ニートの人向け就職支援サービス|どんなサポートが受けられる?
総務省統計局が行ったの2017年の労働力調査によると、ニート(若年無業者)とされる働いていない若者が約54万人もいるとされています。この人数は2012年の63万人を最高に徐々に減っていますが、人口に占める割合は横ばいで、相変わらず高い状態が続いており深刻な社会問題となっています。また、近年では、35歳以上のニートが増えておりニートの高年齢化も問題視されています。年齢が高くなるほど、就職が困難となるため、ニートの若者への就職支援サービスが必要と言われています。
Contents
そもそもニートとは?
近年、社会問題となっているニートの増加ですが、そもそもニートとは、どのような若者のことを指すのでしょうか。また、ニートになってしまう理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ニート増加の問題点と併せて紹介します。
ニートの定義
ニートとは、「Not in Employment, Education or Training」の頭文字を取ってNEET(ニート)でイギリスで命名されました。 未婚で就学も就業もしていない、職業訓練も行っていない、家事の手伝いもしていない、15~34歳の若者のことを指します。似ている言葉にフリーターがありますが、フリーターはアルバイトとして働きながら生計を立てている人を指しているので、就業しているしていないの大きな違いがあります。
ニートになる主な理由
ニートになってしまう人には、さまざまな理由がありますが、主な理由は以下の通りです。
・そもそも働きたくない
・自分がどのような仕事をしたいかがわからない
・就職活動はしたものの、第一志望の企業に落ちたなどの理由で就職できなかったため、学校卒業後に既卒のままニートになってしまった
・一度は正社員として就職したものの、就職した会社がブラック企業だった、人とのコミュニケーションがうまく取れなかった、パワハラを受けた、業務で大きなミスをしてしまったなどで離職してしまい、再就職に対し不安を抱き就職活動ができない などです。
ニート増加の問題点
先に、ニートの増加が深刻な社会問題となっていると書きましたが、いったいどのような点が問題なのでしょうか。
・無収入による生活困難
収入が無いと生活が困難となり、将来の人生設計も立てることができません。両親が現役で働いているうちは扶養家族として生活ができますが、その両親が高齢となり働けなくなったり亡くなってしまったときには、両親も含めて生活できなくなる可能性があります。
・社会的信用の欠如
無職で収入が無いということは、社会的な信用性が非常に低く、ローンやクレジットカードなどの審査に通りずらくなります。そのため、住宅など高額の買い物をすることが難しくなります。
・コミュニケーション能力の低下
ニートは、就学も就業もしていないため人と会う機会が少ないことが一般的です。そのためコミュニケーションを取る機会が少なくなり、能力が向上しないばかりか低下してしまう可能性もあります。コミュニケーション能力の欠如は、就職を難しくするだけでなく、引きこもりの原因となる可能性もあります。
・同年代と比べた場合の知識やスキルの低さ
就労未経験ということで、働いている同年代の人と比較すると知識やスキルを習得する機会がなく身についていません。そのため、経験やスキルが重視される中途採用では、社会人経験のある人と比べて採用されるのが難しくなります。
・社会への影響
ニートは、無収入であるため所得税などの納税を行うことができません。そのためニートの増加は、税収の減少という日本経済にとってマイナスの影響を与えます。また、無収入の状態が続けば、生活保護といった公的な支援を受けることとなり社会保障費の増大につながります。
ニートの人が受けられる就職支援サービスの例
ニートの人が就職したいと考えた時に、利用可能な就職支援サービスには、どのようなものがあるのでしょうか。代表的なものとその内容を紹介します。
ハローワーク
「ハローワーク」は、公共職業安定所のことで、厚生労働省が運営する就職支援や雇用促進のための機関です。全国各地に設置さてれいて、端末を使って求人票を検索したり、窓口で職員に相談したりすることができます。また、就職相談会や面接会なども行っています。地元の求人情報が多くあり、地元で就職したい人や中小企業に就職したい人などにおすすめです。しかし、求人への応募や企業との調整は自分で行う必要があります。
地域若者サポートステーション
「地域若者サポートステーション」は、通称「サポステ」と呼ばれる、厚生労働省委託の支援機関です。一般的にニートや引きこもりといった働くことに対して、一歩を踏み出せずにいる若者の職業的自立を支援するための相談窓口です。電話やメールで予約すると、専門スタッフに就職の相談できる他、コミュニケーション講座、ジョブトレ(職業体験)、就活セミナーなど各種の支援を行っています。また、就職に必要な情報提供が受けられ、就職後の相談も受け付けています。
※参考:https://saposute-net.mhlw.go.jp/yell/index.html
ジョブカフェ
「ジョブカフェ」は、「若年者就業(または就職)支援センター」とも呼ばれる都道府県が主体で設置されている若者の就職支援をワンストップで行う施設です。全国46都道府県に設置されており、以下のような施設があります。
ジョブカフェ北海道(北海道若年者就職支援センター)
北海道経済産業局と北海道労働局と連携して、若年の総合的な就職支援サービスを行っている施設です。広い北海道に対応するためメールでのキャリアアドバイスも行っています。
東京しごとセンター
都内での雇用・就業を支援するために設置されました。年齢を問わず広く就職支援を行っていますが、ヤングコーナー(ジョブカフェ)では29歳以下の若者に向けた就職支援を行っています。
かながわ若者就職支援センター
併設されたハローワークと連携して、就職活動全般の相談から個別キャリアカウンセリング、求人の紹介までの就職支援をワンストップで行っています。39歳までの求職者が利用できます。
京都ジョブパーク 若年者コーナー
新卒採用から3年以内に離職した若者の再就職を支援する「再チャレンジコーナー」や、正規雇用の経験が少ない45歳未満の人への正社員での就職を支援する「京都わかものハローワーク」が併設されています。
民間の就職エージェント
就職エージェントは、専任の担当者付いて求人情報を紹介してもらえるサービスです。一般的な就職サイトは、自分で求人を探し、自分で応募する必要がありますが、就業エージェントでは自身の希望や特性に合った求人を紹介してもらえるだけでなく、応募書類の添削や面接対策など、就職活動の進め方から内定までをサポートしてくれるため、就職活動に不慣れな人にもおすすめです。
就職エージェントには、特定の業界や職種に捉われずに多種多様な案件に対応している「総合型転職エージェント」と、業界や職種など特定の求人に特化した「特化型転職エージェント」の2つのタイプがあります。特化型転職エージェントに中には、ハタラクティブ、JAIC、DYM就職、キャリアスタートなどニートやフリーター、中卒者・高卒者などに特化してサービスを提供しているものもあります。
ニートの就職活動に就職エージェントがおすすめの理由
ハローワークや地域若者サポートステーション、ジョブカフェなどニートの人も受けられる就職支援サービスを紹介しましたが、その中でもニートの人が就職活動を行うには、就職エージェントを利用してサポートを受けるのがおすすめです。
希望や特性に合った求人を紹介してもらえる
就職エージェントの利用はほとんどの場合、無料で利用できます。専任の担当者が面談を行って求職者の希望や経験、スキルなどをヒヤリングして、適正に合った求人を選んで紹介してくれるため、企業と求職者のミスマッチが起こるのを防ぐことができます。また、就職サイトにはないような非公開求人を紹介してもらえる場合もあります。
就職に向けたサポートが受けられる
就職エージェントを利用すると応募書類(履歴書や職務経歴書)の添削、面接対策、キャリアに関する相談などの就職支援サービスを受けられるため、不慣れなニートの人でも安心して就職活動を進めることができます。また、就職エージェントを通じて応募する場合には、エージェントが推薦状を書いてくれるため、就職支援サイトを利用して求職者自身が応募するよりも、書類選考に通りやすくなります。
「キャリアスタート」の特徴とサービス利用方法
就職エージェントの中には、フリーターや第二新卒など、若手に特化した特化型転職エージェントもあります。今回は、そのなかの「キャリアスタート」について、特徴とサービスを利用する時の方法を紹介します。
サービスの特徴
「キャリアスタート」は、フリーターや第二新卒など、若手に特化した転職支援サービスで、「20代がおすすめする転職支援会社」2018年No.1に選ばれています。1万人の転職相談実績から生み出された転職メソッドに基づいて、就職をサポートしています。ニートの人で正社員の応募は初めて、スーツを着るのも初めてという人でも、マンツーマンで就職相談が受けられるので安心です。また、就職決定後のサポートも充実していて、 電話や面談でのサポートや同性代の転職者が参加する交流会の開催や、寮や引っ越しなど住居のことまで相談できる転居サポートなどの支援もあります。
利用方法
特化型転職エージェントのキャリアスタートを利用するには、まず電話もしくはWebサイトから登録を行います。登録は簡単で1分程で完了します。登録が終われば、面談予約を行って担当者の面談を受けます。面談は対面の他、電話での面談も可能なので、忙しくて面談のため足を運ぶ時間が無い人や遠方の人も面談可能です。また、面談の予約はメールまたは電話で行えます。面談により希望やスキルなどの確認を行って適した求人を紹介してくれます。求人の紹介だけでなく、さまざまな就職支援があるのでサポートを受けながら就職活動を進めましょう。
ニートでも就職は可能。ニート歴が長くなる前に就職と社会復帰を
ニートの若者の増加が社会問題となっていますが、近年は、30代以上が増え、ニートの高齢化が問題視されています。30代以上の人は、ニート歴が長く、それに伴ってブランクの期間も長いため、さらに就職が困難となります。そうなってしまう前の20代前半での就職と社会復帰が必要とされ、さらなる就職支援が求められています。