フリーターと正社員の違い│仕事面・生活面での差と転職時のポイント

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正社員と非正規社員では、もともと待遇に大きな差があります。最近は、一定の条件を満たした非正規雇用者へのボーナスの支給などに関する労働環境を改善するための議論も行われてきていますが、現状ではまだまだ正社員と非正規社員の待遇には大きな差がある状態となっています。しかし、このような「差」があることは分かっていても、具体的にどのような違いがあるのかは分からないという方も多いことでしょう。

今回は非正規社員の中でも特に多いフリーターと正社員の違いを仕事面と生活面に分けて解説すると同時に、フリーターから正社員になるための方法もご紹介します。

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フリーターと正社員の違い【仕事面】

フリーターと正社員の間には、仕事面での待遇に大きな違いがあります。このことは働き方そのものにも影響し、大まかに見るとフリーターのほうがデメリットは多くなっています。

給与

・正社員
正社員の給与は勤続年数や業績に応じて昇給があることから、個人の努力や身に付けたスキルが評価されやすくなっています。また、ボーナスが支給されることも多く、時給制であることがほとんどであるフリーターに比べると稼ぎやすい雇用形態といえます。

23歳から59歳までまで正社員として働いた場合の生涯賃金はのようになっています。

男性:1億8,264万3,400円

女性:1億3,638万1,100円

   
・フリーター
一方、フリーターの場合は昇給・ボーナス共にほとんどない、あるいは全くないことが多く、フリーターとして働いている限り、収入が極端に増えることは稀であると考えたほうがよいでしょう。

23歳から59歳まで非正社員として就労した場合の生涯賃金は以下のとおりです。

男性:1億422万9,800円

女性:8,309万9,600円

年金

正社員とフリーターでは年金の納付、支給においても違いがあります。

・正社員
正社員は、基本的に厚生年金に加入し、会社が保険料の半分を払います。また、国民年金だけの場合に比べて老齢年金の受給額が増えるというメリットもあります。

・フリーター
一方、フリーターの場合は労働時間と日数が規定に満たないと国民年金の対象となり、全額を自分で納付しなければなりません。また、生涯フリーターを続けた場合、老齢年金の受給額は平均で月約5万6千円となり、退職後の生活にも正社員との違いが大きく表れることとなります。

雇用の安定性

正社員とフリーターでは雇用の安定性という点においても以下のような違いがあります。

・正社員
正社員は長期雇用を前提としているため雇用期間が定められておらず、規約に違反するようなことをしない限り解雇されるケースは少ないというメリットがあります。

・フリーター
フリーターに関しては雇用期間を更新する形で長期雇用されることも多いですが、基本的には正社員とは違い、雇用期間が限定された雇用形態となります。雇用期間を更新するか否かは雇用する側が決めるため、規約違反などを起こさなくても契約が終了となる可能性が常にあるという点もフリーターのデメリットといえます。

労働時間や勤務地などの自由度

正社員に比べてデメリットが多いフリーターですが、以下のような自由度が多いという点ではフリーターのほうがメリットはあります。

・正社員
正社員として働いていると残業が多くなることも珍しくありません。これによりプライベートが圧迫されることがあるという点は正社員のデメリットといえるでしょう。

また、最近では減少傾向にあるものの、正社員は転勤を命じられる可能性があるというデメリットもあります。会社によっては事前相談なく急に転勤を命じることもあり、家庭の事情などで引っ越しができない方の場合は、正社員として働くこと自体が難しくなってしまうこともあるかもしれません。

・フリーター
職種にもよりますが、フリーターは仕事上の責任も軽く、比較的自由に休日をとれるようになっています。また、辞めるときには引継ぎの手間などが少なく、正社員に比べると簡単に退職ができるという点もフリーターのメリットといえます。

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フリーターと正社員の違い【生活面】

一方、生活面に関するフリーターと正社員の違いには以下のようなものがあります。

賃貸契約

・正社員
正社員の場合、それだけで社会的信用が上がるため、賃貸契約時の審査に通りやすくなります。また、昇給に応じて支払うことのできる家賃の上限も上がり、物件の選択肢が多くなるというメリットもあります。

・フリーター
フリーターの場合、収入の安定性を疑われることが多く、特に家賃がその地域の相場を超えるような物件だと賃貸契約時の審査に通りづらくなります。また、収入が限られるため、物件の選択肢が少なくなってしまう点もフリーターのデメリットとなります。

クレジットカードの契約

・正社員
クレジットカードの契約では収入の安定性が重視されるため、正社員はそれだけで審査に通りやすくなります。ただし、勤続年数が短い場合は審査に通らなくなったり、利用限度額が少なく設定されたりするケースもあります。

・フリーター
逆にフリーターは社会的信用が低く、収入の安定性も疑われやすいことから、クレジットカードの審査にも通りにくい傾向があります。

結婚

・正社員
結婚をする場合にも正社員ならではの収入の安定性は相手やその家族に安心感を与えられるというメリットがあります。また、安定した収入が得られれば結婚後の将来設計も立てやすくなります。

それに加え、正社員として働いていると会社から「出産手当金」や「出産育児一時金」などの手当てをもらえることもあります。給料以外でもこのような収入を得られるという点もまた正社員ならではのメリットといえます。

・フリーター
一方でフリーターは収入が安定しないため、結婚だけでなく出産や子育ての資金が十分に得られる保証がありません。このことから結婚へのハードルが必然的に高くなってしまうこともフリーターのデメリットといえます。

このことは、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が発表した「資料シリーズNo.144」の「収入が少ない世帯ほど有配偶率は低い傾向にある」という結果にも表れています。

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フリーターから正社員になる方法

正社員には以上のような仕事面・生活面でのさまざまなメリットがあることから、フリーターから正社員になることを本気で検討したいという方も多いことでしょう。新卒として就活を行う場合に比べるとフリーターから正社員になるにはハードルが高いため、以下の方法で仕事探しをしてみるのがおすすめです。

求人を探して転職する

経験のない職種も応募先の候補に含めると自ずと正社員になれる可能性は高くなります。よって、「未経験でもOK」といったことが記載されている求人を探してみるのもよいでしょう。

また、少しでもその職種に関する経験がある人材は採用されやすくなるため、フリーター時代の経験を活かせる仕事を探してみるのもおすすめです。

働いている企業で正社員登用を目指す

フリーターとして働きながら転職活動を行うのが難しい場合には、フリーターとして働いている企業の正社員登用を目指すという方法もあります。ただし、この制度は法的に定められている制度ではないため、すべての企業が設けているわけではありません。

また、フリーターや派遣社員などの非正規社員としての勤続が通算で5年を超えると無期労働契約に転換する申込権が発生することとなっているため、条件を満たす場合は正社員登用制度がなくても正社員として登用してもらえないかかけあってみるとよいでしょう。

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フリーターから正社員を目指すときに押さえたいポイント

フリーターから正社員を目指す場合には、以下のポイントを押さえることも忘れないようにしましょう。

履歴書の書き方

履歴書を作成する際にはアルバイトやパートの経験しかなくても、その詳細を職歴にしっかりと記載する必要があります。応募職種と関係のある仕事をした経験があれば、それがアルバイトやパートであってもアピールポイントとなる可能性があります。

一方、アルバイト・パート経験の中には短期間のものや強調したくない経験もあるかも知れません。そのような経験は書かなくても問題はないため、あらかじめアピールできる経験とそうでない経験を分けておくとよいでしょう。ただし、職歴に空白期間があると面接時に説明を求められる可能性があるため、はっきりと説明できるよう準備をしておくのも忘れてはいけません。

面接で聞かれることが多い質問

面接では以下のようなことを聞かれることが想定されます。面接対策としてこれらの質問に対する回答も用意しておくと相手によい印象を与えられるでしょう。

・「なぜフリーターをしていたのですか?」
企業にとってその人がなぜフリーターとして働いていたのかは、その人の仕事に対する考え方を知る上でも大いに気になるポイントとなります。この質問に対する答えはネガティブなものになってしまいがちであるため、マイナスイメージを与えないような伝え方を工夫するとよいでしょう。

・「フリーター期間にどういった仕事をしていたのですか?」
履歴書や職務経歴書の記載内容だけでは分からない就業経験もまた、企業が知りたいと考える事柄のひとつです。このような質問は応募職種に関係する経験をアピールするチャンスとなるため、自身の仕事経験と応募職種の特徴をよく比較し、どのような点がアピールポイントになるのかをよく考えておくとよいでしょう。

・「仕事以外に何か活動をしていましたか?」
仕事に関係しない一面も企業が知りたいと考えることの多いポイントのひとつです。このような質問をされたら、趣味や特技などのそれまでに打ち込んでいたものを率直に答えるようにしましょう。

例えばスポーツに打ち込んだ経験があれば体力面でのアピール、人と触れ合うことの多い趣味はコミュニケーション能力のアピールにそれぞれなるため、具体的にどのような活動をしていたのかも説明できるよう準備をしておくのが大切です。

・「フルタイムで働いていただきますが大丈夫ですか?」
フリーターとして働く場合に比べると、正社員はフルタイム勤務が前提になるなど労働条件にも大きな違いがあります。面接時にはそのことへの覚悟を問う質問がされることも多くなっています。

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正社員への転職でプラスになる可能性のある資格

正社員へ転職する際には、資格を取得すると有利になる可能性もあります。

資格を取得するメリット

応募する職種に直結する資格がある場合、あらかじめその資格を取得しておけば大きなアピールポイントとなります。また、資格を取得するためにはある程度の勉強をしなければならず、資格を所持しているだけで勤勉さをアピールすることもできます。

一方、資格を取得することはメリットにもなりえますが、必ずしも希望の職種への就職につながるわけではないということは覚えておいたほうがよいでしょう。

資格の例

転職時に大きな強みとなる資格の一例としては以下のものがあります。

・日商簿記検定
「日商簿記検定」は経理、事務、財務などの仕事で活かせる資格です。この資格を取得すれば、経理関連の書類を読み取る能力や財務に関する基礎知識が身に付きます。また、資格自体の知名度も高く、評価する企業が多いという点もこの資格の魅力のひとつとなっています。

・宅地建物取引士
国家資格の「宅地建物取引士」は、不動産、金融業界では必要となることが多く、難易度は高いものの、取得すれば年齢やそれまでの職歴に関係なく就職しやすくなる大変魅力的な資格といえます。また、就業できる仕事の幅が広がる点もこの資格の魅力のひとつといえるでしょう。

・TOEIC
「TOEIC」はビジネス英語の能力を評価するテストです。厳密にいうと資格試験ではありませんが、海外展開をしている企業ではこのテストで高得点を獲得した人材を求めることが多くなっています。また、企業によっては採用基準となる点数を発表していることもあり、このことは応募するか否かを決定する際の基準にもなります。TOEICの点数で一般的にアピールができるのは600点以上となっており、英語を扱う仕事の場合は750~800点以上が目安になるといわれています。

・ITパスポート
「ITパスポート」はITの基礎知識が有ることを証明する国家資格です。試験ではAIやIoTといった新技術だけでなく、経営全般にかかわる知識やセキュリティ、ネットワークなどに関する幅広い事柄について問われます。IT業界では人手不足が慢性化している企業も少なくないため、この業界への転職を考える方にとっては非常に魅力的な資格といえるでしょう。

・CCNA
世界共通基準の資格であり、ネットワークエンジニアとしての技能を認定する資格です。この資格には5つのグレードがあり、下から2番目の「アソシエイト」が基本的なスキルが身に付いていることを証明できる一般的なレベルとなっています。この資格の取得を目指せば、ネットワークに関する基礎知識について自分がどの程度理解できているかを測ることができます。

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フリーターから正社員を目指すには、とにかく行動を起こすことが大切!

フリーターには仕事上での責任が少ないといった魅力はあるものの、将来のことを考えれば正社員になることを目指したほうがよいでしょう。正社員になるためには、就職支援サービスや転職エージェント、ハローワークなどをうまく利用し、とにかく自分から行動を起こしてみることが重要です。

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