7種類の施工管理の違いがわかる!それぞれの仕事内容や資格試験を解説!

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「施工管理に興味があるけれど、種類がたくさんあってよくわからない…」
「そもそも施工管理ってどんな仕事かな?」

このようなお悩みはありませんか?

施工管理の資格は7種類もあり、どう違うのかわかりづらいですよね。

建設業において重要な役割を果たす施工管理は、工事する建築物や工作物、設備によって資格が異なります。

そこで、本記事では各施工管理の仕事内容と資格試験についてわかりやすく解説します。

それぞれの資格の特徴をおさえて、自分に合う仕事・挑戦したい資格を見つけましょう!

1.施工管理とは

施工管理とは、現場の管理から予算管理、安全管理など工事全体の管理を行う仕事です。

ここでは、施工管理の仕事内容と混同しやすい現場監督との違いについて解説します。

(1)施工管理とはどんな仕事?魅力は?

施工管理とは、工事を計画的に進めるために管理をすることです。

建築物や工作物を施工する上では、実際に建物をつくる人だけでなく、施工全体の管理や現場統率をする人が必要となります。

この工事全体を把握し、円滑に施工が完了するための管理業務を担うのが施工管理の仕事です。

施工管理を専門とする国家資格もあり、資格取得者は施工管理技士と呼ばれます。

施工管理技士の仕事は、次の「4大管理」といわれる業務があります。

工程管理…工期中に工事が完了するように、施工の進捗を管理すること
原価管理…予算内で施工が完了するように、材料にかかる費用や人件費を管理すること
安全管理…事故などで作業員や周辺の人に危険が及ばないように、現場の安全性を確保すること
品質管理…依頼主が求める品質を満たすために、工事が基準以上の品質になっているか確認を行うこと

 

4大管理等の業務を行っていく上では、工事に関する書類作成もあります。

各管理や調整を担当しながらデスクワークも行うため、マルチタスク能力が求められる仕事です。

また、工事中にトラブルが起こることもあるので、臨機応変な対応力や調整力も必要となります。

施工管理は決して簡単な仕事ではありませんが、だからこそ施工が目標通り完了した時の達成感は大きいものです。

自分の携わった仕事が目に見える形として残ることにも喜びを感じるでしょう。

こういったことから、施工管理はやりがいのある魅力的な仕事といえます。

(2)施工管理と現場監督との違い

施工管理と現場監督の違いは、資格の有無と仕事内容です。

施工管理は「施工管理技士」という国家資格がありますが、現場監督に関する資格はありません。

仕事内容としては、以下の違いがあります。

施工管理…現場管理だけでなく、施工計画や予算といった工事全体のことを管理し、手続き関係などの書類作成も行う
現場監督…作業者への指示や工事の進捗管理など主に現場の管理を行う

 

施工管理者は、現場管理を含めて工事全体を把握しているため、現場監督の仕事と重複している部分もあります。

また、上記のような違いがあるとはいえ、会社によっては区別していないこともあります。

就職・転職活動で求人情報を見る際には、仕事内容や応募資格などをしっかりとチェックしましょう。

2.施工管理技士の種類について

先に述べた通り、施工管理技士になるためには、国家資格の取得が必要となります。

施工管理技士の資格は全部で7種類あり、資格によって扱える工事対象が異なります。

ただし、「建築施工管理技士」「土木施工管理技士」「建設機械施工管理技士」は、管理する現場が似ていることもあり、一部扱える施工内容が重複しています。

ここでは、それぞれの施工管理の工事対象を紹介します。

  1. 建築施工管理技士
  2. 土木施工管理技士
  3. 電気施工管理技士
  4. 管工事施工管理技士
  5. 造園施工管理技士
  6. 建設機械施工管理技士
  7. 電気通信工事施工管理技士

順に説明します。

(1)建築施工管理技士

建築施工管理技士は、大規模あるいは施工内容が複雑な一式工事の施工管理を行います。

例えば、マンションや住宅、ビル、公共施設、商業施設などの新築・改修工事が挙げられます。

(2)土木施工管理技士

土木施工管理技士は、人々の生活を支えるために必要なインフラ工事の施工管理を行います。

具体的には、道路や河川、橋、トンネル、ダムの施工、災害時の復旧工事などが挙げられます。

(3)電気施工管理技士

電気施工管理技士は、電気設備工事の施工管理を行います。

具体的には、照明や変電・送電設備、配線や信号などの新設・改修工事が挙げられます。

(4)管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、建物の配管設備工事の施工管理を行います。

具体的には、空調設備やガス配管、上下水道設備、浄化槽などの新設・改修工事が挙げられます。

(5)造園施工管理技士

造園施工管理技士は、文字通り庭を造る工事の施工管理を行います。

具体的には、学校・庭園・公園などの工事や道路緑化工事が挙げられます。

(6)建設機械施工管理技士

建設機械施工管理技士は、クレーン車やブルドーザー、油圧シャベルなどの建設機械を使用する工事現場の施工管理を行います。

建築工事・土木工事問わず、建設機械を使う工事現場を担当します。

(7)電気通信工事施工管理技士

電気通信工事施工管理技士は、通信設備工事の施工管理を行います。

具体的には、インターネットや電話、防犯カメラなどの設置工事が挙げられます。

3.施工管理技士1級と2級の違い

前項では、施工管理技士の資格は工事対象によって7種類に分けられることを説明しました。

施工管理技士7種類の資格には、すべて1級と2級があります。

1級と2級の違いは、扱える工事の規模です。

ここでは、各級の違いについて解説します。

(1)2級施工管理技士とは

2級施工管理技士は、「主任技術者」になることができます。

主任技術者とは、特定建設業に該当しない工事において、配置される施工管理技士です。

(2)1級施工管理技士とは

1級施工管理技士は、2級施工管理技士の「主任技術者」に加えて、「監理技術者」になることができます。

監理技術者とは、総額4,000万円以上(建築一式工事は6,000万円以上)の特定建設業許可を必要とする工事を下請け業者に出す場合に配置される施工管理技士です。

つまり、一般的な建設工事から大規模な建設工事まで施工管理を担当できる資格となります。

2級施工管理技士よりも1級施工管理技士の方が担える工事の範囲が広くなりますが、その分、資格取得の難易度も上がります。

4.施工管理技士検定試験について

ここまで施工管理には国家資格があることを説明してきました。

施工管理の国家資格試験である「施工管理技術検定」は、建設業法27条に基づいて年に1~2回実施されています。

施工管理の国家資格を取得するためには、施工管理技術検定の第一次検定と第二次検定の両方に合格する必要があります。

また、先に述べた通り、施工管理の対象物によって資格は7種類に分類されます。

種類ごとに試験があり、試験実施機関も異なります。

7種類すべての資格を取得しなくても良いのですが、1つでも多く資格を取得することで、担当できる仕事の幅が広がります。

ここでは、各資格試験の試験方式や検定科目を見ていきましょう。

  1. 共通事項
  2. 建築施工管理技士
  3. 土木施工管理技士
  4. 電気施工管理技士
  5. 管工事施工管理技士
  6. 造園施工管理技士
  7. 建設機械施工管理技士
  8. 電気通信工事施工管理技士

順に説明します。

(1)共通事項

各資格の試験内容を紹介する前に、共通事項を説明します。

#1:受験資格について

施工管理技術検定には、受験資格が決められています。

2級の第一次検定は、「検定を受ける年度において満17歳以上であること」です。

2級の第二次検定と1級の第一次・第二次検定は、各検定で実務経験が必要となります。

つまり、2級の第一次検定以外は、実際に建設業界で働いたことのある方が挑戦する検定だといえるでしょう。

受験に必要な実務経験年数は、学歴や所持資格によって異なります。

詳細は、各試験機関の公式ホームページをご確認ください。

#2:合格基準について

合格基準は原則60%以上の得点とされています。

試験の状況等によっては、合格基準が変更される可能性がありますので、1つでも多く正解できるよう対策をしましょう。

過去の試験問題は、各試験機関の公式ホームページで公開されていますので、ぜひ活用してください。

#3:試験実施回数について

施工管理技術検定は、2級第一次検定は年2回、2級第二次検定と1級第一次・二次検定は年1回実施されています。

(2)建築施工管理技士

建築一式工事の施工管理を的確に行うために必要な技術を検定する試験です。

受験級によって試験方式や検定科目は異なります。

1級施工管理技士検定
2級施工管理技士検定
試験方式
【第一次検定】
マークシート(四肢択一式、一部五肢択二式もあり)
【第二次検定】
マークシート(五肢択一式)、記述
【第一次検定】
マークシート(四肢択一式、一部四肢択二式もあり)
【第二次検定】
マークシート(四肢択一式)、記述
検定科目
【第一次検定】
建築学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法
【第一次検定】
建築学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法、躯体施工管理法、仕上施工管理法
試験機関 一般財団法人建設業財団法人

(3)土木施工管理技士

土木工事の施工管理を的確に行うために必要な技術を検定する試験です。

受験級によって試験方式や検定科目は異なります。

1級施工管理技士検定
2級施工管理技士検定
試験方式
【第一次検定】
マークシート(択一式)
【第二次検定】
記述
【第一次検定】
マークシート(択一式)
【第二次検定】
記述
検定科目
【第一次検定】
土木工学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法
【第一次検定】
土木工学等、法規、施工管理法(土木・鋼構造物塗装・薬液注入)
【第二次検定】
施工管理法(土木・鋼構造物塗装・薬液注入)
試験機関 一般財団法人全国建設研修センター

(4)電気施工管理技士

電気工事の施工管理を的確に行うために必要な技術を検定する試験です。

受験級によって試験方式や検定科目は異なります。

1級施工管理技士検定
2級施工管理技士検定
試験方式
【第一次検定】
マークシート(四肢択一式、一部五肢択一式もあり)
【第二次検定】
マークシート(五肢択一式)、記述
【第一次検定】
マークシート(四肢択一式、一部四肢択二式もあり)
【第二次検定】
マークシート(四肢択一式)、記述
検定科目
【第一次検定】
電気工学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法
【第一次検定】
建築学等、施工管理法、法規
【第二次検定】施工管理法、躯体施工管理法、仕上施工管理法
試験機関 一般財団法人建設業財団法人

(5)管工事施工管理技士

土木工事の施工管理を的確に行うために必要な技術を検定する試験です。

受験級によって試験方式や検定科目は異なります。

1級施工管理技士検定
2級施工管理技士検定
試験方式
【第一次検定】
マークシート
【第二次検定】
記述
【第一次検定】
マークシート
【第二次検定】
記述
検定科目
【第一次検定】
機械工学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法
【第一次検定】
機械工学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法
試験機関 一般財団法人全国建設研修センター

(6)造園施工管理技士

造園工事の施工管理を的確に行うために必要な技術を検定する試験です。

下記の通り、受験級によって試験方式や検定科目は異なります。

1級施工管理技士検定
2級施工管理技士検定
試験方式
【第一次検定】
マークシート
【第二次検定】
記述
【第一次検定】
マークシート
【第二次検定】
記述
検定科目
【第一次検定】
土木工学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法
【第一次検定】
土木工学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法
試験機関 一般財団法人全国建設研修センター

(7)建設機械施工管理技士

建設機械を用いる工事の施工管理を的確に行うために必要な技術を検定する試験です。

受験級によって試験方式や検定科目は異なります。

1級施工管理技士検定
2級施工管理技士検定
試験方式
【第一次検定】
マークシート(四肢択一式)
【第二次検定】
記述、実技
【第一次検定】
マークシート(四肢択一式)
【第二次検定】
マークシート(四肢一択式)、実技
検定科目
【第一次検定】
土木工学、建設機械原動機、石油燃料、潤滑剤、建設機械、建設機械施工法、施工管理法、法規
【第二次検定】
・記述:建設機械施工法、施工管理法、建設機械組合わせ施工法
・実技:実際に建設機械を用いて操作施工を行う。検定に使用する建設機械は、下記の【建設機械の種別】から受験者が2つ選択する
【第一次検定】
・共通の検定科目:土木工学、施工管理法、建設機械原動機、石油燃料、潤滑剤、法規
・種別ごとの検定科目:下記の【建設機械の種別】の偶数種別から1つ、奇数種別から1つ受験者が選択する
【第二次検定】
・マークシート:施工管理法
・実技:実際に建設機械を用いて操作施工を行う。第一次検定で選択し、合格した種別の建設機械を使用する
試験機関 一般社団法人日本建設機械施工協会

施工管理技術検定では、建設機械は6種の検定科目に区分されています。

【建設機械の種別】
第一種:トラクター系建設機械
第二種:ショベル系建設機械
第三種:モーター・グレーダー
第四種:締め固め建設機械
第五種:塗装用建設機械
第六種:基礎工事用建設機械

(8)電気通信工事施工管理技士

造園工事の施工管理を的確に行うために必要な技術を検定する試験です。

下記の通り、受験級によって試験方式や検定科目は異なります。

1級施工管理技士検定
2級施工管理技士検定
試験方式
【第一次検定】
マークシート(択一式)
【第二次検定】
記述
【第一次検定】
マークシート(択一式)
【第二次検定】
記述
検定科目
【第一次検定】
電気通信工学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法
【第一次検定】
電気通信工学等、施工管理法、法規
【第二次検定】
施工管理法
試験機関 一般財団法人全国建設研修センター

5.施工管理技師補について

建設業法第27条関係の改正に伴い、2021年に施工管理技術検定の制度変更がありました。

これによって、「施工管理技士補」という資格ができました。

先述した通り、施工管理の各資格を取得するためには、第一次検定と第二次検定の両方に合格する必要があります。

施工管理技士補は、第一次検定に合格すると得られる称号です。

1級施工管理技士補を取得すると、工事現場に専任で置かれる「監理技術者補佐」になることができます。

施工計画や工程管理といった監理技術者の業務補佐を行うため、実務を経験することが可能です。

2級施工管理技士補の場合は、技士補を取得したことによってできる業務が明確にあるわけではありません。

しかし、2級施工管理技士補が所属する会社は評価点が高くなり、公共工事の入札の際に有利になる可能性があります。

そのため、現職の方のキャリアアップはもちろんのこと、就職・転職活動でも活かせる資格といえます。

建設業界で活躍したい方は、こういった資格があることもチェックしておきましょう。

6.施工管理の今後

施工管理の今後

ここでは、施工管理技士の将来性について解説します。

結論としては、施工管理ができる人材の需要は増え続けることが予想されます。

理由としては、次の4つが挙げられます。

・施工管理技士の有資格者が限られているため
・建設工事では、施工管理ができる人材を各現場に必ず配置しなければならないため
・土木や電機など建設業は、人の暮らしの中で欠かせない分野であり、施工管理を含む建設関係の仕事がなくなることはないため
・少子高齢化等の理由により建設業界が人手不足となっているため

 

建設業法第26条で建設現場に施工管理技士を必ず設置することが定められているため、建設会社は施工管理技士の有資格者を求めています。

また人が生活するためには、交通インフラの整備や建築物の新築・建替えは必要不可欠なものです。

そのため、人がいる限り、施工管理を含む建設の仕事がなくなることはありません。

以上のことから、施工管理技士のニーズはこれからも高くなるといえるでしょう。

まとめ

施工管理は、建設工事がスムーズに進むよう管理を行う仕事です。

施工管理には国家資格があり、その資格は建築対象によって7種類に分けられます。

どの施工管理がよいか迷う方は、これまで担当したことのある工事から種類を絞ってみたり、自分が携わりたい建築物や工作物が何かを考えてみましょう。

施工管理は、あらゆる管理・調整業務に書類作成などマルチタスク能力が必要となりますが、施工を無事に終えた時の達成感は大きなものです。

建設業でキャリアアップを目指す方は、積極的に施工管理の資格取得に挑戦しましょう。

また、建設業未経験でこれから施工管理技士の資格取得を目指す方は、建設会社で実務経験を積む必要があります。

そのため、早い段階で建設会社の就職や転職を検討することをおすすめします。

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