契約社員とは?正社員との働き方の違いやメリット・デメリット

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企業に社員として働く場合、正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト、パートタイマーなどさまざまな雇用形態があります。なかでも契約社員は、社会保険や有給休暇など正社員と同じ待遇である点もありながら、比較的自由に働き方を選べるため、自分のライフスタイルを大切にしたい人にはおすすめの雇用形態です。今回は、契約社員のメリットやデメリット、契約社員として働く際の心構えなど紹介します。

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契約社員の基礎知識

そもそも契約社員とは、どのような雇用形態なのでしょうか?似ている雇用形態としては派遣社員がありますが、契約社員と派遣社員の違いはどのような点なのでしょうか。また、契約社員に向いている人の特徴を説明します。

契約社員とは?

契約社員とは、アルバイトやパートタイマー、派遣社員などと同じ非正規社員で、雇用期間が定められた労働契約(有期労働契約)を結んで働く社員のことです。契約の期間は、最長で3年までとなっていますが、数か月から1年と短期間であることが多くなっています。(60歳以上または、高度な専門知識を持つ人は最長5年)契約を更新すると、再度契約した期間だけ働けることとなります。

再度契約できるとは言え、会社側に契約の意思があることが前提であり、何年更新していても契約社員には会社から突然更新を拒否されるといった不安がありました。このような問題を背景として、2013年にた労働契約法が改正され、有期労働契約が通算で5年を超えて更新された場合には契約社員からの申し込みによって無期労働契約への切り替えが可能となる制度が作られました

 契約社員と派遣社員との違い

契約社員と派遣社員の違いは、どこと雇用契約を結んでいるかが違います。契約社員の場合は、勤務する企業と直接雇用契約を結びます。一方、派遣社員の場合は、派遣会社と雇用契約を結んで、勤務する企業に派遣されるため、勤め先の企業とは雇用契約がありません。派遣先の企業からは、業務上の指示を受け就業するだけです。

なお、契約社員や派遣社員以外にも、雇用形態の呼び方についてはさまざまなものがあります。準社員は一般的に、正規雇用の社員と非正規雇用の社員の中間的な位置づけとして使われますが、企業によっては契約社員と同じ意味で使われることもあります。同様に臨時社員や期間社員は、アルバイトやパートタイマーを指すことがほとんどですが、こちらも契約社員と同じ意味として使われていることがあります。

 契約社員に向いている人の特徴

社員の雇用形態には、正社員、契約社員、派遣社員などさまざまな働き方がありますが、契約社員に向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。

契約社員は、本人が希望しなければ契約期間が終了するタイミングで別の仕事を始めることができます。1つの職場にしばられずに、比較的自由に働けるのが契約社員のメリットで、幅広い業界や業種で働いて職務経験を積みたいという人にはおすすめです。

契約社員の場合、仕事内容の範囲は決められていて変わることはほとんどありません。正社員と違って、昇進などによる職位や職責の変化がほとんどないことから、責任が重い仕事を任されることが少く、決められた範囲で無理なく働きたい人に向いていると言えます。また、一般的には正社員と同様の労働時間や休日であることが多いですが、最近では自分の都合に合わせて働き方を調整できる会社もあり、育児や趣味など、仕事以外の活動にも時間を割きやすいことから、ワークライフバランスを重視する人も契約社員が向いていると言えます。

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正社員と契約社員の働き方の違い

それでは正社員と契約社員では、働き方や待遇面においてどのような点が違うのでしょうか。また、同じ点はあるのでしょうか。雇用期間や給与や賞与、社会保険、休暇などから比較してみましょう。

正社員と契約社員で異なるポイント

雇用期間

正社員と契約社員で、最も大きく異なる点は雇用期間の定めです。契約社員が、雇用契約書によって雇用される期間が決まっているのに対して、正社員は雇用期間が限定されておらず、自己都合の退職や解雇がなければ、基本的に期間にかかわらず雇用契約が続き働くことができます。一方、契約社員の場合には契約期間の終了前に契約を更新するか、退職するか選択する必要があります。しかし、労働者が契約の更新を希望しても、企業側の都合で更新されない場合もあります。

収入面

正社員の場合には、多くの会社で毎年、定期昇給が行われ年齢や勤続年数によって給料があがります。また、会社の業績次第ではベースアップも行われ、基本給そのものも上がることがあります。しかし、契約社員の場合には、契約を更新する際に給与査定が行われて昇給できる可能性もありますが、契約期間中に昇給となることはありません。

また、契約社員にはいわゆるボーナスと言われる賞与が支給されないことが多く、支給される場合も、一部の賞与が支給の対象外となっていたり、個人の業績が反映されなかったりと正社員と条件が異なる可能性があります。特に業績賞与や決算賞与などは支給されることが少ないようです。さらに福利厚生面のでも正社員とは違っていることもあります。

契約社員は、契約期間が終了した場合は、退職ではなく契約満了の扱いになるため、正社員がある程度の年数を勤務した後、退職した場合に支給される退職金制度が適用されないことがほとんどです。会社によっては退職金に相当する「支援金」が支払われることもありますが、ごく稀なケースです。

 

正社員と契約社員で同じところ

社会保険

会社は、加入条件を満たしていれば、雇用形態を問わずに社会保険をかける義務があります。
そのため、契約社員であっても、健康保険や厚生年金保険、雇用保険、労働災害保険、介護保険(40歳から)に加入することができます。もし加入の条件を満たしているのに、加入されていない場合には違法であるため、その会社はブラック企業である可能性があります。雇用契約書を交わす際には契約内容を確認しましょう。

有給休暇

有給休暇は、法律によって定められた労働者の権利であり、業種や職種、正社員や契約社員、パート社員などに区別なく、一定の条件を満たせばすべての労働者に対して与えられると労働基準法で決められています。

有給休暇は、半年間継続して雇用され、全ての労働日の8割以上を出勤している場合に与えられます。有給休暇の日数は、労働基準法で規定されていて、入社半年経過で10日の有給休暇の付与が会社に義務付けられていて、これは正社員でも契約社員でも同じ条件となっています。

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契約社員になるメリットとデメリット

以上のように、契約社員は、正社員と同じ点もありますが、雇用期間や収入では条件が異なります。では契約社員のメリットとデメリットを具体的に見ていきましょう。

契約社員になるメリット

正社員の場合、昇進や異動、転勤などによって仕事の内容が変わることがあります。しかし、契約社員の場合には、得意な仕事だけを続けることも可能で、仕事を通して専門性の高いスキルが身に付けることができる可能性があります。その身につけたスキルを活かして、条件の良い会社に就職したり、自ら起業するといったことも目指せます。

また、契約社員の場合には転勤や配属先の変更が基本的にないため、当初自分が選んだ希望の条件や勤務地で働くことができます。正社員と比べると比較的自由に働けることもあって、複数の企業と契約してWワークで稼ぐ人や、なかには副業をしている人もいます。正社員と違い残業がなく定時で帰宅できることが多いのも契約社員のメリットです。勤務時間を交渉できる会社もあり、 子どもの送迎のためなどの事情により時短勤務を希望するなども可能です。プライベートな時間を大切にしたい人には正社員より契約社員の方が働きやすいかもしれません。

契約社員になるデメリット

もちろん正社員と比較して契約社員の方がマイナスである点もあります。一番の大きなデメリットは、正社員と違って長期雇用が前提ではないため、不安定な雇用形態であることでしょう。契約期間の終了後、契約更新が行われないこともあり、その場合には新しい求人を探すことが必要となります。

また、基本的に短期間の雇用を前提としてるため、契約社員には教育コストをかけない方針の企業が多くあります。昇給や役職へのステップアップが望めないのはもちろん、比較的単純な業務を任されることが多いことから、キャリアアップもなかなか期待できないといったデメリットもあります。

正社員と比較すると、年収の低さだけでなく、契約期間が終了して契約更新が行われない場合もあるといったことからも、社会的信用が低い傾向にあります。そのため住宅ローンのような高額であったり長期のローンの審査に通るのは難しいようです。

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契約社員として働くときの心得

これまで契約社員のメリットやデメリットを解説してきましたが、では契約社員として働くことを選んだ際には、どのような心構えが必要なのでしょうか。

即戦力として活躍できるスキルを身に付けておく

契約社員は、雇用期間が比較的短期であるため、教育や研修に時間やコストをかけない企業が多くあります。そのため、契約社員には即戦力としての能力を求められることが多いようです。契約社員としての転職活動では、職務経験やスキルが重視されるので、基本的なパソコンの操作やコミュニケーションスキル、ビジネスマナーなど、転職を意識し、幅広い職場で通用するスキルを身に付けておくと良いでしょう。

正社員登用制度に期待しすぎない

正社員登用制度とは、契約社員やパートなどの雇用形態で採用した従業員を、正社員として登用する制度のことです。しかし、一般的に、契約社員から正社員になれるケースは多くはなく、制度があっても正社員になれるとは限りません。実際に制度がありながらも登用した実績がない企業もあります。

契約期間の終了で、企業の都合により更新されない場合も考えて、転職活動で出遅れないよう、準備をしておくと安心です。契約社員には先述の通りメリットもありますが、契約社員として働き続けるのが難しい場合や、キャリアアップやキャリアチェンジを目指すなら正社員へ転職するのも一つの手段です。

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自分のライフスタイルに合わせた雇用形態で働こう

近年、働き方が多様化して、何を重視するかでさまざまな雇用形態のなかから選ぶことができます。今回は、契約社員の働き方について解説しました。ご紹介した通り、契約社員には正社員と比較してメリットもデメリットもあります。自分のライフプランに合わせた働き方を選びましょう。

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