大学中退の理由は何がある?面接や履歴書で説明するときのポイント

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大学に入学したのち、何かしらの事情によって中退する人もいるでしょう。それぞれに事情を抱えてのことでしょうが、大学中退で就職活動をするうえで、その理由が大きく関連します。というのも、ほとんどの場合履歴書や面接など、各種選考段階で記載・回答が必要になるためです。

今回は、大学中退の理由にはどういったものがあるのか、さらに履歴書や面接でその理由を説明するにはどういったポイントに注意すべきなのか、ご紹介していきます。

≫中退は就職に不利?履歴書や面接で減点されない方法とおすすめの職種

大学中退の主な理由

大学を中退せざるを得なくなった理由には、各個人の生活事情によってさまざまなものがあります。なかには、本人の希望ではなく中退することになったというケースもあるでしょう。

文部科学省が2014年に発表したデータによれば、2012年度における中途退学者の総数は、回答のあった全学生数(中途退学者、休学者を含む)2,991,573 人のうち、79,311 人で全体の2.65%とのことでした。前回2007年度の調査では2.41%であり、0.24ポイント上昇したことになります。

(参考:ここでは、大学中退の理由として挙げられる主な理由について見ていきましょう。

経済的な理由

上記の文部科学省がまとめたデータによれば、経済的な理由で中退したと回答した人は全体の20.4%と、最も高い割合を示しています。ちなみに2007年度では14.0%であり、およそ1.5倍にも増えたことがわかります。

経済的な理由とは、たとえば両親含めた家族の病気やけが、失業などによって学費が支払えない状況になってしまったことが考えられます。なかには、奨学金制度や授業料減免があったとしても金額が足らず、中退してしまうことも。また奨学金制度を活用しているものの、将来的に返済できるか不安となり、中退してしまう人もいます。

本人の学ぶ意欲とは裏腹に、総じて周りの環境によって中退を選ぶケースが多いといえるでしょう。

転学や就職

同じく先述のデータより、転学を理由とした人は15.4%、就職を理由とした人は13.4%おり、合わせると中退者のうち28.8%が転学・就職をしたことになります。この理由は、現在の学業に対する意欲以上に「やりたいこと」ができた人が選択する理由のひとつです。

転学の場合、現在の学部・学科とは異なる分野に関心が芽生え、新たに学びたい大学へ移ることです。一度入学した大学を転学するにはかなりのエネルギーが必要であり、またこれまでに築いてきた学内の人間関係も新たに構築する必要があります。

就職の場合では、たとえば学生のうちに起業し、さらなる飛躍を目指して中退したいという人もいるでしょう。なかには企業のために中退する人もいます。目標とする職業に対して早くチャレンジしたい思いが募り、一念発起で中退し、仕事に就く人もいます。

学業不振

同じく先述のデータで学業不振と回答した人は14.5%であり、経済的理由・転学の次に高い割合を示しています。2007年度では12.7%だったのが、やや高くなっています。

このケースでは、自分の能力よりもやや高い大学に入学できたものの、授業についていくことができずに中退してしまうという人もいるでしょう。また、アルバイトやサークル活動に力を注ぎ過ぎ、学業がおろそかになって単位が取得できず中退に至ってしまうというケースもあります。

そもそも高校と大学とは、授業の時間・内容・カリキュラム・学校生活など、さまざまな観点で大きく異なるものです。大学ではより専門的な分野にスポットを当てて学んでいくため、そのギャップに対応できないということも考えられます。

こうしたギャップに関する問題については、政府が大学に新入生対象の総合的教育プログラムを推進していることもあり、徐々に割合が少なくなっていく可能性もあるでしょう。

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大学中退の理由を伝える方法とタイミング

大学中退にはさまざまな理由があります。ただ、それぞれに正当な理由があったとしても、就職活動において中退理由を伝える方法とタイミングは、その後の採用・不採用にも関わる非常に重要なポイントです。ここでは、大学中退の理由を伝える方法およびタイミングについてご紹介します。

履歴書に記載する

まずどの企業に応募したとしても、書類選考では履歴書提出が必須といえます。履歴書には学歴を記入する欄がありますが、ここで中退についてきちんと記載しておく必要があります。ただし注意したいのは、あくまで学歴欄は事実のみを記載することが一般的です。つまり中退理由については記載しなくても構いません。

たとえば、以下のような書き方が一例です。

「○年○月 ○○大学 ○○学部 ○○学科 中途退学」

もしくは、末尾に「一身上の都合により中途退学」と記載しましょう。ただし、やむを得ない事情で中退している場合、あらかじめ学歴欄に理由を記載しておくとイメージダウンを防げる可能性があります。たとえば「経済的な事情」「家庭の事情」などです。

このように履歴書に理由を記載しても、面接で説明を求められることが多いです。そのためにも事前に回答を用意しておくことが望ましいでしょう。

面接で自己紹介のときに話す

面接では、まず簡単に自己紹介からはじまるケースが多いです。冒頭で簡単に自己紹介するなかで、大学中退の理由について触れてもいいでしょう。中退の理由については、本人から触れなくても面接中に聞かれるのは確実です。自ら回答しておくと気持ちも楽になり、面接に集中できます。

また、面接の早い段階で企業側の懸念を払しょくしておけば、残りの面接時間を自己アピールに使うことができます。積極的に面接で自分の魅力を表現するためにも、はじめに話しておくほうがより前向きな印象を与えられるでしょう。

面接官から質問されたときに話す

たとえ自己紹介のなかで中退理由について軽く触れたとしても、面接のなかで面接官からより深く質問を受ける可能性もあります。この場合では、経済的な理由などではなく、転職や就職など、より深く理由を聞かないと判断が難しいというケースが考えられます。

面接では面接官の質問に対し、履歴書などの書類や自己紹介よりもさらに深掘りした中退理由を説明することが求められるでしょう。「なぜ?」の質問回答に対してさらに「なぜ?」と念入りに聞かれる可能性も十分にあります。

≫大学中退者の履歴書の書き方|選考に影響を与えないためのポイント

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面接で大学中退の理由を説明する際のポイント

大学中退の理由は、面接の場面でより深く説明が必要になるでしょう。面接対策として、あらかじめさまざまな質問パターンを考え、しっかりとまとめておく必要があります。ここでは、面接で大学中退の理由を説明する際に押さえておきたいポイントについてまとめました。

やむを得ない事情がある場合は明確に伝える

やむを得ない事情、たとえば家庭の経済的理由など、自分に非がない中退理由の場合は面接での評価を下げる可能性は少ないです。嘘はつかず、正直に明確な理由を述べるといいでしょう。嘘をつけば学歴詐称にもなり、大問題となってしまいます。

「中退」というと何となく不利になる気がして、前向きに説明しにくい事情もあるかもしれません。しかし、就活では本人のやる気や意欲、人柄など人物像も非常に重要な要素です。自分自身の考えや行動などに影響しない理由であれば、企業側や採用担当者もさほど気にしない可能性が高いです。

ポジティブな姿勢をアピールする

必ず「ポジティブ」な姿勢を忘れずに自らをアピールすることです。「中退=ネガティブ」というイメージを持っているのは、実は当事者である本人というケースは多いもの。その感情を払しょくするためにも、自らが殻を破りポジティブ姿勢を貫くことが大切です。

たとえば学業についていけず中退した、就職したくて中退したけれどうまくいかなかったなど、ややネガティブな理由の人もいるでしょう。しかし、中退後には相応の努力を重ねたこと、現在は前向きに働く意思があることをアピールしてください。

大学中退後にフリーターなど空白期間があった人の場合も、その期間を無駄にせず、資格の勉強やアルバイト経験など、自分が努力したことを強みとしてアピール材料に変えましょう。さらにその経験を重ねるなかで意識の変化があり、志望動機に紐づいていることが望ましいです。

【先輩たちの声】

山田春樹さん 職種:エンジニア

 

今回の転職のきっかけはなんですか?

高校卒業後、大学に進学したものの経済的な理由で中退してしましました。その後はアルバイトで3年間本屋さんでの販売員を経験しました。25歳という年齢で、正社員勤務をしたいと考えて転職を決意しました。

 

キャリアスタートの良いところを教えてください!

とにかくレスポンスが早かったです!煩わしい連絡は一度もなく、必要な時しか連絡がなかったのもよかったです。そして、面接対策をしてくれるところが本当によかったです!1回だけじゃなくて、自分が納得いくまで何度も付き合ってくれました!

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面接での大学中退理由の回答例

大学中退理由について、どうやって回答するといいか言葉が浮かばず、頭を悩ませている人もいることでしょう。ここでは、それぞれの事情に合わせた回答例をご紹介していきます。参考にしつつ、自分の言葉も盛り込みながら理由を説明できるよう準備してみましょう。

やむを得ない事情で中退した場合

自分の本意ではなく、やむを得ない事情で中退した場合には、中退を避けられなかった事情、できるなら卒業したかった気持ちを伝えましょう。現在就職に向けて、努力していることがあればその点にも説明するようにします。

全体的にネガティブな話題になりがちなため、最終的にはポジティブな印象で締められるよう心がけることがポイントです。

 

回答例の例文

「父が病気で退職・療養が必要となり、学費に充てるお金が足らず中退しました。これまでの親への感謝を含め、年下の兄弟のためにも地に足をつけて働き、御社に貢献したいと考えております。」

学業の問題で中退した場合

学業不振などの問題で中退した場合には、その背景について自ら反省すべき点について伝えるといいでしょう。中退後、反省を踏まえて努力していたことがあれば説明することも重要です。仕事においても「自省心」があることで、失敗を糧に成功をつかみ取るチャンスが生まれます。

また、学業不振で中退となると「粘り強さ」に欠けると判断される可能性もあります。入社後に働き続ける意思があることも、しっかりアピールするといいでしょう。

 

回答例の例文

「私は安易な気持ちで○○学部を選びましたが、英語のスキルが必要な科目が多く、大学の授業についていけなくなり中退してしまいました。この原因には私の事前準備・リサーチ不足が大きく影響していると考えております。

今回就職活動をするにあたり、自分自身の適性と企業の方針や考え方・事業内容などをしっかりとリサーチし、御社の□□職に応募いたしました。」

やりたいことのために中退した場合

自分がやりたいことがあって中退した場合、やりたいことを実現するために避けられなかった背景を説明しましょう。さらに、中退後の取り組みについても伝えることが重要。応募する企業がやりたいことに通ずる場合、中退理由を志望動機に結びつけられるといいでしょう。企業側から「求める人材」として評価される可能性もあります。

 

回答例の例文

「文学部に入学しましたが、入学後にプログラミングに興味を持ち、独学でプログラミング言語などを学んでいました。しかしもっと深く学びたい気持ちが抑えられず、退学して専門スクールに通い、Webサイト制作にまつわるスキルを養いました。このスキルを活かし、御社に貢献できればと考えております。」

≫大学中退後のキャリアを築くには?主な進路と就職を成功に導くコツ

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大学中退でも理由の説明方法やタイミングによってスムーズに採用されることも

大学中退者は、毎年一定数存在します。そのなかでも自分の能力をうまくアピールし、希望の就職先から採用された人はいるのです。途中で退学したとしても、その退学理由を説明する方法やタイミングによっては、面接官にポジティブな印象を与える可能性もあります。

実際に面接選考に入る前に、自らの大学中退理由について明確にまとめておきましょう。ポジティブなイメージで回答すること、仕事へのやる気やスキルをアピールすることで、自分にマッチする企業に採用される可能性は高まるはずです。

 

【先輩たちの声】

末松沙理さん 職種:エンジニア

 

エージェントを利用したきっかけは何でしたか?

大学を中退し、就職活動を経験した事がなくて、

一人でも上手くいかず不安でしたので、エージェントを利用してみようかなと思いました!

 

キャリアスタートの良かった点、もっとこうして欲しかった点を教えてください!

最初のお電話で「大丈夫!」と言われ、頼れると思い選びました!

 

内定企業へ就業を決めた要因は何でしたか?

HPで社内のブログを観て、社員の距離感が近いと思ったのと、

自分の知っている会社の子会社でもあり、インフラエンジニアになれると思い決めました。

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