中卒で取得可能な資格は何がある?おすすめの国家資格と民間資格

/

資格には、主に国家資格・民間資格があり、難易度もさまざまです。そもそも資格は誰でも勉強すれば受験できるものから、受験資格が決まっていて対象とならない人は受検できないものもあります。中卒の場合、中学の卒業資格はあるものの、高校は退学しているかそもそも入学していないか、どちらかに分かれますが、就職する際に何かしらの資格があることで内定獲得のチャンスはぐっと高まります。
今回は、中卒で取得可能な国家資格や民間資格についてご紹介していきましょう。

中卒の就職と資格に関する基礎知識


中卒で就職すると考えた場合、現在では一体どういった就職先が考えられるのでしょうか。ここでは、中卒の就職事情と資格について考えていきます。

中卒の就職事情と生涯年収

中卒者でも応募可能な求人は、大卒者向けの求人と比べて少ない傾向にあります。就職先は、探す方法にもよりますが、肉体労働系や単純作業系、接客業などが多いです。未経験でも応募可能な求人も多く見られます。
また、中卒者は大卒者に比べて待遇が劣る傾向にあるのもポイントで、正社員としての雇用割合は決して多くありません。厚生労働省がまとめた「平成25年若年者雇用実態調査の概況」によれば、正社員として働いている若年労働者(15歳~34歳)のうち、中卒者37.5%、大卒者79.6%となっています。
ちなみに「ユースフル労働統計 2018 労働統計加工指標集」において、生涯賃金は大卒3億3千万円に対し、中卒は2億4千万円です。これは、新卒で入社した企業を一度も転職せず、定年の60歳まで働き続けた想定での数字であり、定年で受け取る退職金に、定年以降も平均的な引退年齢まで働いた賃金を加算しています。
生涯賃金で考えた場合、中卒と大卒ではおよそ1億もの差があるというのが実態です。

【出典】厚生労働省「平成25年若年者雇用実態調査の概況」より「〔個人調査〕1 現在の就業状況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-h25_06.pdf

【出典】独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計 2018 労働統計加工指標集」
https://bit.ly/34zlXw6

資格の取得による就職や転職への影響

資格を取得することで、就職や転職にも大きく影響すると思われる人も多いです。ただ、必ずしも就活が有利になるとは限りません。なぜなら、資格の取得だけでは学歴をカバーできないケースが多いためです。資格よりも実力のほうが求められる職種も一定数あり、「資格があっても実務が遂行できなければ意味がない」と思われることもあります。
ただし、資格を取得すれば、働き方の選択肢は増やすことはできます。自分の将来の可能性を広げることにもつながりますし、資格があることで他の応募者よりも優位に立って就活を進めることも可能。資格はただの形だけではなく、取得する過程での学びが自分を磨くきっかけにもつながります。

国家資格と民間資格の違いは?

資格には「国家資格」と「民間資格」の大きく2種類があります。国家資格は国から認められている資格であり、取得の難易度は高い分、社会的信頼性が高いのが特徴です。一方で民間資格は、民間団体・企業・学校が独自の基準で認定する資格であり、取得していることによって一定以上の能力が備わっていることを証明できるものが多いです。
国家資格のほうが一般的に難易度が高いものが多い一方、民間資格との間に明らかな優劣があるわけではありません。もし何らかの資格を取得したい、勉強したいと考えている場合、「何を求めて資格を取得するか」が重要です。

転職について相談する

中卒者も取得可能なおすすめの資格


資格にはさまざまなものがありますが、中卒で資格取得を目指す場合、まずは中卒でも取得可能な資格から選ぶことが先決です。ここでは、中卒者でも取得可能・受験可能なおすすめの資格についてご紹介していきます。

国家資格

宅地建物取引士

宅地建物取引士は通称「宅建」とも呼ばれ、国家資格のなかでもよく知られた存在。宅建は、不動産の売買や賃貸物件の取り引きを行う際、お客様に土地や建物に関する説明ができる資格です。この資格を取得するには「宅地建物取引士資格試験」に受験し、合格する必要があります。
宅地建物取引士は、建築会社や不動産管理会社、金融会社などの就職で役立つとされており、平成27年度から平成30年度の合格率は15%台となっています。2019年度の申込者数は約27万6千人に対し受験者約22万人、合格者は約3万7千人。
受験者は不動産業界・金融業界関係者が多いものの、学生や主婦なども含まれています。

【出典】一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(過去10年間)」
http://www.retio.or.jp/exam/pdf/zissigaikyo.pdf
【出典】令和元年宅地建物取引士資格試験実施結果の概要
http://www.retio.or.jp/exam/pdf/zissigaikyo.pdf

旅行業務取扱管理者試験

旅行業務取扱管理者試験は、旅行業務に携わるのに必要な資格であり、旅行の企画立案、取り引きや実施などに関する知識を持ちます。試験は3種類あり(総合旅行業務取扱管理者試験・国内旅行業務取扱管理者試験・地域限定旅行業務取扱管理者試験)、取り扱いできる業務の範囲が異なるのが特徴です。
旅行代理店には1名以上(10名以上の営業所の場合には2名以上)の旅行業務取扱管理者を配置するよう、旅行業法にて定められています。旅行業界などで働きたい人にはおすすめの資格といえるでしょう。

調理師

調理師は、栄養や衛星などに関して調理師としての必要な知識・技能を持っていると認められた資格です。飲食店のほか、病院や介護施設、学校の食堂といった職場への就職に役立つ資格といえるでしょう。飲食店を開業する際に、調理師の資格を取得しているとスムーズに開業することができます。
平成30年度の合格率は全国平均で61.6%であり、難易度としてはそれほど難しいわけではありません。ただし調理師養成施設に通わない場合、受験資格を得るのに「調理師法施行規則第4条」に定める施設での実務経験が2年以上必要です。勉強したからすぐに取得できるというわけではなく、養成施設での習熟、実務経験も必要な資格です。

【出典】公益社団法人 全国調理師養成施設協会「調理師試験・免許統計」
https://bit.ly/2R8Q3T9

税理士

税理士は、企業や個人に対して、税金に関するアドバイスや税務処理のサポートをするのに必要な資格であり、難易度が高い資格として知られています。税理士になることで、高収入を得られる可能性があることもあって、就職・転職でも人気の資格といえるでしょう。
税理士試験は中卒でも受験可能ですが、学識・資格・職歴などによってそれぞれ受験資格が定められています。たとえば日商簿記検定1級合格者・全経簿記検定上級合格者のほか、税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者など、細かく定められています。
また、税理士試験と一口に言っても全部で11科目あり、そのうち必須2科目と3科目の計5科目に合格することが合格の要件です。科目によって難易度も異なりますし、どれもかなり難関なので大卒・大学院卒の人でも非常に難しい資格として知られています。

【出典】税理士試験受験資格の概要
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikaku/shikaku.htm

行政書士

行政書士は、官公署へ提出する書類の作成業務や、認可申請の代理、相談業務などに携われる資格であり、行政書士法に基づく国家資格です。資格取得の難易度は税理士ほどではないにしても、非常に高く、また一般的な会社員よりも比較的高い収入を稼ぐことができるとされています。
行政書士試験は、年齢・国籍・学歴不問で、誰でも受験することができるのがポイントです。そのため、中卒であってもコツコツ試験勉強をし、受験して合格すれば行政書士になることは可能です。ただし、日本行政書士会連合会へ行政書士として登録する必要があります。

【出典】令和元年度行政書士試験のご案内
https://gyosei-shiken.or.jp/doc/guide/guide.html

 

民間資格

中卒でも取得できる資格は、国家資格以外に民間資格でも数多くあります。上記以外のジャンルで、中卒でも取得できる民間資格をいくつかご紹介しましょう

介護職員初任者研修

昔は「ホームヘルパー2級」といわれていた資格のことで、2013年4月より資格制度が変わりました。介護の基礎知識やスキルを証明する資格であり、介護職キャリアの登竜門のような存在です。まずは介護職員初任者研修を受け、その後実務者研修・介護福祉士・認定介護福祉士といった形で介護職のキャリアアップができるようなしくみになっています。
介護業界は現在深刻な人材不足です。手に職をつけるという意味からも、介護の資格を取得しておくことで、将来的な選択肢の幅は広がるでしょう。

医療事務技能審査試験

医療事務は女性に人気の仕事。医療事務技能審査試験は、医療事務に関する能力を審査する試験です。医療事務は、資格がなくてもなれる仕事ではありますが、資格によって知識があることをアピールできます。
この他にも医療事務の民間資格は数多くありますが、医療事務技能審査試験はそのなかでもよく知られた資格のひとつです。

【出典】一般社団法人 日本医療教育財団|技能審査認定 医療事務技能審査試験
(メディカルクラーク®)
http://www.jme.or.jp/exam/mc/outline.html

ネイリスト技能検定試験

ネイリストも女性に人気の資格で知られ、趣味が高じてネイリストを目指す人も少なくありません。ネイリストの資格は数多くありますが、ネイルスクールや通信講座などで学ぶ人が多い傾向にあります。学歴よりも実務経験が重要になるため、ネイリストとしての腕を磨き、就職を目指すことも可能でしょう。

インテリアコーディネーター資格試験

インテリアコーディネーターは、お客様の望む居住空間を実現させるお手伝いをする仕事。ハウスメーカーやショールーム・内装施工業者などで働く際にも役立つ資格のひとつです。学歴・性別・職業・経験・年齢などは不問で受験できます。
資格がないと働けない仕事ではありませんが、仕事に対するやる気アピールにも一役買ってくれるでしょう。通信講座でも勉強できるので、都市部・地方など関係なく学ぶことは可能です。

【出典】インテリアコーディネーター資格試験
https://www.interior.or.jp/examination/ic/

秘書検定

実務技能検定協会主催のビジネス系検定のひとつに「秘書検定」があります。秘書検定では人柄育成を目指しており、ビジネスシーンにおいて「言葉遣い」「表情」「話し方」など人柄としていい印象を与えるための基本的な常識を問う問題が出題されます。
秘書検定では3・2・1級がありますが、1級では面接試験もあり、態度や振る舞いなども見られます。秘書検定は、秘書になるための試験というよりも、ビジネスシーンで必要不可欠な振る舞いを学ぶ試験といえます。

【出典】秘書技能検定
https://jitsumu-kentei.jp/HS/index

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

マイクロソフト社が認定する民間資格であり、Word、Excel、PowerPointなどを使える証明にもなります。ビジネスシーンでは、ほぼ必ずパソコンを扱うことになり、Word、Excelは使えないと仕事にならないといっても過言ではありません。
PowerPointについては、営業などでプレゼン資料を作成する際にもよく使われるため、使えたほうが無難です。MOSは必須の資格というわけではありませんが、最低限どのソフトが使えるのかを証明するための資格と捉えておきましょう。

転職について相談する

中卒者の選択肢の一つ、高卒認定試験とは?


中卒でも受験できる資格はありますが、高校を卒業していることでそれ以上に選択肢も広がります。就職活動においても応募できる求人が増えるなど、メリットも多いでしょう。そこで中卒者の選択肢としておすすめなのが高卒認定試験です。

高卒と同等の学力があることを認定される試験

高卒認定試験とは、正確には「高等学校卒業程度認定試験」といいます。高校へ進学しなかった人や高校中退者など、高校を卒業していない人の学習成果を適切に評価するための国家試験です。
試験は毎年4月中旬と7月下旬の年2回にわたって実施されます。難易度はそれほど高くないので、過去問でしっかりと対策すれば合格できるでしょう。高卒認定があるとないとでは、資格取得はもちろん、就職活動においても選べる数が大きく異なります。

高卒認定を取得するメリット

高卒認定を取得すると、大学・短大・専門学校の受験資格を得られます。もし高校は卒業していないけれど大学や専門学校などへ進学したいと考えているのであれば、高卒認定を受ければ受験資格を満たせます。
また、高卒認定を取得することで、国家資格・民間資格ともに受験可能な資格が増えるのも大きなメリットといえるでしょう。実際に高校は卒業していなくても高卒扱いになるので、応募できる求人が増えたり、就職先の待遇が良くなったりする可能性もあります。

転職について相談する

中卒で転職に成功した先輩の声


中卒ののち、アルバイト生活からなかなか脱却できないという声も耳にします。その理由には、「どうやって就職活動をしたらいいのかわからない」という人も少なくありません。こうした場合には、転職エージェントの力を借りるのも一つの手です。
ここでは、キャリアスタートを利用して中卒で転職に成功した先輩の声をご紹介していきます。実際にエージェントのサポートによって社会人未経験の人でも内定を勝ち取っています。ぜひ参考にしながらエージェントの力をうまく活用してみましょう。

角陽介さん

18歳になり就職できる年齢にもかかわらず、社会人未経験。このままアルバイトでいるわけにもいかない、家計を助けるためにも就職活動をしようと思いました。キャリアスタートは、就職活動のやり方もよくわからなかった自分に合ったオファーをくれて、「一歩踏み出そう!」と思ったのがきっかけで登録しました。
他のエージェントは電話だけで終わることもありましたが、キャリアスタートは実際に会って面談してくれて親身に相談に乗ってくれました。応募先も4社以上提案してもらい、2社受けてそのうち1社から内定をもらえました。

参考:https://careerstart.co.jp/interview

転職について相談する

中卒でも資格取得などで自分のスキルを磨き、内定をゲットしよう!


国内で数多くある資格のなかには、高卒・大卒といった学歴が受検資格になっているケースもあります。ただし、なかには中卒や学歴不問で受験可能な国家資格などもあるのです。「中卒だから資格取得もできない」「中卒だから希望の仕事に就くことはできない」と思い悩んでいる人がいるかもしれませんが、希望を持って受験できる資格を探し、将来のために勉強をはじめましょう。
現在では、転職エージェントなど無料で利用できる就職支援サービスも数多くあります。エージェントというとハイキャリアの人しか利用できないと思われがちですが、若年層向け、既卒・高卒向けをはじめ、中卒の人でも利用できるサービスがたくさんあります。第三者の力を借りながら、自分にマッチした就職先を見つけてみませんか?

転職について相談する

20代の就職・転職なら、まずは「キャリアスタートの転職エージェント」に無料登録!

20代の就職・転職にキャリアスタートがおすすめの3つの理由

  • 就職・転職支援実績
    3000人以上
  • 年収100万円以上アップ
    の事例多数
  • 未経験からの就職・転職で
    定着率92%以上

キャリアスタートでは、20代の若手に特化した転職エージェント・就職エージェントサービスを提供しています。エージェントサービスに登録いただくと、事務職やIT営業・ITエンジニアなど、あらゆる職種の中からご希望に沿った正社員求人を無料でご紹介。

求人の応募から内定まで、専任のコンサルタントが徹底サポートします。「履歴書・職務経歴書の添削」や「面接対策」「給与交渉」も無料で代行します。

私たちの強みは、普通では出会えない、20代の若手を採用したい会社をたくさんご紹介できること。さらにコンサルタントを経由して、あなたの魅力を企業側へプッシュしてもらえるので、自分一人で選考を受けるよりも、内定の可能性を一気に高めることができます。

まずは以下のボタンから転職エージェントサービスにご登録ください(簡単1分・無料)