大学中退者の履歴書の書き方|選考に影響を与えないためのポイント

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高校・専門学校・大学など学校を卒業・修了する前に辞めることを「中途退学」(中退)といい、何となく悪いことのような印象があったり、人生においてもアクシデント的な扱いをされがちです。我慢することや諦めず耐え続けることが美しいという感性を持つ日本人は、尚更そういった感想を持ちやすいのかもしれません。しかしながら、健康上の都合や家庭の経済的理由・いじめ等人間関係で悩んだ結果などやむを得ないものから、別の夢を追いたい・新しい勉強がしたいといった前向きなものまで、中退の道を選ぶ理由は人それぞれであり、一方的に悪いと決めつけるのは余りに浅慮でしょう。では「中退」という一見マイナスなキャリアは、就活でどのように会社にアピールしていけばいいのか、その具体的な方法を見ていきます。

≫大学中退の理由は何がある?面接や履歴書で説明するときのポイント

大学中退を履歴書に書くべき理由

就活で一番やってはいけないこと、それが「中退の事実を隠すこと」です。特に履歴書はありのままの事実を伝えることが大切であり、誤魔化せばあなた自身も様々な不利益を被る可能性が高まります。中退の事実を明記すべき理由は主に以下の3点。

学歴詐称になるおそれがあるため

履歴書とは、あなたの来歴を記載する公的な文書です。ゆえに「面接官に良い印象を持たれないかも」「書類選考で落とされたくない」といった理由で、中退に限らず事実ではない情報を提出することは学歴詐称に繋がります。つまり、入学・卒業・退学の事実は正しく記載する必要があるということで、中退したのに「卒業」と書く・入学した学校を未記載にするといったことは、嘘になるので当然おすすめできません。また採用後に詐称があるとバレてしまうと、最悪内定取り消しや懲戒解雇になる可能性があります。もちろん、少し盛って書いてしまった程度で即解雇とはなりませんが、業務上必要になる資格や学歴職歴に大きな相違があるなど、合否の決定に深く関係している重大な内容であれば十分あり得る話です。自身のイメージアップのためにやったことが最悪のシナリオに繋がる、そうならないよう履歴書には正しい情報をしっかりと書き、誠実な対応を心がけましょう。

就職前の空白期間が長くなるため

大学中退の事実を隠し「高校卒業」を最終学歴として履歴書を書いた場合、大学に籍を置いていた期間が空白となってしまうため、書類選考が通りづらかったり、卒業してから今に至るまで何をしていたのかといった質問をされる確率が非常に高まります。前提として空白期間、いわゆるブランクをネガティブに捉える企業が未だ少なくないのも事実です。中退というマイナスポイントを隠すための嘘で、奇しくも出来てしまった空白の期間が逆に足かせになるなんて本末転倒だとは思いませんか?また、最初は上手く誤魔化したとしても、今後長く働いていく上で口を滑らせてしまったり、辻褄が合わなくなる危険もあるので、やはり中退を隠すのはリスクが高い行為と言えます。

就職で不利になるとは限らないため

そもそも中退を正直に伝えても、必ず不利になるわけではありません。採用担当者と一口に言っても色々な考え方をする人がいるので、「大学に入学したという事実」を評価してくれたり、また学歴そのものを重要視せず、人柄やアルバイトの経験など現況を優先的に見て採用に至る場合もあります。高校中退から高卒認定試験合格後に大学を退学した場合は中卒扱いですが、通常の大学・専門学校中退は高卒として扱われるので、スタートラインとしては決して悪くはありません。また、冒頭でも触れた通り中退理由がポジティブなものであれば、それを武器に「次のステップへ進んだから」「スキルを活かしたい」「社会人として働く意欲がある」ということを堂々と伝えられれば、好印象を抱かれる可能性も十分あります。つまり書類選考でも面接でも、引け目に感じず「どういう形で伝えればより良いか」を前向きに追求していけば、必ずしも不利になるとは限らないでしょう。

≫履歴書に「中退」と書くのは不利?理由はどう書けばいい?

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大学中退者の履歴書の書き方

大学中退者はどのように履歴書を書くべきか、そのコツや抑えるべきポイントをお教えします。こちらを参照しながら、あなたにとってベストな履歴書を完成させるための一助にして下さいね。

学歴欄の書き方

厳密には中途退学=学歴ではありませんが、履歴書においては「学歴欄」に記載する形になります。具体的な記入例を見ていきましょう。

 

<大学中退の記入例>

○年○月 □□高等学校 普通科 卒業

○年○月 □□大学 文学部 人文学科 入学

○年○月 □□大学 文学部 人文学科 中途退学

 

→ポイントとしては…

①短大・大学は専攻学部まで記載する

②中退した年月→学校→学部→学科の順で記載した上で、最後に「中途退学」と書く 

③「中退」は略称であるため、履歴書には「中途退学」と記載する

 

→中退理由を明記する場合は、「中途退学」の後もしくは改行後に簡潔に記載します。

<中退理由の記入例>

○年○月 □□大学 文学部 人文学科 中途退学

海外留学で実践的な英語の習得をするため退学

中退予定の書き方

「中退予定」の場合ですが、まず結論として履歴書への記載は必須ではありません。現状在学中であれば「在学中」と書いても詐称にはあたらないものの、就業開始時期の決定にも大きく関わってくるので、実際は正直に記載しておいた方が安全でしょう。また会社側からの信頼に影響する可能性もあるので、どんな理由にせよ申告しておけば無用なトラブルが避けられます。

 

<中途退学予定の記入例>

○年○月 □□大学 文学部 人文学科 中途退学予定

中退理由の書き方

履歴書において、中退「理由」についての記載は必須ではありませんが、その内容によって書き方を変えるべきでしょう。まず「単位を落とした」「人間関係がうまくいかなかった」などネガティブな理由の場合ですが、もしもアルバイトやボランティアなど学業以外に取り組んでいたならその活動に専念していた、と前向きな理由にまとめるのも効果的です。しかし、どうしてもプラスになるような言い方が思いつかない場合は、理由は明記せず「一身上の都合により中途退学」と記載しておくのがベターです。また、「親の介護」「授業料が払えなくなった」など家庭や経済的な事情、病気やケガといったやむを得ない理由の場合はそのまま履歴書に明記して下さい。学ぶ意思があり努力してきたことが伝われば会社側も納得しやすく、また健康上の理由であれば、現在は完治し就業に問題がない点を併記するのも良いアピールになるでしょう。

 

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大学中退の事実を挽回するためのポイント

「中途退学」という言葉に否が応にも付きまとうマイナスなイメージ。履歴書に正直に書いてよいものかと不安になる方も多いと思いますが、そこに至るまでに様々な人生や事情があることを、人事担当者は理解しながら選考にあたっています。だからこそ、中退の事実を如何な伝え方で挽回するかが重要です。

中退の経験を経て成長したことをアピールする

どんな事情にせよ中退経験が成長に繋がった、というポジティブな繋げ方が出来れば非常に効果的です。「新しい夢ができた」「海外に留学したい」といった理由であれば、それを経て結果的に自分自身どのようにスキルアップできたのか、または中退したことで業界や職種への興味に繋がったのであれば自信を持ってアピールして下さい。もし反省点や学んだことがあれば、失敗を認めた上で現在このように考えている、今後はこうしたいなど前向きに伝えられれば、素直で吸収が早く伸びしろがある人という印象を与えることができるかもしれません。「中退は自分の人生に必要な糧だった」ということを、前向きかつ真摯に説明しましょう。

現在までの努力や行動を話題の中心にする

大学中退という事実を悔いても、過去を変えることはできません。では、今まで何を努力しどんな行動を起こしてきたのかを話題の中心にすることで、自身をより良く見せることができます。例えば中退後に再度学ぶ意思を固め、「大学入学資格検定」に挑戦し同等の学力を得たり、アルバイトに注力してリーダーになるなど努力の軌跡を見せられれば、逆境に立ち向かう姿勢を印象づけられます。中退理由は必ず面接で聞かれるポイントですが、社会人の姿勢として問題がないことや積極的に行動していることが伝われば、マイナスの評価を受けることはないでしょう。

 

【先輩たちの声】

山田春樹さん 職種:エンジニア

今回の転職のきっかけはなんですか?

高校卒業後、大学に進学したものの経済的な理由で中退してしましました。その後はアルバイトで3年間本屋さんでの販売員を経験しました。25歳という年齢で、正社員勤務をしたいと考えて転職を決意しました。

キャリアスタートの良いところを教えてください!

とにかくレスポンスが早かったです!煩わしい連絡は一度もなく、必要な時しか連絡がなかったのもよかったです。そして、面接対策をしてくれるところが本当によかったです!1回だけじゃなくて、自分が納得いくまで何度も付き合ってくれました!

>山田春樹さんの詳しい体験談はこちら

≫大学中退者が就職するには?就活に必要な心構えとおすすめの職種

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中退の過去を重く考え過ぎず、自信を持ってチャレンジしよう!

平成26年に文部科学省が行った「学生の中途退学や休学等の状況について」の調査によると、全学生数299万1,573人の内、大学中退者の数は1年間に7万9,311人。高校の5万3,403人も合わせれば、年間で約13万人超の学生が中退という道を選んでいることになります。数字で見ると中退を経験している人は決して少なくありませんし、社会で大いに活躍している人もたくさんいます。

求人においては学歴を一つの選考材料にしている節はありますが、あくまで企業側が求めているのは「実際の仕事を通して会社に貢献をしてくれる人材」。中退経験があっても、理由やその後の行動・目標を明確に答えられれば、履歴書や職務経歴書だけでなく人柄や可能性も鑑みてもらえるでしょう。ネガティブな考えに囚われず、あなた自身をしっかりアピールできれば不利になることはありません。また、「中退理由をうまく伝えられる自信がない」「就活に不安がある」なんて方は、プロである転職エージェントに相談する方法もあります。履歴書の書き方や面接攻略など基本から、あなたに合った求人の紹介~採用に導いてくれるだけでなく、フリーター・第二新卒・既卒まで様々な層のサポートに特化している「キャリアスタート」は大学中退者のバックアップも積極的に行っています。このように助けとなる存在も無数にあるので、中退という事実を重く考えず、自信を持ってどんどんチャレンジしていって下さいね!

 

【出典】文部科学省「 学生の中途退学や休学等の状況について -2014年(平成26年)-」

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/10/__icsFiles/afieldfile/2014/10/08/1352425_01.pdf

 

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