえます。
また、営業では気になることがあった際にそのままにせず、すぐ行動を起こすことも重要です。
その行動力がトラブル回避につながることもありますし、タイミングをつかめば契約を獲得できます。
慎重に行動することも大切ですが、判断の早さやフットワークの軽さが営業成果を左右することもあるため、行動力があることは営業職の大きな強みになるでしょう。
(8)目標に向けて計画を立てられる
ほとんどの会社の営業では、ノルマや目標が設定されます。
営業職は、そのノルマや目標達成のために計画を立てることが必要です。
そのため、1日にどのくらい営業を行わなければならないのか、今やらなければならないことは何かなど、目標から逆算して計画を立てることができる人は営業に向いています。
また、予定通りに成果があげられなかった場合に、計画を立て直すなど柔軟な対応も大切です。
(9)根気強く努力できる
営業職になっても、すぐに契約を取れるわけではありません。
契約につながらない日が続いたとしても、くじけずに努力を続けることが大切です。
活躍できる営業職は、必ず自分の営業の振り返りを行っています。
提案方法の改善点はないか、次はこんな工夫をしたらどうかなど、成果が上がらない理由を活かしていく姿勢が営業職の実力を高めていきます。
このように、地道にこつこつと努力し続けられる人は、営業職に向いているといえるでしょう。
(10)打たれ強く前向きである
営業職は、人から断られることが多い仕事です。
努力をしても契約につながらないことや、場合によっては顧客から厳しい言葉をかけられることもあるでしょう。
また、営業は良くも悪くも結果重視なので、時には上司から強く指導されることもありますし、他の営業職と比べられることも少なくないでしょう。
このような時でも、必要以上に落ち込まず、気持ちを切り替えられる精神力が必要です。
提案を却下されてもチャレンジし続ける打たれ強さと、成果を上げられなくても「次こそ成果につなげよう」とポジティブ思考ができる人は営業の適性があります。
以上が営業職に向いている人の特徴です。
営業職に向いている人については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
3.営業職に向いていないタイプは?
人にはさまざまな性格や資質があるので、どうしても仕事に向き・不向きあります。
ここでは、営業職に向いていないといわれるタイプを5つ紹介します。
上記の項目に当てはまるからといって、絶対に営業ができないということではありません。
あくまで、「自分は営業に向いているかな?」と考える目安にしてください。
項目を1つずつ順に説明します。
(1)人とコミュニケーションをとることが苦手
営業職は、人と話をする機会が多い仕事です。
顧客への商品の説明や顧客の悩みに合わせた提案はもちろんのこと、顧客との関係構築のためには雑談も行います。
また、顧客と信頼を築くためにはこまめな連絡も求められますし、人脈を広げるために交流会や食事会への参加が求められることもあります。
そのため、人とコミュニケーションを取ることに苦手意識がある人は、営業職は難しく感じるでしょう。
また、新規顧客を獲得するためには初対面の人とも話す必要があるため、人見知りをしてしまう人も営業職には不向きと考えられます。
(2)落ち込みやすい
営業職は、ストレス耐性が必要な職種です。
そのため、顧客に断られたときやクレームを受けたとき、契約がなかなかとれないときに、落ち込む気持ちを引きずってしまう人は、営業職向きではないといえます。
また、自分の考えた提案を却下された際に、自分自身を否定されたと感じる人も精神的なつらさを感じてしまうでしょう。
長く営業職を続けるためには、うまくいかない理由や失敗の原因を考えて、次の仕事に活かしていくマインドが必要です。
(3)プライドが高すぎる
営業職は堂々とした雰囲気も大切ですが、謙虚さがまったくない人はなかなか成果をあげられません。
なぜなら、商品のアピールを強くしすぎると押し売りの印象がついてしまい、購入を踏みとどまる人が少なくないからです。
また、営業職は自分に非がなくても謝罪をしなければならない場面があります。
そういった時でも誠実に頭を下げられる人でなければ、営業職は難しいでしょう。
加えて、自分が知らないことでも興味を持って話を聞く姿勢が大切です。
顧客の話す内容で知らないことがあったときに知ったかぶりをするのではなく、知らないことを正直に伝えたうえで質問できる人でなければ顧客との信頼関係が崩れてしまうこともあります。
つまり、自社商材に自信をもって勧める姿勢は大切ですが、プライドが高すぎると顧客と良好な関係を築く際に妨げになることがあるのです。
(4)自主的に行動できない
営業ノルマを達成するには能動的に動く必要があるため、与えられた仕事だけをする人は営業に向かない可能性があります。
というのも、「今月の目標達成のためには1日〇件飛び込みをしよう」や「こういうデータを使って説明したらわかりやすいかな」など自分で考えて実践できる人の方が、営業成績をあげやすいからです。
また、営業では事前準備をマニュアル通りにするだけでなく、顧客情報から自主的に知っておいた方が良いことを調べておくなど、成果に結びつけるための工夫も欠かせません。
このように、言われたことだけをするのではなく、自分で考え・行動できる人でなければ、営業でなかなか成果をあげることはできないでしょう。
(5)体力がない
営業では、一日のうちに何人もの顧客と話したり、何十件も飛び込み営業を行ったりします。
顧客の前で疲れた顔はできないので、疲労がたまっていても明るい雰囲気や口調でコミュニケーションを取ることが大切です。
また、一日中営業を行った後、帰社してから資料を作成しなければならない場合もあります。
こういったことから、体力のない人にとって営業職は厳しい職種かもしれません。
4.営業職で活躍するために身につけたい4つのスキル
営業職の仕事がどうしても合わない人がいることは確かですが、スキルは努力次第でついてきます。
無理をして体調を崩してしまうのであれば、他の仕事への挑戦を検討した方が良いですが、営業職としてがんばりたい人は改善点を見つけて克服のチェレンジしてみましょう。
最後に営業職で活躍するために身につけたいスキルを4つ紹介します。
順に説明します。
(1)ヒアリング力
営業では、まず顧客が何を求めているかを的確に把握して、要望に合った商品・サービスを提案する必要があります。
したがって、話を聞いていく中で顧客の要望をしっかりと汲み取る力が必要とされます。
ヒアリング力をつけるためには、相手の話を聞く際に以下のことを意識してみましょう。
#1:顧客ファーストで話を聞く
営業では商材の魅力を熱く話したくなりますが、話の主役はあくまでも顧客です。
いきなり商品の話をするのではなく、時事ニュースなどから話をはじめ、和やかな雰囲気を作りましょう。
顧客の話を聞いているときの表情や相槌にも気を遣うと、相談しやすい営業職の印象を持ってもらえます。
また、話を聞く際は相手の表情や間の取り方なども意識して見るようにしましょう。
言葉になっていなくても、「商品に興味をもってくれている」や「あまり響いていないな」など、顧客の気持ちが表情や雰囲気に表れていることがあります。
そういった顧客の心の動きにも敏感になると、より良い提案ができます。
#2:仮説を立てる
営業前の準備として、顧客が何に困っているか仮説を立てておくことも大切です。
法人営業の場合は、業界知識や売り上げ、扱っている商品などを確認して、顧客が何に困っているかを考えてみましょう。
個人営業の場合は、「自社商材へのニーズが日常生活のどんな時に出るか」や「自社製品を活用するとどんな結果が得られるか」など複数のパターンを考えておくと、顧客との話で活かせます。
営業の中では、顧客の情報を得るための質問も大切ですが、課題解決をイメージを探る質問も重要です。
顧客の抱えている悩みや顧客がその悩みをどのように解決したいかを前もって考えておくことで、実際の営業の中でスムーズに改善提案ができます。
#3:質問のスキルを磨く
顧客が抱えている課題やニーズを引き出すためには、質問のスキルが欠かせません。
前もって欲しい情報の項目や質問のパターンを複数作っておくと、顧客に合わせて質問を展開できます。
質問を準備したら、質問スキルを磨くために会社の同僚や先輩に話し方や聞き方を見てもらいましょう。
自分では気が付かなかった癖を指摘してもらえたり、アドバイスをもらえたりもするので、ヒアリング力の向上につながります。
(2)課題発見力
営業を行ううえでは、顧客が求める商材を提供するだけでなく、顧客自身が把握していない潜在的課題の抽出をして商材提案することが大切です。
また、営業で成果を上げ続けるためには、自分の営業方法の課題を見つけて改善していく能力も求められます。
この課題発見力を強化するためには、以下の方法があげられます。
#1:ゼロベース思考を持つ
ゼロベース思考とは、今ある常識や前提を一度ゼロにして物事を考える思考法です。
自分の経験や会社のやり方などを疑い、これまでよりも良い方法があるのではないかと考えることが、新たな課題の発見につながります。
#2:現状を分析する
営業成績を数値化したり、多面的に分析したりすることで、成果が上がりにくい時期などが浮かび上がり、改善点が見えてくることがあります。
また、現状に満足せずより良い結果を求めて模索する姿勢が課題発見力を磨くうえで重要です。
普段からこういった考え方を実践していくと、課題を見つけるスキルが向上します。
なお、課題は解決することで価値が生まれるので、発見するだけで終わりにしないようにしましょう。
問題点を見つけたら、改善策を考えて実践することが重要です。
(3)ロジカルシンキング力
営業職は、自社商材が顧客に必要な理由を論理的に伝えることが重要です。
感覚的な商品説明だけでは顧客への訴求力はありませんし、自社商材の価値が的確に伝わりません。
そのため、ロジカルシンキング力が求められます。
ロジカルシンキング力を鍛えるためには、以下の方法があります。
#1:具体的に説明する癖をつける
何かを説明する時に、抽象的な言葉ではなく、具体的な言葉を使うようにしましょう。
例えば、作業効率化が課題の企業に対して「このシステムは作業に役立ちますよ」ではなく「このシステムを使えば作業効率が〇%上がるので、作業時間が〇時間も短縮できます」と話した方が説得力が増します。
仕事だけでなく、普段の会話からなるべく具体的に話すことを心がけると、話の根拠などを自然に考えられるようになるのでおすすめです。
#2:主張だけでなく根拠を考える
営業では、課題に対して解決策を提案することが大切ですが、そのためには根拠をしっかりと話せなければなりません。
根拠を考える力をつけるためには、日常生活の中で些細なことでも疑問を持つことが大切です。
例えば、ニュースを見て自分はどう思うか、なぜそう思うかなどを整理してみましょう。
情報を整理して自分の考えを出し、なぜそう考えるのか根拠を考える習慣を身につけるとロジカルシンキング力が強化されます。
(4)情報収集力
顧客とスムーズにコミュニケーションを取るためには、商品の詳細情報や業界の最新情報はもちろん、ニュースや顧客が興味のあることなどを知っておくことが必要です。
自社商材の知識は表面上の浅い知識だけでなく、商品の細かい仕様や商品が関わる業界に関する知識もあると商品説明の説得力が増します。
また、営業トークに入る前に顧客の趣味の話や共通の話題で盛り上がると、良い雰囲気で商談が進められます。
情報収集力をつけるためには、普段から広い視野で興味をもつことを心がけましょう。
顧客が話した内容についてはもちろんのこと、ニュースは毎日チェックして気になる話題があったときは調べておくと知識が増えていきます。
以上が営業職として活躍するために必要なスキルです。
営業職のスキルについてはこちらの記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
営業職は、人によって向き・不向きがあることは確かです。
しかし、適性検査に該当しないからといって、まったく営業ができないというわけではありません。
無理をして健康状態が悪くなってしまうのであれば他の仕事を検討するべきですが、やる気があって営業を頑張ってみたい人は積極的に挑戦しましょう。
努力次第でスキルやマインドはついてくるので、営業職として活躍したい人は必要なスキルを身につけることからはじめてみてください。