大卒フリーターのメリットとデメリット|正社員として就職するには?
大学を卒業しても、正社員として就職するわけではなくフリーターとして活動されている方は多いと言われています。世間の目からすれば「どうして大学を出ておきながら正社員にならないの?」と思う人もいるでしょう。しかし、大卒の方全員が同じルートを辿る訳ではありませんよね。人それぞれ事情があります。
しかし、実際「大卒フリーターは正社員に比べてどうなのか?」
今回は大卒フリーターのメリットとデメリットを比較し、今後正社員を目指す方のためにおすすめの就職支援サービスの紹介をしていきます。
この記事がきっかけで、あなたの新たなるスタートになって頂ければ幸いです。
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Contents
大卒でフリーターになる人の割合と理由
ここで言う大卒フリーターとは、大学卒業後、定職に就かずにアルバイトなどで生計を立てている人を指します。
実際、これらに該当する人達がどのくらいいるのか?また、どうしてフリーターになってしまうのか?その割合と理由を見ていきましょう。
大卒フリーターの割合
文部科学省は、平成30年に大学(学部)を卒業した人、約57万人を対象とした調査を行いました。
調査の結果、大学を卒業した人のうち、就職者の占める割合は全体の77.1%、男性は72.3%、女性は82.9%。パートやアルバイトなど一時的に仕事に就いた人は1.5%。そして、進学も就職もしていない人の割合は7.0%です。
この結果から分かるのは57万人の内の7.0%、およそ3万9900人が大卒時にフリーターであることを意味します。
大卒でフリーターになる主な理由
「人それぞれ事情がある」とは言いますが、具体的にどのような事情があるのでしょうか?
大学在学中に就職活動をしなかった
何の仕事がやりたいか悩んだり、就職する以外にやりたいことがあったりすると就職活動を怠りがちになってしまいます。その結果、就職先が決まらずに大学を卒業してしまう形になるのです。
特に何の仕事をやりたいか悩んでしまう方の場合は、将来の事を考えているからこそ、良くも悪くも慎重になりすぎているのでしょう。そのため、大学では敢えて就職せずやりたいことを探すためにフリーターの道を選ぶ方もいます。
就職活動をしたものの、内定が取れなかった
就職活動に取り組んだものの内定が取れなかったり取り消されたりして、就職できなかったというケースもあります。特に大手企業や公務員は、倍率が高く内定の難易度も上がります。そして、企業選びに拘りすぎた影響で就職活動が上手くいかなかったケースも多いです。
一度就職したが、すぐに退職した
大学卒業後に就職はしたが、早期に退職してしまうケースも多いです。自分がイメージしていた職場と違ったり、職場環境に馴染めなかったりして長続きしないと言われています。
他にも、求人票に掲示してあった内容とは違う業務をやらされる、不規則な労働時間、給与や手当による問題で辞めてしまうケースもあります。これは、いわゆるブラック企業に当たったことが原因ですね。
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大卒フリーターでいるメリット
フリーターとして活動されている方の中には、今の生活に満足している人もいます。その理由は、フリーターでいることにメリットを感じるから。
では、フリーターでいることのメリットを見ていきましょう。
時間の融通が利く
企業に就職すれば、就業時間や休日は限られています。しかし、これがフリーターとなると話は別です。アルバイトの勤務はシフト制がほとんどで、自分の働きたい時間に働けます。また、休みも固定されていないので希望すれば休みたい日に休めます。
このように、労働時間や休日も自由に選べることからフリーター生活に満足している人が多いです。
勤務先を変更しやすい
アルバイトでも働く事に変わりはありません。そのため、仕事や職場の環境が合わないこともあるでしょう。中にはフリーターを理由に、シフトを増やされて逆に労働時間が多くなってしまう例もあります。これに嫌気がさしてバイト先を変える方もいますが、アルバイトは正社員に比べてスキルや経験が無くても就ける仕事が多いので、比較的簡単に次の仕事が見つかりますね。
しかし、正社員の求人はスキルや経験を求めている企業が多いため「仕事を変えたい」と思うとある程度の労力が必要になります。
このように「アルバイトなら職場を変えやすい」という気持ちから、フリーターの道を選んでしまう傾向にあります。
さまざまな働き方を選べる
シフト制の仕事以外にも、自宅で作業が可能で自分の好きな時間に働ける仕事を選ぶこともできます。例えば、文章を執筆するライター、Webサイトのデザインを行うWebデザイナー、ブログを使って収入を得るアフィリエイターなどが挙げられます。
在宅ワークも自分のやりたい時に仕事ができるので、自由度は高いと言えます。また、これらの仕事は技術を磨いていけば収入も増えていくので、個人事業主として独立する人もいます。
大卒フリーターでいるデメリット
ここまでフリーターのメリットを説明してきましたが、当然良いことばかりではありません。フリーターの場合、経済面やスキルが正社員に比べて不利になります。では、どのように不利になるかを具体的に見てみましょう。
生活が安定しづらい
正社員は毎月決まった分の給料が振り込まれますが、フリーターは働いた分だけしか収入が得られません。また、病気や怪我をした場合でも会社員なら有給休暇などの手当で休んでも収入を得られます。しかし、これがアルバイトや在宅ワークだと手当がないため、休みが多くなればそれに伴い収入も減ります。
他にも正社員ならボーナスの支給から税金の差引き、場所によっては家賃の手当をくれる会社もあります。ところが、アルバイトはこれらの支給がほとんどないので、経済面では正社員に大きく劣るでしょう。
契約期間による雇用の不安定
アルバイトは職場によっては契約期間が定められている場合があります。そして、契約期間が終了すれば解雇される場合もあり、雇用の面でも心配な部分があります。こちらは契約社員でも同じ事が言えます。
契約社員と言えば期間工が有名です。期間工は給料や福利厚生による手当など、社員と同じ待遇を受けられます。しかし、契約が終了すれば結局会社を辞めることになるので雇用の面で安心できないのが痛いところです。
将来的なハンデを背負いやすい
会社員は給料以外にも、ボーナスや会社からの手当で多くの収入を得られます。そのため、単純な年収を比較しても正社員とフリーターでは大きく差が出ます。
正社員とフリーターの生涯賃金では、どれくらい差があるかご存知ですか?「貰ってる月々のお給料はほとんど変わらないし、生涯賃金だってそんなに変わらないでしょ?」なんて思ったら大間違い!正社員とフリーターの生涯賃金は平均で3倍以上違うと言われています。月々のお給料があまり変わらないのは20代のうちだけなのです。30代40代と年を追うごとに、手取りのお給料だけでもかなりの差が出てきます。そこに年金や保険料、各種手当などを含めたら一体どれくらいの差が出るのでしょう。
老後の生活にもかなりの違いが出てきます。正社員で働いてきた人の厚生年金とフリーターで働いてきた人の国民年金では、もらえる金額が倍以上違うのです。
老後のゆとりのある生活や老後の夢を叶えるためにも、ここは押さえておきたいところです。
また年金に関しては、正社員なら会社が引き落としてくれるので心配はありません。しかし、フリーターは自分で年金を納めないといけません。手続きを行っていれば問題はありませんが、手続きを行っていない場合、将来年金を受給できません。
フリーター期間が長くなるほど転職の難易度が上がります。企業側も中途採用を行う際は社会経験を重視する面があり、フリーターに対して厳しい目線で見てしまう傾向にあります。そのため、フリーター期間が長い=社会経験が浅いという風に捉えられてしまうのです。
スキルが身に付かず、キャリアを築きづらい
フリーターやアルバイトは、スキルやキャリアが身に付かないのも1つのデメリットと言えます。アルバイトと正社員では教育体制が異なり、与えられる仕事も違います。そのため、本格的なスキルを極めたりキャリアを築いたりはなかなか難しく、アルバイトの仕事内容でその道のプロになれる人はほんの一握りです。
ただし、一部の企業は正社員の登用を前提に雇ってくれる場所もあるので、そういった場合はスキルやキャリアを磨いていけます。しかし、職業に拘らずフリーターを続けていると、やはりスキルやキャリアは築きにくいでしょう。
大卒でフリーターになった人が就職するためのポイント
大卒フリーターが就職するのは、新卒者と比べて多少難易度は上がります。しかし、それはあくまでも新卒者との比較なだけであって、大卒フリーターだって就職することは可能です。そこで、この項目では大卒フリーターでも就職を成功させるためのポイントを説明していきます。
なるべく早いうちに就職活動を始める
先ほども少し触れましたが、年齢を重ねると就職の難易度は上がってしまいます。もし、この記事を読んでいる方で少しでも正社員になりたいという気持ちがあれば、早めに活動を始めましょう。年齢が若いほうがキャリアの育成に時間を使えるので、企業のニーズも高くなります。
就職活動を始めるなら大学卒業後の3年以内がベスト!
厚生労働省は「特定求職者雇用開発助成金」と呼ばれる制度を設けています。この制度の1つに「三年以内既卒者等採用定着コース」があります。
このコースは既卒者を採用して一定期間定着させることができた企業に、助成金を支給する制度になります。そのため、厚生労働省は企業に対して「大学卒業後3年以内の人を新卒者」として扱うように推奨しています。
もし、特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)を受けている企業が大学卒業後3年以内の人を雇って一定期間経過したとしましょう。すると、既卒者を雇った企業は助成金がもらえるのです。
したがって、大学卒業から3年の間に就職することで、企業も恩恵を受けられます。だからこそ、大学を卒業してから3年以内が就職活動を始めるベストなタイミングになります。
就職支援サービスを活用する
有名な就職支援サービスとして、ハローワーク、転職サイト、転職エージェントが挙げられますが、中でもおすすめは転職エージェントです。
転職エージェントは、内定率の高さで実績を出していることで有名です。その理由は、プロのカウンセラーによるカウンセリングから履歴書の添削、面接対策など、就職を成功させるためのサポートが充実しているからです。また、未経験者歓迎の求人も多数扱っているので、キャリアが少ない方でも応募しやすいのが魅力的ですね。少しでも内定を獲得する確率を上げたい場合は「未経験者OK」の求人を探すと良いでしょう。
他にも転職エージェントでは、利用者の方々に安心した就職・転職活動を行ってもらうために、紹介する企業の厳選もしっかりと行っています。そのため、ブラック企業への対策もバッチリなので、利用者からの信頼度は高いです。
特に若手に特化した就職支援サービスを提供しているキャリアスタートでは、フリーターの応援にも力を入れています。実際にキャリアスタートを利用して正社員になる方は多く、利用者の満足度も高くなっています。気軽に就職・転職のプロに相談でき、たくさんの充実したサービスも無料で受けられるので、まずは登録・面談予約をしてみましょう。
資格を取得する
フリーター生活の中で興味のある仕事を見付けた場合、ただ興味を示しただけではもったいないです。例えば、事務系の仕事に就きたいと思った方は、就職活動と並行しながら事務に関する資格の取得に励んでみると良いでしょう。
資格を取得すれば履歴書にも書けますし、面接時のアピールにもつながります。また、一度取得すれば一生ものなので、今後転職することがあっても便利なアピール材料になるのではないでしょうか。
そういったことも含め、まずは転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
早い段階からの行動が就職成功への近道!
最後に改めておさらいしますが、フリーターでいることの最大のデメリットは、キャリアやスキルが身に付かないことです。若いうちは比較的再スタートを切れますが、20代後半になってくると、徐々に厳しくなっていきます。
その間、色々なアルバイトをやってきたと言っても、その道の一人前に達する人はほんの一握りだけだと言われています。なぜなら、正社員とアルバイトでは教育体制や与えられる仕事が違うからです。
例えば、美容師のアルバイトをやっていたとしましょう。
正社員の場合、免許を取得しているのもあって髪のカットからカラー・パーマなどレベルの高い業務が任せられます。しかし、これがアルバイトさんだとどうでしょう。美容師らしい仕事といえばシャンプーくらい。他の仕事はお会計や予約電話の対応、切り落とした髪の清掃、施術に必要な道具の準備など、お手伝い業務しか任せられません。
仮に美容師を目指す人は、プロのサポートをやりながら色々な技術を教えてもらえる場合もあります。しかし、特に美容師になる予定もなくアルバイトをやっているだけだと、やはり専門的な技術が手に入らず、スキルやキャリアは身に付かないですよね。
このように、専門的なスキルやキャリアを身に付けるには、若いうちから再スタートを切ることが大事になってきます。年齢を重ねるごとに色々と問題が出てきます。そうなってからでは、よほど努力しないと仕事面では厳しいものになってきますね。
そういった面を理解して、早いうちから新しいスタートを切って正社員への切符を手に入れましょう!