現場監督になるには?おすすめの資格とキャリアアップのコツも紹介!

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「資格を何も持っていないけれど、現場監督になれるのかな?」
「現場監督として活躍するために必要な資格ってなんだろう?」

と気になる方もいるのではないでしょうか?

これから現場監督を目指す人にとって、現場監督に関する資格情報は知っておきたいポイントですよね。

そこで、この記事では現場監督の概要と現場監督に役立つ資格を紹介します。

記事の後半ではキャリアアップするコツも解説しますので、この記事を読めば活躍できる現場監督を目指す方法がわかりますよ。

現場監督に挑戦したい人や現場監督におすすめの資格を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.現場監督とは

現場監督とは、建設工事現場で工事が計画通りに進むよう作業員をまとめたり、管理を行ったりする人のことです。

工事全体を管理することが現場監督の仕事なので、現場監督が現場で実際に作業することはありません。

具体的な仕事内容は、以下のようなものがあげられます。

現場監督の仕事内容
  • 施主との打ち合わせ
  • 施工計画の作成
  • 作業員の指導、作業の割り振り
  • 工事に使用する資材のコストや人件費などの原価管理
  • 工程を組み、工事進捗によって日程調整を行う工程管理
  • 職人が安心して働ける環境を作る安全管理
  • 施主が求める品質を担保するための品質管理
  • 近隣住民対応
  • 現場の写真撮影など

このように、現場監督は工事現場においてさまざまな役割を担っています。

会社や工事の規模によっては、上記の業務を複数人で分業して行うこともありますが、すべての管理を一人で行う場合もあるようです。

なお、現場監督と似た言葉に「施工管理」があります。

現場監督と施工管理に明確な区別はありませんが、会社によっては工事現場の監督業務を行う者が現場監督、現場管理だけでなく建築材の発注や書類作成なども行う者が施工管理と分けている場合も少なくないようです。

現場監督の仕事については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

施工管理とは?4つの魅力と3つの課題!施工管理職に就くコツを紹介

2022.02.28

(1)「資格なし」でも現場監督になれるの?

結論として、資格がなくても現場監督になることは可能です。

未経験者を積極的に受け入れている建設業者は少なくないですし、資格をもっていなくても現場監督として採用している場合もたくさんあります。

ただし、建設業者は工事金額の大小に関係なく、すべての工事現場に技術者を配置しなければならないと建設業法で定められています。

この技術者とは、「主任技術者」もしくは「監理技術者」のことです。

主任技術者や監理技術者になるためには、国家資格や一定の実務経験が必要となります。

つまり、将来的に主任技術者・監理技術者を目指すのであれば、知識や技術の証明となる資格を取得した方が良いといえるでしょう。

また、キャリアアップとして大手企業の転職に挑戦したい場合、有資格者の方が有利です。

実際に大手企業の中途採用では、資格保有者であることが応募条件となっている場合も多々あります。

このように、現場監督として働くために特定の資格が必須となるわけではありませんが、将来活躍できる現場監督になるためには、資格取得にチャレンジしましょう。

(2)主任技術者と監理技術者について

前項で、建設業者は工事現場に主任技術者もしくは監理技術者を必ず一人は配置することが建設業法で義務付けられていると説明しました。

主任技術者・監理技術者とは、どちらも適正な施工を確保するため、施工計画の作成や工程管理、品質管理、技術的指導などを行う技術者です。

主任技術者と監理技術者の違いは、配置される工事の規模にあります。

主任技術者と監理技術者の違い
  • 主任技術者
    元請・下請、請負金額にかかわらず、建設業の許可を受けた業者が建設工事を行う場合に配置する施工管理の技術者
  • 監理技術者
    特定建設業の許可を要する総額4,000万円(建築一式工事:6,000万円)以上の下請契約を結ぶ工事を行う場合に配置する施工管理の技術者

ようするに、主任技術者は一般建設の場に配置される技術者で、監理技術者は特定建設業の許可を必要とする大規模工事に配置される技術者です。

各技術者になるためには、建設業法で定められている要件を満たす必要があります。

主任技術者の要件は、以下のいずれかに該当することです。

主任技術者の要件
1 実務経験者 高等学校・専門学校の指定学科卒業後、5年以上の実務経験を積んでいること
高等専門学校・短期大学・専門学校(専門士または高度専門士)の指定学科卒業後、3年以上の実務経験を積んでいること
大学の指定学科卒業後、3年以上の実務経験を積んでいること
上記以外の学歴の場合後、10年以上の実務経験を積んでいること
2 国家資格者 ・1級・2級施工管理技士の有資格者
・1級・2級建築士の有資格者
・技術士の有資格者など

参考:建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者|国土交通省近畿地方整備局

監理技術者の要件は、以下のいずれかに該当することです。

指定建設業の監理技術者の要件
※指定建設業:土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業
1 国家資格者 ・1級施工管理技士の有資格者
・1級建築士の有資格者
・技術士の有資格者など
2 国土交通大臣認定者 国土交通大臣特別認定者(平成元年1月30日建設省告示第128号平成の対象者)
指定建設業以外の監理技術者の要件
1 国家資格者 ・1級施工管理技士の有資格者
・1級建築士の有資格者
・技術士の有資格者など
2 指導監督的な実務経験者 主任技術者の要件に該当する人で、発注者から直接請負った工事の請負金額が4,500万円以上の工事の指導監督的な実務経験が2年以上あること
※「指導監督的な実務経験」とは、建設工事の設計や施工の全般を現場主任者または現場監督として総合的に指導監督した経験のことです

参考:建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者|国土交通省近畿地方整備局

このように、実務経験を積めば主任技術者になることはできますが、監理技術者を目指す場合は基本的に国家資格の保有を求められます。

将来、大きな工事の施工管理をしたい方は、資格取得を目指しましょう。

2.現場監督におすすめの資格とは?

現場監督がスキルアップやキャリアアップ、収入アップを目指すためには、業務に役立つ資格の取得がポイントです。

ここでは、現場監督に役立つ資格を紹介します。

(1)現場監督に役立つ資格

現場監督に役立つ資格は、「施工管理技士」と「建築士」です。

施工管理技士は、現場監督として工事現場の管理をするにあたって、最も活かせる資格といえるでしょう。

建築士は、現場監督の仕事に直結するわけではありませんが、設計の知識を得ることで担当できる仕事の幅が広がります。

どちらの資格も、取得することによって主任技術者もしくは監理技術者になることが可能です。

また、有資格者になることによって、一定水準以上の技術を持つということが公的に認められるため、企業からの評価が上がります。

それぞれの資格の概要を説明します。

#1:施工管理技士

施工管理技士は、施工管理に関する技術を扱う国家資格で、工事対象によって7種類に分けられています。

施工管理技士の資格一覧はこちらです。

資格 概要
建築施工管理技士 戸建住宅やマンション、ビル、商業施設、公共施設など建物を建てる工事の施工管理を行う技術者の資格
土木施工管理技士 道路や橋、河川、トンネル、ダムなどインフラに関する工事の施工管理を行う技術者の資格
電気工事施工管理技士 照明や送電・変電設備、信号設備など電気設備工事の施工管理を行う技術者の資格
管工事施工管理技士 冷暖房設備、ガス配管設備、給排水・給湯設備など管工事の施工管理を行う技術者の資格
造園施工管理技士 公園や庭園、遊園地などの造園工事および道路や建物の緑化工事の施工管理を行う技術者
建設機械施工技士 ブルドーザーや油圧ショベルなどの建設機械を使用する工事の施工管理を行う技術者
電気通信工事施工管理技士 電話やテレビ、インターネット、防犯カメラ、火災報知器、放送機械など情報通信設備に関する電気通信工事の施工管理を行う技術者

施工管理技士の資格にはそれぞれ1級と2級があります。

2級は、主任技術者や専任技術者として中小規模の工事の施工管理や営業所で契約関係の仕事をすることができます。

1級は2級の業務に加えて、監理技術者として大規模工事の施工管理を行うことも可能です。

施工管理技士の試験内容は、現場監督の仕事に直結することばかりなのでスキルアップにつながりますし、有資格者になれば主任技術者もしくは監理技術者を担当できるので企業からも重宝されるでしょう。

施工管理技士の資格については、こちらの記事でも詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

7種類の施工管理の違いがわかる!それぞれの仕事内容や資格試験を解説!

2022.02.28

#2:建築士

建築士は、建築物に関する設計や工事監理などの知識と技術を扱う国家資格です。

建築士には、建築物の構造や規模などによって以下の3種類に分けられています。

資格 概要
1級建築士 ・すべての構造や規模の建築物の設計・工事監理に関する資格
・資格を取得するとすべての工事の主任技術者、専任技術者、監理技術者を担うことができる
2級建築士 ・おおむね住宅規模の建築物の設計・工事監理に関する資格
・資格を取得すると中小規模の工事の主任技術者、専任技術者を担うことができる
木造建築士 ・住宅規模の木造建築物の設計・工事監理に関する資格
・資格を取得すると木造住宅の新築・改装工事の主任技術者、専任技術者を担うことができる

建築士を取得すると、施工管理技士と同様主任技術者または監理技術者になることができます。

建築士は、設計の専門知識を有するため企業側からの需要も高い資格です。

建築士は、合格率が20~10%程度と非常に高い難易度の資格であることからも、評価される理由となっています。

(2)特に現場監督に必要な資格は?

現場監督に最も役立つ資格は実務に直結する施工管理技士で、施工管理技士の中で最も人気があるのは建築施工管理技士と土木施工管理技士です。

まず、施工管理技士の受験者数を見てみましょう。

資格 1級受験者数 2級受験者数
建築施工管理技士 第一次検定:22,277人
第二次検定:12,813人
第一次検定:32,128人
第二次検定:15,507人
土木施工管理技士 第一次検定:37,726人
第二次検定:26,558人
第一次検定:30,160人
第二次検定:29,112人
電気工事施工管理技士 第一次検定:15,001人
第二次検定:7,922人
第一次検定:8,359人
第二次検定:5,082人
管工事施工管理技士 第一次検定:15,827人
第二次検定:4,540人
第一次検定:11,580人
第二次検定:8,938人
造園施工管理技士 第一次検定:3,008人
第二次検定:1,477人
第一次検定:3,114人
第二次検定:2,624人
建設機械施工管理技士 569人 3,881人
電気通信工事施工管理技士 第一次検定:8,076人
第二次検定:6,147人
第一次検定:3,385人
第二次検定:4,060人

参考:報道発表資料|国土交通省

上記からわかることは、施工管理技士の中でも、建築施工管理技士と土木施工管理技士の受験者数が特に多いことです。

資格に挑戦する人の中には、勤めている会社から取得するように言われて受験する人も多くいます。

このことから、建築施工管理技士と土木施工管理技士が特に企業からの需要があるといえるでしょう。

とはいっても、施工管理技術検定は基本的に実務経験が必要となるため、今働いている会社が扱っている工事やこれまで携わったことのある工事現場から挑戦する資格を選ぶことをおすすめします。

3.未経験・無資格から活躍できる現場監督になる方法

(1)「資格なし」でも現場監督になれるの?」でも述べた通り、未経験・無資格でも現場監督を目指すことはできます。

ここでは、活躍できる現場監督になるためのコツを以下3つ紹介します。

順に解説します。

(1)建設会社に就職する

建設会社への就職は、建築学や土木工学、機械工学など建設に関する知識を学んだ上で行う方が有利です。

しかし、建設業は文系出身者や未経験者も積極的に受け入れている企業も少なくありません。

どの学科出身だとしても、就職活動では熱意を伝えることがポイントです。

企業が未経験者の採用で重視するのは、スキルよりも将来性といわれています。

なぜなら、現場監督の実務を積みながら資格に挑戦していくためには、体力だけでなく気持ちの強さも重要となるからです。

そのため、面接や志望理由書では仕事に対する意欲や情熱をしっかりと伝えましょう。

特に建設業界・現場監督を目指そうと思った理由や、将来的に自分がどうなりたいかなどを具体的にイメージして、自分の言葉で話せるように準備をしておくことが大切です。

(2)実務経験を積む

建設会社に就職できたら、まずは実務経験を積んでいきましょう。

誰でもキャリアの最初は未経験からのスタートです。

そこからどういった姿勢で仕事に取り組むかで、スキルアップやキャリアアップのスピードは変わります。

ここでは、実務経験を積む上で意識したいことを2つ紹介します。

#1:メモを取る

最初は、とにかく仕事を覚えることに徹しましょう。

現場監督の業務は、工程管理や安全管理、品質管理など多岐にわたるので、先輩の指示を忠実に守りつつ、わからないことがある時は積極的に質問をしたり、調べたりする姿勢も大切です。

その際に仕事で学んだことは、なるべくメモをとってそれぞれの管理方法を整理しておくと、早く仕事の流れがつかめます。

また、施工管理技士の第二次検定では、受験者が実際に経験した施工管理について記述する問題が出るので、メモを取ってまとめておくことは試験対策にもつながります。

#2:コミュニケーション能力を磨く

現場監督にコミュニケーション能力は欠かせません。

なぜなら、現場監督の業務では作業員をはじめ、業者、施主、近隣住民など人とコミュニケーションを取る機会が多くあるからです。

円滑に工事を進めるためには、作業員や施主と信頼関係を築くことや業者とスムーズに調整を行うこと、近隣住民から理解を得ることが非常に重要となります。

コミュニケーション能力は、相手と親しくなることだけでなく、相手に自分の意見を上手に伝える力でもあります。

そのため、先輩の他の人との関わり方を見て学びつつ、自分から積極的にあいさつや声掛けなどを行うことも心がけましょう。

(3)資格取得する

現場監督の仕事がつかめてきたら、資格取得を目指しましょう。

まずは、2級施工管理技士から勉強を始めることをおすすめします。

ここでは、2級施工管理技士を取得するコツを紹介します。

#1:第一次検定

2級施工管理技士の第一次検定は「17歳以上」であれば、受験可能です。

合格すれば施工管理技士補の称号が得られるだけでなく、建築の専門用語や基礎知識を習得することができるので、積極的に挑戦しましょう。

第一次検定は、四肢択一マークシート方式の試験です。

施工の知識だけではなく、建設機器・建設設備・建設材料に関する一般知識や法律、管理方法の知識など現場監督として必要な知識も求められます。

出題範囲が広いので大変と感じるかもしれませんが、合格基準が60%以上の得点なので、目標を定めてこつこつと勉強しましょう。

インプットが終わったら、過去問を繰り返し解くことも大切です。

#2:第二次検定

2級施工管理技士の第二次検定を受けるためには、学歴によって必要年数は異なりますが、実務経験が必要です。

第二次検定では、受験者が工事現場で経験してきた施工管理内容を記述式で問われます。

そのため実務経験を積みつつ、ふだんから仕事で学んだことや携わっている工事の名称や内容をまとめておくと第二次検定の試験対策になります。

また、記述問題では問題の意図に沿った解答をわかりやすく書くことが大切です。

そのため、施工管理を文章で説明するための練習が欠かせません。

書き方がわからない場合は、テキストや過去問の模範解答などを参考に書いてみると、文章のコツがつかめます。

2級施工管理技士を取得できたら、1級にも挑戦しましょう。

1級施工管理技士が取得できれば担当できる仕事の範囲がより広がり、昇進や資格手当など収入が上がる可能性があります。

1級施工管理技士が取得できたら、そのまま同じ会社でさらに活躍するのも良いですし、さらに大手企業に転職するなどキャリアアップを図るのも良いでしょう。

現場監督としてキャリアアップをするコツを以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

施工管理のキャリアプランとは?キャリアアップに必要な3つのスキル

2022.03.15

まとめ

現場監督は、未経験でも資格を持っていなくても挑戦できる仕事です。

ただし現場監督として活躍するためには、資格取得がポイントとなります。

現場監督はさまざまな管理や業務があり、大変なこともあるかもしれませんが、工事が無事に完了した時には大きな達成感を感じることができます。

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